2016/08/22 15:34

OTOTOYとATFが全力で作るほんとうにドキドキするイベント Vol.2ーー金子厚武による主催者インタビュー掲載

オトトイのススメ! vol.2

日時 : 2015年7月29日(水)@TSUTAYA o-nest
開場 : 18:30 / 開演 : 19:00
料金 : 前売 : 2,500円 / 当日 : 3,000円(1drink別)
出演 : ONIGAWARA / PARKGOLF / Stereo Tokyo
問い合わせ : o-nest

主催・企画制作 : オトトイ株式会社 / ATFIELD.inc.
連絡先 : ticket@ototoy.jp(担当 : 西澤)
取置予約 : ticket@ototoy.jp までお名前、電話番号、取り置き枚数をご記載の上メールください。

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〈オトトイのススメ!〉対談 : 西澤裕郎(OTOTOY) × 青木勉(ATFIELD)

OTOTOYがひさびさのライヴ・イベント〈オトトイのススメ!〉を、〈BAYCAMP〉の主催で知られるATFIELDと共同でスタートさせた。このイベントの企画者であるOTOTOYの西澤裕郎とATFIELD代表の青木勉は水曜日のカンパネラのライヴ現場で知り合い、今の閉塞感が漂うフェスやイベントの現状に対し、カウンターとなる新しいイベントを作り上げるべく、今回タッグを組んだのだという。神聖かまってちゃん、tricot、Awesome City Clubという3バンドが出演し、ソールドアウトを記録したVol.1に続き、7月29日に開催されるVol.2の出演者はONIGAWARA、PARKGOLF、Stereo Tokyoの3組。果たして、〈オトトイのススメ!〉、略して〈オススメ!〉は、僕らに何をオススメしようとしているのか? では早速、2人のイベントに対する想いを聞いてみよう。

取材&文 : 金子厚武

いい化学反応が起きると思うんで、いろんなものを混ぜたい

ーーなぜ新たなイベントを立ち上げようと思ったのでしょうか?

西澤 : もともと、OTOTOYでは〈お腹が痛い〉と〈VANISHING POINT〉っていうイベントをやっていたんですけど、ここ2年間くらいイベントはやっていなくて。その間、個人的にフェスだったりイベントだったり、裏方として手伝うことや現場を観ることが増えて、それこそ青木さんだったりイベンターさんやプロモーターさんと知り合うことも多くなってきていたので、OTOTOYとしてのイベントをやりたいなと思っていたんです。

ーー青木さんとはどうやって知り合ったんですか?

西澤 : 水曜日のカンパネラがきっかけで、青木さんはカンパネラのライヴ制作、僕はレポートを書くために、去年の11月からの全国ツアーを一緒に回って、いろいろ話をして仲良くなったんです。そのときに気付いたのが、地方に行くとイベンターさんとかプロモーターさんの影響力がすごいあって、イベント自体がメディアになってるってことで。それを見たときに、やっぱりイベントは重要だと思ったんですよね。しかも、その場所に適したあり方っていうのがあって、札幌と沖縄で顕著だったんですけど、お客さんに家族連れがすごい多かったんですよ。

左より、西澤裕郎、青木勉

ーーへえ、東京じゃほとんどいないですよね?

西澤 : 最近はちょっと変わってきましたけど、あまりなかったですね。しかも、北海道のインストアのときはラジオで知った人が多くて。「OTOTOYで知りました」って人は残念だけどそんなに多くなかった。最も北と南はラジオが媒介になっていて、じゃあ東京ではどういう方法がいいんだろう? ウェブ以外でもなにか連動できないか? と思ったときに、OTOTOYとしてイベントを持つことが重要だと思ったんです。地方によってお客さんの集まり方全然違いましたよね?
青木 : 沖縄もラジオリスナーから入ってきた一般の人が多くて、むしろそういう人たちの方が激しく盛り上がってた(笑)。面白かったのは、2デイズだったので内容をちょっと変えたら、客層が全然違ったんですよ。1日目はわりとライヴ層、サブカル層だったんだけど……。
西澤 : 2日目は「ザ・沖縄」って感じでしたよね。口笛吹きながら踊ってたり(笑)。僕らが音楽を届ける相手って、いわゆる音楽ファンだけじゃなくていいと思うんですよ。音楽って誰でも聴くものなのに、なぜかコアな音楽ファンにばかり照準を合わせているから、「パイの奪い合い」みたいな状況になっていると思うんです。
青木 : 今のフェスとかイベントを見てて一番しょぼいなって思うのが、どこもアーティストが全部一緒なんですよね。「今年はこの組み合わせ」みたいなのがどこにでもあって、そうなるとライヴハウスはブッキングが厳しくなっちゃう。でもホントはメディアによって押しが違うわけで、本来はそれがそのままライヴになってるのがかっこいいと思うんです。その意味で、〈BAYCAMP〉は「ここだけは守ろう」と思ってやってるんですよね。ブッキングは自分1人で好きにやってて、「〈BAYCAMP〉にはこの範囲の人たちしか出ません」っていう、僕の感覚でしかないんですけど、そこは僕の中で決めてるんです。5年目にしてやっとお客さんにも「このラインですよね」っていうのが伝わってきて、内容的にも信用してもらえるようになってきたかなって思うんですけど、本来そうじゃないといけないのに、わりとそうじゃないじゃないですか? 「今年はアイドルがいっぱい出ます!」とか言っておいて、急に「もうアイドル出しません」って言ったり、完全に時代に流されてる。大概のイベントが後追いなんですよね。

