2024/05/27 18:00
こんにちは。神戸在住の音楽キュレーター、遊津場(ゆつば)です。普段は邦ロック系インディーズアーティスト情報をSNS、メディア寄稿、自主イベント開催など、様々な手法で発信する活動をしています。
そして今回、OTOTOYで私のメインの活動地域である関西エリアで活躍する若手アーティストの様々なトピックを発信する機会をいただきました。 これを読めば、関西邦ロックシーンの最前線が分かります。どうぞ、ご贔屓に。
平均年齢20歳の彼らは昨年大阪のライヴシーンから頭角を現し、〈見放題〉や〈MINAMI WHEEL〉にも出演しました。東京でも先日サーキットライヴに出演し、7月1日には新宿LOFT歌舞伎町移転25周年記念企画に出演決定するなど、関東のロックリスナーにも最重要事項となっているバンドです。その7月の対バン相手はPanorama Panama Town、ANABANTFULLSというヒリヒリするような実力派先輩バンドというところからも、彼らの実力の高さを窺えます。というか実力は保証します。というのも、昨年11月に私の企画イベントに出演いただいています。その時は基本的に同年代のロックバンドを8組ほど集めたイベントにしたのですが、所謂テクニックは1段上のレベルでした。グランジ味のあるサウンド特有と言っていいアンダーグラウンドな空気感にガラッと変える重みのある音は、無駄のないライヴ運びや振る舞いも相まって、ただ鳴り響くだけでなく聴衆に目掛けてクリティカルに刺さります。その秘密は樋口タクト(Vo.Gt)のクールな歌声と生々しい歌詞の温度感がその音に絶妙に溶け合うから。この唯一無二のコントラストが彼らの大きな武器です。8組もいて中だるみしそうな5番手に彼らを任せて、会場が引き締まったのは我ながら名采配だったと思っています。ちなみにパノパナとは9月にも大阪で対バンしますので、パノパナファンは絶対チェックしておきましょう。
そんな彼らは5月22日に「九十九」を配信リリース。淡々と一定のリズムで鳴らされるギターのイントロから既に酔ってしまう感覚があり、今までの彼らの曲の中でも特に洗脳的で夢遊空間に誘う1曲となっています。歌詞もどこか人間の理性が本能的なものに染まってしまいそうで、また新たなギルスナの破壊力を感じることができます。MVも公開されていて、シンプルな演奏シーンがメインですが、ゆえに演者や曲から発するエネルギーが強調されている作品になっています。
昔ながらのロックンロールを継承しているというよりは、彼らの中でダサさを排除したり、なるべく対極に行こうとしたら、こういったサウンドに必然的に辿り着いたと感じる音楽性に思います。もちろん旅路はまだまだ続くバンドですので、さらに追求されていって、メジャーシーンだけでなく、世界にも一石を投じるような大きなバンドになることを期待します。
X:https://x.com/sakidori_yutuba?t=R1J43f6okqiZ7g2bqGn7PQ&s=09