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2013年06月24日01時00分

 
スーパームーンの一夜、ヒソミネを舞台にAureoleとOVUMが魅せたそれぞれの音世界――OTOTOY最速レポ
 

6月23日、月が最も地球に近付き、いつもより大きく明るい月を見ることができる「スーパームーン」の夜となった日曜日。話題のライヴハウス「hisomine ヒソミネ」でAureole&OVUMの2マン・ライヴがおこなわれた。

ヒソミネは明るく、洒落たBARが併設されたライヴ・スペースで、小規模なキャパシティを活かした音響設備と、アーティスティックな感性を喚起する空間作りがミュージシャンにとってもお客さんにとっても魅力的だ。この日のお客さんも皆シンプルながら一様にファッショナブルに見えたのはヒソミネ・マジックだろうか(笑)?。

まずはヒソミネの発起人でもあり、kilk recordsのレーベル・オーナー、森大地率いるAureoleが登場。森はジャズマスターを抱えて、ロックな佇まい。「こんばんはAureoleです。今日はAureole、OVUM共にロング・セットで演りますので、ゆっくり楽しんで行って下さい! 」とMC。オープニングは、VJが映すプロジェクターの映像をバックに、淡々と刻まれるビブラフォンとギターのリフの周囲を、力強いリズム隊と歪ませた森の轟音ギターが取り囲む。様々な形態で音楽を発信していくヒソミネらしく、今日のライヴはUstreamの生中継の配信もされているとのこと。森がギターを置きシェイカーを振り、ボーカルを取る。ギターの中村はラップ・スティールを弾いている。ドラムの硬質なタムの音が印象的な「Live Again」でバンドは激しくドライヴ。背後の映像にイメージをかきたてられる。続く「Dark Adaptation」深遠な中に狂気を孕んだようなサウンド・プロダクションがAureoleの音世界。90年代オルタナティヴ・ロックを内包しているとはいえ、それだけには飽き足らずあまりにも雑多で且つインテリジェンスを感じさせる演奏だ。

新曲として初披露されたのはインストの「Spec」。「Asil」では水面に絵の具を垂らして行くようなアンビエントなムードの各楽器の演奏がやがて混ざり合いひとつの潮流になって行く。イントロでギターの弓弾きを見せるワルツ調「Disappear」、フルートが奏でるリフレインから徐々にバンドの演奏が爆発する「World As Myth」。岡崎のベースがライトハンドのタッピングを見せ、ラップ・スティールが天を翔ける。この日1番の最高にグルーヴィな演奏だった。

MCで新作制作に取り掛かることを宣言、ワウをかけた金属的なギターが耳に残るミクスチャー・ハードロック調な「Dell」。打ち込みのリズムとドラムのリムショットから始まる「Windfall」、森のボーカルが激しくアジテーションを繰り広げ、ラストにはテルミンも使った一際激しい「Light My Face」でAureoleのライヴは終了。

続いてOVUMのセットに転換。
服装は全員、全身黒ずくめ。ストイックな印象。ベーシストを真ん中に配し、両端にギター、共にストラトキャスターだ。Aureoleとは対象的なシンプルな編成、セッティングだが、ディレイを効かせたアルペジオから始まった一曲目「stella」は、アンビエントな質感を感じさせる。ツイン・ギターが作るリフレインの中を、歌うようにベース・ラインが跳ねる。ゆっくり、時間をかけて激しさを増す演奏。序盤の静けさがいつの間にか轟音に変わっている。ギターを床に置き、エフェクターを操作しながら歪んだ音をループさせる。

曲が終わると、圧倒されたまま立ち尽くしたような観客と先程までの爆音のギャップが凄い。続いてより縦横無尽にベースが動きまくる「never ending raindow」。MCもなく黙々と演奏に没頭する4人。観客もその音に身を委ねている。曲が終わると、「ありがとー!」と声をあげた以外は、無言の4人。あまりにも無骨な求道者然としたバンドだ。しかしその音楽はひたすら快楽を求めて天に向けてエネルギーを放射していっているようにも聴こえる。ギターのフレーズと音色が優しい「cause after effect」。ベース・ラインもドナルド・ダック・ダンを彷彿とさせる、ソウル・ミュージックのテイスト。ところがそのままで終わらないのがOVUMだ。段々音数も音圧も上昇して頂点に達する。「森さんに声を掛けてもらいまして、今日があるんですけど、東京から来てくれてる人も、遠くからありがとうございます!」と最後の曲へ。ラストはギタリスト2人が椅子に腰掛けてひたすらコードを掻き鳴らし、途切れる事の無い爆音がヒソミネに充満する中、この日のツーマン・ライヴは幕を閉じた。

ヒソミネには当初、オシャレでおとなしいラウンジ的なイメージを持っていたのだが、実はどんな音楽も受け入れる、音楽実験室といった要素も感じさせてくれた。“スーパームーン”の満月のせいか、一際凶暴な演奏にも思えた今夜。今後どんなアーティストが、どんなライヴを見せてくれるのか? 音楽シーンを再構築していく場としてのヒソミネに頼もしさを感じさせてくれた一夜だった。
(岡本貴之)

〈Aureole & OVUM 2マンライブ〉
2013年6月23日(日)open / start 18:00 / 18:30
出演 : Aureole / OVUM

Aureole セットリスト
1. Miz
2. Expanding Cord
3. Live Again
4. Dark Adaptation
5. Leave
6. Spec
7. Asil
8. Disappear
9. World As Myth
10. Dell
11. Windfall
12. Light My Face

OVUM セットリスト
1. stella
2. never ending rainbow
3. defection
4. your cruel virginity
5. cause after effect
6. the prayer anthem

・ヒソミネ オフィシャル・ウェブサイト
http://hisomine.com/

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