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2019/10/25 18:00

 

白波多カミンの『引き出しからこんにちは』第11回

 

第11回「住むのはいろいろたいへんだけど、すこし味わえるのが旅行の醍醐味」

この間、旅行でベトナムに行ってきた。海外へ行くのは好きだ。一時的に日本語を話さない生活になり、その国の”感じ”に合わせて暮らすのは楽しい。

まず、ベトナムのハノイに着いて、街のたくさんの原付バイクにおどろく。ヘルメットをかぶってないひと多い。家族3人で一台に乗ってたり、ドレッシーな女の人がサングラスをかけて乗ってたりした。赤信号とか関係ないし、青になるまで待っていても渡れないので、じりじりとゆっくり渡ると、バイクはわたしを避けて走って行く。それが”ふつう”みたいだ。クラクションの音は止まない。ノイジーな街だなあと思ったけど、慣れてくると、なんとなくリラックスしている感じ。おおらかな印象を受けた。クラクションの音もイライラしてるわけでなく、「通りますよ〜」ってくらいのノリに聞こえた。

ちょうど日曜日に着いたので夜になると、歩行者天国になっていた。

路上でみんなが遊んでいる…!と驚いた。子供は竹でできた積み木みたいなのをしてたり、高校生はダンスを披露してたり、少年少女は流行っている歌謡曲をみんなで大合唱していたり、大人は社交ダンスしていたりした。すごく自由な、多幸感の溢れる時間が流れていた。見ているだけでなぜか泣けて、あぁ、いいなあと思った。

次の日はニンビンという場所にバスとタクシーを乗り継いで行った。とにかく景色がすごい。かっこいい。最高。語彙力を失うほどなので写真をあげます。写真でも伝わらないかも。。

宿泊したのは、水の上にある小屋のようなところだった。360°音が聞こえる。虫の声、魚が跳ねる音、風の音。せせらぎ。ヘッドホンで聴いているみたいだと思った。無意識にL、Rどの辺りに音を配置すればこのいま聞こえている音が再現できるのか、などと本末転倒なことを考えてしまった。

自転車で遺跡を見に行った。自転車がだいすきなので、テンションが上がった。遺跡が遠くて泣きそうになったけど、景色がずっとすごいので、どうでもよくなってしまったりした。

自然には敵わないって感じを味わうのが自分には大切だと思っている。きちんと真摯に味わいたい感情だ。

帰り際、小屋を運営してる家族のお子さんがハンモックで哺乳瓶を持ちながら寝てた。この女の子はよく遊んでくれた。まだ言葉を話せない子どもは言葉を使わないコミュニケーションができるのが面白い。

言葉が全然通じない場合、大人でもそう変わらないのだけど。

というか、言葉が通じたとしても、言葉以外でのコミュニケーションもあるよなぁと、最終的にコミュニケーションについて考えたりした旅だった。

文:白波多カミン

※次回掲載は11月8日(金)

白波多カミン オフィシャル・ウェブサイト
http://shirahatakamin.com/


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