ーー〈BAYCAMP〉は独自の色を確立しつつ、その中でちゃんと新陳代謝も起きてるっていうことが、信用につながってるように思います。

西澤 : 新陳代謝をちゃんと起こしつつ若いバンドも取り入れている青木さんが身近にいてくれてから、一緒にイベントをやりたいなという気持ちが強くなって。あれ、社訓でしたっけ?「ドキドキとロックのみを発信する」って。
青木 : 社訓ってわけじゃないけど(笑)、僕がドキドキするのはロックだなって。
西澤 : 抽象的だけど、わかりやすいじゃないですか? 少年みたいなテーマですごいいいなって思ってて、だからATFIELDとやるっていうよりも、青木さんと一緒にやりたかった。

ーーATFIELDは昨年15周年を迎えられて、今年は新たなスタートという気持ちもあるのかと思います。

青木 : そうですね。だから、すごいありがたいなって思ってます。西澤さん急に熱くなり始めちゃって(笑)。
西澤 : 2月末くらいの会議で、「OTOTOYをもっと広めるにはどうしたらいいか?」っていう話になって、ちょうどイベントのことを考えていたときだったので「イベントです!」って言ったんですよ。そこで、みんな驚いていたんですけど、最終的に戦略的な部分以上に、西澤がやりたいならって熱意の部分に賛同していただいて。それがすごく嬉しくて、すぐに青木さんに連絡しました。

オトトイのススメ! vol.1の様子

ーーイベントのコンセプトはどのように考えていますか?

西澤 : 今のOTOTOYのトップページって、アニメ、アイドル、ロック、ヒップホップとかがごちゃ混ぜで、その感じって他のサイトにはないと思うんです。アイドルがどこかの媒体のイベントに出るとして、普段からその媒体にアイドルが載ってるのと、突然イベントだけ出るのって、意味合いが全然違って、突然出ても借り物感がするし、結局全然混ざってないんですよね。でも、OTOTOYは元からグチャグチャだから、そういうイベントをやる必然性があるし、いい化学反応が起きると思うんで、いろんなものを混ぜたいんです。

ーーなるほど、よくわかります。

西澤 : でも、僕2015年はもう混ざってると思ってたんですよ。2年前に箱庭の室内楽のハシダくんがゆるめるモ! に曲を書いて、これからインディ・バンドがアイドルに曲を書くことが増えると思ったけど、思いの外みんな及び腰で、まだ全然混ざってなかったんですよね。新宿LOFTでHave a Nice Day!、おやすみホログラム、NATURE DANGER GANG、せのしすたぁが一緒にやったんですけど、あれがすごいのって、アイドルの方が曲を作ってバンドに渡したりしてるんですよ。それぐらいグチャグチャになって、ようやくアイドルとロックが混ざったって言えると思うんですよね。中途半端にちょっと手を出して、「やっぱ無理でした、バイバイ」っていうのは嫌で、やるんだったらちゃんとやりたい。BiS、BELLRING少女ハート、忘れらんねえよ、Suchmos、ROTH BART BARON、NATURE DANGER GANG、水曜日のカンパネラなどなど、分け隔てなくやってるのがOTOTOYだって自負してて、いい意味で節操ないサイトだと思うから、それをグチャッとイベントに投げ込みたいんですよね。
青木 : 全然混ざってないっていうのは確かにそうで、周遊フェスとかもそうですよね? 全然違う層がただ移動してるだけであって、融合しないまま終わっちゃう。〈夏の魔物〉くらいじゃないですか? ちゃんとしょうもないことやれてるのは(笑)。
西澤 : あんな辺鄙な場所で、赤字出した年があってもやり続けるって、個人的にはあれは最高だと思うんですけど、ホント、奇跡のイベントですよ。

