絡み合うショローの日常──芳垣安洋、大友良英、不破大輔による超強力トリオの音源をハイレゾ独占配信!!

ショローCLUB(左より、芳垣安洋、大友良英、不破大輔)

日本が誇る超巨大ジャズ・バンド、渋さ知らズを率いる不破大輔、ROVOやオルケスタ・リブレなどで活躍するドラマー・芳垣安洋、フリー・ジャズ / 即興音楽界の鬼才としてはもちろん、近年では朝ドラ『あまちゃん』の音楽も担当した大友良英の3人がバンド・ショローCLUBを結成!! 数え切れないほどのセッションを現在も続けている3人ですが、この3人”だけ”で音を出すのは意外にも初めてだったとのこと。今回リリースされる音源『from 1959』はそんな3人のスリリングな演奏を収めたライヴ盤となっており、盟友・山本精一氏もゲスト参加した超強力な作品に仕上がっています。今作の配信はOTOTOYのみ、しかもハイレゾ、CDよりも安い!! そ・し・て!! ショローCLUBのお三方のインタヴューも掲載!! 音源と共にぜひともチェックを!!


ハイレゾ配信はOTOTOYのみ!!

ショローCLUB / from 1959

【Track List】
01. Lonely Woman
02. ラジオのように (原題:Comme à la radio)
03. Session 2016
04. First Song
05. ひこうき
06. SORA

【配信形態 / 価格】
WAV,ALAC,FLAC(24bit/48kHz) / AAC
単曲購入 378円(税込) まとめ購入 1,944円(税込)


INTERVIEW : ショローCLUB

「3人の絶妙な何かがあるんですよね。」そう語る、フリー・ジャズ/即興音楽界を常にリードしてきた3人。それぞれがそれぞれのバンドやソロで長く音楽界を引っ張ってきたこの3人からは、新結成に対する力みや貪欲さは感じられず、感じるのは純粋に「楽しい」を追求する、演奏家として最も原理的な欲求だった。思春期からフリー・ジャズを中心にロックまで幅広く聴いていたという3人。昔から現在まで同じものを吸収していた彼らにしてみれば、発信したい音楽が共通のものであったことは必然だったのかもしれない。芳垣安洋、大友良英、不破大輔という3人だからこそ鳴らせる即興音楽がこのアルバムには詰まっている。阿吽の呼吸で成り立つ3人の親密度が伺える貴重なインタヴュー、必見です。

インタヴュー : 飯田仁一郎
構成 : 高橋秀実
写真 : 大橋祐希

付き合いが20年以上あるせいか、新結成という意識は全く無い

──ショローCLUBが生まれたきっかけを教えて下さい。

芳垣安洋(ds,per)(以下、芳垣) : 名古屋に住む脇田(妙子)さんという方が、年齢が同じこの3人でライヴをやってくださいと。正確には学年は俺が1つ上だけど。

大友良英(el-g)(以下、大友) : しかも、名前を考えたのはテニスコーツの植野(隆司)君だから著しく自主性がない(笑)。

──最初、ショローCLUBという名前を聞いたときはどうでした?

不破大輔(cb,el-b)(以下、不破) : 感想は特に持ってないです(笑)。

大友 : 否定するのも野暮かなと思ってるうちに決まっちゃいました。Choro Clubが嫌って言わなきゃ良いやと。

芳垣 : Choro Clubのみんな知り合いなので、それぞれに確認は取りましたよ。ギターの笹子(重治)さんには光栄ですと言われました。ベースの沢田(穣治)さんにはしょうもないことするなと(笑)。

不破 : そう思うよね。

芳垣 : でも「なんでその名前にしたのか」とか「良いんですか?」みたいに絶対引っかかるでしょ。それで良いんです。それだけのためだから(笑)。

芳垣安洋

──結成する上で「この3人がせっかく集まったからこんなのやってやるぞ」という明確なヴィジョンがあったのか、それとも日常の延長線上なのかどちらだったんですか?

芳垣 : 日常ですよ。今までこの3人だけでやったことがなかっただけ。

不破 : 付き合いが20年以上あるせいか、新結成という意識は全く無いんだよね。

──付き合いが始まったのはいつですか?

