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2023/03/03 10:45

 

【訃報】ウェイン・ショーターが死去 

 

ジャズのみならず音楽界の発展に大きな影響を与え続けたサックス奏者/作曲家のウェイン・ショーターが89歳で死去したことを所属レーベルであるブルーノートが発表した。

1933年8月25日、ニュージャージー州ニューアークに生まれたショーターは、60年以上にわたって音楽の発展に忘れられない足跡を残してきた。

1959年、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズに参加し、26歳の早熟なテナーサックス奏者として一躍脚光を浴びた彼は、独創的な即興演奏と「レスター・レフト・タウン」、「チルドレン・オブ・ザ・ナイト」、「フリー・フォー・オール」などの素晴らしい作曲でグループを一段と進化させ、『ザ・ビッグ・ビート』、『モザイク』などの名盤に大きく貢献した。アルフレッド・ライオンは最終的に彼と自身のレコーディング契約を結び、ショーターは1964年から1970年にかけてブルーノートで『ナイト・ドリーマー』、『ジュジュ』、『スピーク・ノー・イーヴル』、『アダムズ・アップル』、『スーパーノヴァ』などの名盤を華々しく発表。これらのアルバムには「ウィッチ・ハント」、「インファント・アイズ」、「フットプリンツ」など、ショーターの最も愛されている楽曲が含まれている。

ハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスらと結成したマイルス・デイヴィスの先駆的なクインテットのメンバーとして、また「エレクトリック・マイルス」初期の一員として、1960年代は主にマイルス・デイヴィスとも活動。その後、1970年にキーボーディストのジョー・ザヴィヌルと共に先駆的なグループ、ウェザー・リポートを結成した。2001年からは、ダニーロ・ペレス、ジョン・パティトゥッチ、ブライアン・ブレイドとのカルテットを率いて、高い評価を得ていた。

ショーターは2013年にブルーノートに復帰し、彼のカルテットと特別ゲストのイマニ・ウィンズをフィーチャーした音楽のスリルを味わえる『ウィズアウト・ア・ネット』をリリース。2018年、ショーターは、カルテットとオルフェウス室内管弦楽団によるトリプル・アルバム『エマノン』を発表。この音楽には、ショーターがモニカ・スライと共同で執筆し、ランディ・デュバークがイラストを描いたグラフィック・ノベルが添えられている。

ショーターの作品は、シカゴ交響楽団、デトロイト交響楽団、リヨン交響楽団、ポーランド国立放送交響楽団、プラハ・フィルハーモニー、ロイヤル・コンセルトヘボウなどで演奏されており、ロサンゼルス・フィルハーモニー、ナショナル交響楽団などからの委嘱も受けている。ショーターは200曲以上の作曲を実現し、そのうちの数十曲は現代のスタンダードとなった。ショーターはNEAジャズマスターであり、13のグラミー賞と2018年のケネディセンター栄誉賞を含む多くの賞賛を受けている。今年の2月には13回目のグラミー賞を受賞したところだった。

60年以上にわたってショーターの最も親しい友人でありコラボレーターであったハービー・ハンコックは、「私の親友であるウェイン・ショーターは、心に勇気を持ち、すべての人への愛と思いやりを持ち、永遠の未来への求道心を持って私たちのもとを去った。彼は生まれ変わる準備ができていたのです。すべての人間がそうであるように、彼はかけがえのない存在であり、サクソフォニスト、作曲家、オーケストレーター、そして最近では傑作オペラ『イフィゲニア』の作曲家として卓越した頂点に達することができました。彼のそばにいることや、彼の特別なウェイン・イズムが恋しいが、彼の精神はいつも私の心の中にあります」とコメントしている。

また、ブルーノートの社長であるドン・ウォズは「マエストロ・ウェイン・ショーターは我々のヒーローであり、グールーであり、美しい友人でした。彼の音楽には、どこか遠くからやってきた魂が宿っており、この世界をより良い場所にしてくれました。同様に、彼の温かさと知恵は、彼を知るすべての人の人生を豊かにしました。ありがたいことに、彼が残した作品は永遠に私たちの心に残るでしょう。キャロリーナと彼を愛したすべての人に、私たちは心を寄せています」と語っている。

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