2026年03月30日10時00分
杏ジュリアのラストステージは、別れの涙ではなく、未来へと続く光に満ちていた。超ときめき♡宣伝部は、この日から新章へと進み出したのである。
超ときめき♡宣伝部(通称:超とき宣)の春の恒例ワンマンライブ「ときめき♡春の晴れ舞台2026 ~超ときめき♡宣伝部のVICTORY STORY~」が、2026年3月28日(土)・29日(日)の2日間にわたり開催された。このレポートではそのDAY2の模様をお届けする。
本公演は、メンバー杏ジュリアの卒業ライブでもあり、会場に集まった宣伝部員 (超ときめき♡宣伝部のファンネーム)の多くは様々な想いを抱えていたことだろう。会場となったぴあアリーナMMは、この日「物語の終わりと始まり」が交差する特別な場所になっていた。
杏ジュリアは2018年10月14日、ときめき♡宣伝部(当時)の二代目ときめき♡パープルとして加入。埼玉・大宮ソニックシティでのお披露目から、彼女の物語は始まった。歌やダンス、自分を表現することに自信がなかった一人の少女は、アイドルとして走り続け、グループの歴史に大きな足跡を残す存在へと成長。そして今、自らの意志で次のステージへと進む決断を下したのである。
ライブは、現在のグループを象徴するキュートでポップなナンバー「世界でいちばんアイドル」で幕を開ける。続く「トゥモロー最強説!!」「ラヴなのっ♡」「LOVE イヤイヤ期」といったキラーチューンの連続に、会場の熱気は一気に上昇。積み重ねてきた“とき宣らしさ”が全開となり、祝福と高揚感に満ちた空気が広がっていく。さらに「夢がとまらない!」「ハピラブルー!」では、グループが掲げる「恋と青春」の「青春」サイドを強く打ち出し、会場をあたたかな一体感で包み込んだ。
続く「初恋サイクリング~超ver~」ではステージ上に自転車が登場。実際にサイクリングしながら歌うというシュールでユニークな演出に、客席からは自然と笑みがこぼれる。すると場内に学校のチャイムが鳴り響き、「せきがえのうた」へ。机と椅子が並べられたステージでは、パブりんを先生に見立てた演出や椅子取りゲームも展開され、遊び心あふれる一幕となった。
続いて披露されたのは、メンバー6人が主演を務めるドラマ『リトライ、青春!』の主題歌「リトライ、青春!」。どこか切なさを帯びた学生目線の歌詞が響き、観客に青春の記憶を呼び起こすような時間が流れる。その余韻を引き継ぐように、「ドンフィクション」「さくら燦々」と春を彩る楽曲が続き、ぴあアリーナMMには〈春の晴れ舞台〉にふさわしい、やわらかな風が吹き込んでいた。
スクリーンに過去のメモリアルムービーが映し出されると、ライブはいよいよ中盤のハイライトである、メンバーそれぞれの個性が光るソロパートが幕を開けた。トップバッターは、小泉遥香。「SHINY PINK♡」で透明感あふれる歌声と力強さを響かせ、一気に会場のボルテージを引き上げる。続く杏ジュリアは「うぬぼれくらいでいいじゃない」を披露。自信に満ちた表現でステージに立つ姿は、かつて「歌もダンスも自分を出すのも苦手」と語っていた頃からの大きな成長を感じさせる。最後に「自分を肯定する歌」を堂々と歌い上げるその姿は、努力の積み重ねそのものを体現しているようだった。
さらに、辻野かなみのやわらかな魅力が広がる「Happy time」、坂井仁香のキュートさが弾ける「ハニートリガー」、吉川ひよりの人生観がにじむような「来世でも誇れる人生をっ!」、そして菅田愛貴による圧倒的アイドル性が輝く「100000000万%愛♡」へと続く。それぞれが異なる角度から「アイドル」という存在の魅力を提示し、グループとしての厚みを強く印象づけた。
ソロパートを終えると、6人が再びステージに集結。グループを一躍スターダムへと押し上げたヒットチューン「最上級にかわいいの!」が披露されると、キュートな笑顔が会場いっぱいに多幸感を広げていった。幕間VTRを挟み、「笑顔で超感謝」でライブは再び加速。クールなダンスナンバー「JIRI JIRI」、全力で生きる人々へ向けた応援歌「絶対的主人公」、そして「キラキラミライ」と、熱量と輝きを一気に押し広げていく。
