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2025/03/14 19:15

 

【オフィシャルレポ】US大型フェス〈SXSW2025〉北村蕗、眉村ちあき、東京初期衝動ら8組出演で大盛況

 

米国時間2025年3月11日(火)、アメリカ・テキサス州オースティンの大型フェス〈SXSW 2025〉にて、日本のアーティストによるオフィシャルショーケース〈TOKYO CALLING × INSPIRED BY TOKYO showcase supported by MUSIC WAY PROJECT〉がライヴハウス・Mohawkで開催された。

本会場の屋内ステージで行われたのは、日本やアジアの次世代アーティストをフューチャーする『INSP IRED BY TOKYO』。トップバッターを飾ったのは北村蕗。海外でのパフォーマンスはこの日が初めてと話す北村は、その緊張感が少し伝わりながらも「amaranthus」をしっとりと歌い上げた。ピアノ弾き語り、アンビエント、エレクトロニックが融合された心地良い音色で会場を包み込んだ。

R&BシンガーソングライターのVivaOlaは、オルタナティブなR&Bの魅力が詰まったナンバーを披露し、メロウなムードを会場に届ける。“I'm still jetlagged, so my talking voice is very low, but I'm ready to go crush!(まだ時差ボケで話すと声が低いんだけど、騒ぐ準備はできてるから!)”と、オーディエンスと対話をするような自然なトークで会場との距離を縮めた。

ネオン輝く東京の街が目に浮かぶ大人な空間から一変、京都出身のシンガーソングライターluvisのサウンドが、オースティンに春の訪れを知らせるかのように爽やかな風を吹かせた。未発表曲「gimme!(jugem)」では、サビの「gimme! gimme! gimme!」のパートで、オーディエンスの声をその場でレコーディングした。

ドリーミーでエレクトロな楽曲が特徴のユニットXAMIYAは、遊び心のある音作りで会場を楽しませる。東京のカワイイ文化を彷彿とさせるKAMIYAのドーリー系な衣装にカメラを向けるファンも多かった。“Let's get crazy!”と会場を煽ると、キラキラでカラフルなサウンドを響かせた。

『TOKYO CALLING stage』では、日本最大級のライヴサーキットイベント〈TOKYO CALLING〉の参加アーティストがバンドサウンドを鳴らした。先陣を切ったのは、打首獄門同好会だ。昨年、惜しくも出演キャンセルとなった悔やむ想いを晴らすかのように「筋肉マイフレンド」でドスのきいた重低音を放つと、オーディエンスは拳を上げてヘッドバンギングを始めた。猫好きの気持ちを代弁した楽曲「猫の惑星」や「布団の中から出たくない」など、日常生活をコミカルに表現する打首獄門同好会のステージは、爆音のみならず爆笑を誘った。

二度目のSXSW出演となる眉村ちあきは、東京を舞台に今を精一杯生きる人々の葛藤や迷い、生き様をテーマにした「東京留守番電話ップ」や、ユニークなトラックメイクと彼女のハイトーンボイスが光る「インドのりんご屋さん 」、さらに同フェスのために作ったスペシャルメドレーなど、渾身の7曲を披露。屋外ステージのSXSWの夜空に響く力強い歌声と独自の世界観を貫くパフォーマンスが圧巻だった。フロアからは“チアキ、ダイスキ!”の声援も飛び交った。

オルタナティブロックバンド・EnfantsがサウンドチェックでRage Against the Machineの名曲をプレイすると、会場にいたロックファンたちが吸い寄せられるようにステージ近くへ。初めてのアメリカ公演にも関わらず、物怖じしない堂々とした佇まいで、全身全霊で歌う松本大(Vo)にカリスマ性を感じたファンも多いはずだ。

トリを務めたのは、昨年に続き2度目の出演となるガールズバンド、東京初期衝動。しーなちゃん(Gt/Vo)が“Japanese famous!”と叫ぶと「メンチカツ」を披露。2曲目にして早くもフロアへ豪快にダイブし、パンク精神を見せつけた。一方で「恋セヨ乙女」では、恋する少女の青春を歌ったラブソングをチャーミングに歌う。このギャップこそがこのバンドの魅力であり、東京女子のエネルギーを感じさせるライヴだった。

本ショーケースについて、SXSWの音楽部門の総責任者を務めるジェームズ・マイナー(VP of Music Festival at SXSW)はこう話す。「日本の音楽シーンは成長していて、多様性にも富んでいますよね。アメリカのオーディエンスと日本のオーディエンスは異なります。何度もSXSWに出演するアーティストたちは年々その違いを理解して、自信を高めているのが見受けられます。」〈TOKYO CALLING〉と〈INSPIRED BY TOKYO〉が、日本の音楽のダイバーシティを世界に届けている。「継続は力なり」ということわざがあるように、このショーケースが毎年開催されることで、海外のオーディエンスが日本の音楽に触れる入り口となり、着実にファンが増えていることは確かだ。

Text:Megumi Hamura
Photo:(c)森リョータ

イベント情報
〈TOKYO CALLING × INSPIRED BY TOKYO showcase supported by MUSIC WAY PROJECT〉
2025年3月11日(火) アメリカ・テキサス州オースティン Mohawk
INSPIRED BY TOKYO stage:北村 蕗 / XAMIYA / VivaOla / luvis
TOKYO CALLING stage:打首獄門同好会/GOKUMON(Uchikubi Gokumon Doukoukai) / Enfants / 眉村ちあき / 東京初期衝動

インフォメーション
SXSW オフィシャル・ウェブサイト:https://www.sxsw.com/
TOKYO CALLING × INSPIRED BY TOKYO showcase オフィシャル・ウェブサイト:
https://tokyo-calling.jp/showcase/

Photo Gallery

[ニュース] Enfants, Rage Against The Machine, VivaOla, XAMIYA, luvis, luvis , I'm, luvis feat. lono, 北村蕗, 打首獄門同好会, 東京初期衝動, 眉村ちあき

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