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2023/07/28 00:00

 

新メンバー2人を迎えたPIGGS、もう一度大きな夢をとらえる──〈PIGGS HAVE THE POWER TOUR〉 at 東京SHIBUYA CLUB QUATTRO

 

PIGGS HAVE THE POWER TOUR@東京SHIBUYA CLUB QUATTRO

5月27日の渋谷WWWX公演にて、歌の軸であったCHIYO-Pが脱退し、プー·ルイ、BAN-BAN、SHELLME、KINCHANの4人でまわったツアーのファイナル公演が、東京SHIBUYA CLUB QUATTROで行われた。しかもそのファイナルでは、新メンバーが2人加入するという。

幸運なことに、その2人にはインタビューを先にさせてもらう機会を得た。その時に、アイドルも初めて、インタビューも初めてっていう彼女たちが、QUATTROで全曲に参加すると聞いてぶったまげた! 「いや、無理でしょ... 社長!」と。その時は、不安に震える小鹿のような、でも目の奥には闘志の炎が見えるような、そんな二人だった。

初っ端のSEでいきなり新メンバーが登場する。そして1st albumの1曲目“KICKS”で幕を開ける。新メンバーの登場に、会場は大盛り上がり。でももちろん新メンバーは、表情が『硬い!!!!!!!』。そして“NAKED BORN NAKED DIE”“THANK YOU FUCK YOU”、そして“LINK EMOTION”と会場が否が応でも盛り上がる曲が続く。新メンバー二人を庇うように、プー·ルイ、BAN-BAN、SHELLME、KINCHANが、会場をヒートアップさせていく。いやはや、プー·ルイはもちろん上手いのだけど、BAN-BAN、SHELLME、KINCHANの成長が半端ない。4月から5月にかけて行われたプー·ルイのお休み期間に、プー·ルイやCHIYO-Pの分までパフォーマンスをしたその軌跡は、彼女たちの血となり肉となり、確実に実力となっていた。また、その4人が本当に楽しそうだ。WWWXなどでどこか漂っていた悲壮感は全く感じられない。

改めてメンバー紹介が行われる。
SU-RING…「ちょっとおバカな真面目な鉄人担当」 色は、クリーム。
BIBI…「風が気持ちいい担当」 色は、赤。
だそうです。

「今日からこの六人でやっていく」と高らかに宣言し、BAN-BANとSHELLMEの喧嘩パフォーマンスが素晴らしい“ファイティングブレイン”が演奏される。BIBIの声質は太くて力強く、この曲にとてもマッチしていた。“ヴェルヴェット思想家”では、SU-RINGが、ロングの金髪を振り乱して絶叫し、会場をびっくりさせた。“BOO! SHUT”のSHELLMEのラップは、もう安定感が半端ない。そして、新曲の“You know me”。やめていったメンバーに歌っているのか、残されたメンバーに歌っているのか、それともぶーちゃんズに歌っているのか? メンバーの心が爆発したエモーショナルな楽曲は、会場を熱い気持ちにさせる。“飛べない蛇”では、CHIYO-Pが歌っていた最後のロングのハイトーンの部分をKINCHANが見事に叫び上げ、それがあまりも素晴らしかったので、曲間にも関わらず、拍手が鳴り止まなかった。名曲“フォエバー・ヤング”では、BAN-BANの緩急をつけた歌に引き込まれたし、“フューチャー・スターダスト”では、新メンバー二人が上手く歌えていなくても必死に歌う姿に、感動させられた。

後半は、新人2人に歌割りが多く振り分けられていた“スナッチャー”、そして初期の代表曲“とらえる”、“モナリザ”で本編が終了した。ちゃんとこの難しい2曲でも新人2人にサビが任されていて、期待値が高いことが感じられた。

アンコールでは、SU-RING、BIBIの二人から、想いが告げられた(全文を記載)。

SU-RING
「私は今までの人生、人に誇れるような明るい人生を歩めてなくて。自分にしかできない何かになりたくて、自分を変えたくて。ステージの上でキラキラ生き生きとしているアイドルがずっと私の憧れでした。今までアイドルになりたくて沢山オーディションを受けてきて、前回のオーディションで合格発表のときに、私は名前が呼ばれなくて。さっきまで一緒に話してた人たちが一瞬で違う世界のアイドルになって。私は裏に下がって、ただ悔しくて泣くことしかできなくて。もうこんなに悔しい思いは二度としたくないと思って、ずっと大好きだったアイドルを遠ざけていました。でもこのままじゃ今までの人生と何も変わらないし、頑張ろうって自分で決めて、2ヶ月前に、このPIGGSのオーディションに応募しました。合格してからこうやってステージに立っている今でも、自分がPIGGSに居ることが信じられなくて。 初めての経験ばかりで、たくさんやってみてたくさん悩んでたくさん悔やんでを繰り返しています。毎日どうしたらいいかわからず、ずっと過ぎていく日々だけど、私が今こうやってステージに立てているのはPIGGSのメンバーだったり、たくさんのスタッフさんだったり。ここに居るぶーちゃんズの皆さんが本当に暖かくて、たくさんの支えがあって、私は今ここに立てています。これからまだまだPIGGSのSU-RINGとして頑張っていきたいし、自分がたくさんアイドルに救われてきたから、自分も誰かの明日をちょっとでも楽しくできるような、PIGGSにSU-RINGが入ってくれてよかったって思ってもらえるように、これから一生懸命頑張ります。これからもよろしくお願いします。」

