私たちの音楽は、新たなフェイズへ─kolme、改名後初のアルバム・リリース記念ロング・インタヴュー

左から、RUUNA、MIMORI、KOUMI

kolmeが、最新アルバム『Hello kolme』をハイレゾ・リリース。2018年11月から連続配信された楽曲に加え、新曲9曲で構成されている。スペル改名後の名刺がわりともなる12曲への思いをロング・インタヴューでお届けする。


INTERVIEW : kolme

ユニット名をcallmeから改め、最初のアルバム『Hello kolme』をリリースしたKOUMI、RUUNA、MIMORIからなる3人組ガールズ・ポップ・ユニットkolme(読み方はこれまでと同じコールミー)。
楽曲の制作はもちろん、パフォーマンスなどアーティスト活動のすべてをセルフ・プロデュースする彼女たちは、日本のファンのみならず昨年7月にフランスで開催された『Japan Expo』で、ヨーロッパ中から集まったオーディエンスの心を掴んだ。その証拠に、つい先日同イベントへの2度目の出演も発表され、春に開催される日本ツアーも待ち望まれる中、改名後初となる2年半ぶり3枚目のフル・アルバムについて3人にたっぷりとインタビュー。
本作の制作中にクリエイターとしてのひと皮が剥け、また新たなフェイズに突入したということがその力強い語り口からも確信となった。

インタヴュー& 文 : 奥浜レイラ

「kolme」への改名は浸透が早かった

──改めてになりますが、改名してから最初のフル・アルバムということでユニット名の表記を変えた経緯を教えてください。

RUUNA : 去年、フランスのJapan Expoに出演させてもらって、それより前から「callme」だと、海外でちょっとセクシーなイメージな感じに捉えられてしまうかもしれないというのは知っていたんですけど、実際にフランスに行って現地でついてくれているスタッフさんから「みんなのルックスではそんな感じはしないけど意図がうまく伝わらなかったり、違う意味に捉えられる場合もあるからMCの内容も気をつけた方がいい」と教えてもらいました。活動し始めた頃から海外も視野に入れて活動したいという気持ちがあって、最近はさらに強くなっていたので、帰ってからすぐに改名に向けて会議を開きました。

KOUMI : 自分たちの中でも愛着があったので呼び方は変えずに、表記を「krm」にするとか色々考えたんですけど、その中でこの「kolme 」というのがフィンランド語で「3」という意味なのを発見して、これは運命だと思ってすぐに全員一致で「kolme」にすることを決めました。

──反応はいかがでしたか?

MIMORI : ファンの方への浸透が早かったです。私たち自身も最初からそうだったんじゃないかと思うくらい馴染みがあってすごくしっくりきているのと、ファンの皆さんも「kolmeといえばkだよね」というように、すぐに馴染んでもらったのも嬉しかったです。

RUUNA

RUUNA : ファンの方も、Twitterとかインターネットで検索すると全然違うことが出てくることをすごく気にしてくれていたみたいです。それも踏まえてこの名前にしたんですよ。このスペルだと検索で他のことが引っかからなくて、早い段階で私たちにヒットするのも決め手でした。なので、ファンの方も改名したことを喜んでくれました。

──今後はさらに海外のことも視野に入れていきたいですか?

RUUNA : そうですね。音楽がちゃんと伝わるというのは現地に行ってすごく感じました。思っていた以上に反応が返ってきたので、終わったあと3人でめっちゃ泣くみたいなこともあって。普段はそういうことがあまりないんですけど、終わってから「夢が近づくってこんなに嬉しいことなんだね」って話をして、そんな体験もあったので去年はいい年になりました。

──それくらい反応が大きく返ってきたんですね。

MIMORI : お客さんだけじゃなく、リハーサルの時も休憩中のカメラマンが踊ってたりして。

RUUNA : 1曲終わると、スタッフさんも「めっちゃいいね!」ってすごいリアクションをしてくださるんです。始まるまではけっこう緊張していたんですけど、音楽を聴いていいと思ったら一緒に踊ってくれたり、日本とは違うところで盛り上がるポイントもあって圧倒されました。

KOUMI : ジャズの文化が根付いているって聞いていたので、私たちの音楽の持ち味を楽しんでもらえる土壌があったんだと思います。ピアノのソロだったり、曲の見せ場で湧くんですよ。遠く離れた国でもちゃんと聴いてもらえているのが伝わってきて嬉しかったです。

──今作を作る上で、フランスで刺激になったものはありましたか?

