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2023/04/04 17:00

 

上杉周大 × ウルフルケイスケ、お客さんと大合唱で盛り上がった最高にハッピーな夜―OTOTOYライヴレポ

 

2023年3月31日(金) 下北沢CLUB Queにて、上杉周大(THE TON-UP MOTORS)とウルフルケイスケによるツーマンライヴ〈ふたりのビッグショー〉が行われた。

以前から共演の話があったものの、これまで実現しなかったという2人のライヴ。開演前や転換のBGMにはウィルソン・ピケット「In The Midnight Hour」、ザ・キンクス「Louie Louie」等が流れて気分を盛り上げていた。

ウルフルケイスケ
まずはウルフルケイスケのライヴから。ステージに登場して「下北沢!CLUB Que!声出しOK!上杉周大!ウルフルケイスケ!お客ー!盛り上がっていこうぜ!」と客席に向かって煽ると、マスク着用の上で声出しOKということで、お客さんも声を上げて応える。テレキャスターを弾きながら、〈ギターを抱えて全国津々浦々 ヘビ年生まれの今年で57歳!イェー!ロックンロールと阪神タイガースファン〉と、文字通りの「自己紹介のうた」からライヴをスタート。曲を終えるとコードをかき鳴らして歌い出したのは「JUMP」。忌野清志郎のカバーだ。サビの〈JUMP!〉に合わせて客席から手が上がる。この日は、RCサクセションがアルバム『COVERS』で日本語カバーしたバージョンのボブ・ディラン「風に吹かれて」も披露された。翌々日の4月2日が清志郎の誕生日ということもあり取り上げていたようだ(4/1、2の三宅伸治presents 『感謝の日』にも出演)。

上杉から借りたというアコースティックギターとハーモニカを吹きながらの「いい女」(ウルフルズ)や、弘田三枝子が「私のベイビー」として日本語カバーしたバージョンのザ・ロネッツ「Be My Baby」、サンハウス「ロックンロールの真最中」等を歌い、ギターソロで様々な有名曲のリフを織り交ぜて聴かせたりと、ソロアーティスト・ウルフルケイスケのことがよく知ることができる選曲となっていた。「音楽は、心のワクチンです。今日はいっぱい、心にたくさんワクチンを打って帰ってくれたら嬉しいです」とのMCも印象に残った。また、「今日はみなさんの手拍子のリズムが非常に良いので演奏しやすいです」とのMCで言っていたように、本当にオープニングからお客さんの手拍子が楽器のようにケイスケのギターと共鳴したライヴだった。

上杉周大

上杉周大がスーツ姿でステージに上がると大きな拍手で迎えられた。「よろしくお願いします、上杉です」と挨拶して、アコースティックギターを爪弾きながら歌い出したのは、「イエス!ソウルミュージック」。オリジナルとは異なるミディアムバラード調のスローな歌い回しだ。続いては「OH ROAD」へ。流麗なスリーフィンガーに、自然に手拍子が起こる。軽快な演奏とは裏腹に〈何が正解か いまでもわからない 取り繕っては まだここにいる〉と内面の葛藤を歌う。情感たっぷりにメッセージを伝えるオープニングの2曲に、今日のライヴに込めた並々ならぬ想いが伝わってきた。

そんなライヴに集まってくれたお客さんへ向けての第一声は「決算の最中、ありがとうございます」。たしかに忙しい年度末の3/31金曜日。みんな仕事を新年度に放り投げて集まっているのかもしれない。ウルフルケイスケとは昔から大阪のライヴハウス周辺でよく遭遇していたという上杉。以前から一緒にやりたいと思っていたライヴが晴れて実現した喜びを伝えると、「みんなと歌いたい気持ちがいっぱいで、今日が来るのを本当に楽しみにしてました……新曲をやりたいと思います。次も歌えないし、しばらく歌えない(笑)」と、敢えてのシンガロングお預けセットリストを提示する意地悪な上杉に身悶えるオーディエンス。

