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2024/04/05 18:00

 

ウエスギ専務、「母校への道 小学校編Ⅱ」と「ブギウギ専務」への想いを語る

 

北海道発STVの人気バラエティ「ブギウギ専務」DVD19弾、「ウエスギ専務 母校への道 小学校編Ⅱ」が2024年3月13日(水)に発売された。

ウエスギ専務が自らの母校をめざし北海道中を理不尽に飛ばされる放浪ミッション「母校への道 小学校編」の続編を完全収録した本作は、紆余曲折ありながらも訪れる奇跡の瞬間、その後に発覚する不正疑惑など、ウエスギ専務に感情移入しつつその行く末にハラハラドキドキが止まらない、一大ドキュメンタリーとなっている。特典映像では未完に終わっていた「幼稚園編」を再開。初代相棒・わくちん係長が13年ぶりに参戦しているのも見どころだ。今回も札幌でDVD発売記念キャンペーン中のウエスギ専務こと上杉周大(THE TON-UP MOTORS)に恒例のインタビューを敢行。本作を振り返ると共に、ついに番組の歴史に幕を下ろすこととなった「ブギウギ専務」についての想いを語ってもらった。

――これは名盤ですね!ドキュメンタリーとして秀逸な内容だと思います。

ありがとうございます!ゴールもありますしね。まあ一応ゴールと言えばゴールというか(笑)。特典映像では、時を経てわくちん係長と2人のやり取りが復活してるんですけど、ほとんど展開も何も起こらず、トークだけでほぼ終わるっていう(笑)。でもああいうのも、わくちん係長とだからできてる感じはしました。わくちん係長は、13年ぶりに参加ということで、まず思ったのは「おおち係長だったらこうなるだろうな」っていう話の展開とか空気の作り方、無意識にやっていることの、わくちん係長とおおち係長の違いをやっぱりどうしても比較してしまったというか。例えばおおち係長だったら一緒に速度を上げて行く感じなんですけど、わくちん係長は感情型のプレイヤーいうか、最初からギアを上げて一気に速度を上げて行く感じなんですよ。「そう言えばこんな感じだったな」と思いながら、懐かしさも覚えながらロケをやってました。時を経て僕もちょっと大人になったっていうのと関係があるかもしれないけど、今回はカメラが回ったとき少しわくちん係長をいじる側に回っていたりしていて。それはひょっとしたら昔はあんまりなかったかもなとか思いながらも、それをちゃんと受けて上手に感情型な感じでボロボロになっていくのが、やっぱりわくちん係長の面白さだなと思いました。

――2人で並んでいるときに一瞬、後ろに下がって岸さん(番組ディレクター)に「下がらないで」と言われて「ハッ!」ってなるところもそのまま収録されてました。

映像でも後にそこに触れていると思うんですけど、あれってやっぱりプロデューサーさんの動きじゃないですか?彼はずっとプロデューサー業をやっていらっしゃるので、映り込んじゃいけないっていう気持ちが強く出すぎてるのが垣間見えて面白いですよね。

――そういうマインドとコスチュームが合ってないところが良いですよね(笑)。わくちん係長は久々にああいう格好で外に出ることに抵抗はなかったのでしょうか。

もちろんあるとは思うんですけれども、人並みな羞恥心はもう持ち合わせてないと思います(笑)。「よし、やるぞ!」となったらもうトコトンやるというか。それと同時に決定的に違うのは、昔はあのピンクの全身タイツの横には銀色のスパンコールが立ってたんですよね。今回は僕もやや光沢のある素材のスーツとはいえ、やっぱり珍妙なのはもはや1人になってしまってるので、確かにその恥ずかしさはあったかもしれないですね。

――コスチュームが変わっているのは大きいですね。それと、本編が終わって特典映像に切り変わったときに、ウエスギ専務が年輪を重ねたことも非常によくわかるというか。

今、大変よく言ってくださいましたけど、要するに老けましたよね(笑)。本編からそのまま特典映像に行くので、さすがに27歳から42歳ってなると。

――いやでも、かっこよく年を重ねてるなって本当に思いましたよ。

いやあ、ありがとうございます。でもなんか逆にわくちん係長はあんまり変わらないなって思いました。顔が出てる面積が少ないからだと思うんですけど。

――本編の不正疑惑を指摘するところで、わくちん係長は素顔で現場レポーターをやっていて、当時の素顔での仕事ぶりも知ることができますね。

当時も普段はああいう仕事を実際していましたから。報道のアナウンサーさんをやられていたので、「ブギウギ専務」が終わった後とか始まる前に、「昨夜未明~」みたいにニュースを読んだりしてましたね。それでその直後にピンクのタイツ姿で「ブギウギ専務」に出てるっていう感じでした(笑)。あの方は人間的にとっても深みがあるというか、面白い方なんですよね。すごく真面目で、気を遣う優しい方だし、だからこそやっぱり繊細な部分を持ち合わせてたりとか。画面を通しても感じるかもしれないですけど、もう本当に憎めないタイプです。

――普段はすごく大人しい方なんですか?

