大日本家庭音楽会


黒薔薇
吉崎克彦
『黒薔薇』、なんとなく題名に合うような、合わないような…。とりあえず私の好きな「ハンパ」で「ぼやけた」ニュアンス。それが丁度「黒薔薇」という言葉が私にぴったり。 曲はと?んー「むずかしい」かもしれません。ただ箏弾きが取組みがいのある様に作りました。そこからいろんな「黒薔薇」を連想してみてはいかがでしょうか。


風神&雷神
吉崎克彦
もののけの世界に足を踏み入れた訳でもないが、風の神の声が聞分けられぬものかと、耳を傾け、思いを馳せてみた。聞こえたと言えば嘘になるが、聴こえぬものでもないらしい。雷様に臍を獲られぬようにせねば などと、仮想の世界での音探しも、なかなか乙なものであった。


風にきけ Part Ⅱ
吉崎克彦
パートⅡの名の通り、原曲は以前に作曲した「風にきけ」であり、その縮小版としてその名をつけた。今回は、フレーズを新しく加えたり、接続そのものを書き換えて納得のゆく方向を探した。 原曲はもっと散文詩的で、ある意味ではフレーズ「過多」であったものが返ってすっきりした様で、素直に弾きやすい。「こんな事もあるのか」と面白く思いつつ、私自身このパートⅡを弾く機会の方が多い。反面、原曲に戻った時に、新鮮に曲をふり返れるのも又たのしい。


GRADATION -風の彩-
吉崎克彦
原曲は一絃琴の為に作られた作品ですが、このメロディーにアンサンブルの「歓び」を吹き込みたいと考え、箏・十七絃・尺八を加えた四重奏曲に構成した合奏曲です。「祭花シリーズ」の一曲として、多くの演奏家の皆様に楽しんでいただければ幸いです。


Prizm
吉崎克彦
箏が奏でるべき独自の音の世界があるならば、作家として再現してみたいという夢がある。 独奏という孤独できびしい空間では、本質を見極めた、必然性のある音で詩わなければならない、とも思う。 箏の音圧に混在する独創性は箏爪を通し、確固として一絃、二絃の存在を放つ。その余韻にからまる装飾的な響きをして指から零れる音彩の美しさが、ささやくように語りかける。 あくまでも、立体的で、箏の底流に拘る寂々として強固な表現での演奏を探していただきたい。 釣谷真弓 委嘱曲


Sarah ~過ぎゆく時~
吉崎克彦
さらさら・・・サラサラ・・・ 風の音?水の音?木の葉の舞? 水の「流れ」は時間(とき)の「流れ」に似て 過ぎゆく流れは、時限の狭間に様々に姿を変える 水面に映る「Sarah」は陽炎のよう 時を過ごした記憶は、水のうつろい Sarah~Sarah~ この言葉 ーモチーフー の響きにさそわれ 水は変化し、箏の韻に変化(へんげ)する 2003年 全国高等学校文化祭 in 福井