MCでは、辻野が「ジュリアと昨日は同じ部屋に泊まりました!」、菅田が「3日間楽屋が一緒でした!」と仲の良さを自慢。さらに吉川は「杏さん、ブルブル、アンサンブル!」と渾身の一発ギャグを披露し、会場を笑いで包み込んだ。
ライブはここからクライマックスへ。「開花宣言!」「きっとスタンダード」でエモーショナルな空気を醸成すると、「GAMUSHARA」では炎が燃え上がる中、全力のパフォーマンスで観客を圧倒。さらに「超最強」「エンドレス」と畳みかけ、とき宣の物語はこれからも「続いていくもの」であることを強く印象づける展開となった。
その流れのなかで、本編ラストを飾ったのは、杏ジュリア加入後初のシングルに収録された「青春ハートシェイカー」。この日という特別な意味を象徴する一曲を届け、メンバーは静かにステージを後にした。
本編を終えるとすぐに、会場は彼女のメンバーカラーであるパープルのペンライトで染まった。そして大きな大きなジュリアコールが巻き起こる。アンコールでは、「すきすきすきっぷ!」「まごころ My Heart」をロックオンフリータイム(撮影可能タイム)でパフォーマンス。広いぴあアリーナMMを縦横無尽に駆け回り、笑顔を届けた。
ここで杏ジュリアがマイクを握り、想いを伝える。ライブ本編を通して笑顔を貫いてきた杏だったが、「ここまではとにかく笑顔でいこうと思っていました」と心境を吐露。「ソロ曲もなんとか歌いきれて、アンコールでも皆さんの声に支えられました」と振り返りつつ、「ここからは素直に泣いてもいいかなと思います」と、こらえていた感情を解き放った。
また、特典会などでファンが笑顔で接してくれたことにも触れ、「無理をさせてしまったかもしれないけど、自分自身も楽しい思い出をたくさん作りたいという気持ちが強かった」と語り、最後まで前向きに駆け抜けた時間だったことを強調した。
2018年10月にグループの一員としてデビューしてからの約7年半については、「毎日が新鮮で、積み重ねの連続だった」と回顧。「こんなにたくさんの宣伝部員さんに見守られて、大きなステージに立てていることが本当に嬉しい」と、現在の景色への思いを言葉にした。
さらに、自身のメンバーカラーである「紫」についても言及。加入前は大人っぽいイメージで身近ではなかった色だと明かしつつ、「活動を通して大好きな色になりました。この紫は、ここにいる宣伝部員さんや、配信を見てくださっている皆さんと一緒に作ってきた色だと思っています」と語り、「これからの人生でもずっと大切にしていきたい」と、ファンとともに築いた象徴としての意味を強調した。
杏は「ここでメンバーにも感謝の気持ちを伝えたい」と切り出し、「長くなってしまうので簡潔に」と前置きしながらも、それぞれへの思いを丁寧に言葉にしていった。まず、リーダーの辻野かなみに対しては、「とき宣の部長という立ち位置はかなみんにしかできない」と語り、「口に出さなくても包み込んでくれる優しさにたくさん助けられた」と感謝。「これからもグループを引っ張っていってほしい」とエールを送った。
続く坂井仁香には、「卒業発表後も一番いつも通りに接してくれた存在」と振り返り、「たくさん遊びに誘ってくれて、お姉さんのように寄り添ってくれた」とその支えに言及。「先頭に立って突き進む姿はアニメの主人公のよう」と称え、「大好きだよ」とストレートな言葉で思いを伝えた。
小泉遥香については、「どんな時も努力を怠らない人」とそのストイックさを評価しつつ、「もう少し自分を甘やかしてもいいんだよ」と優しく語りかけた。「とき宣の歌声はおはるちゃんがいないと成り立たない」とグループにおける存在の大きさにも触れ、「これからも仲良くしてほしい」と関係の継続を願った。
最年少の菅田愛貴には、「尊敬できるところしかない」とし、「周りをよく見ていて、気遣いも自然にできる」と称賛。「自分も支えられてきた」と明かし、「無理せず、何かあったらちゃんと伝えてほしい」と気遣いの言葉を贈った。