RUUNA : フランスに行っていちばんもらったものは自信ですね。それまで3年ぐらい活動していて、自分たちとしてはいいものを届けたいと思っていても気持ちだけじゃどうにもならない、実力が必要だなと感じていたんですけど。結果も大事な世界の中で、自分たちとしてもこれでいいのかなと葛藤しながら作品を作ったりライヴをしていたんですけど、フランスに行ってみてステージも素の状態で、自分たちだけで勝負するっていう場で、今まで毎日やってきたことは無駄じゃなかったんだと。言葉が通じない海外で、歌とダンスだけで勝負してみて反応が返ってきたことはすごく自信になりました。今回の作品にはそれが出せたんじゃないかと思います。

今作は本当に自分たちで1から作ったという感じがします

──その話でしっくりきたのは、今作を聴いて風通しの良さと言うか、自由度の高さを感じたんです。それは自信がないとできないことですよね。

RUUNA : フランスから帰ってきてからチームとしてもいい意味で丸投げが多かったんです。「ここが納期だから、それまでに仕上げてね」みたいなことがスタッフさんからも多くて、今作は本当に自分たちで1から作ったという感じがします。

KOUMI : 前はスタッフさんやアレンジャーさんに気を使ってた部分があったんですけど、ステージに立つのは自分たちだし、自分たちの名前で作品を出しているんだから、自分たちが責任を負わないといけないというのを実感して、誰が何と言おうと意思を通したいなというのをフランスから帰ってきたあたりのタイミングから特に思いました。

MIMORI : このアルバムで一番気づいたことですけど、いつものチームの方との共作は気心知れているので自由に出来ていたと思うんです。でも今回、去年のプレイリストアルバムでリミックスしていただいたChocoholicさんと共作して、初めてチームの外の方と一緒に作ったので、最初はどこまで自分の意思を言っていいのか分からなくなったんです。初めて何も出来ない子みたいになっちゃって。それを超えてこの作品が出来上がって、ここを言ってよかったなと実感できたところもありました。このアルバムで、自分たちが歌うんだから自分たちの作品なんだという意思を大きく持たなきゃいけないということに気づけたと思います。

──自分たちで作るということが、今まで以上に自然なことになっているんですね。

RUUNA : 自分たちで作るという“形”が正確に見つかったというか、制作中の役割分担もしっかり分かれてきて、ひとりひとりが自分の仕事に集中できるかたちで出来たことが今作の大きな収穫だと思います。

──その上で、共作をしていいものを届けることに関してはどう考えていますか?

MIMORI : いちばんに思うのは自分たちの軸にあるものは出来てきたので、これを私たちが聴いてきた音楽家の方に聴いてもらって、一緒にやりたいと思ってもらえたらいいなと思います。

KOUMI : 私たちが好きなフランスのアーティストでホーカス・ポーカスさんというヒップホップ・バンドがいるんですけど、フランスに行くタイミングでせっかくだからインスタグラムでDM を送ってみない?って、実際に連絡してみたんです。

MIMORI

MIMORI : そしたら返信をくれたんですよ! ただ、その日はパリにいないということでちょうどスケジュールが合わなくて、残念ながら会えなかったんですけど自分の意思を伝えられたことが嬉しかったです。ストリーミングのサイトや YouTubeの音源も送ってみたので、聴いてもらえていたらいいな。

KOUMI : これからもそういう自分たちが好きなアーティストに自分たちからアプローチをして、もうちょっと道を広げていきたいと思っています。

──今回のアルバムはチーム外の方の参加もあり音楽的にも間口が広いというか、今までの自分たちらしいものから少し外れてみてもいいかも?という感覚を受けたんですが、それはどのあたりからでしたか?

