Title | Duration | Price | ||
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1 |
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退廃万歳 alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 03:05 |
Interviews/Columns

インタビュー
京都発ギリシャラブ、初のフル・アルバム・リリース&インタビュー
多くのアーティスト、クリエイターたちが活躍する京都の音楽シーン。そんな京都インディー・シーンの新星「ギリシャラブ」が1stフル・アルバムをリリース。本作にはプロデューサーとして、同じく京都の音楽シーンで活躍をしている、本日休演の岩出拓十郎を迎えた。今回はリ…
Digital Catalog
京都が生んだ明らかな奇才、ギリシャラブ。前作のフルアルバム「魔・魔・魔・魔・魔」から1年、最新作6曲入りEP「無・無・無・無・無」の発売が決定。それは"破壊的なまでに高貴なポップソング集"とでもいうべき不穏な予感に満ちている。 六曲、十七分程度のこの作品の中にたびたび登場するのは、意味に乏しいリリックのリフレイン。それはアルファベットの羅列(M1『ABCD』)であったり「アブサン」という酒名の連呼(M3『アブサン』)であったりEPのタイトルでもある「無」という言葉の繰り返し(M5『無』)であったりするのだが、その無意味さがまさに彼らの禍々しい中毒性の源泉であり、最も刺激的な部分なのだ。総じて無機質なビートの上で変幻自在に唸りを上げる硬質なギター、憂いを含んだ響きで楽曲の舵取りを担うベースのアンサンブルが表現しているのは一回性と円環性、あるいは生と死、彼岸と此岸-その両立だ。最も豊かな「無」が、ここにはある。今作にはレコーディングエンジニアとして、ギリシャラブ・ギターの取坂直人、Mannish Recording Studioの石川泰隆 氏(Helsinki Lambda Club / 羊文学等)、STUDIO CRUSOEの西村曜 氏(17歳とベルリンの壁、Khaki、白い朝に咲く、kiss the gambler等)が参加。ミックス/マスタリングは石川泰隆 氏が担当。
京都が生んだ明らかな奇才、ギリシャラブ。前作のフルアルバム「魔・魔・魔・魔・魔」から1年、最新作6曲入りEP「無・無・無・無・無」の発売が決定。それは"破壊的なまでに高貴なポップソング集"とでもいうべき不穏な予感に満ちている。 六曲、十七分程度のこの作品の中にたびたび登場するのは、意味に乏しいリリックのリフレイン。それはアルファベットの羅列(M1『ABCD』)であったり「アブサン」という酒名の連呼(M3『アブサン』)であったりEPのタイトルでもある「無」という言葉の繰り返し(M5『無』)であったりするのだが、その無意味さがまさに彼らの禍々しい中毒性の源泉であり、最も刺激的な部分なのだ。総じて無機質なビートの上で変幻自在に唸りを上げる硬質なギター、憂いを含んだ響きで楽曲の舵取りを担うベースのアンサンブルが表現しているのは一回性と円環性、あるいは生と死、彼岸と此岸-その両立だ。最も豊かな「無」が、ここにはある。今作にはレコーディングエンジニアとして、ギリシャラブ・ギターの取坂直人、Mannish Recording Studioの石川泰隆 氏(Helsinki Lambda Club / 羊文学等)、STUDIO CRUSOEの西村曜 氏(17歳とベルリンの壁、Khaki、白い朝に咲く、kiss the gambler等)が参加。ミックス/マスタリングは石川泰隆 氏が担当。
ギリシャラブ、配信限定シングル『王様[Alternative]』を配信リリース! 数量限定の特典音源として配布された楽曲『王様』のリアレンジ・リミックスバージョン。
京都インディー・シーンのブライテスト・ホープの呼び声も高いバンド、ギリシャラブが遂に東京に進出。3rdフルアルバムを堂々リリース!ドレスコーズ志磨遼平主催のイエスレコードを離れ、新たに設立した自主レーベル<都市国家レコード>からリリースされる今作。ギリシャラブの持ち味であるひねくれたセンスはそのままに、より純度の高いポップ・アルバムが完成した。リード・トラック『カフェ・オ・レ』の、美しいコーラス・ワーク、警句と幻想、現実と夢の入り混じった、幻想的でありながらひとさじのユーモアを加えたボーカル天川悠雅の歌詞の紡ぎ出す世界はギリシャラブのディスコグラフィーの中でも白眉と言えるだろう。
