2024/08/14 18:00
人生はとても短い。だからこそ、人間はその一瞬一瞬に命を輝かせるのだろう。
うだるような夏の暑さが続く、8月13日。東京〈下北沢シャングリラ〉にて開催されたアイドル・グループ、LiVSの結成1周年を記念したツアーのファイナル公演〈Go To 1st anniversary tour final〉は、人間として生きる素晴らしさを感じさせるライヴだった。
脱落したら二度とアイドルはやれないという誓約書が条件となったオーディション〈THE LAST CHANCE PROJECT〉の合格者6名で結成されたアイドル・グループ、LiVS。彼女たちは、ちょうど1年前の2023年8月13日に東京〈中野heavy sick zero〉にてデビューライヴを開催した。それから1年。彼女たちはもがきながら活動を続けてきた。この日のライヴは、その成長と進化を見せる機会でもある。
開場の時刻を迎えると、会場である〈下北沢シャングリラ〉のフロアに徐々に「目撃者」と呼ばれるファンが続々と集結。開演前から、集まった者たち同士で集合写真を撮ったりと、この日に向けた目撃者たちの気合いも全開。彼らもメンバーと同様に、LiVSというアイドルに対して、ある種の青春を感じているのだと思った。
定刻を迎え、ラウドなSEと共にメンバー6人がステージへと現れる。堂々とした仁王立ちから、「はじめまして、私たちがLiVSです!下北沢シャングリラ、盛り上がっていこうぜー!」と叫び、1曲目の“Believe”でライヴはスタート。いきなりボルテージをトップまで引き上げていく。2曲目のパンク・ナンバー“RとC”では、会場全体を巻き込んでヘッドバンギングをかますと、続く“CONNECT”では魂のシャウトで序盤からロックなLiVSを見せつけた。
恒例の自己紹介を挟んで、ライヴは一気に最後までノンストップで進んでいく。コチャキンTVの「LiVSと一緒に踊る準備はできてるかー」とう煽りから、続いてのブロックは、“Shall weeee dance?”、“EGO”というファンキーでグルーヴィーな2曲でフロアを魅了。さらに、オルタナティヴ・ロックな歪んだギターサウンドが特徴の“LIVE FOREVER LOVE FOREVER”で、シンガロングを起こし、ステージとフロアとの一体感を高めていく。
ロックな楽曲のイメージが強いLiVSだが、とびきりファンシーな“秘密の公園”、かわいさ満点の歌詞と振り付けで舞い踊る“yummy”といったキュートな楽曲があるのも、その魅力のひとつ。そのギャップに多くの目撃者たちが沼落ちしていくのは、想像に難くない。
ライヴは後半戦へと向かい、“Shooting Star”、“Colorful”というエモーショナルなロック・チューンを展開。彼女たちの持ち味である、全身全霊を込めた歌声が胸を打つ。続く“Preserved”、“MUSiC”では、怒涛のパフォーマンスを行い、汗だくになりながらも、音楽を分かち合う幸せを爆発させる。LiVSというグループの最大の魅力とは、きっとこういったひたむきな姿なのだと感じた。
本編最後に歌われたのは、“Letter”。アイドル業界という荒波を、なんとか全力で走って、なんとか全力笑って、未来に向かって進んできたLiVS。この曲で、これまでのLiVSの1年を描くように、力強い歌声が会場中に響き渡っていた。
大きな大きなの目撃者たちの声に応えるように始まったアンコール。そこで披露されたのは、あらゆる人間への応援歌“Don't Look Back”だ。彼女たちが歌う姿には、これからも辛い過去を振り返ることなく、ただ前だけを見て突き進んでいく、という強い意志を感じた。
歌い終えると、メンバー全員がひとりひとり、感謝と決意の言葉を紡ぐ。その顔つきは、どこか晴れやかな表情をしていた。彼女たちのLiVSとしての1年間の道のりは、決して順風満帆なものではなかった。客席よりメンバーの方が多いライヴや、メンバーの脱退も経験。さまざまな悔しい想いや不安を抱えながらも、活動を続けてきた。
〈下北沢シャングリラ〉に、これだけの人をライヴに集めることができたのは、彼女たちの努力によるものだ。それは大いに誇っていいことだと思う。LiVSがこれまで開催してきた、同じ曲を連発するライヴや、生卵を持参するライヴのようなトリッキーな公演も、決して無駄ではなかったのだと思う。
メンバーそれぞれが自分の言葉でメッセージを伝えると、“WITH YOU”を初披露。明るいロック・サウンドに乗せて、大きな笑顔をフロアへ届けた。この日のラストナンバーは、ユニセックスのアカペラからはじまった、"ONE"。この曲は、LiVSの結成のきっかけとなった〈THE LAST CHANCE PROJECT〉で脱落した候補生からの一通の手紙から出来上がった、グループ屈指の名曲だ。LiVSは、これまでの1年の活動で、どれだけ頑張っても報われなかったこともあるだろう。しかし、脱落してしまった候補生たちの想いも背負って、彼女たちはこれからもただ前を向いて前を向いて突き進んでいく。 「嬉しいこと 悲しいこと 刻み込んで もっともっと先へ走ってゆくよ ずっと」。素敵なメロディーに乗せて、これまでのLiVSの活動をそのまま表現しているかのようなメッセージを届けたLiVS。最後の最後まで、「LiVSの全てをぶつける」姿が、見る者の心に感動を与えた。
終演後は、目撃者全員で手を繋ぎ、「人間最高!」と叫んで、LiVSの〈Go To 1st anniversary tour final〉は幕を閉じた。こうして2年目へと走り始めたLiVS。彼女たちはこれからも様々なことに立ち向かい挑戦しながらも、自分たちが決めた道を進むことだろう。ひたむきに必死で頑張る彼女たちの努力が報われることを、心から願っている。
取材&文:西田健
M1.Believe
M2.RとC
M3.CONNECT
M4.Shall weeee dance?
M5.EGO
M6.LIVE FOREVER LOVE FOREVER
M7.秘密の公園
M8.yummy
M9.Shooting Star
M10.Colorful
M11.Preserved
M12.MUSiC
M13.Letter
EN1.Don't Look Back
EN2.WITH YOU
EN3.ONE
名古屋公演
9/21(土) 新栄DAYTRIVE
open17:00 start17:30
大阪公演
9/22(日) LIVE SQUARE 2nd LINE
opne17:00 start17:30
東京公演
9/28(土) 下北沢MOSAiC
open10:45 start11:15
仙台公演
9/29(日) LIVE HOUSE enn 3rd
open17:00 start:17:30
○チケット情報
受付開始: 2024/8/15(木) 22:00 〜 2024/9/21(土) 17:30
https://t.livepocket.jp/event/search?performer=%7BLiVS%7D