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2013/02/20 00:46

 

オルケスタ・リブレ、全員集合のツアー・ファイナル——OTOTOY最速レポ

 

ドラマー・芳垣安洋率いるバンド、オルケスタ・リブレが、柳原陽一郎、おおはた雄一、スガダイロー、RON×IIをゲストに迎え、渋谷WWWでオルケスタ・リブレとオールスターズのTOUR FINALを3部構成で行った。

1番手のゲストとして登場したのは、おおはた雄一。「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」を始め、ギターをつまびきながらその場を包み込む特有のヴォーカルで、会場の雰囲気をすぐにつかむ。「ひとりにしてくれ」では、ソロ・パートを弾いてみせ、オルケスタ・リブレ・バージョンとの違いを楽しませてくれた。そしてボブ・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」を日本語訳で歌い、おおはた色をしっかり見せ、第1部は終了。

休憩と衣装チェンジをはさみ、第2部が始まる。メンバーはジャケットを羽織り、シックなムードへ。「ハーレムに行くために必要な人が、服装からデューク・エリントンになりきって登場してくれます」という芳垣の紹介によって登場したのは、スガダイロー。強弱のあるピアノ・ソロを聴かせると、オルケスタ・リブレの演奏と合わさり、エリントンの「African Flower」へ。

そして、タップ・ダンサー、RON×IIが登場。タップ・ソロで耳だけでなく目も楽しませてくれる。途中、パーカッションのリズムに対し、タップで応えるという場面も見られ、その掛合いでも観客を魅了する。「ジャズとタップは黒人文化の中で共に発展してきた歴史があります。それが共存できる方法を僕らなりに考えました」という芳垣の言葉通り、両者がばっちりはまった見事な共演だった。

そして、第3部に登場したのは、柳原陽一郎。登場するなり、マイクを通さず「こんばんは」と話し始め、彼ならではの調子のつかみ方を見せる。そして三文オペラからの楽曲を中心に、エルビス・コステロやコール・ポーターの楽曲を日本詞で歌い上げる。曲に入る前のトークから柳原の世界が作られており、観客はその世界にぐっとたぐり寄せられる。最後は、芳垣にとっても想い出の楽曲「Ev’ry Time we say goodbye」を歌い3部が終了。

止まない拍手に応え、オルケスタリブレと全ゲストが登場。ここまでで約3時間演奏しており、お客さんの終電を気づかい、「出し惜しみをせず全員で1曲やらせていただきます」と「Good-bye Poke pie Hat」を全員で演奏。3部構成の演出がすべて繋がり、エネルギーが一斉に集まったフィナーレを見せてくれた。

「60年代、70年代のポップス、ジャズ、映画音楽、アフリカ音楽、ラテン・アメリカの音楽など、これぞスタンダードにしたいという曲をアレンジして再構築していく」と最初の挨拶で芳垣が言っていたように、年代もジャンルも別々な曲ながら、誰にでもわかるような親しみやすいアレンジで観客を魅了したオルケスタ・リブレ。これからも全世界を回って、新しいスタンダードを作っていってくれることだろう。(西澤裕郎)

〈オルケスタ・リブレとオールスターズ TOUR FINAL〉
2013年1月19日(火)渋谷WWW

出演 : オルケスタ・リブレ(芳垣安洋、青木タイセイ、塩谷博之、藤原大輔、渡辺隆雄、ギデオン・ジュークス、高良久美子、鈴木正人、椎谷求、岡部洋一)
Guest : 柳原陽一郎、おおはた雄一、スガダイロー、RON×II

・対談 : 芳垣安洋 × おおはた雄一
http://ototoy.jp/feature/index.php/20120330

・対談 : 芳垣安洋 × 柳原陽一郎
http://ototoy.jp/feature/index.php/20120530

・特集 : Orquesta Libre with スガダイロー with タップダンス
http://ototoy.jp/feature/index.php/20120724

・芳垣安洋率いるOrquesta Libre、スタジオ・アルバムを2作同時リリース
http://ototoy.jp/feature/index.php/2012070400

[ニュース] Orquesta Libre with スガダイロー with タップ・ダンサー, Orquesta Libre with 柳原陽一郎, スガダイロー vs 松下敦, 柳原陽一郎

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