不破 : 年表でいうと、最初期の渋さ知らズで大友さんと90年頃に麻布で一緒にやったんですよ。まな板ギターで飛び入り参加してもらって。芳垣さんとは、1992年に京都の西部講堂でサーブリーンというパレスチナのバンドの来日ライヴで共演して。俺らがFEDAYIENとして対バンをしたときに、芳垣さんがALTERED STATESとして出てきたと思う。

芳垣 : あれが不破と最初に会ったときか。

不破 : それで芳垣さん観て、ぜひご一緒したいなと。結局一緒にやったのは93年くらい。

芳垣 : うん。渋さ知らズの関西ツアーがあるので入ってくれないか、と言われて。俺と大友が1番最初に一緒にやったのが92年とかだよね。確か難波BEARS。

不破 : それってまだGROUND ZEROやる前?

大友 : いや、もうやってた。GROUND ZEROも90年結成だからほぼ同時期に始めてて。ALTERED STATESはもう少し前からやってたのかな。

芳垣 : ALTERED STATESは89年かな。


Ground Zero - Opening / Rush Capture - Live in Tokyo 1995

──整理すると不破さんが、90年頃に大友さんと渋さ知らズで共演して、92年頃に芳垣さんと大友さんが共演。93年頃に関西で不破さんと芳垣さんと共演したと。

大友 : そうだね、関西には俺行ってないもん。

不破 : その頃にはもう大友さんは辞めてました。

──皆さんが出会った当時のジャズ・シーンはどんな状況だったんですか?

芳垣 : それぞれジャズをやるという意味合いではやっていなかったと思う。実際、いわゆるメインストリーム的なジャズの仕事を別にしながら、全く違うものとして即興的なものとかALTERED STATESをやってたから。それは区別してやってたね。

──ジャズではないというのは、ジャンルで括るとすればどんな音楽を?

大友 : 名前なかったよね。でも当時、ジャズでもロックでもない、両方にルーツを持った新しい音楽が同世代でもいっぱい生まれていて。

──なぜ当時、そういったムーブメントが勃興したんですか?

大友 : 俺は最初フリー・ジャズにインパクト受けたんだけど、先輩の音楽じゃないですか。その後、『NO NEW YORK』あたりのアルバムが入ってきて、これは俺たちの音楽かもって思った。だからといってフリー・ジャズがダメだと思ったわけでもなく、両方やりたかった。そういうムーブメントが当時ニューヨークでもヨーロッパでもあった。ジョン・ゾーンとかフレッド・フリスとか。ヨーロッパで言えばハイナー・ゲッベルスとか。そのシーンには影響受けたかな。80年代前半の日本にはそういうのはあんまりなかったような気がする。でも気づいてみたら、同世代で、俺と同じような感じで影響を受けたのが実は結構いて。フリー・ジャズが大好きであるのを前提に、パンクも好きな人がやっぱりいる。

不破 : 『NO NEW YORK』は影響を受けたよね。俺らに共通してたのが、ラジオとかから聴こえてくるのがプログレッシヴ・ロックとか、フリー・ミュージックとか、現代音楽とかだったんだよね。


No New York (Antilles) 1979 producer Brian Eno.

大友 : 子供の頃にラジオを聴いて、吸収してたのは大きいよね。NHKのFMなんて特にアルバムまるごととか、レコードの片面まるごとかけてくれるんだよ。レコードなんて買えないから、カセットでみんな録音するの。FM Fan(※1966年創刊のFM情報誌。現在は休刊。)とかで情報を仕入れて。インターネットもないから、ラジオからいろんな音楽を学んだね。あとは同級生で「これ聴いた? 」とか言う友達いるじゃない?

不破 : 俺も1人いたよ。ジョン・コルトレーンの『Ascension』買ってきて聴かされるわけ。でも当時、こんな汚い音楽は嫌だって思った。

芳垣 : 俺にも『Ascension』が良いから聴けっていう友達がいてさ、『Live at Village Vanguard Again』とかの2枚組のLPを高校生のくせに買うんですよ。俺らには買えなかったから、みんなで集まって正座して聴くんだけど、さっぱり良さがわからなくて。

不破 : あとマイルス・デイビスの『Agharta』とか。

大友 : 『Agharta』ね! 『Agharta』は聴いてすぐ盛り上がったな。マイルスは「キュウウウ」っていうワウワウ・ミュートの音を聴くだけで、“血中ワウワウ濃度”が上がったもん(笑)。

ロックだけだったら、絶対いまこうなってない

──その原体験が中学、高校くらい?

