忘れらんねえよ〈ボッチンDay3〉柴田が見せた邪念なきバンドマン魂

後半戦初日もいよいよ残すところあと1ステージ。初のヘッドライナーに大抜擢されたのは、忘れらんねえよだ。

巨大なメインステージ「ぼっちステージ」に上がると、緊張の色が隠せない柴田隆浩(Vo.Gt)。

「今日はのりたまにやられました。のりたま仕分けはメンタルをやられますから気を付けてください」と、盟友・忘れらんねえよが挑んだのりたま仕分けについて、そのチャレンジ精神を称えつつ、体調を慮った。

“愛されたいけど簡単に理解されたくない、でも愛されたい“という、アンビバレントで面倒な感情を叫ぶ激烈なラブソング「あの子に俺が分かってたまるか」でスタート。さらに夕方に出演した忘れらんねえよと競うように「眠れぬ夜は君の名をググるよ」、「花火」が続けて披露された。”君“への想いを懸命に届けようとする歌詞とこみ上げる旋律が秀逸な楽曲たちだ。

「〈ボッチン〉みたいなことをやっていると、たまに「何やってるんだろう？」と思うことがある。ただ、それは稀なこと」だという。次の曲は、自分たちのやっていることは決して間違っていないという信念を歌った曲、「バンドワゴン」。じっくりと噛みしめるように〈僕らは音楽をやめない 間違ってるだろうか 間違ってるだろうか〉と問いかける歌には、結成以来15年もの間バンドマンとして生きてきた忘れらんねえよだからこその深みが感じられた。

1つ前のぼっちステージで忘れらんねえよがプレイして絶賛された「俺たちの日々」を歌う柴田。ドラムの音が聴こえてきそうな間を作りながら、ビートを刻む。続けて歌われた「パンクロッカーなんだよ」も同じく、誰もいない路上で歌っているような咆哮に、なんの邪念もないバンドマン柴田の魂を見た。

続く「だっせー恋ばっかしやがって」は、今回の〈ボッチン〉で多くの出演アーティストが取り上げているキラーチューン。人間・柴田隆浩をこれ以上なく表現した実直なラブソング「俺よ届け」で盛り上げると、最後は「今日はこの曲で終わろう」と、「忘れらんねえよ」を歌ってエンディングへ。「Twitterで合唱！」と呼び掛けて、目を瞑りギターを鳴らし続ける柴田。〈忘れらんねえよベイベー 忘れらんねえよーへいへい〉と、オーディエンスのシンガロングがネット上に広がった。

「33時間、やりましたよ。ありがとう！また明日ね！」

〈ボッチインジャパン〉
2022年8月11日(木・祝)20:10～ぼっちステージ
「弾き語りライヴ」
出演：忘れらんねえよ
〈セットリスト〉
1. あの子に俺が分かってたまるか
2. 眠れぬ夜は君の名をググるよ
3. 花火
4. バンドワゴン
5. 俺たちの日々
6. パンクロッカーなんだよ
7. だっせー恋ばっかしやがって
8. 俺よ届け
9. 忘れらんねえよ

・忘れらんねえよ オフィシャルYouTubeチャンネル
https://bit.ly/3CjRpQf　
・Twitter
https://twitter.com/wasureranneyo　

文と写真：岡本貴之