RUUNA : 去年プレイリストアルバムを出させてもらった時は、これまでのファン以外の方にも聴いてもらうのにはリミックスをしてもらって、そちらのファンの方にも聴いてもらうのがいいんじゃないかなってことでお願いすることになったんです。私たちは今まではアレンジャーのRumbさんの世界の中で生きてきたところもあったんですけど、初めて外部の方と一緒に作ってみるとその感触が新鮮で。今回アルバムを作る時、Chocoholicさんと共作するというタイミングで初めて、自分たちのチームのスタッフさんたちに「もうどこに行っても3人なら大丈夫だと思う」と言われて背中を押してもらいました。今回、違うチームに飛び込んで初めてMIMORIさんのディレクションでレコーディングをするというチャレンジをしてみて、自分たちのチームがいるというのも支えになりましたし、その経験をもって違うチームでの化学変化もやっと楽しめるようになってきました。

──それから歌詞にもライナーノーツにも感じたことですが、言葉の解像度がどんどん高くなってきていますよね。より細やかな表現になっていると感じます。言葉の使い方は意識していますか?

RUUNA : 歌詞を書く感覚がちょっと変わってきたと思います。今まではメロディーに合わせないとっていうのがあったんですけど、最近はこの歌詞にしたいからメロディーを変えようという方が多くなってきました。メロディーを作って、方向性が見えた段階で歌詞をつけていくんですけど、それが今作ではこの言葉を入れたいからこの音は最後をあげる形にしようとか、歌詞が全部出来てからメロディーの変更することも多くなりました。

MIMORI : 3年経つとちょっと出来るようになったよね。

RUUNA : 今までは3人でこの曲はこういうテーマにしようと相談してから、ひとりが歌詞を書くということが多かったんですけど、今回は事前の相談は特にしなかったんです。いい意味で相手に任せられるようになったと思います。

今回は感情とかニュアンスを重視して書けた

──曲について、レコーディングの時の様子も含めて話していただきたいと思いますが、まずスタートの「The Liar」、まさに「これがkolmeです!」というピアノのアレンジとか自分たちの武器を全面に押し出す楽曲が1曲目にきていますね。


kolme / The liar

MIMORI : そうですね、これが曲が改名後初の1曲目というのは意思表示ができるかなと思いました。

RUUNA : 実はこの曲のレコーディングがいちばん難しくて…。この曲は基本的に私がメインヴォーカルを取っているんですけど、あえてキーを合わせないと言われたんです。私が得意なゾーンだったり、得意な息継ぎの仕方をいつも研究してくれているので、だいたい歌いやすいんですけど、この曲に関しては最初から合わせないからとMIMORIさんに言われていて。曲に合わせてきてと言われました。

MIMORI : RUUNAさんの声の使い方に合わせていたら同じ曲ができちゃうな、同じ聴こえ方になっちゃうなと思って、今作ではひとつでいいからそういうところを変えたいという気持ちがありました。この曲は私の得意なタイプの曲で、RUUNAさんには「今回はごめんね。でもこれぐらいは出してね!」とお願いしました。それから、私が思う「RUUNAさんの声でこう出したら気持ちいいだろうな」という意識で作りました。

──全体的にKOUMIさんの英語パートが一段とブラッシュ・アップされているように感じます。

KOUMI : 最近友達が増えてその子が英語しか喋れないので、単語だったり発音だったりを日々が勉強になっているので、そのおかげかなと思います。前は韻を踏むことを重要視して書いてたんですけど、今回は感情とかニュアンスを重視して書けたので、少し成長したところかなと思います。

MIMORI : 日本語でこういうことが言いたいんだって伝えたら、本当にぴったりな訳を返してくれるので、もう安心して英詞の部分はKOUMIに丸投げしています 。

RUUNA : 私たちと話していてもナチュラルに英語を挟んでくるんですよ(笑)。それからヴォーカルに関してはMIMORIとのユニゾンが特に多かったので、歌い方もあえてずらしたり、あえて揃えたりMIMORIに合わせながら歌うということにも今回はチャレンジしてみました。私にとって馴染みのない音階だったので、いちばん難しかったです。

