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2013/04/07 23:00

 

歓喜の凱旋! GOMA&The JRS、渋谷WWWからポジティブなグルーヴを宇宙に発信――OTOTOY最速レポ

 

※ライヴ画像は後日掲載されます。

暴風雨から一夜明け、風はあるものの暖かく気持ちの良い日曜日となった4月7日、〈GOMA&The Jungle Rhythm Sectionワンマン・ライヴ「2nd Life」〉が映画『フラッシュバックメモリーズ』の撮影地である渋谷WWWで開催された。映画公開記念としておこなわれるこのライヴ。映画の評判を示すかのように、チケットはソールド・アウトということもあり、USTREAM生中継も急遽決定。音楽ファンの関心の高さが伺える。会場に入るとステージにはディジュリドゥが二台、客席に向かってその特異な姿を伸ばしている。
『フラッシュバックメモリーズ』において劇場に流れ続けたディジュリドゥと土着的なリズムを体感したことで、GOMAの音楽に改めて興味を抱いた音楽ファンも多いだろう。

『You are Beautiful』が流れる場内が7時12分に暗転し、『フラッシュバックメモリーズ』の映像がスクリーンに流れる中、The Jungle Rhythm Section (以下The JRS)のメンバーがゆっくりと姿を見せると暖かい拍手が起こり、重いバスドラのキック一閃、バンドがフリーなリズムを奏で出す。

パーカッションのリズムが頂点を迎えようとする瞬間、GOMAが大歓声に迎えられて登場。パーカーを目深に被り、両手で拳を握りステージに立つGOMA。「Afro Billy」でライヴがスタート。ここ、渋谷WWWは映画に登場するライヴの撮影場所ということもあり、映画の世界がまさにフラッシュバックする光景が目の前で繰り広げられ、フロア前方の観客は激しく体を揺らす。各メンバーのソロ演奏もテンションが高い! 続いてカウベルの甲高い音が小気味良い「Eucaliptus」へ。ここでもスクリーンには曖昧な記憶を取り出したようなボンヤリした映像が流れ、曲とシンクロする。まるで映画の中の世界が逆転したかのようだ。「Cactus」、ディジュリドゥをチェンジして「Bul Bop」と曲は続き、ここでGOMAがはじめて口を開く。「ありがとう~! またここ渋谷WWWに戻ってこれて感無量です! 最後まで楽しんで行って下さい!」

スクリーンに雪が降り、会場の壁に反射する。映像の中で車が高速道路を進む。事故が起きたその時間がGOMAが事故後描き続けた点描画とともにスクリーンに流される。ディジュリドゥのみの演奏と映像の中のGOMAの日記の独白に胸が締め付けられる。映像の中の日記は「身体はまだ覚えている!」と、ミュージシャンとして身体が意識を取り戻す過程を描く。

点描画が次々と色を変え、会場の壁を埋め尽くす。展開の無いリズムとディジュリドゥがただひたすら再生の時を導いて行くかのようにループする。心臓の鼓動のように響くリズムに体を委ねていると、こちらの意識はどこかに飛んで行きそうだ。富士山と太陽を表したかのような点描画をバックに倒立するGOMA。起き上がると再びディジュリドゥをプレイ。The JRSのメンバーの演奏が凄まじい。緩急自在にGOMAのディジュリドゥを立たせるボトムが最高に心地良い。映像の中からは「諦めなかった人にだけ、未来の道が開けて行く」という言葉、そして曲のラストには「この瞬間こそがすべて」と映し出され、大きな歓声が挙がる。

「フラッシュバックメモリーズ見てくれた人! この映画のおかげで人生2回目のスタート・ラインに立てました。生きていたら、きっと前を向いて笑えると思う。今、笑顔でみんなに会える瞬間瞬間が幸せなんです、本当にありがとう!」に大喝采。GOMAの笑顔が晴れやかだ。映画の中の曲を中心に、という言葉と共にデジタルの時計が秒を進め、GOMAの姿がスクリーンに大写しになり、「Omotino」、続いて「Riodidgeneiro」。一際激しいリズムに会場もこの日1番の盛り上がりを見せる。映画でもスクリーンから飛び出したディジュリドゥに釘付けになったハイライトともいえる曲だ。

メンバー紹介をしたのち、「みんなであっちの世界に行きましょう!」4つカウントを数え、GOMAと共に雄叫びをあげる観客たち。再びリズムを刻み出すバンド。グルーヴの中に放り込まれ、カオス状態だ。「今、演奏中、MC撮影時のことを思い出していた。ターミネーターみたいな人がカメラを構えてクレーンで迫って来たことは覚えているんです(笑)」と話すGOMAだが、その後のことは覚えていないらしい。脳の不思議について語る。でも最近シナプスが繋がって来たことを実感している。チャレンジして行く、とポジティブな宣言。「新しい思い出をみんなと作りたい」というGOMAの言葉とともに、「One Groove」へ。大きく手を叩き観客を煽るGOMA。ポジティブなエネルギーに溢れている表情だ。ライヴ本編はここで終了。

アンコールでは松江監督と高根プロデューサーがGOMAに呼び込まれて映画のロングランを感謝。GOMAの「USTREAMっていうのがなんだか僕わかっていないんですけど…」という発言に会場から笑いが起きる。松江監督からの説明を聞いてカメラに手を振るGOMA(笑)。今後映画が上映される土地に向けてメッセージを送る。『フラッシュバックメモリーズ』が海外でも上映されることを発表し2人はステージをあとにする。そして、GOMAから新曲が出来たことが告げられると大きなどよめきにも似た歓声が挙がる。パーカッションが高音のメロディを奏でるような演奏が終わると、手応えを確認するように笑顔でバンドのメンバーとハイタッチ。「出来ました! 三年位出来なかったけど、新曲出来ました! チャレンジするって良いですね」とGOMA。新たな音楽を生み出した喜びに満ちた表情に観客から心のこもった拍手が贈られた。最後の曲は「Drum & Didge」。まさにこのバンドの音楽を表したタイトルだ。渾身の演奏を終え、メンバーと手を繋ぎ上を仰ぐGOMA。最前列の観客とハイタッチしながらステージを降りる姿は、改めて音楽に戻ってこれた喜びを噛みしめているようだった。MCでしきりに「人間って凄いですよね。みんな、凄いんですよ」と繰り返していたGOMA。「人間の凄さ」を身を持って経験し、音楽を通して体現する彼の「2nd Life」はまだ始まったばかりだ。(岡本貴之)

〈GOMA&The Jungle Rhythm Sectionワンマン・ライヴ「2nd Life」〉
2013年4月7日(日)渋谷WWW

〈セットリスト〉

1. Afro Billy
2. Eucaliptus
3. Cactus
4. Bul Bop
5. Afro Sand
6. Rim(仮)
7. Omotino
8. Riodidgeneiro
9. One Groove
E.C.1 (新曲)
E.C.2 Drum & Didge

[ニュース] GOMA

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