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2021/06/28 12:00

 

ONEPIXCEL、解散ライヴでファンに感謝「最高に楽しい時間でした! みんなのことが大好きです」―OTOTOYライヴレポート

 

3人組ガールズグループ・ONEPIXCELが2021年6月25日(金) 代官山UNITでワンマンライヴ〈ONEPIXCEL LAST LIVE「サヨナラの前に」〉を行い、5年9ヶ月に及んだグループの活動に終止符を打った。

2020年に結成5周年の節目と共にメンバー全員が成人を迎え、今後について考えた結果、それぞれの目標に向かって新たな道を歩んで行くため解散を決断したという彼女たち。ラストライヴでその姿を目に焼き付けようと会場に集まったファン、生配信で見つめるファンを前にどんなパフォーマンスと言葉を残すのか注目された。

オープニングでONEPIXCELの歴史を辿る映像が流れると、田辺奈菜美、傳彩夏、鹿沼亜美が大きな拍手に迎えられてステージへ上がる。重いビートに導かれて始まったのは “Final Call”。 4thシングルとして、それまでの楽曲よりも大人っぽさ感じさせたダンスチューンだ。サビに差し掛かると、眩い光が3人を照らし出した。フロアには椅子が等間隔で用意されていて、オープニングからの数曲を観客は座ったまま手拍子をしたりしつつステージの3人を見つめていた。曲が終わりアッパーな4つ打ちのトラックが流れ出すと、鹿沼が「ラストライヴ、最高の時間にしましょう」とひと言呟いて、“Summer Genic”へ。疾走感のあるサウンドがカオティックに興奮を煽る“Howling”、ジャングルを思わせる装飾音で始まったダンサブルな“Girls Don't Cry”と、メジャーデビュー以降に突き詰めてきたクールで大胆な楽曲たちで一気呵成に畳み掛けた。

「今日はびっくりするぐらい緊張してるんですけど、最後なので楽しくパフォーマンスしたいと思います」(鹿沼)

「最後まで全力で楽しみたいと思いますので、みなさんONEPIXCELを目に焼き付けて最後まで楽しんで行ってください」(田辺)

「今日はみなさん声は出せないけど、楽しむ気持ちは持ってきてもらってると思うので、一緒に楽しみたいと思います」(傳)

との挨拶から、じっと着席したままだった観客に向けて傳が「みんな、立っていいんだよ!?」と呼びかけると、会場総立ちになり、メドレーコーナーへ。“sora”、“S”、“Tell Us!!!” “We Go Now”と続き、観客は拳を突き上げたり、メンバーと一緒にタオルをグルグル回したりしながら会場が一体に。メドレーの最後は “FREEDOM”。 重低音が響く中、激しくダンスしながら扇情的に歌う3人に圧倒される。

MCでは、鹿沼があまりの緊張のため、オフだったライヴ前日に田辺、傳の2人に一緒にいて欲しいとお願いしたところ、あっさり断られたことを告白して会場が笑いに包まれる場面も。解散を発表してからのこの日までの3ヶ月について、傳は「あっという間だった」と振り返り、田辺は「やること全部に“最後の”ってつくから、1つ1つを今まで以上に、みたいな気持ちがあった」と心境を語った。鹿沼が、「こんなに緊張してるのは、最後のライヴで良いパフォーマンスをみんなに見せたいという気持ちと感謝を今日で伝えきりたいからです。みなさんに受け取ってもらいたいと思います」と話すと、客席は大きな拍手で応えた。

ライヴはインディーズ1stアルバムのタイトル曲“monochrome”、メジャー1stアルバム『LIBRE』収録曲”Slow Motion“と続く。この日はこれまで発表された曲がまんべんなく披露されたこともあり、インディーズ時代の曲とメジャーデビュー後の曲調の違いがよくわかるものとなっていた。オーソドックスな歌もののポップスがある反面、ロックテイストな曲もあったインディーズ期。クラブミュージックへのアプローチでシングルを出すごとに先鋭化していった感があるメジャーデビュー以降。そのギャップを埋めていたものは、キャリアを重ねるごとに成長していった彼女たちの歌唱力とダンスであることが、目の前のステージからハッキリと感じることができた。

そんなONEPIXCELの楽曲の中でも、「メジャーデビューシングルにして、私たちの中では最大難易度のあった曲」(鹿沼)として紹介されたのが “LAGRIMA”。レコーディングに向けてのレッスンでもとても苦労したというこの曲は、3人で歌詞について考え共通認識を持って歌うことを心がけてここまで歌ってきたという。1番と2番でのAメロの変化等、聴いていても難解な部分を感じる分、一度聴いたら忘れられない耳に残るメロディで、後世に残る名曲だ。3人が最後に歌い踊る“LAGRIMA”に観客の目は釘付けとなり、歌い終わると盛大な拍手でメンバーを称えた。

