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2021/04/07 13:20

 

Nami Sato、ニューAL『World Sketch Monologue』を〈THE AMBIENT ZONE〉より3/31リリース

 

仙台を拠点とし活動する、アナログシンセサイザー、フィールドレコーディング、アンビエント、ストリングスなどのサウンドを取り入れた楽曲を制作する鬼才サウンドアーティスト、Nami Sato(佐藤那美)。

そんな彼女が、2019年の『Our Map Here』に続くニューアルバム『World Sketch Monologue』を、2021年3月31日ロンドンのアンビエント、エクスペリメンタル、電子音楽のUK最先端レーベル<THE AMBIENT ZONE>よりリリースした。

2019年に20年に及ぶ歴史に幕を閉じた、若く才能溢れるアーティストたちを支援する世界的な音楽学校「Red Bull Music Academy (以下RBMA)」。Nami Satoは、2018年にベルリンで開かれたRBMAへ参加した日本代表。そこでの経験は彼女にとって、その後長く続くこととなるクリエイティブジャーニーに大きな影響を与えた。

その後も、彼女の才能はとどまるところを知らず、APHEX TWINやTHE XXを魅了した次世代アイルランドのプロデューサーMMOTHSことJACK COLLERANや、モスクワをベースに活動する才女、KATE NVとのコラボレーションは記憶に新しいところ。

2019年、東日本大震災で被害のあった集落でフィールドレコーディングした音源から制作したアルバム『Our Map Here』は、各方面から大絶賛されました。

ニューアルバム『World Sketch Monologue』は、自身が「もっともピュアな楽曲を作ることができた」と振り返る、「世界」「音楽」「モノローグ」に対する彼女のピュアな気持ちが表現された原点回帰のアルバムであると言える。

全体を包むのは、壮大で流麗なアンビエント空間に流れる、美しく幻想的でシネマティックな世界観。友人でもあるイスラエルの女性写真家 Parnian Ghorbani によるアルバムジャケットがそれらを絶妙に捉えており、Nami Satoの極私的で感情に満ちた、全く新しい世界の旅を感じることができる。

昨年、新型コロナウィルスの影響でアイルランドへの移住を断念せざるをえなかった彼女。身体は依然同じ場所にいながら、その才能と魂は、物理的な境界線を超えた世界で開花し、より激しく私たちの心を揺さぶる。

■アルバム情報

タイトル:World Sketch Monologue
発売日:2021年3月31日(水)
レーベル:THE AMBIENT ZONE
<収録曲>
1.SWIM
2.YOURS
3.HER
4.Lily Yeats
5.THEY
6.SEADBED
7.EDGE
8.Blue Drizzling
9.EAST
10.TEN

視聴・購入リンク
https://snd.click/worldsketchmonologue

■プロダクションノート

▽About the album
東京の友人に連れられ、人生ではじめて占いに行きました。
わたしはそれを信じていませんでした。少し小馬鹿にした気持ちで自分の前世について尋ねると、その占い師はこう言いました。

「あなたの前世は神聖な岩です。あなたに人間の前世はありません。
つまりあなたは人間をはじめてやっています。たくさんの祈りや音楽を聴いているうちに、人間や人間界、そして音楽に憧れて、あなたは『ここ』に来たのね」

この世界で見聞きするすべてのものは常に驚きと共にあります。
赤ん坊のように泣き、笑い、凝視し、感じ取ることをわたしは自分に許可しました。

・KORGのmonologue(わたしの人生にゲームチェンジをもたらしたファム・ファタール)
・EmpressのReverb(出会ったその瞬間に全てを理解し仲良くなった親友)
・4トラックを同時にコントロールできるルーパーエフェクター(聡明で気難しい友人)
・アンビエントに対する愛情と実験
・この世界に対する尽きない疑問と好奇心

これらによってこのアルバムはできました。
この人生は音楽の小舟に運ばれて旅をしています。
そこで出会う様々な景色や人が、また新しい音楽になり、そうして旅は続きます。

▽About Tracks
・SWIM
大切な友人が妊娠していたときに、彼女は病院で録音した自分の子宮の中の音をわたしに送ってくれました。それはとても興味深く、安堵と不安がその音自体に含まれているように感じました。彼女の子供は、このトラックが流れるフランスの分娩室で産まれました。

・YOURS
不眠症の友人のためにつくったトラックです。今この瞬間にあるすべてのものはあなたのものです。

・HER
休暇で台湾に行ったときに、台北と桃園空港をつなぐ電車に乗っていると山間部にとても印象的な家が一瞬見えました。それは「三合院」という台湾の伝統的な建築様式で、その赤い家にわたしはその一瞬で魅了されました。このトラックはその赤い屋敷に住む女の子の物語です。

・Lily Yeats
突然変異のウイルスはあっという間に世界を包んで、このトラックのバックグラウンドのフィールドレコーディングをしたとき、その地下鉄の列車にはわたしを含めて数人しか乗っていませんでした。いつも乗っている仙台の地下鉄なのに、どこか知らない場所、違う未来に運ばれているように思いました。そしてそれはなぜかとても心地が良いものでした。

・THEY
パートナーを愛することと同じように、自分自身やそのほかの他者、「THEY」を愛して良いのだと気付いた日にできたトラックです。

・SEADBED
ベルリンから日本に戻る飛行機の中で録音していたエンジンの音を用いています。長時間のフライトが好きです。飛行機に乗っていると、なぜか海底から見上げた海と太陽のきらめきを想起します。

・EDGE
気仙沼の大島という日本の北にある小さな島の、小さくてとても美しい浜辺でフィールドレコーディングをしました。家にその音を持ち帰り、数時間それに向き合うと、素晴らしい低音のエネルギーが立ち現れました。

・Blue Drizzling
自殺した人が地獄に堕ちるという言説がありますが、あれは虚構だと思っています。自ら人生を一時中断した人の魂は、金色の眠りの中に居るように思います。そしていつか新しい肉体で、彼らはわたしたちの世界に戻って来ます。飯塚花笑(*Kasho Iizuka)という映画監督の映画のためにつくった劇伴がこのトラックの元になっています。

・EAST
一晩中制作をした夜明け、キッチンで緑茶を淹れて作業部屋に戻ると、その部屋は東からの朝日とあたたかいハウリング音に包まれていました。
マイクとスピーカーとサンプラーのスイッチを切り忘れていたのです。
こんな風に突然訪れるご褒美のような偶然に騙されて今日も音楽を愛しています。

・TEN
全てが完璧に準備されたかのようなタイミングで雨が止んで、虹がかかりました。まるで完璧なシナリオの中にいるようでした。それと同時に、とても不思議な感覚が体の中に流れ込んできました。思い出していないだけで、細胞や体の隅々は全てのことを覚えています。わたしたちはただ、思い出していないだけなのです。

[ニュース] Nami Sato

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