ALOHA、5年ぶりの新作が完成!


ALOHA / うたのゆくえ

世界中のグッド・ミュージックをかき集めたトロピカル・サウンド!西尾大介のソロ・プロジェクトとして再始動した ALOHAの5年ぶりのフル・アルバムは、ハートフルな「うた」が凝縮されたシティ・ポップ集。ゲスト・ミュージシャンには、柏原譲(フィッシュマンズ)、浜野謙太(SAKEROCK)、野村卓史(グッドラックヘイワ/NATSUMEN)らが参加している。

—ALOHAの音楽でフワリとSWINGしてこのままどこかへ行っちゃいましょう。(曽我部恵一)

ゆくえを追って桃源郷へ

ALOHAの新作『うたのゆくえ』を聴く。一周目、浮遊感漂うサウンドとそこに乗る西尾大介の軽い声に、地に足が付かない夢うつつの心地よさを覚えた。西尾の声はとにかく甘い。甘いのだけれどしつこくなく、曲に溶け込みながらもしっかりと主役をこなしている。二周目、一曲目の「恋のリズム」を聴きながら無意識に口ずさみ、もう覚えたのかと我ながら驚いた。他の曲も一度聴けば覚えられるような印象的で親しみやすいメロディばかりだ。浮遊感と甘い声に陶酔し地に足が付かない宙ぶらりんの気分の中、ふと、足が地面に触れる。おや? と思い、確かめるように三周目。曲の中に入り込んで聴くと、さきほど足が触れた地面は木漏れ日が差す路地裏だったり(「恋のリズム」)、パーティ会場だったり(「China Town」「Lemoned & Wine」)、南国だったり(「HANA」)はたまた桃源郷(「tack」)に繋がっていることに気付く。『うたのゆくえ』とは、この作品を聴いた後の私たちのゆくえのことを指しているのかもしれない。なので、このアルバムの真意を知るには少なくとも三周は聴いて欲しい。

2004年、西尾のソロ・ユニットとして始まったALOHAだが、活動を続けるうちに4人組のバンドへと変化した。着実に人気を得、地元、福岡のシーンを沸かし、勢いに乗り2009年に上京するも、2010年秋には西尾以外のメンバーがALOHAから離れることとなり、ALOHAは再び西尾のソロ・ユニットとなった。しかし2011年2月には多くのミュージシャンを迎え今作の制作を開始。浜野謙太(トロンボーン/SAKEROCK、在日ファンク)、丸野康信(トランペット)、RIN(サックス)のホーン隊を入れ、さらに柏原譲(ベース/フィッシュマンズ、Polaris、OTOUTA)、野村卓史(鍵盤/グッドラックヘイワ、NATSUMEN)、MR.DOIRA(ギター)、朱雀佑輝(ベース/MIM、NANANINE)、矢野智明(ドラム/ex.nontroppo)、PECO(スティール・パン)と、頼りがいある演奏陣が西尾のために集まった。「恋のリズム」では見汐麻衣(埋火)も歌で参加している。ソロになったのに人も楽器も増えた。おかげでグル―ヴもパーティ感も増した。その分厚い音の骨となるのが西尾の甘く軽い声という、この構造がバンド時代のALOHAと全く異なり、面白い。

4人組だった頃のALOHAのライヴを見たことがある。ブルース、ジャズ、ヒップ・ホップなど様々な要素を含んでいるところは今作にも引き継がれているが、もっと一つ一つの音が太く、パーティー・ライクな演奏の中に生真面目さが見え隠れしているバンドだった。今作の発表にあたり、制作風景の動画がALOHAの公式HPにアップされている。その中で参加ミュージシャンの多くが西尾のことを「ほっとけない奴」と嬉しそうに話す。その愛されるキャラクターのために、これほど多くのミュージシャンが集まったのだろう。信頼できる演奏陣をバックに、西尾は思う存分に自分の音楽を奏でる。その姿は生真面目さよりも無邪気さを感じる。音との戯れの中で、人を桃源郷に連れていくような音楽が生まれたのだろう。まあ、桃源郷なんて行ったことないけれど。ないけれど、夏の晴れた休日にベランダに出てALOHAを聴きながら缶ビールを開ける。その瞬間、その場所こそが私にとっての至上の桃源郷になるのだろうから、今はただALOHA片手に夏を待つのみ。(text by 水嶋美和)

