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2023/09/30 15:18

 

【オフィシャルレポ】「ステージにずっと立っていたい」田原俊彦、エンターテイナーぶりを発揮した全国ツアー東京公演

 

田原俊彦(62)が2023年9月29日(金)に全国コンサートツアー〈TOSHIHIKO TAHARA DOUBLE ʻTʼ TOUR 2023 DANDYLION〉東京公演を開催。オフィシャルレポートが到着した。

【以下、オフィシャルレポート】

2011年より長らく東京のホームグラウンドとしていた中野サンプラザが閉館したため、今回はTOKYO DOME CITY HALLが舞台に。新たな歴史の始まりを目撃すべく多くのファンが集まり、2200枚のチケットはソールドアウトとなった。

今回の東京公演は、昨年と大きく異なる点がもうひとつある。田原はコロナ禍の2020年以降、感染予防対策として様々な制約を設けながら全国ツアーを続けてきた。特に「声出しNG」は2022年のツアーまで厳格に守られてきたルールである。しかし、それが今年から撤廃されたのだ。つまり、コロナ禍以前のライブの姿に戻ったのである。

田原俊彦はいつも自分でライブのセットリストを決めている。そして、1曲目に意外な曲をあえて選び観客を驚かせ、2曲目や3曲目で一気にボルテージを上げる構成を一つの必勝パターンとしている。今回は、80年代のアルバム曲で、ディスコサウンド風の「ようこそロマンスへ」を最初の曲とした。衣装はキラキラと反射するメタリックなスーツだ。これが似合う62歳はほかにいない。

そして、2曲目の盛り上げ曲として、2023年にリリースされた通算79枚目のシングル「ダンディライオン」を用意。この曲は、困難を克服し再び絶頂期を迎えた自身の生き様を歌ったようにも聴こえる。田原は、それを2名の女性ダンサーを従え、ワイルドかつセクシャルに歌い踊った。

一般的に、長い間活躍するミュージシャンのライブにおいて、多くの観客が期待するのは「昔のヒット曲」であり、新しい曲が歌われる際、会場の熱気が微妙に下がることはよくあることである。しかし、田原のライブ、特に大都市の会場では、この傾向に当てはまらない。田原はデビュー以来、新曲をシングルとしてパッケージ化するスタイルを貫いてきた。現在でも、毎年6月に新しいシングルをリリースしており、ファンは80年代のアイドルファンと同じように、それを心待ちにしている。そして、CDを購入するという消費行動を楽しんでいるのだ。つまり、シングルの重要性が80年代と同じままなのである。誰もが知る多くのヒット曲を持ちながらも、現在の新曲もファンから歓迎される。これが現在の田原の強さの秘密だろう。

その後、今回のツアーの目玉の一つである、ファンのアンケートの結果を踏まえたB面曲のコーナーが展開された。いかにも、昔からのファンの琴線を刺激するラインナップとなった。

白地に黒い模様の入ったヒラヒラとした衣装に素早く着替えると、一曲挟んで、シングルメドレーに突入。デビュー曲の「哀愁でいと」から始まり、「君に薔薇薔薇・・・という感じ」、「チャールストンにはまだ早い」、「原宿キッス」などキラーチューンが贅沢に詰め込まれた。

「大好きホレたぜ田原俊彦、なんでもなんでもナンバーワン!」
「いつもニコニコ、アイラブトシちゃん」

80年代アイドル界のトップランナーである田原には、ファンがこのような合いの手やコールを入れる曲が存在する。メドレーでは、そんな80年代流の応援スタイルが復活した。ここ数年で急増した新規ファンには初めての体験となっただろう。

メドレーが終わると、バラード「さらば・・・夏」から、「ジャングルJungle」など80年代から2010年代までのシングル曲がアトランダムに並んだ。なかでも「ジャングルJungle」のときは、会場の盛り上がりが最高潮に。この曲はハードに踊りながら歌い続けるため、毎回ライブの大きなハイライトとなっている。特に、飛んで、跳ねて、回りながら踊り続ける間奏後の歌い始めは、ライブ中でも最もキツいシークエンスだろう。62歳になる田原は、今年もそれを軽々とこなしてみせた。

