春を彩る「うた」が到着!


平賀さち枝 / さっちゃん

いまだあどけなさの残る淡く透き通った歌声と、軽やかなガット・ギターにのせて、春を運ぶ唄い手、平賀さち枝のファースト・アルバム。oono yuuki、シャンソンシゲル(ゲラーズ、トクマルシューゴ&ザ・マジックバンド)、笹口聡吾(太平洋不知火楽団)、後藤勇らが参加。録音/ミックス/マスタリング・エンジニアは、ゆらゆら帝国はもちろん、OGRE YOU ASSHOLE、浜田真理子、などの仕事でも知られる中村宗一郎が担当している。




笹口騒音ハーモニカ&平賀さち枝 / 春の窓から

太平洋不知火楽団の笹口聡吾=笹口騒音ハーモニカと、平賀さち枝の共作/共演曲「春の窓から」が配信シングルとしてリリース。かつて会場限定シングルCD-Rとして販売されていた、笹口の流麗なフィンガー・ピッキングと、切なくも力強いメロディにのせたふたりのヴォーカルが絡み合い、ふたりの魅力が結実した名曲。今回のシングル化にあたり、新たにエンジニア中村宗一郎によって再録とマスタリングが行われている。




オガサワラヒロユキ × ユピトーク / オガサワラヒロユキ × ユピトーク

BOROFESTAやMINAMI WHEELにも出演したシンガー・ソングライターオガサワラヒロユキと、USインディー経由トーキョー発のフォーク・ポップ・ミュージックの歌い手ユピトークのスプリットは、街もサウンドも違えど、2組の共通点である暖かい歌と紡ぎだされる言葉の素晴らしさを濃縮した約20分の物語。ミックス・マスタリングは高橋健太郎が担当。


4人の唄い手によって刻まれる記憶

何をもって「春の匂い」とするのか。鼻に抜けるほどに爽やかな草花の匂いだろうか? 陽に焼けた本や写真の甘く埃っぽい匂いも春を連想させる。出会いと別れ、否が応にもその両方を呼び込んでしまうこの季節を、恨めしく思う人も居れば、感謝する人も居るだろう。多くの人が複雑な感情を寄せるこの4月に、声で言葉を紡ぐシンガー・ソングライターたちから新しい作品が届いた。

まずは、平賀さち枝のファースト・アルバム『さっちゃん』。彼女の曲を聴いた時に最初に連想したのは荒井由実。その中でも初期の方の作品、「ひこうき雲」だった。手を掴まえておかなければ風に吹き飛ばされてしまいそうな儚さ。手を握ってしまえば壊れてしまいそうな脆さ。二階堂和美も連想させるが、あそこまでの器用さはなく、成熟した声でもない。その分、丁寧に声を並べようとする懸命さがなおさら愛おしく思える。この作品は彼女が少女から大人に変化する瞬間を切り取ったかのようだ。一曲一曲の中で成長を見せるので、こちらは一瞬一瞬を聴き逃せない。

そしてこのアルバムに参加している太平洋不知火楽団の笹口聡吾によるソロ・ユニット、笹口騒音ハーモニカとのセッション作「春の窓から」。「春の窓から」何かが吹き込んで来たのだろうか。「春の窓から」何かが見えるのだろうか。高揚感と不安感を抱え、部屋でじっと何かを待つ男女2人の姿が目に浮かぶ曲だ。先ほど書いた「春の匂い」についてだが、彼らのこの曲からは後者の方、陽に焼けた本や写真の甘く埃っぽい匂いがする。平賀さち枝の曲を聴いて荒井由実を連想したように、フォーク独特の寂しい美しさが込められている。

ユピトークオガサワラヒロユキのスプリット・アルバム、タイトルそのままだが『オガサワラヒロユキ×ユピトーク』からは逆に、芽吹いたばかりの草花の爽やかな春の匂いがする。こちらも男女のシンガー・ソングライターによる共演作だが、平賀さち枝笹口騒音ハーモニカとは全く異なる趣を持っている。男女の若さを持て余した音が滴となりキラキラと輝き、メロディ上で跳ねる。セッション作のタイトルもまさに「青」。「いつまでもここにいちゃいけない」と歌詞にある通り、すぐにでも駆け出したくなるような爽快感をもっている。ユピトークオガサワラヒロユキ、それぞれの楽曲も収録されているが、どれも弾む息が聞こえてきそうなほどに軽快で、少しの憂いをもった良質のポップスだ。