いや、普段からうるさいです(笑)。よくしゃべりますね。ボリュームのメーターがバカになってるので、一緒に食事とか行くと「うるさいよ!」っていうぐらい声が出てますよ。本当にひそひそ話をできない方です。特典映像でもワンマンショーかっていう感じでした。

――本編の方は、クライマックスの交差点の張り込みみたいなシーンが本当にハラハラしました。

そうですよね。あれは実際1時間半とか2時間近く待ってたのかな。遠い時はピンチのときも案外いけるんだけど、あんなにゴール手前だってなると逆にいけないんですよね。

――それがスリリングさを醸し出していて、本当に手に汗握る感じでしたよ。

ありがとうございます。あのとき出会ったミナモト君のことは、やっぱり今でも覚えてますもん。小学校の校歌を一緒に歌えたのもすごかったですし、あそこで本当にゴールが決まるとは思わなかったです。そして、ミナモト君が自転車でコケるっていう(笑)。あれはすごく覚えてますね。

――ウエスギ専務にとっても、特別な想いのあるDVDではないですか?

そうですね。今回もいろんな場所にめちゃくちゃ飛ばされるじゃないですか?それでなんやかんやと札幌に一旦戻るけどやっぱり室蘭に飛ばされるみたいなことが続いて、最後の最後にゴールを決める感じで。僕はいつも「ブギウギ専務」のDVDを見てるときに、自分でも「くだらないことやってんな」とか「ああ、こんなことやってたな」って笑いながら見ているんですけど、今回は母校の新琴似南小学校に着いて自分が学んだ教室を訪れてる場面とかで、初めてDVDを見ながら泣いてしまいました。番組の歴史も感じましたし、「母校への道」に感じる郷愁というか、「ブギウギ専務」って僕が25歳のときに始まっているので、大人になってからの人生のほとんどと言っても過言じゃない部分があるんですよね。長い間こういうロケや旅を繰り返して、自分の生まれ故郷、育った学び舎の小学校に行って、「新琴似南小学校を尋ね回ってるの知ってましたよ。来るの早いよ」みたいな感じの校長先生とかいろんなところで「ゴールまだなの?」って声をかけてくれる方がいらっしゃったりとか、「これが「ブギウギ専務」だよな」っていう歴史を見ていると、恥ずかしながら感極まってしまいました。

――やっぱり「ブギウギ専務」ってウエスギ専務があっちに行ったりこっちに行ったりしながら、感情も浮き沈みするっていうところが人気を集めた理由なんだなということを改めて思いましたし、今回は特に一番感情移入して見れました。

そう言っていただけて嬉しいです。当時も今も、道を歩いていて「ブギウギ専務」を見た人から「いやあ、あれ面白かったです」っていう声もいただくんですが、それよりも「元気をもらえます」とか、「頑張ろうと思います」っていうお声をすごくいただく番組だなって思っていて。「母校への道」や「奥の細道」みたいな企画があったり、あんまり意味はないんだけど、「それは無理だろう!?」っていうことを、スタッフさんも一緒になってつらい思いをしながら、醜くも汗だくになってゴールに向かうみたいなところに、みなさん感情移入していただいた番組なんじゃないかなって思います。

――それだけ感情が揺さぶられただけに、DVD本編のその後の展開は、見ている方もどん底に突き落とされた気分になりましたけど(笑)。

そうですよね(笑)。「やり直し」って言われて、しばらく受け入れられなかったんですからね。でも、「母校への道」の特性上、視聴者の方が「ひょっとしたら次は自分の小学校に行くんじゃないか?」っていうプレイヤー目線が持てたりすると思うんですよね。だから、向かった先の学校で写真を撮りましたってやってると、「いやここ、うちの小学校と違うよ」って言いたくなる気持ちはわかるし、今みたいなSNSがなくて手間がかかっても、それをちゃんと番組に伝えたいっていう気持ちは僕もわかります。

――今回収録されている映像は2009年9月~10年1月放送時のものですが、2009年6月にTHE TON-UP MOTORSがインディーズ1stアルバム『SOUL is DYNAMITE』をリリースしています。「CD持ってます!」って声をかけられたりしていますが、当時どんな状況だったか覚えてますか?

それは気づかなかったです(笑)。でも言われてみれば確かにそうですね。「母校への道」ってDVD化するにあたって大人の事情によって楽曲が使えないものもあるんですけども、じつはテレビの本放送では番組の中で遠いところから札幌に戻るときはTHE TON-UP MOTORSの曲が流れたりしてたんですよ。だから道民の方は、「あの曲ってチャンスのときに流れる曲だよね」とかっていう印象があったと思うんですよね。それがデビューのタイミングと重なっているっていうことだと思います。

――なるほど、そうだったんですね。そして、そんな「ブギウギ専務」が3月末の放送でついに歴史に幕を下ろすことになったということですが、番組終了にあたって今の心境を訊いても良いですか?