京都インディー・シーンのブライテスト・ホープの呼び声も高いバンド、ギリシャラブが遂に東京に進出。3rdフルアルバムを堂々リリース!ドレスコーズ志磨遼平主催のイエスレコードを離れ、新たに設立した自主レーベル<都市国家レコード>からリリースされる今作。ギリシャラブの持ち味であるひねくれたセンスはそのままに、より純度の高いポップ・アルバムが完成した。リード・トラック『カフェ・オ・レ』の、美しいコーラス・ワーク、警句と幻想、現実と夢の入り混じった、幻想的でありながらひとさじのユーモアを加えたボーカル天川悠雅の歌詞の紡ぎ出す世界はギリシャラブのディスコグラフィーの中でも白眉と言えるだろう。
京都のブライテスト・ホープ「ギリシャラブ」待望の2nd Albumをお届けいたします。私、志磨遼平が監修する《イエスレコード》初の新人アーティストとして昨年1月にリリースしたEP『(冬の)路上』を経て、新メンバーと共に大きな音楽的転換を果たした彼らは、ディスコ・ポップ/ガレージ・サイケ/フレンチ・エレクトロからラップ〜リーディングまで、すべての退廃的で美しいインディー・ミュージックの化合物のような傑作を完成させました。それでもやはり特筆すべきは、ソングライティングを手がける天川くん(Vo.)の卓越した詩世界であります。まるでヨーロッパ映画のようにノワールで刹那的な彼のポエジーと肉感的な声こそがギリシャラブの比類なき魅力とも言えるでしょう。昨年は東京でのワンマン公演もソールドアウトとなり、あわせてサブスクリプションが解禁された1st Album『イッツ・オンリー・ア・ジョーク』も再生ランキングに浮上するなど、ますます人気が高まる彼らに負けじとぼくも頑張る所存であります。ギリシャラブの今後にどうぞご期待下さい。イエスレコード代表 志磨遼平(ドレスコーズ/毛皮のマリーズ)もしも闇がみたいなら、暗いところに行かなくっても、目を閉じればいい。まぶたの裏には、どこまで行っても真っ暗闇の、広い世界がある。それを空洞と呼んでもいい。無意識の大空洞。ぼくはこのアルバムで、この「空洞」について歌うことにした。このアルバムを聴いたって、大した教訓は得られないかもしれない。何かものを考えたい人は、『現代思想』でも読めばいい。『悪夢へようこそ!』は、未来の街を、オートバイでぶっ飛ばしたあとに、砂浜で踊って、くたくたになったからだを夜の海に仰向けに浮かべる、そんなアルバムだから、そういう体験がしたければ、このアルバムを聴けばいい。教訓ってほどでもないけれど、今、改めてこのアルバムを聴いてみて、わかったことがある。それは……。形のないものは怖いってこと。愛でも、幽霊でも。ギリシャラブ 天川悠雅
志磨遼平(ドレスコーズ)監修イエス・レコード 第一弾アーティスト〈天川によるバンドと作品の解説〉 どうも、天川です。ギリシャラブのボーカルをやっています。ここではギリシャラブ並びにアルバム『(冬の)路上』について、かんたんに解説します。 ギリシャラブというバンドに特筆すべき点があるとすれば、膨大な引用並びに参照にあるとわたしは考えます。前作『イッツ・オンリー・ア・ジョーク』でもそれは顕著でしたけれど、今作『(冬の)路上』ではそれが、曲に、よりポップな性格を付与している。ブラー、ジョルジュ・バタイユ、デッド・オア・アライブ、おとぎ話、マルグリット・デュラス、アレハンドロ・ホドロフスキー、アルベール・カミュ、アレン・レネ、プリンス、ゲーテ、ムーンライダーズ、ルーファス・ウェインライト、ウォッシュト・アウト……。このままだと、資料文のなかでさえ膨大な引用をしてしまいそうなので、このくらいにしておきましょう。 ともかく。彼らが皆手をつないで、こちら側へ歩み寄ってくるのが、わたしには見えました。ぼくは彼らのおかげで、ある力を得たようでした。それは意識の跳躍力、ある場所から別の場所に跳ぶ力でした。 一方で、その代償に両手足に枷をはめられてしまいました。それは「ポップ」という名の枷でした。 前作『イッツ・オンリー・ア・ジョーク』を作っているときは、その枷から逃れようと、闇雲に跳びました。