News

2019/09/27 01:01

 

日向坂46、さいたまSAを虹色に染める―OTOTOYライヴレポ

 

2019年9月26日(木)日向坂46がさいたまスーパーアリーナにて〈日向坂46 3rdシングル発売記念ワンマンライブ〉を開催した。

このライヴは、3rdシングル『こんなに好きになっちゃっていいの?』が10月2日(水)に発売されることを記念して行われたもの。

2019年2月11日にけやき坂46から日向坂46へとグループ名を変更して活動を続ける彼女たちにとって、グループ史上最大規模の会場でのワンマン・ライヴとなり、チケットは発売と同時に即完売。会場近くのけやき広場には、日向坂46メンバーの直筆メッセージ入り3rdシングル表題曲「こんなに好きになっちゃっていいの?」ミュージックビデオのメイキングフォトパネルが展示されており、ライヴに訪れた記念に立ち寄っているファンも多く、周辺はライヴ開始前から異様な熱気を見せていた。また、全国約60か所、約2万人動員のライブビューイングも実施された。

開演前の影ナレを担当したのは、渡邉美穂、丹生明里、金村美玖。埼玉県出身の3人だ。「さいたまスーパーアリーナ!いくぞー!!」と叫び、オープンでメンバーの姿がビジョンに映し出されると、会場中の“おひさま”(日向坂46ファンの総称)が水色のペンライトで応えた。1曲目は今年7月17日に発売されたばかりの2ndシングル「ドレミソラシド」。アッパーなトラックとは対照的に、清楚な制服姿でキュートな歌声を聴かせながら、爽やかに踊るメンバーたち。肩を揺らす独特のフリに心が躍る。後半、転調すると会場の熱量もさらに高まっていく。再び「さいたまスーパーアリーナ!いくぞー!!」と叫ぶと、早くもトロッコに乗り込み、「ひらがなで恋したい」へ。「Hi!Hi!」と客席を煽りながら移動する。激しく煽っても、どこまでも爽やかだ。

キャプテン・佐々木久美が「日向坂46が、さいたまスーパーアリーナにやってきました!みなさん、盛り上がりがすごいですね!ここだけじゃなくて、ライブビューイングで見てくださってる方もいるんです。見えてますか~!?」と、カメラの向こうのファンにも呼び掛ける。アコースティックギターの音色が切なさを演出する「ときめき草」では、メインステージから花道を歩いてセンターステージへ。「期待していない自分」でもスーパーアリーナの中央から四方に向けてパフォーマンスを行った。MCでは、さいたまスーパーアリーナでの開催にちなんで、埼玉県のシンボルの木は「けやき」であること、意外と知られてないが日本一快晴が多い県であることなどの埼玉トリビアを披露。さらに客席に向かって「埼玉出身の人!?」と問いかけると、本当か!?というぐらいに多くの人が「ハ~イ!!」と挙手。しばし埼玉にまつわるトークで盛り上がった。

加藤史帆、渡邉美穂、上村ひなの、1期~3期の3人によるユニット曲「やさしさが邪魔をする」では、ドラマティックな楽曲をキレのあるダンスで魅せた。セリフから始まった「Cage」では、東村芽依、金村美玖、河田陽菜、丹生明里の4人がステージの最上部に現れた鳥かごの中で歌い出す。鳥かごから放たれた4人はスモークの焚かれるステージで演劇的なパフォーマンスを見せた。一転して、富田鈴花の“パリピラップ”から始まった「Dash&Rush」は疾走感のあるデジタルポップでメインステージ、センターステージと移動して「世界で一番でっかい夢を一緒に見ようぜ」と、愚直なメッセージが歌われた。続くミディアムテンポの「君に話しておきたいこと」は優しいメロディで会場を包み込む等、感情の起伏を巧みな演出で表現して観客を惹きつけていく。

「みなさん、お待ちかねのあの曲を!」と、新曲「こんなに好きになっちゃっていいの?」を初披露。小坂菜緒が公衆電話から話しているドラマ仕立ての映像が流れると、ピアノによるゆったりとしたイントロから、リズミカルながら切ないメロディのラブソングが始まった。メンバーはそれぞれ私服的な衣装に着替えており、プライベートな素顔が垣間見えるよう。制服等で統一された衣装のイメージが強い坂道グループだけに、かなり新鮮なステージングだった。後半には小坂菜緒が単独でステージ最上部で踊りを見せた。衣装はMVからのもの、ステージセットもMVのイメージを踏襲したものだったようだ。

