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2022/08/27 22:04

 

【行かなきゃ ASP-ライヴレポート-】ASPは、生きていく! 最大規模、日比谷野外音楽堂でのワンマン・ライヴ

 

〈ACOUSTiC SAD ORCHESTRA TOUR〉のファイナル、ASP最大規模、日比谷野外音楽堂でのライヴがはじまる。会場は3000人の定員に対して、1500人! この人数は、まだ結成1年半にも満たないグループとしては、堂々たる数字だ。

そしてメジャー・デビューも控えており、「さてさてどれほどのものを見せてくれるのだろうか!」とかまえている筆者もいた。そんな身がまえている我々を笑い飛ばすかのようにMC(コント?)からスタート(笑)。ナ前ナ以を中心にした意味不明な卒業式の呼びかけ(別れの言葉)や、「勝負パンツはノーパンです」と爆弾発言をしたりと、見事に我々の期待を裏切る。そして、「最高のライヴを届けます! 伝説を作ります! よろしくお願いします!」とナ前ナ以が叫び、“BE MY FRiEND”からASPの野音はスタートした。天気は晴天、気温は下がってきて、すでに気持ちいい! 楽曲は、ASPの持ち前のスピード感で“the MAN CALLiNG”“いつでもファッキュー♡”と挨拶などを挟みながらもガンガン飛ばしていく。

むむむ... とはいえ前半戦は、気合が空回りしている部分や、ピッチが甘かったり、速くて詰まったパンクビートには、まだまだ乗り切れていないメンバーがいたのは、もったいなかった。やはり、ユメカ・ナウカナ?、ナ前ナ以、モグ・ライアンの安定した歌や踊り、そして感情表現は素晴らしく、他のメンバーとの違いは気になってしまう。それでも、日が陰り、夕暮れとなり、夜になっていく幻想的な野音の美しさは、ASPのライヴを特別なものにしていた。

このライヴの様相が“The Emperor's New Clothes”辺りからどんどん変わってきた。ASPにしては珍しいBPMの遅い曲で、マチルダー・ツインズ、ウォンカー・ツインズのサビはとても気持ちよく馴染んでいた。次の曲“日々是虚無也”はみんな楽しそうで笑顔もどんどん飛び出す。チッチチチーチーチーやリオンタウンの歌は乗ってきたし、やはり新メンバーのふたりが笑っていると、こちらも嬉しくなってしまう。

MCでは、マチルダー・ツインズ、ウォンカー・ツインズのプチコントから“レリゴ”につなげる。彼女たちのMCはWACKのなかでも群を抜いて上手くて、お客さんは意味不明なものを見せられているのに、何故か乗せられてしまうという秘技をツインズは持っているのだ。恐ろしや...

“レリゴ”では、会場一体となりカニカニダンスを踊り、その後はモグ・ライアン作詞の“TRUST MYSELF”。「僕はダメと 価値がないと なにもかもを 諦めないで できなくたって 笑われたって 大丈夫大丈夫 誰も気にしない そう自分を信頼しよう 純粋に自分を」と、野音やメジャー・デビューでメンバーが抱えたプレッシャーを体現するような歌詞は、彼女たちが自身に言い聞かせた言葉として見事に伝わってくるし、ウォンカー作詞の“SPiT OUT”もその等身大の歌詞が今の彼女たちにハマりまくっていた。

後半戦のMCでは、モグ・ライアンのとても大事な言葉を聞くことができたので、全文を掲載する。

「野音楽しんでますか? 私たちいつもステージに立つ前に「どうにでもなれー。ここが私たちの死に場所だ」と思ってやってるんですけど、今日は生きてたいって思いました。だってこんなにもライヴは楽しいし、ならず者は愛おしくて仕方ないし、それで死んじゃってたら会えないと思って。だから、ずっと生きていてくれたら嬉しいし、私たちも死に物狂いで生きていきます。そんな生きていたいって曲を歌います。」