続いて歌われたミディアムバラード“Go My Way”から、ONEPIXCELにとって大切な曲“TURN ME ON”と続き、3人が手を取りあって走ってきたことに思いを馳せたくなる、ストーリー性のあるブロックとなっていた。ガラリとムードを変えたEDM曲“Blue Ocean”を歌い終えると、ライヴ中盤のMCへ。

5年9ヶ月の活動を振り返ってのトークでは、最近昔のことを話していて盛り上がったそうで、鹿沼が「ななみん(田辺)ってワンマンライヴとかの全体リハのときいつも不機嫌で怒ってたよね⁉」と投げかけると田辺は「怒ってた!」と即答して鹿沼、傳は爆笑。田辺は「でもその理由は、みんなにじゃなくて、自分に対して怒っていて。それが制御できなくて出ちゃってた。今思うとごめんなさい(笑)」と笑いながら反省。鹿沼は、よく泣くと思われているがここ最近は感情を抑えることができるようになり泣かなくなったと言い、歌が嫌いでレコーディングの度に悔しくて泣いていたという傳は、「3人で歌うと楽しい」と笑顔を見せる等、それぞれがこれまでの日々を振り返りつつ成長を語った。

ライヴは再びメドレーへ。アイドルチックな“Time”、明るくポップな”Beautiful Lady“、躍動的な”hello,wonder star“、文字通りカラフルな”seven colors“、メジャーデビューシングルにMasayoshi Iimori によるリミックスも収録された“be with you”と続き、5年9ヶ月という期間で、様々なタイプの楽曲にチャレンジしてきたグループのポップな側面を知ることができるメドレーとなっていた。

「みなさん、楽しんでますかー!?クラップをお願いします!配信を観てるみなさんも!」と田辺が煽って始まった“Sparkle”で、会場中のハンドクラップに包まれて、トライバルなリズムに合わせて歌い踊る3人。サビメロの目の前が開けていくようなサウンドスケープ、キャッチーなメロディ、躍動感と迫力のあるパフォーマンスで盛り上がる。続けて飛び出したのはインディーズ時代からのキラーチューン“TONDEKE”。最高に明るく楽しい曲調ながら、「届きそうな気がして」と何度も何度も繰り返す歌詞が切ない。3人がお立ち台に乗って煽ると、メンバーに合わせて振りマネするファンもいて、盛り上がりは最高潮に達した。  

ライヴはいよいよ後半へ。“DO IT, DO IT”、“YEAAAHHH!!!”で弾ける様に楽しんで歌うメンバーたちに観客も一体となり、本編ラストは最新シングル“シャラララ”でハートフルなムードを振り撒いてステージを降りた。すかさず巻き起こったアンコールを求める拍手に応えた3人は、「ラストライヴでみなさんに一番伝えたい曲」との紹介から“サヨナラの前に”を歌うと、3人それぞれが最後の挨拶を行った。

●田辺奈菜美の挨拶
「本当に今まで応援をありがとうございました。ONEPIXCELがこうして5年9ヶ月活動できたのはみなさんが応援してくれたから、メンバーがいてくれたから、支えてくれたスタッフさん、みなさん1人1人に感謝の気持ちを伝えたいです。正直、まだまだやりたかったなっていうこともあるんですけど、自分たちの夢に向けて頑張るって3人で決めたし、みなさんにもその姿を応援してほしいなって思います。こうしてライヴができることが本当に楽しくて、どんなに嫌なことがあってもこうやってみなさんに会えたし、色んな地方や海外にも行かせてもらって、色んな方たちに出会って、本当にたくさんの方に支えられてたなって思うし、すごく楽しかったです。これからはそれぞれ1人ずつ頑張っていくんですけど、この空間があったことは絶対に忘れないし、私たちにはみなさんがいることを絶対に忘れないので、これからも頑張っていきたいと思います。本当に今までありがとうございました。最高に楽しい時間でした。みんなのことが大好きです!ありがとうございました」

●傳彩夏の挨拶
「ライヴに来てくれた方、配信を観てくれた方、ありがとうございました。やっぱり私たちはライヴが大好きで、ライヴを作るときどのブロックも楽しくてしょうがなくて。改めてライヴが大好きだと思いました。もっともっとライヴをやりたかったし、亜美とななみんと一緒にライヴを作ってみんなと楽しい時間を共有したかったけど、自分たちが決断したことなので、後悔はしたくないし、応援してくれるみなさんがいるから、私たちは覚悟を持って頑張らなきゃいけないと思いました。それぞれまた新しい場所に行って、きっと私は2人がいなくて寂しいだろうし、甘えられるスタッフさんもいないし、自信ないなって戻っちゃうと思うんですけど、その分たくさん努力をして、みんなの前に自信を持って立てるように頑張りたいなって思います。私たちがどんなにアウェイでもホームにしてくれる人たちがたくさんいるってわかったので、安心して頑張りたいなって思います。改めて、約6年間、めちゃめちゃ楽しかったです! ありがとうございました」

