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2019年02月22日10時32分

 
クセ者揃いの新進レーベルTALTOの3バンドが集結、ファミリー感が溢れた一夜―ミニ・レポート
 

東京カランコロンSAKANAMONマカロニえんぴつ、という独自のやり方で自分たちの音楽のかたちを模索し続けるユニークなバンドが所属するロックレーベル「TALTO」のレーベル主催イベント〈TALTOナイト2019 東名阪ツアー〉を渋谷eggmanで見てきた。

カランコロンのいちろー(Vo/Gt)が「この3バンドは家族みたい」と言っていたとおり、この日はアットホームな雰囲気に包まれたライブ。ふつうの対バンとは違う一体感のなかで、互いのカバーやコラボを楽しめる貴重な一夜だった。

トップバッターの東京カランコロンは「ユートピア」からスタート。一筋縄ではいかないオルタナティブなアレンジにのせて、いちろーとせんせい(Vo/Key)による男女ツインボーカルが不思議なポップワールドを描いていった。個性的な衣装でアグレッシヴなベースを弾く佐藤全部(Ba)も(サンシャイン池崎っぽいとイジられていた)、恍惚の表情で渋いギターを弾くおいたん(Gt)も、軽快なビートを炸裂させたかみむー氏(Dr)も、全員が心から楽しそう。最近は「いまがいちばんバンドが楽しい」発言が飛び出すほど、バンドの状態が良いカランコロン。それが演奏からダイレクトに伝わってくる。マカロニえんぴつ「洗濯機と君とラヂオ」のカバーは完全にカランコロン風。それも、現メンバーで10年近く積み上げてきた歴史があればこそだと思う。そう言えば、昔はステージの頭と終わりに恒例だった、鍵盤の「気をつけ、礼、直れ」の挨拶がなくなっていて、そんなところも枠を取っ払って自由に弾けまくる、いまのカランコロンのロックモードが表れている気がした。

二番手は、SAKANAMON。TALTOの3バンドの中では最もストレートなロックサウンドを鳴らすスリーピースは「マジックアワー」からキックオフ。ダメな自分に卑屈な想いを抱きながら、君への想いを真っ直ぐに歌うラブソング……に見せかけて、実はビールへの愛を歌っているという捻くれた感性は、このバンドならでは。藤森元生(Vo/Gt)が「カランコロンのオリジナル曲を超えて、かつSAKANAMONのオリジナル曲も超える」と自画自賛して、演奏する前からハードルを上げまくったカバー「321で」は、カランコロン節の脱力感のあるアレンジから一転して、感情ダダ漏れのエモーショナルな楽曲へと変貌させていた。何をどう料理してもロックになる。SAKANAMONの本領が発揮される名演だったと思う。DA PUMPの「U.S.A.」風の煽りで湧かせた「UMA」から泥臭い「ロックバンド」へと、おふさげと真面目のあいだを目まぐるしく行き来しつつ、辿り着いたラストソングはバラード曲「箱人間」。やりたい放題のあとの“この野郎 愛してる”は、本当にズルい。

トリはマカロニえんぴつ。昨年あたりから注目度がぐんぐん上がっているTALTO最年少の弟分は大きな期待感に包まれて登場した。長谷川大喜(Key)が弾くエッジの効いたシンセを合図にしたアップテンポな「鳴らせ」から集まったお客さんの心を鷲掴みにする。はっとり(Vo/Gt)は「TALTOに所属するのは、ふつうのことはやらないバンド(笑)。好きなことを楽しんでやっているレーベルだと思う」と話していたが、本当に的を射ていると思う。変なバンドばかりだけど(褒め言葉)、みんな音楽的な感度が高くて、一度ハマると抜け出せない魅力がある。もちろんマカロニもそういうバンドのひとつだ。最新作『LiKE』から披露した新機軸のダンスナンバー「STAY with ME」は、このバンドが果敢に音楽的なチャレンジを続けるバンドであることを伝えるものだったし、ラスト「レモンパイ」の人懐こいサウンドはとても心地好かった。この日のライヴのあと、マカロニえんぴつはマクドナルドのCMソングに抜擢されたことが発表された。彼らの勢い、まだまだ止まらなそう。

アンコールでは、3バンドが全員ステージに上がると、それぞれのバンドの魅力を凝縮したコラボ曲「TALTOのレシピ」を演奏してイベントは終演。個性的で、ユーモアに富んでいて、熱いハートを持ったバンドが集まるTALTO、やっぱり大好きです。(秦理絵)

〈TALTOナイト2019 東名阪ツアー〉
2019年2月16(土)渋谷 eggman
出演:東京カランコロン SAKANAMON マカロニえんぴつ

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