Helsinki Lambda Clubのフロントマン・橋本薫が、初のソロ作品『日記』をリリースした。今作には、生活の細やかな描写を紡“生活の報告”や、“Setagaya”や“茗荷谷”といった橋本自身が特別な想いを抱く土地に結びついた楽曲を収録。never young beachの巽啓伍をプロデューサーに迎え、リラックスした雰囲気で制作は進められたという今作。そのムードは作品全体に滲み出ている。 ...…
"REVIEWS"は「ココに来ればなにかしらおもしろい新譜に出会える」をコンセプトに、さまざまな書き手がここ数ヶ月の新譜からエッセンシャルな9枚を選びレヴューするコーナー。そういえば……ということで前回から隔月でOTOTOY編集部が主に国内のインディ・ポップ〜ロックの分野でのビビッときた作品をレヴューします。日々、大量の音源や頻繁なライブにも接しているOTOTOY編集部のスタッフが「これは聴くべき」という作品たちです。今回ちょっと遅くなりましたが7、8月のリリースからピックアップ。...…
日々の生活のなかには、ただそこに音があるだけで救われる瞬間がある。阿部芙蓉美とゆうらん船の音楽は、まさにそんなときに鳴っている音楽だ。バンドとソロ、世代の違いはあれど、どちらも人間のままならなさを捉え、その感覚を音に潜ませ、漂わせたまま手から放つ。そこには音楽に対する希望や祈りが含まれているように感じる。今回、〈SHIBUYA SOUND REVERS2025〉での共演を果たす、阿部とゆうらん船の内村イタルのふたりを招き、対談を行った。お互いの楽曲に抱くイメージや制作において心がけていること、そして音楽と…
2022年3月2日、kurayamisakaの物語はTwitter(X)のあの投稿から始まった。テキストもなく、動画だけがアップロードされたそのポストは、瞬く間にバンドマンや早耳リスナーの間で話題となり、〈下北沢近松〉での初ライブは異例の超満員に。以降、2023年にEP『kimi wo omotteiru』を発表し、2024年には〈FUJI ROCK FESTIVAL '24〉ROOKIE A GO-GO STAGEに出演。Homecomingsやリーガルリリーといった憧れのバンドとも共演を重ね、快進撃を…
2021年12月に結成されたkurayamisakaは、今や国内外で最も注目されているロック・バンドへと成長を遂げている。EP『kimi wo omotte iru』から約3年を経て、彼らはついにファースト・アルバム『kurayamisaka yori ai wo komete』を完成させた。12曲・45分超のこの作品には、バンド・メンバーに共通する“ある想い”が込められているという。サブスクが主流のいま、なぜ彼らはあえて“アルバム”にこだわるのか──。その背景を探るべく、kurayamisakaの中核で…
京都の4人組ロック・バンド、yoei。この記事では、活動初期から彼らを見守ってきた〈京都livehouse nano〉店長のモグラや、〈京都GROWLY〉元店長の安齋智輝をはじめ、yoeiにとってゆかりの深い人物を中心とした計9人が、それぞれに感じとるyoeiの魅力を語ったコメントをお届けする。そこから、yoeiというバンドが放つ音と佇まいが浮かび上がってくるだろう。...…
京都大学のサークル仲間の先輩、後輩で結成されたyoeiというバンドは、京都の次の新しい潮流の柱になりそうな重要な存在だ。彼らのファースト・アルバム『さかいめ』が、〈SUBMARINE RECORDS〉からリリースされた。彼らのサウンドの特徴は、ロック、ポップ、フォーク、サイケデリックのエッセンスを自由に取り入れながら鳴らす、耳馴染みの良いメロディ。そこで作詞作曲を担う福田宗一郎(Vo./Gt.)が描くのは、誰にでも持ちうるであろう“普通”の景色や感情だ。yoeiの音楽性をいち早く評価したライター、岡村詩野が…
トニセン(20th Century)のバック・バンドを原型に、江沼郁弥(Vo./Gt.、元plenty)を中心として2023年に結成されたDOGADOGA。藤原寛(Ba.、元andymori)、渡邊恭一(Sax/Cl./Fl.)、古市健太(Dr.)というユニークなメンバーが揃い、身も心も開放させるようなラテンのリズムでリスナーを踊らせている。そんな彼らが〈DAIZAWA RECORDS〉から最新EP『あっ!』を発表した。刹那的な高揚を抱えたまま一定の速度で最後まで駆け抜けていく、夏の夜をいっそう彩ってくれ…
25年、つまりは四半世紀という歳月を、“妖怪ヘヴィメタル”という唯一無二の旗を掲げながら駆け抜けてきた陰陽座。メタル冬の時代に船出し、時代に流されることなく“自分たちの音楽”を貫いてきたバンドは、どのようにこの道を歩み続けてきたのか。そして、最新作『吟澪御前』に込められた思いとはいったいどういうものなのか。陰陽座の音楽的核を担う瞬火に、その軌跡と現在地、そして未来について話を訊いた。...…
aldo van eyck (アルドファンアイク) のライブには毎回驚かされる。ただし、その驚きの質は毎回異なる。先月ついに届けられた待望の3rdアルバム『das Ding』は、ポストパンクからオルタナ、ジャズ、R&Bまでを混然と放り込んだ、全20曲・71分の大作だった。そのリリースツアー東京公演は、随所に逸脱を孕みながらも、得も言われぬ統一感を感じさせるステージだった。あの一本筋の通りかたは、あらかじめ意図されたものなのか。それとも、バンド自身にとっては「まだ崩し足りていない」途中経過にすぎないのか。今回…
いま、Hammer Head Sharkはめまぐるしい進化の途上にある。2018年、ながいひゆ (Vo/Gt) と福間晴彦 (Dr) を中心に結成した彼らは、メンバーの入れ替わりを経て、現メンバーは太平洋不知火楽団などのサポート経験を持つ後藤旭 (Ba)、自身のバンド・GLASGOWでも活動する藤本栄太 (Gt) という最強の布陣で構成されている。音源はもちろんのこと、とりわけライブに定評のある彼ら。その噂は波紋のように広まり、2024年10月にはカナダ各地を回るツアー〈Next Music From T…
"REVIEWS"は「ココに来ればなにかしらおもしろい新譜に出会える」をモットーに、さまざまな書き手がここ数ヶ月の新譜からエッセンシャルな9枚を選びレヴューするコーナー。今回の更新は、OTOTOY編集長でもあり、昨年、監修本『DUB入門』刊行した河村祐介が「『DUB入門』その後」的な新作+テクノ〜ハウスなどの気になる作品を隔月で紹介します。...…