2016/06/27 12:00
6月24日(金)新宿FACEにて、夏の魔物メジャー3rdシングルレコ発ワンマンGIG〈夏の魔物現象2016〉が行われた。
この日は2部構成となっており、第1部は〈ブラックDPG LAST DANCE~破滅に向かって~〉と題し、ブラックDPGが現体制で最後の活動となるライヴを行った。
●第1部●
今回は中央にリングを置かず、2004年まで現在の新宿FACEの場所にあった旧リキッドルームを彷彿させるライヴハウス・スタイルとなっていた。「私たちの歌を聴けー!」と「バンキュッボン」からブラックDPGのライヴがスタートした。センターにアヤチ・ザガンが立ち、ブラック・ムーン、ザ・グレート・マリナ、そしてこの日でユニットを卒業することとなる松本都、メトロポリちゃんVがラスト・ダンスを踊り出した。アヤチが旗を振り「ダダダダダン」へ。フロア一面が赤いサイリウムで埋め尽くされた。「邪88」では扇情的なメロディが会場を熱くする。
アヤチがマイクを取り「今日はブラックDPGのラストライヴにお越し頂きありがとうございます! 最初で最後のスペシャル・コラボです」と“ブラックDPGの父”こと伊藤賢治がステージに呼び込まれる。コラボ曲はもちろん伊藤が作曲した「絶句東京」だ。そしてラストの曲へ。最新シングル収録曲であり最後の楽曲「グギギギギギギギ デッドエンド!」を全身全霊を込めて歌う5人。アヤチが「これですべての活動が終わりました! ありがとうございました!」と挨拶すると、ファンと一緒に最後の“ガッデム! ガッデム!”と決めポーズでラスト・ライヴを終えた。今後アヤチ、ムンちゃん、マリナがどのような形でユニット活動を再開するのか注目したい。
●第2部●
「PRIDE」オープニング風の低音にケロちゃんこと田中リングアナのアナウンスが重なり、“Are you ready!?”の掛け声と共に“魔物、ボンバイエ! 魔物、ボンバイエ!”のリフレインがカオスを生み出すように会場を支配する「overture」が流れる中、メンバーが登場。“EVERYBODY SAY YEAHー!!”と成田大致が叫び、「東京妄想フォーエバーヤング」(フジテレビ系「めちゃ2イケてるッ!」EDテーマ)から夏の魔物のライヴがスタートした。 “新宿ー!!”と気合の入った表情で煽る成田。BIKKE(TOKYO No.1 SOUL SET)のラップ・パートは大内雷電(ライディーン)が担当する。アントーニオ本多はステージに登場したときは通常のイエローの衣装だったはずが、いつのまにかカーボーイハットにつけ髭でバート・レイノルズばりの扮装になっていた(その後タイツ姿に)。
続いてケンドー・チャン、塚本舞が中心となりキュートに歌う、「恋愛至上主義サマーエブリデイ」へ。3rdシングルから「バイバイトレイン」を披露。すると、機械獣が突如ステージに現れた。こうなるとアントンが黙っていられるわけがない。「お前を倒して歌舞伎町の治安を守り、キャバクラ嬢が安全に帰れるようにしてやる!」と言うや否や、ファイト開始。そして、その間も夏の魔物は「爆裂レボリューション」の生歌でアントンを援護する。フロアに降りて戦う機械獣とアントン。アトミックドロップからバイオニック・エルボー、卍固めを決めると機械獣はたまらずギブアップ。曲の終了と共に歌舞伎町の平和は守られ、アントンコールが新宿FACEに鳴り響いた。
ここで、まいぷにからお知らせが。なんと、9月7日に夏の魔物ファースト・アルバムがリリース決定、さらに9月16日には恵比寿リキッドルームでのレコ発ライヴを開催することも発表された。メジャーデビュー以降最大のニュースともいうべきこのトピックにテンション上がる5人は、ゴールデンボンバーやBABYMETALの楽曲で知られるtatsuo編曲による「SUNSET HEART ATTACK」のリアレンジ・バージョンを披露。
「5年前、バンドをやっていた頃からやりたかったことが、ものすごい速度でいま、叶っています」という成田のMC。今回のシングルで、これまで自分の頭の中でしか鳴っていなかった音楽を作曲の前山田健一に具現化してもらったことをはじめ、多くの人の手により完成したのだという。その曲が多くのお客さんに届いて本当に嬉しい、と「魔物、BOM-BA-YE ~魂ノ覚醒編~」へ。ステージ狭しと踊り歌う5人。そして、リアレンジされた「リングの魔物」をライヴ初披露。作曲者である玉屋2060% (Wienners)自らの手によって生まれ変わったアレンジは、夏の魔物の進化を表していた。TOKIEがレコーディングで参加していることもあり、アルバムで改めてじっくり聴いてみたい1曲だ。
「All the Young Dudes (すべての若き野郎ども)」が流れる中、「私が10年前からフェスの夏の魔物に関わってきて、一番変わったのは、今日ここにいるみなさんに会えたこと」とのアントンのMCに拍手が起こる。ライヴは一旦終了したものの、アンコールの声に成田が1人、ステージに上がった。マイクスタンドでバラード「ダーリンno cry!!!」を歌い出す。一際力がこもった熱唱に、歌い終わると大きな拍手が贈られた。
ここまでの活動に関わってくれたすべての人への感謝を述べる成田。そして、最後に歌われたのは、「サマーロマンサー」。「みなさんが一人でもいる限り、夏の魔物は永遠に不滅だー!」と成田の音頭で、「3,2,1,魔物、ファイヤー!」でエンディングを迎えた。夏の魔物の現在と原点が交差したこの日のライヴ。”THE BLUE HEARTSの1stは『THE BLUE HEARTS』、THE ROOSTERSの1stは『THE ROOSTERS』ということで1stはセルフ・タイトル『夏の魔物』。最高のロックンロールアルバムを作ってます!“という1stアルバムの内容を想像しつつ、今後の夏の魔物の活動に期待しよう。(岡本貴之)
〈「夏の魔物現象2016」メジャー3rdシングルレコ発ワンマンGIG~MAMONO BOM-BA-YE 2016~〉
2016年6月24日(金)東京都 新宿FACE
出演:夏の魔物 / ブラックDPG / 伊藤賢治
〈ブラックDPGセットリスト〉
1. バンキュッボン
2. ダダダダダン
3. 邪88
4. 絶句東京with伊藤賢治
5. グギギギギギギギ デッドエンド!
〈夏の魔物セットリスト〉
オープニング~overture~
1. 東京妄想フォーエバーヤング
2. 恋愛至上主義サマーエブリデイ
3. バイバイトレイン
4. 爆裂レボリューション
5. SUNSET HEART ATTACK
6. 魔物、BOM-BA-YE ~魂ノ覚醒編~
7. どきめきライブ・ラリ
8. リングの魔物
アンコール
9. ダーリンno cry!!!
10. サマーロマンサー