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2022/04/28 20:00

 

【コラム】アニメーション映画『音楽』に感じる淡い衝動

 

大橋裕之の漫画「音楽 完全版」を原作に、岩井澤健治監督が7年超の制作期間を経て完成させ、第43回オタワ国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門でグランプリを受賞した2020年公開の映画『音楽』。

声優には・坂本慎太郎、岡村靖幸などが参加しており、主題歌はドレスコーズによる書き下ろし曲となっています。

【あらすじ】一度も楽器を触ったことのない不良高校生たちが思いつきでバンドを結成するところから始まるロック奇譚。

主人公の研二がひょんなことでギターを手に入れたことから、不良仲間を誘ってバンド“古武術”を結成するところから物語は始まります。同じ学校のバンド“古美術”に誘われてロックフェスに出ることになるのですが…。とても緩やかなテンションで、淡々と物語が進んでいきますがシュールな場面も多く、たまにクスッと笑えるのが魅力の映画です。

研二たちのバンド“古武術”はドラムとベース2つの編成で、ただ音を鳴らし続けるだけの演奏ですがロックの衝動のようなカッコ良さが感じられ、とてもグッとくる音楽です。楽器の扱い方もわからない、曲の作り方もわからない、でも「楽しい」という気持ちに任せて音を鳴らすだけで「音楽」になる。「音楽」本来のあり方と、楽しみ方を思い出させてくれます。

そして、エンディングに流れるドレスコーズの主題歌「ピーター・アイヴァース」。劇中で、何をやってもダメだった主人公の研二が“音楽”と衝撃的な出会いをして“バンドをやりたい”という淡い野望を抱き、それを楽しんでいく様子がそのまま表現されたような曲です。〈パンク フォーク ラップ えっとなんだっけ なんでもいっか あっと驚く音楽を〉という歌詞からは、バンド“古武術”の音楽のように「何かにとらわれる必要はなく自分がグッとくるものを信じれば大丈夫」というメッセージが感じられます。ぜひ、あなた自身が初めて好きなものと出会ったときのことを思い出しながら、この曲に聴き惚れて下さい。

あともう一つ、「岡村ちゃん」こと岡村靖幸の役柄は“秘密”となっているので、どこで岡村ちゃんの声が聴こえてくるのか注目して鑑賞してみて下さい。

現在、映画『音楽』は動画配信サイトにて視聴可能です。また、ドレスコーズ「ピーター・アイヴァース」、古美術「古美術ベスト」はOTOTOYにて配信中ですので是非、映画と合わせてチェックしてみてはいかがでしょう。

文・田代芽生

映画情報
『音楽』(2020年公開)
監督/脚本:岩井澤健治
原作:大橋裕之「音楽 完全版」
出演:坂本慎太郎、岡村靖幸 他

リリース情報
・ドレスコーズ「ピーター・アイヴァース」
OTOTOYより配信中:https://ototoy.jp/_/default/p/481038

・古美術「古美術ベスト」
OTOTOYより配信中:https://ototoy.jp/_/default/p/653028

インフォメーション
公式サイト:https://on-gaku.info/
公式Twitter:https://twitter.com/eiga_ongaku

[ニュース] ドレスコーズ, 古美術

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