ピンクのスーツに着替え、いよいよ最後のセクションがスタート。2021年のシングル「HA-HA-HAPPY」、ライブで人気の高い「顔に書いた恋愛小説」、自身の生き方を情熱的に歌い上げる「Dynamite Survival」などメリハリのある選曲が続く。

田原は昨年のツアーから「拡散祭り」なる企画を行っている。これは、一会場につき指定された一曲に限り、観客はスマホでの動画撮影、WebへのアップがOKというものである。次に披露する曲がこの日の拡散祭り指定曲だった。1988年のヒットナンバー「抱きしめてTONIGHT」だ。客席は大いに沸く。男性ダンサー2名をバックにした、しなやかなダンスは35年前よりも洗練されている。満員の観客は一斉にスマホを掲げ、それぞれの角度から撮影するのだった。

エンディング前のMCでの田原は、「来年はデビュー45周年。まだまだいけそうです」「ステージにずっと立っていたい。僕が一番好きな場所なんです」とファンにメッセージを送った。そこから自然な流れで、2009年にリリースした30周年記念シングル「Cordially」を熱唱。この曲はファンへの感謝の気持ちを込めたものである。当時の田原は今のように全国ツアーも行えない苦しい時代を過ごしていた。その歴史を知っているファンには泣かずにはいられない選曲だろう。

ラストは2022年のシングル「ロマンティストでいいじゃない」だ。ジャジーなアレンジでミディアムテンポの大人のラブソングは、まるでミュージカル映画のエンディング曲のようでもある。このように今の田原俊彦は80年代のヒット曲を歌わずとも、ライブのクライマックスを成立させているということを繰り返し確認しておきたい。

さて、せっかく声出しOKになったのだから、フツーはここで「アンコール!」の大合唱となるところだろう。しかし、田原はそれをさせなかった。なんと、観客が「アンコール! アンコール!」と叫び出す前にステージに戻ってきたのである。しかも、セグウェイに乗って! シームレスに始まったアンコールに相当するコーナーで歌ったのは「夏の花嫁」という曲だ。これは1985年のシングル「堕ちないでマドンナ」のB面曲であり、お祭りムード盛り上げソングである。最後もまた意外性を狙ったのだった。

田原俊彦、62歳。今回のライブもフルスロットルだった。バラードを続けて体力を温存しない。原曲のキーやピッチを変えない。ダンスも手抜きしない。もちろん口パクなど絶対にしない。そんな華麗なるエンターテイナーのもう一つの顔は、愚直な努力家、クソ真面目な求道者のはずである。62歳にしてこれだけの全力ステージを見せられるのだから、そうでないとおかしい。しかし、当人は絶対にその素顔を見せない。「ハハハハハハッ」と笑ってごまかす。それが田原俊彦なのである。

全国ツアーは11月まで続く。そして、来年は45周年にふさわしい楽曲、スペシャルなイベントが計画されている。田原俊彦はまだまだ走り続けてくれそうだ。

文/ミゾロギ・ダイスケ

ツアー情報
「TOSHIHIKO TAHARA DOUBLE ‘T’ TOUR 2023 DANDYLION」
10月8日(日)【北海道】 Zepp Sapporo
10月14日(土)【神奈川】相模女子大学グリーンホール 大ホール
10月21日(土)【群馬】富岡市かぶら文化ホール
10月29日(日)【兵庫】明石市立市民会館 大ホール
11月5日(日)【静岡】三島市民文化会館 大ホール
11月10日(金)【長崎】長崎ブリックホール 大ホール
11月11日(土)【福岡】北九州ソレイユホール 大ホール

リリース情報
「ダンディライオン」

https://ototoy.jp/_/default/p/1666331

インフォメーション
田原俊彦「TOSHIHIKO TAHARA DOUBLE 'T' TOUR 2023 DANDYLION」
11/26(日)午後6:00~
WOWOWにて独占放送&配信

アーティスト情報
HP https://toshihikotahara.com/
YouTube https://www.youtube.com/channel/UCWGGH0RiCoz3FZbdTGk6yxQ
TikTok https://www.tiktok.com/@toshihikotahara_official

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[ニュース] 田原俊彦

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