記憶の最後に残る感覚は視覚ではなく、聴覚、もしくは嗅覚だという。卒業式と入学式の繰り返しを終え、学生でなくなった今も何故かこの季節によく別れと出会いを迎えている。その時、自分の傍に居てくれた匂いと音が、自分だけの「春の匂い」「春の音」になる。平賀さち枝の『さっちゃん』、彼女と笹口騒音ハーモニカとの共演作「春の窓から」、『オガサワラヒロユキ×ユピトーク』、この三作も誰かの春の思い出に寄り添い、4月が来る度に思い起こされることになるのだろう。(text by 水嶋美和)

今、聞くべきうた

青葉市子 / 剃刀乙女

エヴァー・グリーンな歌声と驚くべき演奏力、そして、卓越したソング・ライティング能力を兼ね備えた青葉市子。OTOTOYで三週連続でリリースした「パッチワーク」「レースのむこう」「日時計」を含む、全八編の叙情詩。青葉市子独特の生々しい音像と、聞く人に美しい情景を思い描かせるハーモニーはそのままに、奥底に隠れていた彼女の小宇宙が覗けるような作品。独自性を持ちつつ、ギター一本で表現する彼女のポテンシャルは今作でも底がない。彼女の第2章がここから始まる。

曽我部恵一 / PINK

曽我部恵一ソロ活動10周年で創り上げた珠玉の9曲。サニーデイ・サービスの再結成、曽我部恵一BANDでの活動… 活発に動き続ける彼が創り上げた最新作は、あまりにもメロウでソウルフル! 制作には木暮晋也、グレートマエカワなど旧知のミュージシャンが参加。そしてマスタリングはNYの名匠Greg Calbiが担当し、これまでの音楽活動の中でも最も贅沢で芳醇な傑作が完成した。優しさに包まれる一枚。

鴨田潤 / 一

2年前に自主で発表した『ひきがたり』以来となる、鴨田潤名義での待望の1stフル・アルバム! イルリメ本来のスタイルとは異なる、「歌とギターの弾き語り」での楽曲群は、シンプルな作りながらも、情景を切り取るような歌詞、味のある歌声とメロディーで、鴨田潤という形でなければ表現出来ない歌が詰まっている。

sominica / White Mini Album

急遽リリースが決定したsominicaの新作は、現在メンバーと離れて福島県二本松市で生活している橋本裕弥が東北地方太平洋沖地震をうけて録り下ろしたという弾き語り集となった。橋本が震災直後に書き上げた「できあい」を筆頭に、彼の才気が溢れ出るような珠玉の6曲が収録された、sominicaによる必聴の「橋本裕弥復興アルバム」が完成!

V.A. / VELVET SONGS

七尾旅人、曽我部恵一、Chocolat & Akito、bird、Wyolicaら13組のアーティストが、様々なアプローチで歌い上げた、豪華カヴァー・アルバム。日本の良質なボップスを数多く送りだしたアルファ・レコードより、荒井由実、吉田美奈子、ガロ、ハイ・ファイ・セットら初期の作品にフォーカスをあてた、新しくも懐かしくもある一枚