でも今作『(冬の)路上』では、もうその必要すらありませんでした。 わたしは、「ポップ」とは、わたしが得た跳躍力のことにちがいない、とおもっておりました。でもそれでは超えられないくらい高い壁というものに当たったとき、悟りました。「ポップ」というものは、壁を跳び越えるだけのものでなく、壁を壊すものでもあると。 こうした考えは、ある種、いまの音楽界のトレンド、あるいは常識とすらいってもいいのかもしれない。それでもなお、ギリシャラブが、他のバンドと明確に違う点があるとするなら、壁を壊すためであっても、あるいはどれだけの壁を壊したとしても、けっして「ポップ」の枷をとらない、とろうとしない、というところだとおもいます。『(冬の)路上』は、意固地にポップなアルバムです。
Turntable Films、Homecomings、Hi,how are you?、Madegg、In The Blue Shirts、長谷川健一、キツネの嫁入り、吉田省念、中村佳穂など多くのインディー・アーティスト、クリエイターたちが軽やかに活動する京都の音楽。その多様性を実感できるユニークな京都の若手アーティストたちを集めたコンピレーション・アルバムがいよいよ全国流通で登場! コンパイルしたのは、京都在住の音楽評論家/ライターの岡村詩野。その岡村が新たに立ち上げたHelga Pressからの第1弾作品です。昨年発表されたセカンド・アルバム『けむをまけ』がくるり岸田繁からも絶賛された本日休演、東京でも昨今人気を集める生きのいい3ピース・バンドの台風クラブ、牧歌的ながら知的な歌ものスタイルが静かな話題を集める風の又サニーのドラマーでもあるシャラポア野口、メンバー4人全員がポップ・ソングライターでもある渚のベートーベンズ、ニュートラル・ミルク・ホテルやベイルートなどUSインディー志向のギリシャラブ、クラウス・ノミや天井桟敷を合わせたようなクレイジー・ポップなUn Jardin Brun(アン・ジャルダン・ブラン)、本日休演脱退後コツコツと宅録を続ける佐藤拓朗、新世代の友部正人といった趣の西洋彦、ドラッギーかつキャッチーなリフがクセになる無線、エレキギターとサンプラーを駆使したライヴがユーモラスなハロゲン木下……と、個性豊かな顔ぶれが揃いました。なかなか外には伝わらない京都のディープな面白さを実感してみてください。
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京都が生んだ明らかな奇才、ギリシャラブ。前作のフルアルバム「魔・魔・魔・魔・魔」から1年、最新作6曲入りEP「無・無・無・無・無」の発売が決定。それは"破壊的なまでに高貴なポップソング集"とでもいうべき不穏な予感に満ちている。 六曲、十七分程度のこの作品の中にたびたび登場するのは、意味に乏しいリリックのリフレイン。それはアルファベットの羅列(M1『ABCD』)であったり「アブサン」という酒名の連呼(M3『アブサン』)であったりEPのタイトルでもある「無」という言葉の繰り返し(M5『無』)であったりするのだが、その無意味さがまさに彼らの禍々しい中毒性の源泉であり、最も刺激的な部分なのだ。総じて無機質なビートの上で変幻自在に唸りを上げる硬質なギター、憂いを含んだ響きで楽曲の舵取りを担うベースのアンサンブルが表現しているのは一回性と円環性、あるいは生と死、彼岸と此岸-その両立だ。最も豊かな「無」が、ここにはある。今作にはレコーディングエンジニアとして、ギリシャラブ・ギターの取坂直人、Mannish Recording Studioの石川泰隆 氏(Helsinki Lambda Club / 羊文学等)、STUDIO CRUSOEの西村曜 氏(17歳とベルリンの壁、Khaki、白い朝に咲く、kiss the gambler等)が参加。ミックス/マスタリングは石川泰隆 氏が担当。
