
J-WAVEの都市フェス〈J-WAVE presents INSPIRE TOKYO 2023〉が7月15日〜17日に国立代々木競技場第一体育館と渋谷サテライト会場で開催。
各アーティストのステージは約60分のロングセット。SHISHAMO、Nulbarich、Def Tech、のん、Coccoの全5組が出演した初日のオフィシャルレポートが到着した。イベント(7/15&7/16)の模様はJ-WAVEで8月10日(木)19時から放送される。
【以下、オフィシャルレポート】
3日間のトップバッターを飾るのは、CDデビュー10周年イヤーを駆け抜けているスリーピースロックバンド・SHISHAMO。冒頭から激しいドラミングと鋭いギタープレイが特徴的な代表曲「恋する」でライブの口火を切ると、大きな手拍子が自然発生し、会場はすぐにSHISHAMO色に一色に染まる。疾走感溢れるバンドアンサンブルで観客を魅了すると、「今、こうやってMCで正気を保って話せるのは、J-WAVEのおかげです」と宮崎朝子(Gt.Vo)が口にする。高校生の頃から応援し続けてくれているというJ-WAVEに感謝を述べると、そこからは彼女たちのベスト盤のようなセットリストとともに会場の雰囲気を掌握。先日、リリースしたばかりの「夏恋注意報」からSHISHAMOのアンセムである「君と夏フェス」の流れでこの日一番の盛り上がりを見せると、ファンはリズムに合わせて手拍子を続け、それにつられるように会場にも大きなハンドクラップが起こった。終始、爽やかなギターロックで会場を彩った彼女たち。観る人全てをぎゅっと包み込むようなパフォーマンスでトップバッターの役目を見事に果たした。


SET LIST
M1 恋する
M2 君の目も鼻も口も顎も眉も寝ても覚めても超素敵!!!
M3 君の大事にしてるもの
M4 ハッピーエンド
M5 熱帯夜
M6 夏の恋人
M7 夏恋注意報
M8 君と夏フェス
M9 明日も
M10 明日はない
これから起こる事象のプロローグとも捉えることができる「Get Ready」のイントロが流れ始めると颯爽とステージに登場するNulbarich。彼らの奏でるサウンドで会場は地響きにも似た振動が沸き起こる。「調子どう? INSPIRE TOKYO!」と楽しそうに問いかけるJQ。今回のライブはオーディエンスはもちろんだが、Nulbarichのメンバーがいちばん音楽を楽しんでいるようにも思え、重厚かつ芳醇なアンサンブルで我々を魅了していく。J-WAVEにお世話になり始めた頃の曲と披露した「NEW ERA」は原曲とは異なる極上のアレンジが加えられ、会場を広く使い、語りかけるように歌唱した。オーディエンス参加型の「Break Free」では鳴り止まないクラップと〈Uh Uh Uh Uh〉の大合唱。洗練されたサウンドが多幸感に導く「A Roller Skating Tour」など、Nulbarichは我々の心を一度も離すことなく最後の最後までオーディエンスの笑顔にしていた。JQはライブ中、「世の中にある全ては僕たちがここに集まるためにある」と口にした。本当にその通りだと思う。我々は、あんな未曾有な経験をしたんだ、これからは楽しまないともったいない。「STEP IT」の最後で会場にいるほぼ全員がジャンプしたあの光景は、今年のINSPIRE TOKYOの名場面のひとつに刻まれることだろう。


SET LIST
M1 Get Ready
M2 It's Who We Are
M3 Reach Out
M4 NEW ERA
M5 Break Free
M6 It's All For Us
M7 TOKYO
M8 A Roller Skating Tour
M9 STEP IT
ネクストアーティストのアナウンスが発表されると、場内は大きな歓声に包まれた。心地よいアンビエントサウンドの中、静かに登場するDef Techのふたりは向き合いながらライブのスタートの瞬間を待つ。圧巻のDJスクラッチが場内に鳴り響くと、「Clap!(手拍子して!)」とオーディエンスを煽るMicro。1曲目の「A-1」から会場のボルテージは最高潮。矢継ぎ早に次々と曲を披露していくDef Tech。ふたりの織りなすハーモニーにプラスされるのは洗練されたDJと、脇を支えるギターサウンド。奥行きのある音像で我々オーディエンスに、音のシャワーを浴びせてくる。「Gone Surfin'」ではタオルをこれでもかと回しながら盛り上がるオーディエンス。Microのコミカルかつセクシーなダンスも相まって、会場はさらに熱を帯びる。「3.5kgは痩せて帰りましょう」と始まった「KONOMAMA」では、全員で大ジャンプ。海の日にリリースが決定している「Automatic」を丁寧に歌い上げ、Def Techのアンセムである「My Way」へ。Shenの圧巻のラップ、求心力のあるMicroの透き通った声でラスト3曲を走り抜け、最後の最後まで力強くも心地よいサウンドとハーモニーの余韻が会場全体に漂っていた。