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レヴュー

【REVIEW】15年目に突入のNegicco──2作目となるベスト・アルバムをハイレゾ配信
・2017年07月20日・【REVIEW】15年目に突入のNegicco──2作目となるベスト・アルバムをハイレゾ配信 新潟在住の3人組アイドル・ユニットNegiccoが、キャリア15年目に突入した2017年7月20日、2作目となるベスト・アルバム『Negicco 2011~2017 -BEST- 2』をリリース。「光のシュプール」「ねぇバーディア」といったシングル曲はもちろん、作詞・作曲堀に堀込高樹、編曲にKIRINJIを迎えた書き下ろしの新曲「愛は光」、Homecomingsのギタリスト・福富優樹作詞の「ともだちがいない!」、《SIDE B楽曲から1曲を選ぶTwitterファン投票企画》にて圧倒的票数で選ばれた「さよならMusic」も収録。OTOTOYでは本作をハイレゾ配信!! 大人のしなやかさと可愛らしさを持ち合わせたNegiccoの現在をお楽しみください。 2作目となるベスト・アルバムをハイレゾ配信Negicco / Negicco 2011~2017 -BEST- 2【配信形態】WAV、ALAC、FLAC(24bit/48kHz) / AAC単曲 201円(税込) / まとめ 2,401円(税込) 【収録曲】1. 愛は光
by 鈴木 雄希
でんぱ組.inc「夢眠ねむ」ボカロ“夢眠ネム”でコンピ・アルバムをリリース
[REVIEW]・2017年07月06日・でんぱ組.inc「夢眠ねむ」がボカロ“夢眠ネム”に! 豪華クリエイター参加のコンピ・アルバムをハイレゾ配信 でんぱ組.incのメンバー、夢眠ねむのボイスをサンプリングして2月に製品化発売されている「VOCALOID4 Library夢眠ネム」を使用して制作されたコンピレーション・アルバム『VOCALOID夢眠ネム』がリリースされた。楽曲制作には、kz(livetune)、八王子P、ゆよゆっぺ、tilt-six、ナユタン星人、玉屋2060%(Wienners)、MOSAIC.WAV、Yamaha VOCALOID夢眠ネム開発チーム、Tom-H@ckら豪華メンバーが参加。まだボカロの魅力に気づいていない人へ、南波一海のレヴューでその深みにハマってください。 V.A. / VOCALOID 夢眠ネム'【配信形態】(左)(24bit/48kHz) WAV / ALAC / FLAC / AAC(右)(16bit/44.1kHz) WAV / ALAC / FLAC / AAC【配信価格】(税込) (左)単曲 324円 / まとめ価格 2,700円(右)単曲 257円 / まとめ価格 1,852円【Track Lis
『SYMPHONY』が掘り起こす、あの頃の記憶──ホムカミ新作EPを独占ハイレゾ配信
[REVIEW]・2017年07月05日・人と人とを交差させ、響かせる。──『SYMPHONY』が掘り起こす、あの頃の記憶 2015年にリリースしたシングル「HURTS」以降、注目を集め続ける京都在住の4ピース・バンド、Homecomings。昨年、2013年の“ROOKIE A GO-GO”出演から3年ぶりに〈FUJI ROCK FESTIVAL〉の舞台に立ち、観客の盛り上がりがフジロック随一とも言われる“レッドマーキー”への出演を果たす等、ライヴでの活躍が目立っていたなかで、待望の新作『SYMPHONY』をリリースする。本作で、彼らは殻を破ったと言えるだろう。バンド最高の名曲と評される「HURTS」を超える名曲が誕生した。新曲4曲 + REMIX1曲のミニ・アルバムではあるが、今年を振り返ったときに鮮明に覚えているアルバムになっているはずだ。容易く語られがちなセンチメンタルやノスタルジーに、これが本物だと言わんばかりの、心の機微を捉える名曲づくしのアルバムを、OTOTOYでは独占ハイレゾ配信のスタートとともにレヴューをお届けする。 〈FUJI ROCK FESTIVAL'16〉を経て成長したホムカミのミニ・アルバムが完成! Homecomin
by 中の人
コーネリアス、11年ぶりのオリジナル・アルバム『Mellow Waves』を配信開始
[CLOSEUP]・2017年06月28日・コーネリアス、11年ぶりのオリジナル・アルバムーーメロウとゆらぎに満ちた大傑作『Mellow Waves』 Cornelius(コーネリアス)が、『sensuous』以来、11年ぶりとなるオリジナル・アルバムを完成させた。その間、salyu × salyuのプロデュースやMETAFIVEでの活動、『デザインあ』、『攻殻機動隊』のサウンドトラック制作など、様々なプロジェクトに関わってきた小山田圭吾が作り上げた至高の作品。坂本慎太郎を作詞に迎えた「あなたがいるなら」、「未来の人へ」をはじめ、“メロウ”と“ウェイヴ”に満たされた全10曲。銅版画家の中林忠良によるモノクロームのジャケットも含め、2017年ひいてはテン年代の代表作になるであろう本作を配信開始する。この作品を聴かない人生はもったいない! Cornelius / Mellow Waves'【配信形態】AAC【価格】単曲 257円(税込) アルバム 2,160円(税込)【収録曲】''1. あなたがいるなら2. いつか / どこか3. 未来の人へ4. Surfing on Mind Wave pt 25. 夢の中で6. Helix / Spiral7. M
by 西澤 裕郎
むすびズム、新プロデュース布陣で臨むニューシングルを独占ハイレゾ配信