京都が生んだ明らかな奇才、ギリシャラブ。前作のフルアルバム「魔・魔・魔・魔・魔」から1年、最新作6曲入りEP「無・無・無・無・無」の発売が決定。それは"破壊的なまでに高貴なポップソング集"とでもいうべき不穏な予感に満ちている。 六曲、十七分程度のこの作品の中にたびたび登場するのは、意味に乏しいリリックのリフレイン。それはアルファベットの羅列(M1『ABCD』)であったり「アブサン」という酒名の連呼(M3『アブサン』)であったりEPのタイトルでもある「無」という言葉の繰り返し(M5『無』)であったりするのだが、その無意味さがまさに彼らの禍々しい中毒性の源泉であり、最も刺激的な部分なのだ。総じて無機質なビートの上で変幻自在に唸りを上げる硬質なギター、憂いを含んだ響きで楽曲の舵取りを担うベースのアンサンブルが表現しているのは一回性と円環性、あるいは生と死、彼岸と此岸-その両立だ。最も豊かな「無」が、ここにはある。今作にはレコーディングエンジニアとして、ギリシャラブ・ギターの取坂直人、Mannish Recording Studioの石川泰隆 氏(Helsinki Lambda Club / 羊文学等)、STUDIO CRUSOEの西村曜 氏(17歳とベルリンの壁、Khaki、白い朝に咲く、kiss the gambler等)が参加。ミックス/マスタリングは石川泰隆 氏が担当。
ギリシャラブ、配信限定シングル『王様[Alternative]』を配信リリース! 数量限定の特典音源として配布された楽曲『王様』のリアレンジ・リミックスバージョン。
京都インディー・シーンのブライテスト・ホープの呼び声も高いバンド、ギリシャラブが遂に東京に進出。3rdフルアルバムを堂々リリース!ドレスコーズ志磨遼平主催のイエスレコードを離れ、新たに設立した自主レーベル<都市国家レコード>からリリースされる今作。ギリシャラブの持ち味であるひねくれたセンスはそのままに、より純度の高いポップ・アルバムが完成した。リード・トラック『カフェ・オ・レ』の、美しいコーラス・ワーク、警句と幻想、現実と夢の入り混じった、幻想的でありながらひとさじのユーモアを加えたボーカル天川悠雅の歌詞の紡ぎ出す世界はギリシャラブのディスコグラフィーの中でも白眉と言えるだろう。
京都インディー・シーンのブライテスト・ホープの呼び声も高いバンド、ギリシャラブが遂に東京に進出。3rdフルアルバムを堂々リリース!ドレスコーズ志磨遼平主催のイエスレコードを離れ、新たに設立した自主レーベル<都市国家レコード>からリリースされる今作。ギリシャラブの持ち味であるひねくれたセンスはそのままに、より純度の高いポップ・アルバムが完成した。リード・トラック『カフェ・オ・レ』の、美しいコーラス・ワーク、警句と幻想、現実と夢の入り混じった、幻想的でありながらひとさじのユーモアを加えたボーカル天川悠雅の歌詞の紡ぎ出す世界はギリシャラブのディスコグラフィーの中でも白眉と言えるだろう。
京都のブライテスト・ホープ「ギリシャラブ」待望の2nd Albumをお届けいたします。私、志磨遼平が監修する《イエスレコード》初の新人アーティストとして昨年1月にリリースしたEP『(冬の)路上』を経て、新メンバーと共に大きな音楽的転換を果たした彼らは、ディスコ・ポップ/ガレージ・サイケ/フレンチ・エレクトロからラップ〜リーディングまで、すべての退廃的で美しいインディー・ミュージックの化合物のような傑作を完成させました。それでもやはり特筆すべきは、ソングライティングを手がける天川くん(Vo.)の卓越した詩世界であります。まるでヨーロッパ映画のようにノワールで刹那的な彼のポエジーと肉感的な声こそがギリシャラブの比類なき魅力とも言えるでしょう。昨年は東京でのワンマン公演もソールドアウトとなり、あわせてサブスクリプションが解禁された1st Album『イッツ・オンリー・ア・ジョーク』も再生ランキングに浮上するなど、ますます人気が高まる彼らに負けじとぼくも頑張る所存であります。ギリシャラブの今後にどうぞご期待下さい。イエスレコード代表 志磨遼平(ドレスコーズ/毛皮のマリーズ)もしも闇がみたいなら、暗いところに行かなくっても、目を閉じればいい。まぶたの裏には、どこまで行っても真っ暗闇の、広い世界がある。それを空洞と呼んでもいい。無意識の大空洞。ぼくはこのアルバムで、この「空洞」について歌うことにした。このアルバムを聴いたって、大した教訓は得られないかもしれない。何かものを考えたい人は、『現代思想』でも読めばいい。『悪夢へようこそ!』は、未来の街を、オートバイでぶっ飛ばしたあとに、砂浜で踊って、くたくたになったからだを夜の海に仰向けに浮かべる、そんなアルバムだから、そういう体験がしたければ、このアルバムを聴けばいい。教訓ってほどでもないけれど、今、改めてこのアルバムを聴いてみて、わかったことがある。それは……。形のないものは怖いってこと。愛でも、幽霊でも。ギリシャラブ 天川悠雅