大友 : 中高だね。それは土台にあると思う。でももちろん同時に、ニール・ヤングとかビートルズも聴いてるし。

不破 : うん。俺1976年のニール・ヤングの武道館に行ったよ。『Like A Hurricane』を直に見たよ。あと札幌の中島スポーツセンターのピンク・フロイドも観た。あと邦楽で言えば日本のロックも良かったしね。四人囃子とか。


おまつり/四人囃子

大友 : ジェフ・ベックが病気で仙台と京都公演に出れなくなった内田裕也さん主催のワールドロック・フェスティバルってのがあって。俺はそれ後楽園球場に観に行ったんだけど。

不破 : 俺も行きました。

芳垣 : 俺も京都の丸山公園に行ったな。そのときジェフ・ベックの代わりにニューヨーク・ドールズがやって。「どういうことだそれは! 」と(笑)。

大友 : 忘れられないんだけど、後楽園球場にいったら最初ガッカリしたの。遠くて。風が吹くと当時PAも大きくないから、音もちょっと流れるの。懐かしい。高1だったかな。

──原体験の高校生頃の感覚が今でも地続きで繋がってるんですか?

大友 : 続いてるね。みんなも続いてると思うよ。俺は高校の頃に年中、阿部薫が福島に来てたのが大きかった。パスタンってジャズ喫茶に毎月のように来ていた。お客さんなんて3、4人だよいつも。俺がギター持ってたら、俺のギターをステージで弾いてくれたりして。10分くらいフィードバックやるわけ。その頃、全然意味わかんなくて。でも、たまたまその音源が残ってて、聴くと今俺がやってるような感じなんだよね(笑)


阿部薫 1977.9.24 福島「パスタン」

不破 : いま思えばフリー・ジャズが中高から好きだったのは大きかったと思う。アート・アンサンブル・オブ・シカゴやフランク・ザッパ、ICP・オーケストラとかを聴いたりしつつ、ロックン・ロールもちゃんと聴いてた。

大友 : それはほんとに思う。フリー・ジャズが好きだったから、いろんな音楽を吸収できたのかもしれない。ロックだけだったら、絶対いまこうなってない。

──その地続きで生まれた、まさにタイトル通りの『from 1959』ですが、制作過程は益子(樹)(※ROVOのシンセ担当)さんがPA兼でレコーディングされてたんですか?

芳垣 :いやいや。録ってたのはライヴ・ハウス得三のオペレーターの河野(悟)くんで。その音源を益子くんに渡して。その日だけ、通常のライヴ・レコーディングみたいにマルチで録れたので、他のライヴからピックアップすることもなく。

──その選出された曲たちは誰が選んだんですか?

大友 : 芳垣さんには誰も逆らえないので(笑)。

芳垣 : 最終的には俺が決めた(笑)。

大友良英

一同 : あはははは(笑)。

芳垣 : 同じ3人で即興だとどうしても似たような感じになるから似た色を省いて、いろんな色合いが出ているバランスが取れた曲を選んだつもりです。それで「曲はこれが良いんじゃない?」「曲順はこれが良いんじゃない?」と最終的に俺が意見を言ったかな。

──実際、この3人でやってみて、この3人だからこの音が鳴ったんだというのはどこでしょう?

芳垣 : それはこのレコーディング全てがそうかな。やっぱりこの2人と一緒にやるという前提からスタートしてるので。人にもよるとは思うけど音楽をやるときは、誰と一緒にやるか、どういうシチュエーションでやるか、というのはすごい大切で。それがもしも、俺が勝手にやってれば良いんだよ、みたいにやってたら、別に人とやる必要ないし、誰とやっても同じことしかできない。この2人とやるという前提から始まってる音楽だとは思ってます。

それぞれがそれぞれのままで、全ての音楽の何かに介入できる

──なるほど。例えばROVOとショローCLUBではライヴをするときの気持ちの部分で違うところがありますか?

芳垣 : そうですね。例えばROVOでは俺の曲はやってないし、みんなでアイデアを出し合ったりはするけど、勝井(祐二)くんなり、山本精一なりがつくった曲をアレンジしていく形なので。ROVOは演奏は全て決まってるんですよね。それをいかに再現するかというバンドなんです。つまり、俺がこんな気分だからライヴではこれやってみよう、みたいな即興はできないわけですよ。そういうバンドじゃないから。ROVOはお客さんが踊るために、伝わりやすく提供するスタイルなので。ライヴでのこの方法は、俺のなかの本筋とは違うところにあるんです。そういう意味では、この2人と一緒にやってるほうが、俺は俺らしいと思ってる。

2016年『XI (eleven)』リリース時の山本精一インタヴューはこちら

https://ototoy.jp/feature/20161027

──なるほど。決めない、決まらない音楽にこそ自分の本筋があると。

芳垣 : 決める、決めないということよりも、自分の意志がどれだけ反映できるか、なんだよね。ROVOのときは自分の意志を反映するために音を出しているのではなくて、ROVOのライヴにおいては、自分の技術なり、自分が持っているものを提供するという形なので。

──大友さんにとってこの即興バンドのおもしろさはどこにあると思いますか?

