2025/10/03 18:10
「既知に別解を」を掲げ、過去には演劇や舞踏、絵画などを取り入れた異色のオーガナイズで既存のパーティーの在り方を再考してきた『Feat.MATAWA 』のvol.12が10/18㈯、幡ヶ谷ForestLimitにて開催される。
今回はオーガナイザーのtomo takashimaがDJとしてかねてより仕掛けてきた「クラシック音楽とクラブ空間の調停」という大きなテーマのもと、クラシックや現代音楽のシーンで活躍する才能と、オルタナティブシーンでの活躍目覚ましいアーティストを招聘した。コンサートホールとクラブの二元論を越え、音楽が持つ根源的な力と向き合うための新しい「儀式」が、今、始まろうとしている。
国際的に評価される若き作曲家、Yuri umemotoは、伝統的な楽譜の上において極めて現代的(彼からすれば同時代的)なインターネットや日本のアニメにインスパイアされたマキシマリスティックな美学を追求する。彼の作品はその特異性と同時代性から国内外の音楽祭で高く評価されており、クラシックの世界で「音MAD」的な表象を体現する第一人者といってよいだろう。近年の作品には自身の出自に立脚した讃美歌にも似た荘厳な響きを持っているものも見られ、クラシックの作曲技法に裏打ちされた構造的な美と、優れた音響表現を融合させることで、聴衆の知性・身体性双方に働きかける。
プロデューサーのReo Anzaiは「ダンスフロアとベッドルームを行き来する」ポストダブステップに影響を受けた特異なサウンドを提示する。彼が主宰する「Reo Anzai Electric Orchestra」という名義が示すように、理知的な電子音楽の表現と、有機的に変化を続けるサウンドスケープが融合した唯一無二の表現は、単なるダンスミュージックとは一線を画す。彼のプレイは、熱狂的なクラブ体験を超え、内省的な探求を促すだろう。今回は気鋭のメンバーを率いたカルテット形式のバンドでの出演となり(初の編成のはずだ)、新たな表現の地平に期待が高まる。
シンガーソングライターのriliumは、その透き通った歌声と繊細なソングライティングで、聴く者の心を揺さぶる。彼女の音楽は、ポップスやエレクトロニカの要素を内包しながらも、その本質は極めてパーソナルな感情の探求にあるように聴こえる。クラブ空間で彼女のライブがアンプリファイドされる時、それは親密な対話であると同時に、圧倒的な音の圧力によって身体に直接訴えかける、全く新しい音響体験となるだろう。
プロデューサーのnnnnnaaaooooo(サ柄直生)は、Maltine Recordsからのリリースや、新レーベル「eura」の立ち上げを通じて、日本の電子音楽シーンにおいて重要な存在感を放つ。そのサウンドは、繊細でありながらも強い情感を宿しており、聴く者を没入させる力を持つ。優れた音響空間によってプレゼンされるそれは湿度や繊細な色彩感覚をも共時的に感じさせる。今回はDJとしてtomo takashimaとともに各アクトをシームレスにまとめ上げる。
オーガナイザーでありDJ、かつ本稿の筆者であるtomo takashimaは、クラシック~現代音楽やジャズ、ワールドミュージックといった多様なジャンルのヴァイナルを無作為に繋ぎ、音楽の歴史がもつ悠久な時間の流れやスノッブな形式主義を、リスナーの身体的な感覚へと翻訳する。
2025年10月18日(土) 幡ヶ谷forestlimit
予約フォーム:https://forms.gle/A5AWNY99yHn7BPrSA
開場/開演 17:00
◆出演者:
・LIVE
MON/KU + 町田匡
Yuri Umemoto
Reo Anzai(band set)
rilium
・DJ
tomo takashima(matawa)
nnnnnaaaooooo(サ柄直生)
◆エントランス:
ADV 3000+1d
door 3500+1d
U-22 2000+1d