●鹿沼亜美の挨拶
「5年9ヶ月、みなさんの支えがあったからこそ、楽しくライヴもできたし曲も出せたし、たくさんの方のおかげで3人はこうして笑顔でステージに立てているんだなって、今日改めて実感しました。本当にありがとうございます。みなさんが思っている以上に、みなさんの存在は私たちの活力になっていて、思い返すと本当に助けてもらってばかりだったなって。温かいファンのみなさんが私たちにはついていたということが、自慢ですし誇りです。最初、ONEPIXCELで活動していく中で、傳ちゃんもななみんも本当に魅力的な女性で、「羨ましいなあ」と思って嫉妬しちゃっていて。でも、「比べてちゃダメだな、自分の良いところを伸ばそう」って思ったら、ONEPIXCELのバランスも良くなった気がして。本当に助け合えて良いバランスの3人だなって思いました。でも、私たちが決断したことは絶対無駄にしたくないので、それぞれ頑張りたいなと思いますし、傳ちゃん、ななみんは絶対有名になるし、私も有名になりたいなって思うので、どんな形であれ、私はこれからも音楽を続けていきたいと思っています。そのときはみなさんが応援してくれると信じてます(笑)。胸を張って新しい道に行きたいと思うので、これからも応援よろしくお願いします」

それぞれ涙も見せつつも、これからに向けて明るく前向きな言葉を聞くことができた。そして、「初めて会ったときに練習した曲で、みなさんの前で初めて披露した曲をお届けしたいと思います。私たちにとって大事な曲です」との曲紹介から、「SAKURA SAKU」へ。感傷的な気分を吹き飛ばす、轟音ポップロックチューンだ。ステージでは涙を見せたり笑顔になったりと、パフォーマンスしながらも感情表現が忙しい3人。

「最後、楽しみましょうー!」と、ポジティブにライヴを締めくくったのは“Take Off”。弾むリズムと手拍子に乗って、賑やかに、明るくさわやかな余韻を残したエンディングとなった。計28曲を歌い終えると、「以上、ONEPIXCELでした!」と最後の挨拶を終えて深々と一礼する3人に、万雷の拍手が贈られ、会場ではステージの3人とフロアの観客とで記念撮影が行われて大団円となった。最後の最後、「これからもONEPIXCELの音楽は聴いてほしいと思いますし、MVもたくさん観てください。私たちの宝物ですので、大切にしてください」との鹿沼のひと言がとても印象に残った。

名残惜しそうにいつまでもステージに残り手を振っていた3人が去ると、会場には“LAGRIMA”が流れ出し、スクリーンにはメジャーデビューが発表された瞬間の映像などと共にエンドクレジットが流れた。メンバーが明るく去っていった分、この演出がかなり泣けた。最後は田辺奈菜美、傳彩夏、鹿沼亜美それぞれのサインが中央に集まった様子が映し出されて、〈ONEPIXCEL LAST LIVE “サヨナラの前に”〉は幕を下ろした。

映像が終わってもいつまでも鳴り止まなかった拍手は、きっと彼女たちがこれから生きて行くエネルギーになるはず。3人がこれからどんな活動を行っていくのか注目しよう。

取材・文:岡本貴之
写真:田中真光

〈ONEPIXCEL LAST LIVE “サヨナラの前に”〉
2021年6月25日(金)代官山UNIT
〈セットリスト〉
1.Final Call
2.Summer Genic
3.Howling
4.Girls Don't Cry
5.sora
6.S
7.Tell Us!!!
8.We Go Now
9.FREEDOM
10.monochrome
11.Slow Motion
12.LAGRIMA
13.Go My Way
14.TURN ME ON
15.Blue Ocean
16.Time
17.Beautiful Lady
18.hello,wonder star
19.seven colors
20.be with you
21.Sparkle
22.TONDEKE
23.DO IT, DO IT
24.YEAAAHHH!!!
25.シャラララ
EN1.サヨナラの前に
EN2.SAKURA SAKU
EN3.Take Off

ONEPICXEL LAST LIVE「サヨナラの前に」アーカイブ配信
6月28日(月)20:00まで販売
6月28日(月)23:59までアーカイブ配信が視聴可能
オンライン通常盤チケット ¥2,500
オンラインプレミアム版チケット ¥11,500
【プレミアム版チケット特典内容】
1.TAKE OUT LIVE(ライブ本編のフルサイズ動画)
2.TAKE OUT LIVE視聴用QRコード付き紙チケット(郵送)
3.フォトブック(郵送)
配信URL:https://onepixcel.zaiko.io/_item/340217

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