2007年シベリウス・イヤーに、北欧の名オーケストラにしてシベリウスとの縁も深いロイヤル・ストックホルム・フィルとのシベリウス交響曲全集を完成させたアシュケナージ。 北欧の自然と自らの故郷ロシアとの共通点を見出し、とりわけシベリウスの音楽に深い共感を寄せる巨匠は、シリーズ完結にあたり、自らピアノ・ソロで録音に取り組みました。今回はシベリウスのお膝元であるヤルヴェンパー・ホールでのセッション録音を基本に、アシュケナージの強いこだわりから、「悲しきワルツ」をアイノラ・シベリウスの家において作曲家のピアノを使用して録音。ヤルヴェンパー・ホールでも録音をし、悲しきワルツで始まり、同作品でアルバムを締めくくる…という思い入れに溢れたアルバムです。 円熟の極みにあるアシュケナージが奏でる一音一音からファンタジーとイマジネーションが溢れ、天上的に広がり、無限に深化する「サウンド」の美しさは唯一無二、アシュケナージだけが奏でられる絶妙のものです。すでに公開でのピアノ演奏は引退を宣言し、録音の場においてのみ聴ける巨匠、アシュケナージ最新のピアノ・ソロ・アルバムです。