2021/06/30 18:00

【連載コラム】ラヴェンダーズAKIRA のWANNA GO HOME―第68回

みなさんこんにちは、AKIRAです! 今週も「ラヴェンダーズAKIRAのWANNA GO HOME」へようこそ! 不安定天気が続きますが、体調を崩したりしていませんか？6月最終週、早速今週のテーマへ。

今週のお題「ヒップホップ」

前回ちらっと出てきたヒップホップのお話を。

毎週ヒットチャートを1から聴くのがルーティン化しているので、新旧どちらも聞きます。最近はDaBabyとかTravis Scottがいい感じ。

そしてDrakeが数年前のグラミーで後輩やそのほかのミュージシャンに向け、トロフィーを手にしながら「もしお前の曲を一緒に歌ってくれるファンがいて、地元のヒーローで、会社員が必死に働いた金でチケットを買い、雨が降ろうが雪が降ろうが会場に来てくれるなら、お前はすでに勝ってんだ。こんなもん必要ない」と言ったのが印象的で、まさに”Started from the bottom now we’re here” “底辺から始めてやっとここまで来たぜ”と歌った人らしいなと思い改めて聞き直しました。

アメリカで生活してみるとやはりみんなヒップホップやラップを聞いてたし、ラジオでも流れてるので自然と色々聴くようになった。

N.W.Aの実話を描いた映画”Straight Outta From Compton”ももちろん観たのだけど、コンプトンといえば間違えても入っちゃだめだよと言われていて、万が一入り込んでしまったらそのままどこも見ずに回れ右して帰るようにと言われていたんですよ(笑)。

N.W.Aと並ぶギャングスタ・ラップの代表、2pacの歌詞も紹介しよう。

“When things went wrong we'd blame Mama
I reminisce on the stress I caused, it was hell
Huggin' on my mama from a jail cell”

-“何か上手くいかないといつもママのせいにして
俺自身が作った地獄のような日々
ムショから電話でママを抱きしめた”

“And runnin' from the police, that's right
Mama catch me, put a whoopin' to my backside
And even as a crack fiend, Mama
You always was a black queen, Mama”

-“いつか警察から逃げてやる
ママ、俺を捕まえて　背中に大声を浴びせて
クラック中毒だったけど
いつだってブラックの女王だった、ママ”
(Dear Mamaより)

ドラッグに警察、ストリートの葛藤やギャングの抗争。そんな歌詞が多いけど、基本はやはり自分の周りで起きてること。ムカついたり、腹が立つ事もね。

エミネムをはじめ、本当にクレバーな人が多くて頭が下がる。辞書が愛読書で丸ごと暗記してるのだって驚きだし、あんな風に次から次へと言葉が出てくるのが凄い。

NYを一人で旅していた時にタイムズスクエアから隣の駅まで歩いていたら、あるビルの前にパパラッチがちらほら立っていた。そんな事初めてで、誰が出てくるのかとミーハー精神丸出しで(笑)待ってみたら、ビヨンセとJay-Zが出てきたことがある。衝撃すぎてこの街まじすげぇ、の一言に尽きる体験だった。

ニューヨークの地下鉄に乗っているJay-Zの動画を見たことがあるんだけど、バシャバシャ写真や動画を撮られる中隣に座ったご婦人に「あなたは有名なの？」と聞かれにこやかに「そんなことないよ、だってあなたは僕を知らない。初めまして、僕はジェイ」と握手をしていた。

アーティストって色々良くない話が独り歩きしたりするけど、彼らは謙虚で居続ける。有名になりビリオネアになっても自分がどこから来たのか、ゼロだった頃を忘れないのだ。それが支持される理由だと思っています。

今週の一曲Kendrick Lamar「i」

2014年リリース、一時期は目覚ましにしていたくらい好きな曲。今でも朝から気合い入れていこうという時によく聴きます。当時友達がよく流してて、会う度あれ流してよ！と私が言うからアキラ=ケンドリックみたいになってしまって(笑)、愛車にケンドリックと名付けた。彼がMVで踊ってるダンスが私がよくするダンスと同じすぎて、大笑いしてたの懐かしい。

“I done been through a whole lot
Trial, tribulation, but I know God
Satan wanna put me in a bow tie
Pray that the holy water don't go dry
As I look around me
So many motherfuckers wanna down me
But an enemigo never drown me
In front of a dirty double-mirror they found me”

-“沢山乗り越えてきた
試練に苦難、でもな
悪は俺に蝶ネクタイなんかつけて縛りたいらしい
周りを見渡して聖水が乾かないことを祈るんだ
クソ野郎共が俺を引きずり下ろしたがる
俺はそんなのに屈しないぜ
あいつらの汚れたマジックミラーの前では、絶対”

この”Enemigo”って、スペイン語で敵らしい。そういえば“Amigo”と近いし！

“And I love myself
(The world is a ghetto with big guns and picket signs)
I love myself
(But it can do what it want whenever it want, I don't mind)
I love myself
(He said I gotta get up, life is more than suicide)
I love my... self
(One day at a time, sun gonna shine)”

-“自分を愛してる
この世は地位と名誉で大荒れだ
俺を愛してる
勝手にしろよ、俺は気にしない
自分を愛してる
立ち上がれ、生きる事に意味があるぞ
俺は自分を愛してる
一日一回、陽は必ずさす”

“Everybody lookin' at you crazy (crazy!)
What you gonna do? (what you gonna do?)
Lift up your head and keep moving (keep moving)
Or let the paranoia haunt you (haunt you)?
Peace to fashion police, I wear my heart
On my sleeve, let the runway start
You know the miserable do love company
What do you want from me and my scars?
Everybody lack confidence, everybody lack confidence
How many times my potential was anonymous?
How many times the city making me promises?
So I promise this”

-“奴ら皆お前をバカにする
さあどうする？
顔上げて進むか
それともパラノイアに取り憑かれるか？
人の格好にケチ付けやがる奴らにピース
俺は自分のハートを着るぜ、ランウェイの始まり
惨めな奴らは群れでつるみたがるだろ
俺の傷跡と俺をどうしたい？
皆自信を失って
今まで何回俺は蔑ろにされた？
この街は今までどれほど守れない約束をしてきた？
だから俺はここに誓う”

“And I love myself”
-“そして俺自身を愛すんだ”

私もかなりラブマイセルフ精神を貫いてるので、この曲の”自分自身”を愛せよ、という歌詞が響いた。

どっかの誰かのクソみたいな一言で、戦うのをやめるな。そんなのに耳を傾けるほど優しくいないでいい。愛するのは、自分自身だけで良い。

毒を吐くだけじゃないメッセージがある。さすがピューリッツァー賞を受賞するだけの作家であるし、本物のソングメーカーだなと思う。俳優としても評価されてるし、本当にマルチな才能！今後の作品も楽しみです。

というわけで、今週はここまで！最後まで読んでくれてありがとう。夏に向けて体調を整えつつ、楽しく過ごしてね！ではまた次回(7/14掲載)。

リリース情報
AKIRA with THE ROCKSVILLE
「恋のヴァレンタインビート」
1. 恋のヴァレンタインビート (VALENTINE’S BEAT IN L.U.V)
2. HEY TONIGHT
販売価格：¥510 (ハイレゾ¥880)　
OTOTOYから配信中
ロスレス配信
https://ototoy.jp/_/default/p/695424
ハイレゾ配信
https://ototoy.jp/_/default/p/695425

〈ラヴェンダーズAKIRA のWANNA GO HOME 連載50回記念スペシャル配信～in AKIRA-CHANNEL～〉
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