ライヴ後半は、オリエンタルなサウンドに乗せたダンサーのパフォーマンスを挟んで「キツネ」からスタート。激しいリズムに乗せて“KITSUNE”と点滅するビジョンの文字にもテンションが上がる。曲が終わると、すかさず始まったのがデビュー曲「キュン」。とびきり明るいサビメロから入ってマイナー調のAメロへと向かい再び空が開けて行くようなスケール感のあるサウンドスケープを描いているあたりは、日向坂46が歩んできた道のりを楽曲で表現しているようで、グッと胸を掴まれた。会場も大盛り上がりだ。「日向坂46のライヴは、みなさんがいて初めて完成するものだと思っています。みなさんがいなければ、私たちはここまでこれませんでした。今日は、みなさんと一緒に、この会場に、虹を作りたいです!」との言葉から、本編最後に歌われたのは「JOYFUL LOVE」。客席エリアごとにペンライトで水色、緑色、黄色、赤色、紫色等7色に染まり、さいたまスーパーに虹がかかった光景は圧巻だった。

アンコールでは、「みなさん、誰よりも高く跳ぶ準備出来てますか~!?日向坂46好きですか~!?だったらもっと声出せ~!」と激しくアジテーションしてスタート。一期生によるけやき坂時代のライヴ定番曲「誰よりも高く跳べ!」が飛び出し、客席は熱狂的な盛り上がりに。続いて二期生にバトンタッチ。情熱的な旋律が歌詞の切なさをより一層心に訴えかける「半分の記憶」が歌われた。この日初披露された「こんなに好きになっちゃっていいの?」ともリンクする世界観が、終盤となったこの位置で歌われたことで、少しライヴの終わりを感じさせてしんみりしつつも聴き入ってしまった。

最後のMCでは、この夏撮影された日向坂46のドラマが2020年1月に放送されることが発表された。また、小坂菜緒主演映画「恐怖人形」が11月に公開されること、日向坂46×カレーハウスCoCo壱番屋「ココイチdeもっとHAPPY!キャンペーン」の実施、3rd シングル「こんなに好きになっちゃっていいの?」がCMソングに決定、東京モーターショーで行われる、「FAI Drone Tokyo 2019 Racing & Conference」公式アンバサダー就任が次々と発表された。さらに、12月17日、18日の2日間幕張メッセで恒例のクリスマスライヴが行われることが発表され、ファンからは地の底から湧き上がるような怒涛の声援がステージに送られた。

ラストに披露されたのは、「私たちの夢を歌った曲です」との言葉から、「約束の卵」。ペンライトを振りながら、センターステージへと広がって客席の隅々まで見渡しながら歌う。「今日は来てくださってありがとうございました。今の日向坂46をすべて出しきれたと思います。私たちはここで留まらずに坂を駆け上っていけるように精進し続けます。おひさまの皆さんもついてきてくれますか?これからも見守っていただけるとうれしいです。これからも日向坂の応援をよろしくお願いいたします。本当にありがとうございました!」とキャプテン・佐々木が代表して感謝の挨拶。さらに、人差し指で「しぃ~!」と静かにすることを促すと、オフマイクで「今日は本当に、ありがとうございました~!」と生声で感謝を伝えて、ライヴを締めくくった。

過去最大規模の会場に一体感を生んだ堂々とした歌とダンス。そして、どこまでも爽やかで太陽のように明るいライヴだった。勢いに乗る日向坂46の活動にさらなる注目が集まりそうだ。

取材・文:岡本貴之

ライヴ情報
〈日向坂46 3rdシングル発売記念ワンマンライブ〉さいたまスーパーアリーナ
2019年9月26日(木)
〈セットリスト〉
1. ドレミソラシド
2. ひらがなで恋したい
3. ときめき草
4. 期待していない自分
5. 抱きしめてやる
6. My god
7. やさしさが邪魔をする
8. Cage
9. Dash&Rush
10. 君に話しておきたいこと
11. こんなに好きになっちゃっていいの?
12. キツネ
13. キュン
14. ハッピーオーラ
15. NO WAR in the future
16. JOYFUL LOVE
アンコール
EN1. 誰よりも高く跳べ!
EN2.半分の記憶
EN3.約束の卵


あわせて読みたい


TOP