News

2020/03/01 14:00

 

米シカゴのシューゲイズ・バンドLightfoils来日、DIY招聘のヨシダタクジに聞く

 

米シカゴのシューゲイズ・バンドLightfoilsが今月、待望の初来日公演を行う。

今回のLightfoils来日公演は、Lightfoilsからのメッセージをきっかけとして、17歳とベルリンの壁のメンバーであるヨシダタクジらのDIY招聘活動により、実現したものだ。その中心人物であるヨシダにLightfoils招聘の経緯とその想いについて聞いた。

Lightfoilsは、2000年代を代表するネオ・シューゲイザー・バンドAirielのリズム隊らによって2010年に結成された5人組、シカゴのシューゲイズ・シーンの中心的なバンドである。この3月に行われる来日公演は、結成以来10年、待望の初来日となり、東京・名古屋・大阪で計4公演を行う予定だ。本ツアーには、米シューゲイズの重鎮バンドAstrobriteのツアー・メンバーとして来日を経験しているSophie Brochuがボーカリストとして参加し、併せてSophieが所属するドリーム・ポップ・バンドFauvelyもツアーに帯同。初日の代々木を除く3公演での出演が決まっている。

今回のLightfoilsの来日公演はLightfoils側・日本の受け入れ側のいずれもエージェントやマネージメントを介さない、アーティスト同士のみのやりとりで実現される「DIY招聘」となっている。OTOTOYでは、そのDIY招聘に至った経緯と想いを、受け入れ側の代表であるヨシダタクジに聞いた。その会話の一部を以下、お届けします。(高田)

―そもそもどういう経緯で招聘することに?

ヨシダ:昨年10月頃、LightfoilsのベースのCoryからFacebookで、「バンドとしての初めての国外ツアーを日本でやりたいので、手伝ってくれないか」という熱のこもった長文のメッセージをもらったことがきっかけです。

―CoryやLightfoilsの他のメンバーとは前から知り合いだった?

ヨシダ:一昨年くらいから私がFacebookをちゃんと更新するようになり、憧れのバンドのメンバーに友達申請をしたり、17歳とベルリンの壁のPVのリンクを付けたメッセージを送ったりと、一方的なラブメッセージを送るようになことをはじめました。LightfoilsのベースのCoryもそのうちの一人で、最初は友達申請が通っただけで大はしゃぎだったくらいです。

―では直接会ったことはない?

ヨシダ:直接会ったことはありません。

―以前から日本に来たいという話があった?

ヨシダ:いいえ。ただFacebookで友達になったのをきっかけに、メッセージのやりとりはしていたので、自分が17歳とベルリンの壁という日本のシューゲイザー・バンドでギターをやっているやつだ、ということは認知されていたようです。Coryもバンド内で、そういうやつが日本にいるんだ、という話はしていたみたいです。

―Coryからのメッセージはどんな内容?

ヨシダ:バンドとしての初の国外ツアーをぜひ日本でやりたい、17歳とベルリンの壁と共演がしたい、なんでもいいから手伝ってくれ、という内容でした。あと、手伝ってくれ、代わりにお前たちがシカゴに来たら手伝うから、って書いてあって、そんな等価交換ありなのか、と(笑)。

―それを読んだときの気持ちは?

ヨシダ:どうにかしなきゃ、これは大変だ、でもどうにかしなきゃ、という気持ちでした。Lightfoilsは自分がシューゲイザーを聴きはじめたときの憧れのバンドだったので、どうにか叶えてあげたいなと。

―話を具体化するにあたり、まず何を?

ヨシダ:実現するには実際に何をやればよいのかもまったく分からない状態でした。自分のまわりでそういう招聘活動を経験したことがある人、ということで最初に思い浮かんだのがFor Tracy Hydeの管くんで、まず彼に相談しました。今回は相手がアメリカのバンドだったということもあり、DKFM Shoegaze RadioのDJ、Muso Japan/Muso AsiaのMatthewにも管くんから声をかけてもらいました。

―For Tracy Hydeの管さんは、昨年、シンガポールのSobsや香港のThudの招聘活動をしていました。管さんのその様子を見ていてどうでしたか?

ヨシダ:いやもう、彼、死にそうになってたんで…… 実際に苦労することが多いですし。ただ、苦労だけじゃなくてその分、ちゃんとお客さんが入って、ツアーが終わったときの彼の嬉しそうな顔が、とても印象的でした。これが自分でツアーを組むことの醍醐味、この瞬間のためにやってるんだな、と見ていて思いました。そしてドリームポップといったシーンでもこういう招聘活動ができるんだ、という希望も感じました。

―管さん以外にDIY招聘の経験者として相談した人は?

ヨシダ:友人であるloqtoのギターの松岡くんが、昨年アメリカのポストロック・バンドであるVasudevaを招聘していました。実は今回、松岡くんにもいろいろ相談して、知恵を貸してもらっています。

―やることは多いですよね

ヨシダ:それこそ、ビザのことから、細かいスケジュールを組んだりと、たくさんあります。

―迎える日本の出演者たちのブッキングは誰が?

ヨシダ:東京の2日間は、初日の代々木Zher the ZOOの公演を管くん、2日目の高円寺HIGHを私が組みました。名古屋はMatthewのイベントとの共催となっていて、Matthewがよい面子を集めてくれました。大阪は主に管くんが声をかけてくれました。満足できるラインナップになっていると思います。

―ヨシダさんにとってのLightfoilsとは?