──2曲目の「Tie me down」もかっこいい! 歌詞の解像度が上がっていますね。


kolme / Tie me down

MIMORI : 今まではもっと妄想の中で書いていたものが多くて、どこか核心をつけないというか幻想の世界だったんですけど、これは自分がこういう恋愛をしたいという強い意志があって、それをありのままにさらけ出した曲です。今まではここまで言えなかったものも、この曲は曲調も強めに作ったので歌詞もそのぐらい強気で追いつかなきゃだめだなと思って。強い言葉でも、これならきっとパワー・ワードになってくれると思って作りました。

RUUNA : 去年の3月にシングルで「Hello No Buddy」を出して、やっぱり自分の伝えたいことって出していった方がいいなって考えるようになったんですね。前のグループがアイドルだったので、夢を売るのって大事というのも感じるんですけど、曲を作るとなると理想だけじゃ歌詞が薄いなと思って、いい意味で自分をさらけ出す勇気がないといけないなと今回は作っていて特に思いました。歌詞も自分の内面のことだったり、言えないけど思っていたことだったり、それぞれにぶつけているというのが今回の作品では大きかったです。

MIMORI : 今回はアルバムなので、曲調や歌い方に関してもいろんなことがしたいなと思ったんです。3枚目だし、時間もかけて作れるし、そのぶん遊びたいなとも思って挑戦もできたなと思っています。

──3曲目の「Hello No Buddy」はkolmeにしか出せない切なさがあって、代表曲のひとつになったのでは?


callme / Hello No Buddy -Lyric Video-

MIMORI : この曲を作ったのはおととしで、配信のことも考えて、バレンタインも近いしアッパーなラブラブ恋愛ソングでという方向で書いていたんですがしっくりこなくて… こんなの出せないと思って、アレンジャーさんと会議をした時にアイデアとして出てきたのがこの曲でした。アッパーな曲は違うかなとなって、作る過程でちょっとまったりしつつその中で跳ねるメロディーの曲をやってみたいと思って、ヒップホップ路線に挑戦してみたのがこの曲です。

KOUMI : 曲は色々作ったんですけど、表題はやっぱり「Hello No Buddy」がいいなと思って。自分たちは意図してなかったんですけど、聴いてもらういちばんのきっかけになったのでこの曲が出来てよかったなと思いました。

──私が思うkolmeの楽曲の”無敵感”とかバリアを張ってくれる感じって、音の奥行きや音像の影響もあると感じているんですけど、サウンドのこだわりが楽曲の手触りに直結していますよね。4曲目の「Why not me」もそれが結実していますね。


kolme / Why not me

MIMORI : 今作は撮ったものを1回アナログに移してミックスやマスタリングをしました。柔らかいとはまた違うかもしれませんが、デジタルでは出せない色が出せたと思います。この曲の切ない感じとぴったりだったのでいいなと思いました。

RUUNA : あとこの曲は、特にコーラスがすごくいいアクセントになっていて。 最後にコーラスを追加したり、すごく時間をかけて出来上がった曲です。

MIMORI : 去年の5月頃にデモが出来上がって、そこから1ヶ月かけて歌詞を書いて、数ヶ月かけてレコーディングしてミックスしたっていう感じなんですけど。最初はもっとさらっとした曲で、他の曲が出来るにつれて、この曲はもっとボリューミーになった方が魅力的なんじゃないかなと思ったんです。最後に向けてどんどんコーラスを詰んで、自分の気持ちが沸騰していくようにするのがいいんじゃないかなと思って。