RECOMMEND

nontroppo / NIGHT OF TROPICALIA

エレクトロとフォーク・ミュージック、それらを独自のDUBエッセンスで融合したサウンドで多くのミュージシャンや音楽評論家からも絶賛される、博多が誇る最新型バンドの2ndアルバム。フィッシュマンズなき現在、その幻影を追い続けるリスナーにこそ聴いて欲しい都市型(リゾート)ダブ。ひんやりとした前衛POPミュージックに加え、今作はトランシーな高揚感もプラス。ダンス・フロアからチルまで至福を与える極上のミュージック。

埋火 / わたしのふね

二階堂和美、トクマルシューゴに続く、埋火による正式デビュー盤にして大名盤。 レトロでサイケ感漂う雰囲気を兼ね備えながらも、サウンドはエモーショナルでキャッチーなメロディー、静と動が入り混じったこのロック・サウンドはクセになります。

cero / WORLD RECORD

70年代ティンパンアレー周辺を現代的にアップデートした新しい潮流! ロックとヒップホップが絶妙なブレンドで配合された、日本の、東京の、2011年の幕開けを飾る、本当の意味でのインディ・ポップ。マニアックで雑多性に富みながらも一貫してポップ。スティール・パン、マリンバなども多様した希有なサウンドは必聴。

LIVE SCHEDULE

2011年6月4日(土)@京都 club METRO
LIVE : ALOHA / アナ
DJ : 西村 道男 / LONDON CALLING DJs / LOOP TO LOOP CREW
VJ : TR3(BANQUET)
FOOD : Ital Gabon

2011年6月5日(日)@梅田 Shangri-La
LIVE : ALOHA and more...

2011年6月7日(火)@タワーレコード渋谷店 B1 STAGE ONE
LIVE : ALOHA / アナ
参加方法 : タワーレコード渋谷店・新宿店・池袋店・秋葉原店・横浜モアーズ店で 5月20日(水)発売ALOHA 『うたのゆくえ 』もしくは、4月27日(水)発売アナ 『HOLE』 をお買い上げの方に先着でイベント入場券を配布致します。CD1点につき1枚の入場券、CDは一度に2点までご購入いただけます。→注意事項

2011年6月19日(日)@青山 月見ル君想フ
LIVE : ALOHA(with SPECIAL GUEST) / 奇妙礼太郎トラベルスイング楽団 / tobaccojuice
DJ : YOGURT / 西村道男
VJ : eetee
FOOD : Cap Curry

ALOHA PROFILE

ALOHA=西尾大介(ニシオダイスケ)
2004年から活動をスタート。2006年夏に1st ALBUM『CITYMOVIE』をリリース。自主制作ながらタワーレコード第一回「タワレコメン」に選ばれるなど、パワー・プッシュされ全国的に展開され話題となる。2007年9月からは多彩なゲストを招いての自主イベント「JUST NIGHT」を定期的に開催。福岡の野外フェス「SUNSET LIVE」に2年連続出演。2008年4月にMINI ALBUM『TROPICAL COOL』をリリース。カフェなどで行なわれるひとり弾き語りライブでは「トロピカルダンディ西の」の名で活動している。2009年より東京に活動拠点を移し、関東で数々のライブに出演。2011年ALOHAは西尾大介のソロ・ユニットになり、多くのサポート・メンバーを迎えて様々な形態でライブ活動をしている。

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レヴュー

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筆者について
水嶋 美和 (bobbiiiiie)

酒と音楽と漫画と映画とお笑いに囲まれながら、何かしらとにかく書き続ければと思います。

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