ヨシダ:もともと私がシューゲイザーに本格的にのめり込んだきっかけがLightfoilsでした。2010年頃にYouTubeやBandcampを通じて彼らの1st EPを知って衝撃を受けたのをよく覚えています。自分がバンドを始める前からずっと好きで憧れていたバンドを日本に呼ぶことが出来るのは本当に嬉しいです。
 余談ですけど、Twitterで"lightfoils"を検索すると私のアカウントがたくさん出てくるんです。2011年くらいから、Lightfoils好きだと書いたり、PVのリンク貼ったりと、ずーっと言い続けているみたいで。

―そのLightfoilsが自身初の国外公演先に日本を選んだ

ヨシダ:Lightfoilsは活動10年目にして待望の初海外ツアー、そしてもちろん初来日です。自分もバンド活動を続けながら「彼らといつか共演したい」という淡い夢を抱いていました。今回、自分を突き動かしたのはそういう憧れや夢があったことが大きいです。

―実際の来日はまだ先で少し気が早いですが、今後に向けて思うことは?

ヨシダ:いまの時点ではまだ何も思いつかないです。ただ、日本のシューゲイザー・シーンと海外のシューゲイザー・シーンをクロスオーバーさせていきたいとは思っています。
 最近海外のアーティストと話していて思うのは、日本のアーティストも海外のアーティストも変わらないなと。自分たちが好きな音楽は彼らも好きだし、彼らが好きなものは自分たちも好きだし。自分たちが英語の曲を聴くように、彼らも日本語の曲を聴いて、良いものは良いと言ってくれる。伝わるんだな、と思います。

―DIY招聘をやってみてどうですか?

ヨシダ:もちろん大変です。ただ、海外のバンドはDIYでやっていることが多いです。最近はSpotifyやYouTubeで他所の国のアーティストの音楽をすぐに聴くことができるようになりました。どんな音楽をやっているかが分かるので、相手を身近に感じることができる。その上でSNS等でメッセージのやりとりをするので、安心感もあり、交流の機会が増えます。
 DIYだからこそのやり方というものもあって、たとえば自分の音楽を海外で広めたいというときに、こういう伝手があるぞという情報がすぐに集まってきます。

―他のアーティストにもDIYをすすめますか?

ヨシダ:まずは、どんどん仲良くなってほしいですね。海外のアーティストに気軽にコンタクトをとって。来日したときに直接会うチャンスがあるなら、CDを渡して「俺らカッコいいから聴いて」って積極的に言ってほしいです。そうして広がりができれば嬉しいです。

―今回のツアーの目標は?

ヨシダ:一番大事なのは、Lightfoilsが日本に来てライブをやって、彼らにとっての初海外が日本で良かったと思ってもらうようにすることです。

―最後にヨシダさんからツアーにむけたメッセージを

ヨシダ:シカゴのシューゲイザーのシーンを日本で味わえる機会はなかなかないと思います。シューゲイザーをちょっとでも好きだったり、興味を持っている人たちがいれば、まずはチェックしてくれるだけでよいし、もし都合が合えば来ていただけると嬉しいです。
 LightfoilsとFauvelyは、今回共演する日本のどのバンドのファンでも絶対に気に入るバンドだと自信を持って言えます。たとえ彼らのことを知らなくても楽しめるツアーになっています。自分も全公演帯同しますので、ぜひ一緒に楽しみたいと思っています。

Lightfoils Japan Tour 2020 with Fauvely

2020/3/12(木) 東京・代々木Zher the ZOO
開場/開演:18:30/19:00
前売/当日:4000円/4500円(各別途1ドリンク)
19:00-19:30 For Tracy Hyde
19:40-20:10 AprilBlue
20:20-20:50 The Waterfalls
21:00-21:45 Lightfoils
(※本公演のみFauvelyの出演なし)

チケット予約:lightfoilsjapantour@gmail.com
e+:https://eplus.jp/sf/detail/3200340001-P0030001P021001

2020/3/13(金) 東京・高円寺HIGH
開場/開演:18:30/19:00
前売/当日:4000円/4500円(各別途1ドリンク)
19:00-19:30 SPOOL
19:40-20:15 Fauvely
20:25-20:55 17歳とベルリンの壁
21:05-21:50 Lightfoils

チケット予約:lightfoilsjapantour@gmail.com
e+:https://eplus.jp/sf/detail/3199070001-P0030001P021001

2020/3/14(土) 名古屋・鶴舞DAYTRIP
開場/開演:17:00/17:30
前売/当日:4000円/4500円(各別途1ドリンク)
※シューゲイズ・イベントDreamwavesと共催につき、3/7(土)同会場で開催のイベントの半券持参で500円引き
17:30-17:50 Morningwhim
18:05-18:40 Fauvely
18:55-19:40 Lemon's Chair
19:55-20:30 mishca
20:45-21:30 Lightfoils
DJ: Motohisa Ono

チケット予約:dreamwavesNGO@gmail.com

2020/3/15(日) 大阪・南堀江SOCORE FACTORY
開場/開演:18:00/18:30
前売/当日:4000円/4500円(各別途1ドリンク)
18:30-19:00 Ether Feels
19:15-19:50 Fauvely
20:05-20:35 monocism
20:50-21:35 Lightfoils

チケット予約:lightfoilsjapantour@gmail.com
e+:https://eplus.jp/sf/detail/3199740001-P0030001P021001

あわせて読みたい


TOP