KOUMI : 音色は盛り上がっていってるんですけど、歌詞全体の気持ちを考えると最初は平常心で、どんどん後半に向けて胸が苦しくなっていくのが、本当に歌っていてもそうなんですよ。毎回パフォーマンスしてる時に歌詞の力強さを感じて苦しくなります。それから、英詞の部分はロマンティックになったと思います。 結構自然と浮かんできたので、出てきた瞬間にこれは来たなと思いました。元々あったメロディーに合わせて考えたんですけど、英語の歌詞を考えて歌ってみたらマッチ具合が素晴らしかったので自分で感動しちゃいました。行き場がない気持ちを深い青い広い海に例えて、私はひとりでそこに寂しく浮いてるというのを表現しました。

歌詞には性格が出ますね

──5曲目の「You don’t know me」はスクラッチが印象的に使われていますね。自由に作られている印象もあります。

MIMORI : 6曲リリースしたシングルの最後の方にできて、アレンジャーさんと「これは遊んでいい曲だよね!」と楽しんで作りました。アレンジャーさんの DJ が凄いので入れてもらったんですけど、KOUMIの声が“こすり甲斐”があったと言ってました。

RUUNA : コーラスもいちばんきれいに聴こえるのがKOUMIなんです。

KOUMI : 嬉しいですけど、例えば「この曲はAメロが歌いたいな」と思って練習していても「KOUMIは英語のパートだからよろしくね!」と言われてしまうので、ちょっと悲しくはあるんですけど。でもコーラスで力を発揮できるのはいいかな。

──役割分担が出来ている分、やりたいと思ったことができないジレンマがあるんですね。

RUUNA : 楽屋ではパートじゃないところもKOUMIはすごい練習してるんですよ。

KOUMI : 歌う気満々でブースに入っても、KOUMIは英語パートですと言われちゃう…。

──歌詞にパンチがありますね。

MIMORI : 歌詞については、ちょっとひねくれてる気持ちの時にできた曲なんですよね。私がいい彼女を演じているだけなのにそれを私だと思わないで! 本性も知って! って。自分から言えないからあなたが気づいてよという気持ちで書きました。

KOUMI : この気持ちについてはそんなに共感できなかったんですけど(笑)。

MIMORI : この曲も歌詞の解説を送りました。ヒールで潰す感じでという。

RUUNA : 自分から言えないから気づいてほしいってMIMORIっぽいなと思いました。苛立ちがあるのにそれを相手にぶつけるのは怖いという臆病さとか。歌詞には性格が出ますね。

KOUMI : これもラップ部分がいちばんパンチのある言葉にしたんですよ。発表当時、日本語の詞を読んだファンの方から「心がズキズキする」という声も多かったんですけど、 実は英語の部分はもっとパンチのある言葉なんだよと思ってました。

──続いて「Only for now」はRyotaさんのデモ曲から共作したんですよね。

MIMORI : そうです。結成初期のデモの印象と最近のデモではガラッと印象が変わっているんですけど、今のイメージで出してもらった曲がすごく良くて私たちもやりたいとすぐに思いました。

──歌詞に合わせてメロディーを変えていたということですが、どのような部分を伝えるために心がけたんですか?

RUUNA : この「ありのまま自分を見せる事が出来るの?」は最後の音をあげようかとか、そういうニュアンスも歌詞を中心に色付けをしていくというのがこの曲は多かったです。今まで歌詞を書いて一度MIMORIにハマるかをチェックしてもらっていて、歌詞の響きを意識せずにあまり気にせず文章で書いていたんですけど、今回はRyotaさんと初めてやり取りをさせてもらってアレンジャーもRyotaさんにやっていただいて、Ryotaさんの意見を聞きつつ自分の見せたい世界観をお互いにうまくできたのがこの曲でした。チームとしての成長も感じました。

──歌詞のテーマについてはやり取りしたんですか?