ーーATFIELDとしては、新代田FEVERともコラボしたり、今はいろんなことをされてますよね。

青木 : コラボレーションは好きなんですよね。やっぱり、自分でやると自分しかないわけじゃないですか? それよりもいろんな人とやった方が、相手のいろんな要素が出てきて面白いんです。もちろん、ただ一緒にやるだけじゃなくて、ちゃんとカラーがある人とやりたい。そうじゃないと、一人でやるのと変わらないどころか、薄まるだけなんで。そういう相手として、ウェブの媒体は発信力があるし、OTOTOYは独特のカラーを持ってるから、一緒にやれて光栄です。すごくいいカウンターになってるから、羨ましがってる人いっぱいいると思うんですよね。
西澤 : あとはこのイベントがいろんな人の可能性が膨らむ場になればと思ってて。僕自身青木さんと一緒に地方を回って、いろんな人と知り合うことで、いろんな可能性が見えてきたんです。もともとは全部自分でやっちゃうタイプだったんですけど、OTOTOYの編集長の飯田さんはみんなを巻き込んで得意なことを分担しあってものごとを大きくしていく人で、僕もそういうチャンスをもらっていろいろなことを学んだので、この場をいろんな人に使ってもらって、音楽に携わる人の可能性が開ける場所になればと思います。

合言葉は「パーティーピーポー」

ーー第1回の開催が5月12日で、神聖かまってちゃん、tricot、Awesome City Clubという濃厚な面子だったわけですが、実際やってみての手応えはいかがでしたか?

青木 : ちょっと出来すぎだったというか、本来は新しい人を発信していくのがテーマなんですけど、一回目は偶然にも西澤さんのこれまでが垣間見える、素敵な3バンドが集まったので、よかったと思いますね。だから、〈オススメ〉というよりは「オサライ」という感じだったんですけど。

ーーちなみに、第1回のレポートの記事で「前口上でATF青木とOTOTOY西澤のトークが長過ぎたり、反省点も多く…」ってありましたよね(笑)。

青木 : あれだけが失敗でした(笑)。
西澤 : 青木さん、「俺30秒しか話すことないよ」って言って出てって、15分しゃべったんですよ(笑)。
青木 : マイクが一本しかなかったんで、お互い好きなようにしゃべっちゃって…… しかも、台風来てたから、帰れるか心配してる人も多くて…… そのクレームだけはすごかったです。

ーーでも、2回目も前口上はあるんですよね(笑)?

青木 : 今回はちゃんとマイク2本用意するんで、大丈夫です(笑)。

ーーそして、2回目の面子はONIGAWARA、PARKGOLF、Stereo Tokyoと、一転攻めた面子になりましたね。

青木 : 振り切りましたね。一回目がバンドだったので、そうじゃない方でっていうのがありつつ、かなり先物買いではあると思います。
西澤 : 大体一番最初に「これいいよ」って言うと、だいだいう〜んって感じで見られることが多いんですけど、そういう段階のアーティストをあえて集めたっていうか。変な話、人が入るかどうかっていう部分だけじゃなく、「こいつらすげえんだぞ」って気持ちでやらないといけないと思うんですよ。

ーー最初に決まったのはPARKGOLFだったそうですね。

西澤 : 初めてライヴを見たのが、カンパネラのツアーで札幌に行ったときで、この前出たフル・アルバムがSeiho主宰のDay Tripper Recordsからリリースされている、いわゆる新しいタイプのトラックメイカーなんですけど、ポップで盛り上がるDJプレイも意識しているのを観て、音楽マニアじゃない子がのっている感じもいいなと思ったんです。まだOTOTOYでは配信していなくて、通な人たち以外にも知ってほしくて、これはちゃんと取り上げたいなと。

ーーONIGAWARAに関しては?