そして吉川ひよりには、「ひよりんは埼玉一優しいんじゃないかと思うくらい優しい」と語ると、即座に「私千葉出身だよ!」と突っ込まれる一幕も。その後も「世界一優しいんじゃないかと思うくらい優しい」と笑いを交えながら語り、「個人的にもたくさん連絡をくれて、愛が強くてピュアな子」とその人柄を表現。「ひよりんの前だと自然体でいられた」と振り返り、「これからも無理せず頑張ってほしい」とエールを送った。
最後に杏は「宣伝部員の皆さんは、自分のことを誇りに思ってください」と呼びかけ、「とき宣と出会い、信じてついてきてくれたことが本当にすごい」と強調。「皆さんがいるから今のとき宣がある」と語り、グループの歩みがファンとともに築かれてきたものであることを改めて伝えた。
さらに、「本当にたくさんの幸せをもらいました」と感謝を述べるとともに、「これからもずっととき宣を大好きでいてほしい」と思いを託した。また、自身にとってグループの楽曲が大きな支えであったことも明かし、「これから先、つらい時があったら家でとき宣の楽曲を全力で歌おうと思います」とコメント。「それくらいパワーのある楽曲がたくさんある」と語り、楽曲の持つ力への信頼をにじませた。
「もらった愛は消えるものではなく、永遠」とも語り、「その愛を胸にこれからも頑張っていきたい」と今後への決意を表明。ライブを通して「愛を感じる瞬間しかなかった」と振り返り、ファンとの時間がかけがえのないものであったことを強調した。そして「チームとき宣は本当に温かくて素晴らしいチーム」と述べ、「これからも一員としての誇りを持ってほしい」とファンに呼びかけるとともに、「自分も誇りを持って、努力を重ね、成長していきたい」と決意を新たにした。
ここでメンバーは、グループと、応援してくれる宣伝部員との絆を歌にした楽曲「100%♡オレンジ」を披露。会場がオレンジ色に染まるなか、エモーショナルな思いを届けた。ライブはさらに「きみと青春」では、メンバーのどこまでもまっすぐな思いが胸を打つ。
ラストは、杏ジュリア加入後初のシングルに収録された「超ときめき♡宣伝部のVICTORY STORY」。このライブを象徴する楽曲であり、杏ジュリアにとっても重要な意味を持つこの曲を全力で届ける。その歌声のなかには、ここまで歩んできた軌跡への確かな肯定と、未来へのまっすぐな希望が込められていた。
ライブ全体を通して感じられたのは、杏ジュリアが「笑顔」を貫いたことだ。どんな曲を歌うときでも涙を流すことなく、笑顔を届けたのは、彼女の「アイドル」としての矜持だったのだろう。その温かさこそが、彼女の魅力であり、とき宣というグループにとって大きな役割を果たしていたことは間違いないだろう。
別れの寂しさと、それを上回るほどの愛に包まれたこの日。杏ジュリアが残した想いと軌跡は、確かにグループの未来へと受け継がれていく。超ときめき♡宣伝部のVICTORY STORYは、ここからまた新たにはじまるのだ。
取材&文 : ニシダケン
2026年3月29日 @ぴあアリーナMM
M01 世界でいちばんアイドル
M02 トゥモロー最強説!!
M03 ラヴなのっ♡
M04 LOVEイヤイヤ期
M05 夢がとまらない!
M06 ハピラブルー!
M07 初恋サイクリング
M08 せきがえのうた
M09 リトライ、青春!
M10 ドンフィクション
M11 さくら燦々
M12 SHINY PINK♡
M13 うぬぼれくらいでいいじゃない
M14 Happy time
M15 ハニートリガー
M16 来世でも誇れる人生をっ
M17 100000000万%愛♡
M18 最上級にかわいいの!
M19 笑顔で超感謝
M20 JIRI JIRI
M21 絶対的主人公
M22 キラキラミライ
M23 開花言!
M24 きっとスタンダード
M25 GAMUSHARA
M26 超最強
M27 エンドレス
M28 青春ハートシェイカー
【ENCORE】
EC1 すきすきすきっぷ!
EC2 まごころ My Heart
EC3 100%♡オレンジ
EC4 きみと青春
EC5 超ときめき♡宣伝部のVICTORY STORY


