2013/03/14 20:00
耳鳴りや聞こえの悪さなど、誰もが一度は経験したことのある耳の不調。日常生活では気に留めずにやり過ごしてしまうことも多いが、やはり音楽家たちはかなり過敏にそれらを体験しているようだ。そんなことを思わせるやり取りがツイッター上で交わされた。
事の始まりは、音楽家のヲノサトルが、ツイッター上で鳴り止まない耳鳴りを訴えたときのこと。耳に入ってくる音のピッチが普段と微妙にずれて聞こえるらしく、そのことに困惑している様子だ。だが、彼はこの症状について次のように冷静に分析。
普通の物音や男声はそれほどわからないが、女声、さらに子供の声になると完全にピッチシフトで作った人工的な声に聴こえる。これは音響学的に理にかなってるな。
— ヲノサトルさん (@wonosatoru) 2013年3月13日
このツイートに対し、明和電機の“週末役員”、土佐正道が反応した。
んー。なぜかな?基音じゃなくて倍音が増幅されてるのかな?“@wonosatoru: 普通の物音や男声はそれほどわからないが、女声、さらに子供の声になると完全にピッチシフトで作った人工的な声に聴こえる。これは音響学的に理にかなってるな。”
— 土佐正道さん (@MasamichiTosa) 2013年3月13日
ヲノサトルによれば。
@masamichitosa 炎症のため全ての可聴域がそろって同じだけピッチシフトされてるとすると、低域ではその影響は微細でも、高域に行くほど音程差が大きくなる。指板上の位置が同じ長さ違っても、ベースだとほとんど音程が変わらないのにバイオリンだと何度も違う、みたいな。
— ヲノサトルさん (@wonosatoru) 2013年3月13日
なるほど。その後も二人は、ドップラー効果、位相差、1/4音、搬送波、といったボキャブラリーを用いつつ、耳鳴りについての検討を重ねていた。そこへ、作曲家の奥慶一も登場。自身も耳の不調でピッチが狂ってしまった経験があることを打ち明け、
@wonosatoru 僕の時は、440Hz A 付近で半音、2 oct. 下で四分音ぐらいだったかな。街中の BGM とか、もう頭狂いそうだった。
— Keiichi OKU 奥 慶一さん (@k1oku) 2013年3月13日
と報告。同じ耳の不調でも、音楽家たちはこれだけ強く深く体験しているのだということが分かった。ちなみに、ヲノサトルは後に中耳炎と診断され、完治には一週間ほどかかるとのこと。どうかお大事に。