RUUNA : テーマには悩みましたね。決まるまでは色々なテーマ案を出させてもらったんですけど、最終的には全然違う内容にガラッと変えて一晩で書きあげて送ったらOKでした。私、帰り道によく泣いてしまうんですよ。帰り道は切ない気持ちになるんです。私はこれでいいのかなとか、自分の心の弱さと明日への葛藤みたいなものがあって、電車の中でバレないように泣いてしまったり。心の脆さを誰もが感じる瞬間ってあると思うんです。ちょっとでも共感してもらって背中を押せたらなと思って詞にしました。

──7曲目の「Today’s」はChocoholicさんとの共作ですね。

KOUMI : 私たちはこういう音楽を聴いてます、アルバムの楽曲もこういう方向で揃えてきてますと伝えて、そんな曲の中に入る女の子らしい可愛い楽曲が欲しいと思ってますと伝えて、最初2パターン出してもらったんですよ。

MIMORI : サウンドクラウドに上がっている音源を聴いて、こういう感じのをkolmeが歌えたらいいよねと話していました。初めてのレコーディングの場所だと緊張しちゃってうまく出せないこともあると思うんですけど、ここはこうやった方がいいというのを明確に伝えられたので良かったなと思います。Chocoholicさんは年齢も近いですし同性ということもあって、制作がとても楽しかったです。

KOUMI : 3人は持ち合わせていない、ふわとろっとした可愛らしさのある方で、その雰囲気は楽曲に反映されていると思います。

──今までのkolmeだとかっこいいイメージが強かったですけど、Chocoholicさんのエッセンスが入ることで女の子っぽくて可愛いのもいいんじゃない?みたいな新しい風が吹き込んだ感じがしますよね。

RUUNA : 今まではあえて“可愛い”を遠ざけていました。前やっていたグループもあって、一回そことの区別を作っていたところがあったんです。自分たちの中でもしっくりくるのはスタイリッシュなものだったんですけど、やっと可愛い自分たちも受け入れられるようになったと言うか… そのおかげで今作は幅を広げられたのかなと思います。

──その気持ちの変化は大きいですね。

KOUMI : そうですね。今まで作り上げたかっこいい作品があったからこそ、新しい挑戦ができたかなと思っています。新しい部分を見てもらえるのがすごく楽しみです。

MIMORI : この曲は女の子の1日をテーマにしていました。

KOUMI : 期限の問題なんですけど、USJに行った時に歌詞を書いていたんですよ。

MIMORI : いつもギリギリにしかやらないんですよ。USJに行ったのがちょうど締め切りの日で「今日はやりたくないなぁ。でも今日は出さないとなぁ。楽しい気分だったらかけるかな」って。遊園地って待ち時間長いじゃないですか。並びながらKOUMIと一緒に書いてました。

自分の人生を何も細工をしないで歌えた

KOUMI

──続いて、Interludeが入り「No need to rush」です。この曲は全て英詞ですね。

KOUMI : この曲は仮歌の段階で他のアーティストさんの歌詞を引用して作っていたんです。これまでは仮歌ってラララで作ってたんですけど、他のアーティストさんの歌詞で仮歌を作ったことによって、この母音の単語が響きがいいんだなぁというのがわかって新しい作り方が発見できました。アレンジャーさんには歌詞が多いものをはめてと言われて、適当にはめて仮歌を作りました。

RUUNA : 海外ではこの作り方多いみたいなんですよ。詞先に近いですね。先に歌詞がある状態にトラックを用意してそこにメロディを乗せていく。

KOUMI : Rumbさんにも結構助けていただいたんですけど、入れたい詞はあまり変えたくないので、歌詞に合わせてメロディーを作ることで言いたいことが伝えられたし、自分の人生を何も細工をしないで歌えたと思います。

RUUNA : なんだかかっこいい。その場で空気感で作る方が早いし楽でしたね。レコーディングの合間にできたんですけど、この曲は一瞬でできた印象です。

MIMORI : このやり方はKOUMIがやりやすそうだなあというのが今回の発見でしたね。英語の発音でメロディーが変わっていくのがおもしろかったです。R&Bシンガーの歌い上げる雰囲気をイメージしてました。

──10曲目は「Say good bye」です。

MIMORI : この曲は「Why not me」とかと同じころ、5月頃にはデモが出来上がっていて、その時にもっとライヴで盛り上がる曲が欲しいねということでイメージして作りました。歌詞の(clap,clap)がそのイメージですね。