SET LIST
M1 A-1
M2 Jah Live
M3 Emergency
M4 High on Life
M5 Gone Surfin’
M6 KONOMAMA
M7 Automatic
M8 My Way
M9 Catch The Wave
M10 Best Days
M11 Bolero
つい先日、自身の肩書きを「俳優・アーティスト」に改めた、のん。今日ステージの上に立っていたのは紛れもなくアーティストとして確固たる自信を秘めた、彼女の姿だった。「ノリのいい曲を持ってきたから、楽しんでいこう。みんな私のことも最高にしてくれ!」と極上のロックサウンドを響かせ、新曲『Beautiful Stars』とともに会場の色をのん色に昇華していく。ライブの合間にオーディエンスに「可愛い」と言われて、照れ臭そうに笑う彼女の姿にはキュンとしつつ、彼女の奏でる音楽を純粋に楽しむことができる洗練されたライブ。キリンジ・堀込泰行が作詞作曲した名曲「エイリアンズ」のカバーは丁寧にリスペクトを感じさせる歌唱とともに、完全にのんの「エイリアンズ」がそこには流れていた。いやそれだけではない、この日彼女が披露した全ての曲でロックに対するリスペクトを感じた。きっと彼女の中にはロックの血が流れている。パフォーマンスの一挙手一投足を見れば分かる、のんは完全なアーティストなのである。「めちゃくちゃ楽しかった!」と笑顔で元気に言い放ち、最後の「この日々よ歌になれ」まで全12曲、のんが提示するロックンロールで会場を掌握していた。


SET LIST
M1 Beautiful Stars
M2 僕は君の太陽
M3 ナマイキにスカート
M4 薄っぺらいな
M5 こっちを見てる
M6 エイリアンズ
M7 荒野に立つ
M8 タイムマシンにおねがい
M9 やまないガール
M10 夢が傷むから(Inspired by 東京百景)
M11 わたしは部屋充
M12 この日々よ歌になれ
ステージに中心に鎮座するCoccoの姿は黒ドレスを身にまとい、妖艶な雰囲気を醸し出している。「強く儚い者たち」からスタートした初日最後のステージは、冒頭から神々しい彼女の姿と極上のバンドサウンドに陶酔することが決まっていたように思う。我々に訴えかけるよう、体全体を揺らし、手を舞わせながら歌唱するCocco。そのパフォーマンスを助長させるスキルフルな楽器隊。前に出演した4組が温めてきた雰囲気を彼女は一気に掻っ攫っていく。「樹海の糸」へと続き、このままミステリアスな様相を呈するのかと思いきや、ハッピ隊が登場して可愛らしいダンスを披露する「クジラのステージ」へ。「1、2、3、GO!」の掛け声でオーディエンスもともにジャンプ。衣装の早着替えでは可愛らしいピンクの衣装に早変わり。「誰一人知らないところで歌うと思ってた」と打ち明けた彼女だけれど、会場はすでにCoccoが織りなす音楽の虜だ。儚さを感じる「Raining」、迫力の「花柄」など選曲もさまざまに、Coccoならではのパフォーマンスで魅せていく。最後はお茶目に「元気に行ってみよう!」と掛け声。新曲の「ファンタジー」を演奏し、会場は幸福のクラップに包まれる。Coccoの歌声とそれを支える確かなサウンドの妙で会場はオーディエンスの歓声と笑顔に包まれ、初日は幕を閉じた。


SET LIST
M1 強く儚い者たち
M2 樹海の糸
M3 クジラのステージ
M4 焼け野が原
M5 お望み通り
M6 Raining
M7 花柄
M8 BEAUTIFUL DAYS
M9 音速パンチ
M10 ファンタジー
J-WAVE SPECIAL INSPIRE TOKYO~AFTER THE FESTIVAL~
放送日時: 2023年8月10日(木)19:00~21:55
ナビゲーター:藤田琢己
〈J-WAVE presents INSPIRE TOKYO 2023〉
開催日時:2023年7月15日(土)、7月16日(日)
開場/開演:OPEN 13:00 / START 14:00
会場:国立代々木競技場 第一体育館
出演者:
7月15日(土):Superfly、Nulbarich、SHISHAMO、Cocco、のん
7月16日(日):今市隆二、YUKI、Perfume、いきものがかり、iri
HP
https://www.j-wave.co.jp/special/inspire2023/