志磨遼平(ドレスコーズ)監修イエス・レコード 第一弾アーティスト〈天川によるバンドと作品の解説〉 どうも、天川です。ギリシャラブのボーカルをやっています。ここではギリシャラブ並びにアルバム『(冬の)路上』について、かんたんに解説します。 ギリシャラブというバンドに特筆すべき点があるとすれば、膨大な引用並びに参照にあるとわたしは考えます。前作『イッツ・オンリー・ア・ジョーク』でもそれは顕著でしたけれど、今作『(冬の)路上』ではそれが、曲に、よりポップな性格を付与している。ブラー、ジョルジュ・バタイユ、デッド・オア・アライブ、おとぎ話、マルグリット・デュラス、アレハンドロ・ホドロフスキー、アルベール・カミュ、アレン・レネ、プリンス、ゲーテ、ムーンライダーズ、ルーファス・ウェインライト、ウォッシュト・アウト……。このままだと、資料文のなかでさえ膨大な引用をしてしまいそうなので、このくらいにしておきましょう。 ともかく。彼らが皆手をつないで、こちら側へ歩み寄ってくるのが、わたしには見えました。ぼくは彼らのおかげで、ある力を得たようでした。それは意識の跳躍力、ある場所から別の場所に跳ぶ力でした。 一方で、その代償に両手足に枷をはめられてしまいました。それは「ポップ」という名の枷でした。 前作『イッツ・オンリー・ア・ジョーク』を作っているときは、その枷から逃れようと、闇雲に跳びました。でも今作『(冬の)路上』では、もうその必要すらありませんでした。 わたしは、「ポップ」とは、わたしが得た跳躍力のことにちがいない、とおもっておりました。でもそれでは超えられないくらい高い壁というものに当たったとき、悟りました。「ポップ」というものは、壁を跳び越えるだけのものでなく、壁を壊すものでもあると。 こうした考えは、ある種、いまの音楽界のトレンド、あるいは常識とすらいってもいいのかもしれない。それでもなお、ギリシャラブが、他のバンドと明確に違う点があるとするなら、壁を壊すためであっても、あるいはどれだけの壁を壊したとしても、けっして「ポップ」の枷をとらない、とろうとしない、というところだとおもいます。『(冬の)路上』は、意固地にポップなアルバムです。
Turntable Films、Homecomings、Hi,how are you?、Madegg、In The Blue Shirts、長谷川健一、キツネの嫁入り、吉田省念、中村佳穂など多くのインディー・アーティスト、クリエイターたちが軽やかに活動する京都の音楽。その多様性を実感できるユニークな京都の若手アーティストたちを集めたコンピレーション・アルバムがいよいよ全国流通で登場! コンパイルしたのは、京都在住の音楽評論家/ライターの岡村詩野。その岡村が新たに立ち上げたHelga Pressからの第1弾作品です。昨年発表されたセカンド・アルバム『けむをまけ』がくるり岸田繁からも絶賛された本日休演、東京でも昨今人気を集める生きのいい3ピース・バンドの台風クラブ、牧歌的ながら知的な歌ものスタイルが静かな話題を集める風の又サニーのドラマーでもあるシャラポア野口、メンバー4人全員がポップ・ソングライターでもある渚のベートーベンズ、ニュートラル・ミルク・ホテルやベイルートなどUSインディー志向のギリシャラブ、クラウス・ノミや天井桟敷を合わせたようなクレイジー・ポップなUn Jardin Brun(アン・ジャルダン・ブラン)、本日休演脱退後コツコツと宅録を続ける佐藤拓朗、新世代の友部正人といった趣の西洋彦、ドラッギーかつキャッチーなリフがクセになる無線、エレキギターとサンプラーを駆使したライヴがユーモラスなハロゲン木下……と、個性豊かな顔ぶれが揃いました。なかなか外には伝わらない京都のディープな面白さを実感してみてください。
Interviews/Columns

インタビュー
京都発ギリシャラブ、初のフル・アルバム・リリース&インタビュー
多くのアーティスト、クリエイターたちが活躍する京都の音楽シーン。そんな京都インディー・シーンの新星「ギリシャラブ」が1stフル・アルバムをリリース。本作にはプロデューサーとして、同じく京都の音楽シーンで活躍をしている、本日休演の岩出拓十郎を迎えた。今回はリ…