KOUMI : 歌詞について…やっぱり大好きはいつまでも続かないものなんだなと思いました。

RUUNA : 言い方が悲しい…(笑)kolmeの楽曲の中でもいちばんパワー・ワードが詰まっていると思います。あんまりここまでストレートな楽曲はなかったので、これは男性の方が聴いたらズキズキしちゃうんじゃないかなと。

KOUMI : 好きな瞬間はちゃんとあるんですけど、夢から覚めてしまった女の人について書いてますね。結構吹っ切っているんですけど、その感じをクラップというワードで表現したというか。

MIMORI : ラッパーの20syl(ヴァン・シール)さんがやっているユニットAllttA(アルタ)の楽曲のからインスパイアされました。ヒップホップだけどメロディアスに歌うというのをイメージしてました。

KOUMI : 特に英語の部分が楽しかったですね。日本語のところもパンチがありますが、英語だと3割増くらいになってます。

──11曲目の「One time」は制作の終盤に出来た曲だったんですね。


callme / One time -Music Video-

MIMORI : シングルを作っていた時に表題曲を出してたんですけど、なかなかみんなが一致するものがなくて。アレンジャーさんにも初めて「何かないかな?」って相談されて。ギリギリに出来た感じです。 前作の「It’s own way」の冒頭部分が今までにないアプローチだったのでこの感じいいんじゃないかなというところから、歌も聴かせたいダンスも見せたいというイメージから、こういう形になりました。全部を詰め込んだ曲ですね。
歌詞のテーマとしては「今を大切に」この時少しダラけていたんでしょうね。仕事が休みの日だったんですけど、制作のことで少し焦っていて。
ポテチを食べていたんですけど「このままじゃkolmeはいけない…こんな時間があったら曲を作ろう」という意思があって、一瞬一瞬を大切にしないと後の自分が後悔するというのを痛感してできた曲です。

──MIMORIさんは結構ワーカホリックですか?

MIMORI : 仕事がないと不安になります。休みの日何をしていいかわからないんです。

KOUMI : 休みの日でもパソコン開いているか何かしてるよね。

「私たちはこうだ!」というのを3人共通して持つことができた

──さて、ラストは「My everything」ですが、これもメッセージが詰まっていますね。

MIMORI : アルバム制作があと1、2曲かなという段階でRyotaさんから提案されて、その時はもっとロックテイストだったんですけど、 kolmeの感じとはちょっと違うけどこの曲のキャッチーさはアルバムに欲しいと思って。聴かせてもらった段階からすぐにこれは入れようと思いました。もう少し可愛らしい感じにいじらせてくださいとやり取りをして作りました。

RUUNA : 今までだったら、可愛らしいのはきっとやらなかったと思うんですよね。 でもこのタイミングでこういう曲欲しいというのが出てきたんです。仮の歌詞は「ファニー」で入ってたんですよ。でもMIMORIさんNGで、意味的にもKOUMIさん NGで。そこからジュディとか名前を入れるのもありだよねとか話してたんですけど、それだと全然歌詞が書けなくて。その後マミーとダディっていうのがいいんじゃないかという話になり、最初はマミーだけだったんですけど、それだとお父さんがかわいそうだってことで、そこからマミーとダディというのを基本にして歌詞を書いていきました。

KOUMI : これ聴くと泣いちゃう。曲は爽やかなんだけど、お父さんとお母さんってどんな形でもみんなが持っているものじゃないですか。両親に対する思いは皆違うと思うけど、ちゃんと大切なものを考えさせてくれる歌詞だなと思っていて、私はこの曲すごい好きなんです。

RUUNA : 初めて聞いた! ありがとうございます(笑)今までだったらこの曲を最後に持ってくるというのもなかったと思うんですけど、心の変化なんですかね。色んな音楽を聴いて色んな音楽を作ってきて、ライヴの最後にみんなが笑顔で帰る姿というのが思い浮かんだというか。このアルバムを引っさげてツアーをやるというイメージもできていたので、 最後にこの曲を歌ったらいいよねというのが皆で一致したんです。今年は笑って1年間過ごしたいという気持ちも、現れていると思います。

──本作の制作を経て強くなった気持ちはありますか?