最終回の番組収録はもう終えているんですけど、率直に言うとまだ実感が湧いてないっていうところはあるんですよね。とはいえ、今日もキャンペーンの1日なので、朝からウエスギ専務のスーツに袖を通すしたんです。そのときふと思ったのは、今まで2週に一回のサイクルだったロケがないから、こういうDVDが出たりしない限りこのスーツに袖を通すこともないんだろうなって。それを思うとやっぱり寂しいなという思いは強いです。だって17年ってすごいですよね?そんなに長くやってたんだなっていう感覚ですね。「人生の半分ぐらいじゃないですか」って人に言われて僕も気づいたんですけど、ざっくり言えば確かにそうだなと思って。それで考えると、例えば「こういうことをしたら無礼なんだな」とか、ポケットに手を突っ込んで人と話しちゃけないとか、そういうあたりまえのことすら何も知らない、礼儀もなってないようなバンドマンだった僕が、「ブギウギ専務」を通していろんなことを学んでいったっていう感覚があるんですよ、恥ずかしい話。だから「ブギウギ専務」がなければ今の自分は到底ないですし、今関わってくださってるみなさんとも当然出会えていないでしょうし、僕の人生のかなり大きな部分を占めているものだったんだなって思いますね。

――上杉さんが成長する上で、社会のマナーとかも街ゆく人々と触れ合うことで、覚えていったという。

マナーというよりも、モラルと言ってもいいかもしれないですね(笑)。ただ、寂しいっていうお声をたくさんいただいたりとっても嬉しくて。それは僕もやっぱり同じ気持ちだったりもするんですが、SNSの文章にも書いたように、一つの番組が続くという意味では、17年というのはとんでもない年月だと思うんですよね。この番組の終了っていうきっかけになったのはそれはテレビ局なんですけど、この番組をスタートさせたのもSTVというテレビ局ですし。何度も何度も倒れかけたこの番組を支えてきて、「「ブギウギ専務」を続けなくちゃいけない」と17年間手を引っ張ってくださって続けてくれたのも、STVというテレビ局ですし。別に本当に媚びを売ってるわけじゃないんですけど、大変懐の深いテレビ局で、「育ててもらった」というのに近い感覚はあるので、感謝の気持ちは今すごく強いですね。

――レギュラー放送最後の3月29日には「(有)上杉ポンプ商会 臨時社員総会」と題したイベントも開催されますが、どんなイベントになりそうですか。

今現在、何をやるか全く知らないんですよね。それが番組お得意の僕に隠すっていうスタイルなのか、シンプルにテレビ局の改編時期で手が回ってなくて何も決まってないのか(笑)。何をやるかはちょっとわからないですけど、僕も出演者のみんな全員が思っていることは、何よりこの番組を身近に感じてくれて、「「ブギウギ専務」を見てると元気をもらえます」って言ってくださったみなさん、各局の数あるローカル番組の中でも特別だって感じてくれている、少し変わったみなさんのおかげが全てだと思っておりますので、テレビを通して終わるだけじゃ嫌で、みなさんに直接会ってお礼を伝えたいっていう気持ちがあるんです。それで開催が決まったイベントなので、そこの部分が一番重要だと思ってます。みなさんにその気持ちを直接伝えたいと思っております。

――4月からの上杉さんの活動についてお伺いしたいんですけれども、新レギュラー番組が決定したということで、おめでとうございます!

ありがとうございます!そうなんですよ。

――どんな番組かご紹介いただけますか?

“ちゃんとしたテレビ番組” ですね(笑)。17年間台本というものを知らなかったので、「台本ってあるんだ?」ってビックリしました(笑)。毎週土曜日 11:55〜13:00 に放送中のSTV「どさんこWEEKEND(どさんこウィーケン)」というお昼の情報番組で、週末の北海道でこれからお出かけしますよっていう人たちの役に立つような、グルメ情報やトレンドや観光地といった、お得な情報をお届けする素敵な番組です。このあいだ番組の予告ショート動画の撮影があって、僕なりにこういうことをしたらいいんじゃないかな、なんて余白でふざけたりしてたんですけれども、はっきりと「あ、そういうのあんまりいらないです」っていうお叱りの言葉をいただきました(笑)。僕はこの方法しか知らないんですけど、それがどういうふうになっていくのか。とはいえ、自分みたいなもんがそこに出させていただける以上は、やっぱりちょっと求められないこともいろいろやっていきたいなと思ってますので、今からとっても楽しみにしております。来週ロケがあるんですけれども、どんな内容かあまり詳しいことはまだよくわかってないです。

――見る側としては、もしかして過酷な「ブギウギ専務」要素も期待していいってことなんでしょうか?

どうなんでしょう?個人的にそこはあんまり期待していただきたくないなと思っております(笑)。ただ。「ブギウギ専務」に出ていたおかげで、他の番組に出たときに「これで終わっていいのか?」って僕の体が物足りなさを感じるときがありまして。もっと汗をかかなくちゃって調教されてきたので(笑)。土曜日にもの足りなさを感じないように、しっかり汗をかいて頑張りたいと思ってますので、どうぞご期待ください。

取材・文:岡本貴之

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[ニュース] THE TON-UP MOTORS, 上杉周大

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