BIBI
「私はいままで夢を見ることもできていなくて。何もしないまま夢を見れるといいな、夢を追いかけられる人はいいなと思って、何もしないで生きてきました。だけど、オーディションに参加する機会があって、その時に本気で夢を追いかけている人たちを見て、そこで初めて悔しい気持ちを知って。初めて自分が本当にアイドルになりたいんだって気づきました。だからPIGGSのオーディションは本当にPIGGSになるために受けました。オーディションを受けている途中に夢を見始めたばかりの私に色々なことを教えてくれて、助けてくれて一緒に頑張ろうとしてくれる人たちにたくさん出会いました。だけど、その途中でそういう優しい人たちが夢を諦めるしかないのを見るのはすごく悔しくて寂しいものでした。だけど、私が今日こうやってここに立っていることで、あの時に教えてた私がここで立てるなら、そういうみんながもう一回やってみようかなとか、こんなやつが頑張ってるなら自分も頑張れるかもしれないと思って、私のことを見て明日を頑張ろうと思えるような人になりたいです。 私はダンスも歌も苦手で、まだ何もできないけど、絶対にいつかできるようになるし。どんどんうまくなっていくし、そういうところを見てみんなも一緒に頑張ってほしい。みんなと一緒に頑張りたいです。これからどんなことがあっても、PIGGSの一員としてPIGGSのみんなと一緒に頑張りたいです。最後に元気いっぱい届けます。“ワイルドサイドを歩け”!」

BIBIはずっと泣いていた。今日の日まで、すごいプレッシャーだったんだろう。ものすごい練習量だっただろうし、このMCだって、何度も練習したはずだ。そうじゃないと、あんなに泣きながら、こんなにちゃんと言えるわけないもの。後に公開されるOTOTOYのインタビューでは、より詳しく記載されているが、なんどもオーディションを受けたけど受からなくて悔しい思いをし続けたSU-RINGと、オーディションを受けることで夢を持つ大切さに気づいたBIBIは、今度はPIGGSに入って、夢を見せる側に立つ。泣き虫だけど強い気持ちを持った二人が加入したことで、PIGGSは全く新しいアイドルとして、もう一度リスタートしたことを確信することができた。

最後は、新曲“ワイルドサイドを歩け”、そして“カッシーニ”では会場全員で歌い上げた。旧メンバーは、また泣いている新メンバーを優しく気遣っているし、ぶーちゃんズも歌で声援を贈る。そんな光景が、あまりにも美しすぎてうるっときてしまったし、こういう優しい光景を見せることができるグループであったことに驚かされたのだ。

新メンバーが入ったPIGGSはどうだったのだろうか? 声の高いSU-RINGも力強い声を持つBIBIもいるが、CHIYO-Pの歌はどうしても補完できなくて、“とらえる”などの音域の高い曲をベストの状態に持っていくのには時間がかかるだろうし、しばらくはプー·ルイの歌に頼る状態が続くだろう。でもそんなことはさておき、今日一番グッときたのは、メンバー全員が、この6人で、でかい場所を目指す、そして夢を叶えることをちゃんと目指していたことだ。次回のツアーは9月から始まり、そのファイナルは、自身最大キャパのZepp Hanedaだ。もう全員の意識はそこを向いていたし、BIBIは夢を諦めた人にもう一度夢を見てもらいたいとさえ言っていた。そう... PIGGSは、もう一度リスタートして、立ったことのない場所へ、 ZEPPを、武道館を、横浜アリーナを目指す。それに向けて、レーベルもレコード会社も、周りのスタッフたちも必死だ。そして今日のライブを見て、僕ももう一度PIGGSで夢をみてもいいんじゃないかって思った。BiSHがでかくなって夢を叶えてくれたように、そして奇しくもWACKのオーディションを落ちた2人が加入したPIGGSが、またもう一度でっかい夢を見せてくれるようなそんな気がした。彼女たちの成長とともに、彼女たちの夢を、もう一度一緒に追ってみたいと思ったのだ。

文 : 飯田仁一郎
構成: 西田健
Photo by @son_tkhs

セットリスト
2023.7.27 (THU)
「PIGGS HAVE THE POWER TOUR」FINAL
SHIBUYA CKUB QUATTRO

M01 KICKS
M02 NAKED BORN NAKED DIE
M03 THANK YOU FUCK YOU
M04 LINK EMOTION
M05 ファイティングブレイン
M06 ヴェルヴェット思想家
M07 BOO!SHUT
M08 YOU KNOW ME
M09 飛べない蛇
M10 フォーエバー・ヤング
M11 フューチャー・スターダスト
M12 スナッチャー
M13 とらえる
M14 PIGGS-モナ・リザ-

EN1 ワイルドサイドを歩け
EN2 カッシーニ

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