MIMORI : 自分たちの芯と言うか「私たちはこうだ!」というのを3人で共通して持つことができたと思います。役割分担についてもそれぞれを尊重して3人でバランスをとってやっていこうというのは、作ってきていちばん大きくなった気持ちだと思います。

KOUMI : シンプルに何でも挑戦していいんだなと思いましたね。ちゃんとスタッフさんがバックに付いていてくれると言ってくれたことが励みにもなったし、自信を持っていいんだなと思いました。

──この作品を作ったことで見えた未来予想図はありますか?

RUUNA : このアルバムができてやっと自分たちがやりたいことが全て形になったと思うんですね。今までいろんな楽曲を作ってきて、誰かがしっくりこなかったりとか本当にこれでいいのかなと迷うこともあったんですけど、kolmeを始めて自分たちが目指していた完成形がやっとこのアルバムでできたと思うんですよね。これから逆に何をしようかと楽しみになれたというか。やっと自分たちの見えてたものが形になって自分たちの中ではkolme第2章というわけではないんですけど、新しい何かがまた見つかる予感がします。もう今は次の制作に入る段階に入ってきて、自分たちとしても次はこうを作りたいとか、逆にこういうジャンルは1回お休みしてもいいのかなとか思えるようになりました。

MIMORI : 今まではこのジャンルはこれっぽいから避けようとかあったんですけど、”もうここからは何を作ってもkolmeの楽曲になるね”というのが自分たちにもあるので 、ジャンルにとらわれず何でも作っていいんだな、今作りたいものを明確に伝えることが必要なんじゃないかなと思います。 愛を伝えるためには、今の気持ちを素直に伝えることが大事だなと思いました。

KOUMI : 今まではMIMORIちゃんが伝えたいことを書いていたことも多かったんですけど このアルバムでは「My everything」とか、「No need to rush」とか、私とるーちゃんの人生観についても書くことができました。またすぐ制作が始まると思うんですけど、プライベートも作品の制作の一環として大切に過ごせていけたらいいなと思いました。

RUUNA : 今ツアーの準備をしていて、ツアーはいつも「スナック秋元」という私がひとりでカバーを歌うというコーナーをやらせてもらっていて、おととしからそれが自分の中では刺激になってます。去年のクリスマスのライヴでも自分で楽曲も探して、今80年代をすごい掘っているんですが、kolmeの楽曲を歌うこととカバーを歌うことは全然感覚が違ってkolmeの楽曲は難しいなと思うんです。kolmeの楽曲を客観的に見られることが刺激になってますね。今回のツアーでもスナック秋元のコーナーを楽しみにしてもらえたらと思います。
ライヴが私たちが受けた刺激をいちばん反映してると思うんです。作品も聴いてもらって、目の前で私たちが体現するその時間をこれからも楽しみにしてもらいたいと思います。

DISCOGRAPHY

LIVE SCHEDULE

kolme Live Museum 2019 ~Hello kolme~

2019年3月2日(土)岡山image 
2019年3月3日(日)福岡Early Believers
2019年3月16日(土)愛知RAD HALL
2019年3月17日(日)阿倍野ROCK TOWN
2019年3月23日(土)仙台MA.CA.NA
2019年3月30日(土)東京WWW X


PROFILE

kolme

KOUMI、RUUNA、MIMORIの3人によるガールズ・ユニット。
2014年12月30日に結成。それぞれの得意分野を活かし楽曲やパフォーマンスをセルフ・プロデュースする新しいスタイルのガールズ・ユニットとして活動をスタート。
リーダーのRUUNA、ダンスを得意とするKOUMI、作曲を得意とするMIMORIの3人が一体となったクオリティーの高いダンスと楽曲の創造性溢れるパフォーマンスが魅力。

>>オフィシャル HP

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