西澤 : ONIGAWARAはOTOTOYで独占配信をさせてもらってて、話題を呼んだユニットです。男性アイドルでもないけどロックでもない、でもアイドルみたいな男性ユニットって、なかなかないじゃないですか? 僕から話す前に青木さんから「ONIGAWARAいいんじゃない?」って話があって、青木さんもそう言うなら間違いないと思って。
青木 : 元・竹内電気のメンバーなわけですけど、一番最初は「え?」って思ったんですよ。バンドじゃないし、ちょっと胡散臭いなって(笑)。でも、何回かライヴを見たら、お客さんのニーズも含め、ちゃんとしてるなって思って、音源を聴いたら、すごくよかった。まだあんまり押されてないけど、それは昔のカンパネラもそうだったから、あえて押したいなっていうのもあって。

ーーアイドルっぽいとはいえ、バンドシーンともともと接点があるという意味で、受け入れられやすい土壌は出来てますもんね。

青木 : アイドルとしてやってるっていうよりは、シンプルな表現方法でやり始めたってことだと思うんですよね。ちゃんと腹括ってやってるし、面白いなって。
西澤 : カンパネラも最初はよくわかんなくて、何の根拠もなかったけど、追っかけてみたら面白いかもと思って、今に至るっていうのがあるんですよね。それって「ドキドキ」の部分っていうか、閃きみたいな部分を僕は結構信用してて。今ってイベントのブッキングをするときに、エクセル表にアーティスト名とTwitterのフォロワー数とかを書いて、データを集めて組もうとする人が多いんですけど、今回はそういうの一切ないんですよ。数字で計っちゃうと、ドキドキがなくなっちゃうというか。
青木 : そういう数字って、CDを売るための戦略的なバロメーターにはなっても、実際ライヴに来る層は全然違うからね。イベントって、1000人入る3組を集めても、1000人しか入らないから。グレーゾーンの人は、ワンマンしか行かないんです。でも、シーンとして面白そうだってなると、「1回見てみたかった」って人たちが来るんですよ。だから、その人たちが見たことのない人を呼ぶっていうのが重要なんですよね。
西澤 : 正直、数字的な根拠がないので、普通の企業でこれをやるのは無理だと思うんです。でも、「そんなに言うならやってみろ」って形で心意気を買ってもらったと思ってるので、だったらもうホントにドキドキだけに注力してやろうと思ってるんです。もちろん集客という部分を無視しているわけではないんですけど。

ーーそして、最後に問題のEDMアイドル、Stereo Tokyoですね。

西澤 : 今のところ賛否両論の「否」が8割ぐらいっていう(笑)。
青木 : でも、これは新しいよね。
西澤 : 新しいんですよ。僕レコ発ライヴを見に行ったんですけど、青山の高級クラブっぽいところが会場で、EDMマナーに乗っ取ってバブリーな感じで、簡潔に言うと、女の子たちが「パーティーピーポー!」って叫んで、ジャンプしてる。
青木 : しかも、全曲そう(笑)。
西澤 : メンバーも客席に降りてきて一緒に踊ってるから、どこに誰がいるかもよくわからないんですよ。でもこれは新しいと思って、クラブに行って、かわいいお姉さんを見て、「いいなあ」っていう、あの感覚なんですよ。同じ目線で踊ってるのを見るのが楽しい。しかも、それが小学生だったりするっていう(笑)。

ーークラブに出入りできない年齢だ(笑)。

西澤 : プロデューサーの水江さんも、女の子がいる後ろでクラッカー鳴らしたり、札束をメンバーに渡して撒かせたり、めちゃくちゃなんですよ。僕が見に行った日3000枚撒いてて、「あれ何枚作ったんですか?」って訊いたら、「あと会社に2億7千万あります」って(笑)。とにかくバカなんですけど、新しいんですよ。メンバーがDJもやるんで、ただオケを流すだけのアイドルとも違うし。

ーーこの3組が集まって、果たしてどうなるんでしょうね?

青木 : まあ、今回からが本領発揮というか、ホントの意味で新しい人を「オススメ」するっていう意味では、すごい濃いラインナップになったと思うし、今見ておけば半年後に自慢できると思いますよ。
西澤 : ショーケース的な感じでもないし、まずStereo Tokyoで崩壊してみんな騒ぐっていう(笑)。余計なことは考えずに、来てみたらいいんじゃないかと思います。
青木 : みんなパーティーピーポーになるよね(笑)。
西澤 : 合言葉は「パーティーピーポー」です!
青木 : 前説でもきっと言うね。コール&レスポンスしなきゃ(笑)。

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オトトイのススメ! vol.2

日時 : 2015年7月29日(水)@TSUTAYA o-nest
開場 : 18:30 / 開演 : 19:00
料金 : 前売 : 2,500円 / 当日 : 3,000円(1drink別)
出演 : ONIGAWARA / PARKGOLF / Stereo Tokyo
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主催・企画制作 : オトトイ株式会社 / ATFIELD.inc.
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