[REVIEW]・2017年06月27日・むすびズム、新プロデュース布陣で臨むニューシングルをOTOTOY独占ハイレゾ配信 ASOBISYSTEM発、5人組アイドル・グループ、むすびズム。”「日本のカワイイ」を世界に発信する”をテーマに活動中の彼女たちが、このたび最大の武器、「kawaii」全開の3rdシングルを発表、OTOTOYでは本作を独占ハイレゾ配信開始。アルバム購入すると、ブックレットと、抽選でサイン入りポスタープレゼントも。さらに、リリースを記念して担当ディレクター&メンバーからのコメントも到着しました! アルバム購入でブックレットpdfつき!むすびズム / キミに夢CHU♡XX【A盤】'【収録曲】1. キミに夢CHU♡XX2. キミへ100% 3. キミに夢CHU♡XX -Instrumental-4. キミへ100% -Instrumental- 【配信形態】24bit/48kHz WAV / FLAC / ALAC / AAC【配信価格】単曲 250円(税込) / まとめ価格 1,000円(税込)むすびズム / キミに夢CHU♡XX【B盤】'【収録曲】1. キミに夢夢CHU♡XX2. 小悪魔なLOOK3. キミに夢夢CHU♡XX
シャムキャッツ新アルバム『Friends Again』を読み解く──〈岡村詩野音楽ライター講座〉よりクロス・レヴュー
[REVIEW]・2017年06月23日・シャムキャッツ新アルバム『Friends Again』を読み解く──新たに提示する“シャムキャッツの音楽”とは 昨年、自主レーベル〈TETRA RECORDS〉を立ち上げ、バンド史上最高のアンセムとなった『マイガール』、バラエティ豊かな楽曲が並ぶ『君の町にも雨はふるのかい?』を立て続けにリリースしたシャムキャッツ。今回リリースされる『Friends Again』は、実に約3年3ヶ月ぶり、そして〈TETRA RECORDS〉立ち上げ以降、初のフル・アルバムとなった。前作『AFTER HOURS』リリース以降、様々な方法で表現をし、“新たなシャムキャッツ”を模索し続けていた彼ら。そんなシャムキャッツが満を持して世間に放つ音楽とは……。現在開催中の、オトトイの学校〈岡村詩野音楽ライター講座〉の講座生によるレヴューとともに紐解いてみてはいかがだろうか。 前作から約3年3か月ぶりのフル・アルバム! シャムキャッツ / Friends Again'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC【配信価格】単曲 250円(税込) / アルバム 2,400円(税込)【収録曲】''1. 花草
【REVIEW】色気漂う大人の娯楽作──ルパン音楽生みの親、大野雄二・新バンドのセカンド・アルバムをハイレゾ配信スタート!!
[REVIEW]・2017年06月23日・色気漂う大人の娯楽作──ルパン音楽生みの親、大野雄二・新バンドの最新作をハイレゾ配信スタート!! 「犬神家の一族」や「人間の証明」などの映画音楽やTV音楽、そしてみなさまご存知「ルパン3世」の音楽を手掛けてきた大野雄二が昨年始動させた新バンド・Yuji Ohno & Lupintic Sixがデビュー作から1年という短いスパンで最新作をリリース。「ルパン三世のテーマ」、「愛のテーマ」をはじめとしたルパン・シリースの中でも人気の高い楽曲もニュー・アレンジにて収録。OTOTOYではもちろんハードボイルドでアッパーな今作をハイレゾにて配信中です。そして、アルバム購入者抽選で3名に大野雄二サイン入りステッカーをプレゼント! 詳細は記事内にて! Yuji Ohno & Lupintic Six / RED ROSES FOR THE KILLER'【Track List】01. TORNADO 201702. RED ROSES FOR THE KILLER 201703. CRAZY IN LOVE feat.詩織04. MIDNIGHT WHOOPIE05. GOLDEN TIME feat.TIGER06. B
スーパーノア、待望の1stフル・アルバムをリリース!メンバーによるライナーノーツを掲載
[REVIEW]・2017年06月22日・スーパーノア、待望の1stフル・アルバムをリリース──限りなくエヴァーグリーンでポップな今作を語る 2004年に結成、京都を中心に活動を行っているスーパーノア。ついに彼ら初のフル・アルバム『Time』が完成した。今回リリースされる『Time』には、ライヴ会場限定で販売されていたシングル「リリー」の再録バージョンや、予てから音源化が望まれていた「what light」など、いまのバンドのモードが反映された新曲など全10曲を収録。OTOTOYでは今作をハイレゾ配信開始。スーパーノアのメンバーである赤井裕(Gt)、井戸健人(Gt. / Vo.)、岩橋真平(Ba.)、岡村寛子(Key.)と、〈SIMPO RECORDS〉代表であり今作のレコーディング・エンジニアを務めた小泉大輔によるセルフライナーと共にご紹介しよう。 待望の初フル・アルバムをハイレゾ・リリース スーパーノア / Time'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(24bit/48kHz) / AAC>>>ハイレゾとは?'【配信価格】単曲 230円(税込) / アルバム 2,300円(税込)【収録曲】1. U(n)A2. MADA3. ドリームシアタ
筆者について
水嶋 美和 (bobbiiiiie)

酒と音楽と漫画と映画とお笑いに囲まれながら、何かしらとにかく書き続ければと思います。

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