そして足の怪我により惜しくも脱退してしまったナアユ作詞の“I wanna live”が、「生きていく」という言葉が、メンバー全員の言葉として野音に響き渡った。そしてASPを覚醒させたと言っても間違いのない“SAKEBE”では、サビの部分、もうメンバーの気持ちが入りまくったサビの掛け合いや落ちサビのリオンの歌には、我々も感染症や戦争などで相変わらず騒がしいこの世界を「生きていく」勇気を彼女たちからもらうことができた。そして本編最後の“M”では、チッチチチーチーチーが笑顔で会場を駆け回る姿に目を離すことができなかった。

アンコールでは、ODD Foot WorksのPecoriが作詞・作曲、そしてYohji Igarashiが楽曲プロデュースおよびサウンドメイクを担当した新曲“Hyper Cracker”が登場。ASPのファンであるならず者たちが用意した各エリアで色分けされたペンライトが野音を彩り、ASPヴァージョンのハイパーポップが、もう最強に美しく響いた。そしてZepp DiverCityでまた会えることを約束し、最後は、超代表曲“拝啓 ロックスター様”で締めた。いつのまにか彼女たちのあり得ないほどの努力を感じ、自身でも気づかずに泣いてしまっていた。

いや本当によくやったと思う...
野音、メジャー・デビューのプレッシャーは相当なものだろうし、7人ではツアーも回れなくて、なかなか練習も揃ってできなくて、メンバーの不安は決して小さくなかったはずだ(実際に連続インタヴューでは涙を流したメンバーもいた)。それでも前を見続け、励まし合いながら、時には腹を割って話し合ったりもして、そしてついに7人で野音にたった。そして本当に素晴らしいライヴをやり切ったのだ。

ナ前ナ以が言ってた。
「個人的に未完成なライヴができたらいいなと思います。完成形を見せて次に繋がるというのもあると思うんですけど、もっとこの人たちのパフォーマンスが観たいって思ってもらえるような、成長を楽しんでもらえるライヴがしたいです。」
そして、本当にその通りになったと思う。

パンクロック特有の速いビートで押すのではなく、いろんな曲調があってしっかり楽曲を聴かせる方が、今の7人にはあっているように感じた。そしてメンバー1人ひとりの歌やダンス、表情の変化を楽しみながら、メンバーやASPの成長を楽しみたいと思った。そんなグループに生まれ変わったと思った(SHELTERのキャパでやるパンク・スタイルのASPもよかったけれど...)。

もう今までのように、感情のむき出しだけで勝負しなくていい。ふざけたい時は思いっきりふざけて、泣きたい時は思いっきり泣いて、楽しいから生きたいんだという気持ちをどんどん我々にもぶつけてほしい。せっかく、子供部屋おばさんを飛び出し、ふるさとを飛び出し、退屈な学校を飛び出し、ASPに入ったんだから。

今回の野外音楽堂のライヴでは、今までのASPを大きく覆すような価値観と、そしてまた新たな可能性を感じることができた。もっともっと良くなるASPを見に、次は Zepp DiverCityへ行こうと思う。

でも何よりも今は、「本当にお疲れ様」と言ってあげたい。

文 : 飯田仁一郎
構成 : 東原春菜
photo by sotobayashi kenta
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2022年8月27日(土)
〈ACOUSTiC SAD ORCHESTRA TOUR〉ファイナル @東京・日比谷野外音楽堂
1.BE MY FRiEND
2.the MAN CALLiNG
3.いつでもファッキュー♡
4.A Song of Punk
5.DiVE
6.BOLLOCKS
7.ITSUMO KOKOKARA
8.GO STRAiGHT
9.WASTED TEARS
10.NO REASON
11.被害者ぶるな
12.The Emperor's New Clothes
13.日々是虚無也
14.WAiT and WASTE
15.マジ無いです。
16.レリゴ
17.TRUST MYSELF
18.Just Do it
19.SPiT OUT
20.Let's go as a weirdo
21.WARRiES
22.I wanna live
23.SAKEBE
24.M

