Meme

ディスコグラフィー

  • Memeは、日常を奏でる。平明に繰り返される日々と、その中に静かに深く在る精神性を音にする。この新譜「Machloop EP」でも、それがより明確に現れている。 表題曲「Machloop」も秒針のようなリズムから始まり、一見、明るく牧歌的なメロディではあるが、畳み掛けるように音が重なることで、世界が幾重に も意味を持っているのに気付かせてくれる。ミニマムな音の繰り返しは、そのこと自体が意味を持ち、単純であるその影に複雑で奥深い真理を秘めているのだ。 まるで日常のように。 そう、日常のように。 Memeが描こうとしているのは、単純で特別、複雑に当たり前な美しい日々の繰り返し。懐かしくて、新しく、重なり過ぎ行く時間。 彼等の作り上げる音の、歌声の美しさに、そしてその奥にある真理に触れた時、貴方の“日常”もまた、奥深く美しい世界である事に気が付くであろう。
  • 前作「alku ringo」を発表以降、徐々に評価が高まっていった良質なアンビエント/エレクトロニカ/フォークバンドによる最新作。今作は「本と日常の為の音楽」という明確なコンセプトを掲げ、全曲を通してゆったりと聴ける作品に仕上がっている。ブライアン・イーノのアンビエントシリーズの美しさに通じるところもあるが、この作品からは郷愁の念を感じる。幼い頃に母と手を繋ぎながら渡ったあの踏切、公園に散らばる落ち葉の上を歩く秋の夕暮れ時、寒い冬の日に暖房の音を聴きながら窓の外を見て過ごしたゆっくりとした時間。何の悩みもなくただただ幸せだったあの頃のような心の平安がゆっくりと蘇ってくる。疲弊しきった心をリセットしたい時、椅子に腰掛け、読書でもしながらこの作品を聞いてほしい。きっと新しい日常の風景を見つけられることだろう。
  • 茨城の3人組バンド、Meme(ミーム)のデビュー作にしてとてつもない大傑作。これほど空気を変える力のある音楽は、そうそうお目にはかかれない。サウンドも歌声も全てが破格の美しさ。アルバムの冒頭を飾る「poploop」で見せる、歌ものとしての素晴らしさと遊び心溢れるカラフルなサウンド。M2「antennae」でのMemeの真骨頂とも言うべき不思議で幻想的な音空間。M3「cenotaph」の北欧の空気を感じさせる、美しくも哀愁漂うメロディ。M4「farm」の穏やかな陽の光の射す一日のような優しい空気感。この4曲を聴くだけでこのアルバムの素晴らしさが十二分に伝わってくる。その後も耳を惹きつける強い力を持った美しい楽曲ばかりが、これでもかと言わんばかりに続いていく。最終曲「alku alku」を聴き終えた時には、既に涙しているという人も決して少なくないと思う。 この作品はまるで人生の様々な瞬間を切り取ったスケッチのようである。