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2013年10月17日15時50分

 
〈LIVE OCT extra〉でみせた東西若手バンドの共演をレポート——大阪便り
 

今回は10月3日に大阪福島2nd LINEで行われた〈LIVE OCT extra〉の模様をお届けする。このイベントは、「関西の音楽シーンを刺激する」をモットーに毎日放映される関西テレビ「音エモン」によるもので、以前取り上げた〈GLICO LIVE〉と共通する思想が感じられる。今回は、関西 / 関東から集められた若手バンドで、どこか一癖感じられる「踊れるロック・バンド」を魅せてくれたように思う。

O.Aは京都を中心に活動する、夜の本気ダンス。一音目が鳴ったその瞬間から様子見を決め込んでいたフロアの空気が一変する。米田(Vo.)がマイクに向かって「最初からクライマックスでいくぞ!」と叫び、「Bitch」へ。バンド名の通り、踊れる四つ打ちが刻まれ、リズムに体を任せる人がフロア前方になだれ込んで行く。お客さんを鷲掴みにした魅力、特筆すべきは、彼らの音楽はどこか艶っぽいということ。それは彼らの鳴らす音が60年代のガレージ・モッズを彷彿とさせるサウンドであることに起因していると思う。「fuckin’so tired」では、熱を帯びるフロアへ米田が降り立ち、お客さんにもまれながらも見事なダンスを魅せた。O.Aであることを忘れさせる圧巻のライヴであった。

熱気渦巻くフロアに続いて登場したのはasobius。澄んでいく空気がフロアを包み込み「made of my friends」が演奏された。甲斐(Vo)の優しい歌声に導かれるように、壮大なスケールで煌びやかに展開されていく楽曲に、自分が溶け込んでいくような感覚を覚える。asobiusで最もダンサブルなナンバーです、と紹介された「starlight」。ハンズクラップも誘い、軽快なリズムに乗せ、丁寧に歌い上げていく。囁きにも似た歌声が、一気に覚醒する場面には息をのんだ。静と動のコントラストを明確に示し、飽きさせない楽曲展開を魅せ、心地いい残響と共にステージを去っていった。

地鳴りのような爆音が鳴り、フロアに再び熱気が戻りKEYTALKが登場した。本日最もキレのある四つ打ちに自然とハンズクラップが巻き起こる。前半から「color」「トラベリング」「Sympathy」とアッパーチューンで攻め立てる。休憩する隙を一切与えられない曲順にも力強く応えるフロアに対して、ステージでもその勢いに負けじとメンバーが縦横無尽に駆け巡った。特に小野(Gt.)は、常に最前列の柵へ足をかけ身を乗り出しながらの演奏だった。彼の鳴らすギターは近頃多くみられる四つ打ち基調のダンス・ロック・バンドにおいては珍しくディストーションのかかった力強い音である。お客さんの耳に強烈な印象を残す音が、ダンス・ロック・バンドの「ロック」部分を特化させている。ライヴ・バンドと呼ばれるほどに全国を飛び回る彼らの圧倒的なステージングと共に、ダンス「ロック」バンドとしての演奏でフロアを沸かせ、ラスト・バンドへバトンを繋いだ。

リハーサルの段階から本番さながらに「JP」を演奏し、モッシュを巻き起こしていたのは西ノ宮の狂犬、キュウソネコカミだ。「俺たちのなんばハッチへようこそ」とヤマサキ(Gt.Vo.)が一言。前日にはLIVE OCTはなんばHatchで開催されており、本公演はそのExraステージという位置付となっていたことを揶揄する、彼ららしいMCでライヴ・スタート。1曲目から「ネコ踊る」、先ほどKEYTALKがつくったムードそのままにフロアを揺らしていく。勢いは加速し「DQNになりたい、40代で死にたい」へ。おなじみのリフでフロア後方までモッシュが巻き起こる。新曲「ファントムバイブレーション」では、iphoneの着信音マリンバをそのままメインリフにしてしまった彼ららしい楽曲で、イントロの時点で思わず笑ってしまうお客さんもいた。本編ラスト「オリジナリティ」ではヤマサキがフロアへダイブ。怒鳴り散らしているのか、歌っているのかもはやその判別もつかないほど。しかしそれが狂気じみて聞こえないのは、シンセの音が持つポップな部分が彼らの楽曲のアクを昇華させてしまっているからであろう。

全4バンドそれぞれのアプローチでフロアを躍らせていた。他にはない唯一無二の特異性を表現してくれた彼らからは、飽和状態になりつつある四つ打ちビートを肝とするダンスロックのなかで、これからを担っていく若手世代には、やはり変化球が必要なのだと実感した。(佐藤ワカナ)

〈LIVE OCT extra〉
2013年10月3日(木)LIVE SQUARE 2nd LINE
出演 : asobius / KEYTALK / キュウソネコカミ
O.A.)夜の本気ダンス

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