アンコール
25.Hyper Cracker
26.拝啓 ロックスター様

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〈GOD SAVE the ASP TOUR〉
2022年9月18日(日) 熊本 熊本B.9 V2
OPEN 15:30 / START 16:00
2022年9月19日(月) 福岡 DRUM Be-1
OPEN 15:30 / START 16:00
2022年9月24日(土) 神奈川 F.A.D YOKOHAMA
OPEN 15:30 / START 16:00
2022年10月9日(日) 北海道 函館 CLUB COCOA
OPEN 15:30 / START 16:00
2022年10月10日(月) 北海道 SPiCE SAPPORO
OPEN 15:30 / START 16:00
2022年10月15日(土) 愛知 NAGOYA ReNY limited
OPEN 15:30 / START 16:00
2022年10月16日(日) 静岡 LiveHouse浜松窓枠
OPEN 15:30 / START 16:00
2022年11月6日(日) 埼玉 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
OPEN 15:30 / START 16:00
2022年11月12日(土) 大阪 FANJ twice
OPEN 15:30 / START 16:00
2022年11月13日(日) 京都 京都MOJO
OPEN 16:30 / START 17:00
2022年11月26日(土) 沖縄 沖縄Output
OPEN 15:30 / START 16:00
2022年12月3日(土) 香川 DIME
OPEN 15:30 / START 16:00
2022年12月4日(日) 広島 SIX ONE Live STAR
OPEN 15:30 / START 16:00
2022年12月10日(土) 千葉 柏PALOOZA
OPEN 15:30 / START 16:00
2022年12月11日(日) 宮城 JUNK BOX
OPEN 15:30 / START 16:00
詳しくはこちら→https://asp-japan.tokyo/news/detail.php?id=1101974

〈GOD SAVE the ASP TOUR〉ファイナル
2022年12月23日(金) 東京都 Zepp DiverCity
OPEN 17:30 / START 18:30

詳しくはこちら→https://asp-japan.tokyo/news/detail.php?id=1102260

メジャーデビュー記念、24時間イベント
〈24 hours ANARCHY ANARCHY SHiT SHiT PARTY PEOPLE〉
日程:2022年9月2日(金)
時間:17:00開場、18:00開演
終演:9月3日(土) 18:00予定
場所:Yokohama Bay Hall(神奈川県横浜市中区新山下3-4-17)
http://bayhall.jp

詳しくはこちら→https://asp-japan.tokyo/news/detail.php?id=1102341
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■ASPメンバー公式アカウント
ユメカ・ナウカナ? : https://twitter.com/ASP_YUMEKA
ナ前ナ以 : https://twitter.com/ASP_NAMELESS_
モグ・ライアン : https://twitter.com/ASP_MOGRYAN
マチルダー・ツインズ : https://twitter.com/ASP_MATiLDER
ウォンカー・ツインズ : https://twitter.com/ASP_WONKER
チッチチチーチーチー : https://twitter.com/ASP_CCCCCC
リオンタウン : https://twitter.com/ASP_RiONTOWN

ASP公式サイト : https://asp-japan.tokyo/
ASP 公式twitterアカウント : https://twitter.com/ASP_idol
ASP 公式SoundCloud : https://soundcloud.com/asp_idolude

■ASPライヴレポート
2021年8月24日〈TOUR STARFUCKERS〉 : https://ototoy.jp/news/102939
2021年7月4日〈ASP’s on FiRE TOUR〉 : https://ototoy.jp/news/102325
2021年5月30日〈これはASPのワンマンです。〉 : https://ototoy.jp/news/101837
2021年11月24日〈MARCH of ROGUES〉 : https://ototoy.jp/news/104302
2022年2月21日〈ANTi SOCiAL PAiNS〉 : https://ototoy.jp/news/105631
2022年5月23日〈ACOUSTiC SAD ORCHESTRA TOUR〉: https://ototoy.jp/news/106970

■OTOTOYでの個別インタヴュー連載【行かなきゃ ASP】はこちらから!https://ototoy.jp/features/series/%E8%A1%8C%E3%81%8B%E3%81%AA%E3%81%8D%E3%82%83+ASP

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