新曲は、「人間でしょう」というタイトル。〈がんばらなくて良いでしょう 少しさぼってもいいでしょう〉〈やるときゃやってるんだから 愚痴が出たって良いでしょう〉と歌う、庶民の気持ちに寄り添う上杉らしい歌詞と柔らかなメロディが印象的だった。「このギター持ってきたんですよ」と、エレキギターを手にしばしブルージーなフレーズを鳴らすと、おもむろに弾き出したリフは「燃えた 焦げた」だ。この曲の入り方が鳥肌もののカッコよさだった。ジョン・リー・フッカーばりのねっとり濃厚かつ疾走感のあるブギーに、始まったとたんにお客さんも一斉に手拍子で乗っかり突っ走った。

先日、第二幕最終章のDVDが発売されたばかりの「ブギウギ奥の細道」テーマソング「旅立ちのとき」は春にふさわしい爽やかな楽曲で、「燃えた 焦げた」のディープなテイストとは全く違う旋律に、上杉の音楽性の幅広さが感じられる。待ってましたとばかりの大合唱となり、お客さんがサビのコーラスを歌うと、上杉はハーモニーをつけて、声出し解禁ならではの光景が広がった。夏を思わせる「陽炎」では、途中の〈Baby〉でお客さんがコーラス参加。サビで〈なんて 冗談です でもやっぱ君に〉と歌うところは、ソウルミュージックに精通した上杉ならではのリズミカルなヴォーカルが心地良い。

「早いものであと2曲です」と、ライヴは終盤へ。「さっきケイスケさんが言ってました。「音楽はワクチンだと思う」って。本当にそう思います。ここに来てくれたからには、俺の音楽でもうちょっと遊んで行ってくれ!」そう叫ぶと、〈君がいて 音楽があれば〉と「歓びを唄う」を歌い出した上杉に大歓声。後半はコール&レスポンスで何度も掛け合って盛り上がった。最後に歌ったのは、「無名のうた」。聴いている方が息を止めてしまうぐらい張り詰めた空気感で、渾身の名唱を聴かせて締めくくった。

【アンコール】上杉周大&ウルフルケイスケ

アンコールでは、2人のセッションが実現した。「いつも元気(GOOD TIMES)」「まいどハッピー」と、ウルフルズの楽曲で賑やかにハーモニーを聴かせて、会場が一体に。さらに「バカ笑い大将」も飛び出した。上杉がかき鳴らすアコースティックギターにケイスケがエレキギターを重ねて、サビではお客さんが両手を上げて大合唱。満を持しての声出しライヴの醍醐味を思う存分感じられるエンディングとなった。お互いへのリスペクトと集まった音楽ファンへの気持ち、それに応えるお客さんたちの盛り上がりで、最高にハッピーな空間となった今回の〈ふたりのビッグショー〉。次はどんな共演を観ることができるのか楽しみだ。

取材・文:岡本貴之
写真撮影:鈴木友莉

ライヴ情報
〈ふたりのビッグショー〉
2023年3月31日(金) 下北沢CLUB Que
出演:上杉周大 / ウルフルケイスケ
〈上杉周大セットリスト〉
1. イエス!ソウルミュージック
2. OH ROAD
3. 人間でしょう(新曲)
4. 燃えた 焦げた
5. 旅立ちのとき
6. 陽炎
7. 歓びを唄う
8. 無名のうた
EN1. いつも元気(GOOD TIMES)with ウルフルケイスケ
EN2. まいどハッピー with ウルフルケイスケ
EN3. バカ笑い大将

配信情報
アーカイブ配信はこちら
https://bit.ly/3HV3mkj

ライヴ情報
〈ホッカイドウ競馬 PRESENTS「上杉周大ワンマンライブ 2023春 “The Front
Row”」〉
2023年4月7日(金)cube garden(北海道札幌市中央区北2条東3丁目2-5)
・時間:開場 / 18時00分、開演 / 19時00分
・チケット(前売り):¥4,000(税込) ※入場時1ドリンクオーダー別途
・チケット(当日):¥4,500(税込) ※入場時1ドリンクオーダー別途
・購入先及び購入方法:上杉周大公式サイト
https://uesugi-shuta.com/live_event/2023-0311_live/

【ライヴ配信情報】
・配信プラットフォーム:未定
 ※詳細近日発表(公式サイト、公式SNS等で告知)
・配信チケット:発売日・金額未定
・配信時間:4/7(金) 19時00分頃~21時00分頃までの予定

[ニュース] THE TON-UP MOTORS, 上杉周大

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