大友 : 自分がリーダー・バンドをやっていると、どうしてもプロデューサー的になってギター弾きの部分の割合がグッと減るんですよ。

芳垣 : 自分でやるときはそうだよね。

大友 : どうしてもそうなるよね。プロデューサー比率が高くて、演奏家比率をどうしても減らさざるを得ない。でも、このバンドだとプロデューサー比率がゼロになるわけではないんだけど、演奏家比率がすごい高い。それはどういうことかと言うと、さっき芳垣さんが言ったとおりで、段取り通りの状況じゃないところでかなり自由にできるのが大きいかな。それはやっぱりおもしろいもん。

不破 : 各自が自立してる。それは信頼でもあるし、それを聴き合うってことでもあって。それができるのは人と演奏する上ですごく光栄で幸せなことだね。

大友 : ほんとに3者が絡み合って、3人って人数がちょうど良いのかもしれない。デュオとかも違うし、4人以上とも全然違う。3人の絶妙な何かがあるんですよね。

不破大輔

──その絶妙な何かとは?

大友 : 3人だと、それぞれがそれぞれのままで、全ての音楽の何かに介入できる。でも介入しすぎることにはならない。人数が増えれば増えるほど、ヴィジョン的なものを”シェア”しないといけないことが当然出てくる。当たり前だけど、人数が多いほど”シェア”は高度なものになっていく。デュオだと1対1になるから、勝負みたいな感じになる。でも、3人だとそこがすごく身体的な反応というか、運動神経みたいなもので立体が出来て来る感じがする。

芳垣 : 最近アート・アンサンブル・オブ・シカゴと全く同じ5人編成で自分のバンドを始めたんだけど、それは”シェア”の仕方をちゃんとしていかないと、やっぱり進めていくのは難しいんだよね。でも3人だと”シェア”が、ステージで同時発生的にできる。お互いのバックグラウンドとかいままでやってきたことに共感できる相手だと、”シェア”しやすいことはあるかもね。

大友 : 事前に3人で話し合って”シェア”してるわけじゃない。というか、話し合ったら上手くいかない気もするんだよね。あのね、言葉に置き換えた段階で何か変わっちゃう気がする。

──その”シェア”がしやすい3人のなかに最後に山本精一さんがゲスト参加することでどういう変化がありましたか?

大友 : そうですね。また全然違う要素が入るので、おもしろかったな。山本さんの場合は僕ら以上にロック側のルーツが強いし、ヴォーカルでもあるから。全然世界が変わるね。みんな長いよね、山本さんとも。だから、歌モノにしてもみんなが”シェア”できてたと思う。

OTOTOY限定! 芳垣安洋、大友良英が参加している貴重なライヴ音源はこちら

芳垣安洋 × おおはた雄一 / LIVE at 新宿PIT INN 2011.06.21

左がDSD音源、右がハイレゾ音源となっています

例年恒例となっている、新宿PIT INNでの芳垣安洋4DAYS。こちらは2011年の6月21日に行われた、シンガー・ソング・ライターのおおはた雄一を迎えてのセッション音源をライヴ・レコーディング。

フェルナンド・カブサッキ & 大友良英 / PHON vol.1- Improvised Session 20110501 part1&2

上段がDSD音源、下段がハイレゾ音源となっています

“アルゼンチン音響派”を代表するギタリスト、フェルナンド・カブサッキと大友良英によるセッション。ライヴのダイジェスト映像とフォト・ブックレットも付属します。

PROFILE

ショローCLUB

渋さ知らズを率いる不破大輔、ROVOやアルタード・ステイツ等で強靭なリズムを支えてきた芳垣安洋、フリー・ジャズ / 即興音楽界の鬼才・大友良英、1959年生まれの3人による最強のトリオ・バンド。

2016年結成、11月に京都、大阪、名古屋を「ショローCLUBの回春行脚2016」」という名の下にツアーを行い、各地で満員となる。

2017年、初となる作品『from 1959』をリリース。この作品は2016年のツアー最終日・名古屋・今池得三にて録音されたライヴ盤となっており、ゲストに1958年生まれの盟友・山本精一が参加、3人の演奏に彩りを与えている。

芳垣安洋 Official HP : http://y-yoshigaki.com/

大友良英 Official HP : http://otomoyoshihide.com/

不破大輔 Twitter : https://twitter.com/28poi

地底レコード Official HP : http://chitei-records.jp/blog/

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インタヴュー

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