B.T.H. RECORDS


背水之陣 〜The Final Stand
兀突骨
今作の柱となる秋田のドラムは、速さに重きを置かず、深みのある音色で、70's 80'sハードロックを彷彿させるようなプレイも随所に取り入れ、熟達を見せている。音を隙間なく詰め込んだ圧巻のドラムソロにも注目して欲しい。バンド史上最高に難易度が増した楽曲群に挑む為、高畑のベースも新たな音作りを試み、拘りの音を作り上げた。兀突骨サウンドの要である異才な超絶スラップは、ドラムとの絶妙なシンクロを極めている。円城寺のギターはモダンなスタイルを軸に、多彩なアイデアとテクニックで楽しませるプレイが満載。怒涛の速弾きもさることながら、昨年のネパール〜インドツアーでインスパイアされ取り入れた、オリエンタルで優美なフレーズのパートも印象的だ。歌詞は高畑の愛読書である伊東潤作品などの歴史小説からイメージを膨らませ、武士のロマンを時代調の硬派な日本語で綴り、地獄のようなグロウルで表現している。デスメタルをベースとしながら、プログレッシヴなテンポ展開やオールドロックのテイストも織り込み、益々オリジナリティを磨き込んだサウンドで、世界のヘヴィメタルファンを席巻する魅力を秘めたスペクタクル・アルバム!


魍魎
兀突骨
海外での評価はトップクラスの日本を代表するブルータル・デスメタル・バンドDEFILEDにも籍を置くベーシスト、高畑 治央氏率いる兀突骨のデビュー・アルバム! テクニカル且つスピーディーな楽曲も非常に個性的でユニーク。スラッシュ・メタルのスピード感や疾走感と、デス・メタルのアグレッションが融合したエクストリーム・メタル・サウンドで、雄々しいデス・ヴォイスもこのコンセプトに見事にハマっている。随所で披露されるテクニカル・パートも難解さを感じさせず、アレンジ・センスの良さにも非凡なものを感じさせる。


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JURASSICJADE
2020年にデビュー35周年を迎える日本激音界の重鎮JURASSIC JADE。前作『帰天』(BTH56 / '14年)から実に6年振りとなるニュー・アルバム。『HEMIPLEGIA』(BTH7 / '06年)以降は6曲収録のミニアルバムというフォーマットで作品を発表してきた彼らだが、本作はリメイク1曲を含む全11曲のフルサイズのアルバムで、コ・プロデューサーとしてDOOMのTakashi“CBGB”Fujitaを迎えたこともあり、これまで以上に濃厚濃密な彼らの音世界に浸ることができる。長年JURASSIC JADEのローディーとしてバンドに携わってきたWATANABEが、本作より新ベーシストとして加入。独特なベースラインは非凡なセンスを感じさせ、HIZUMIとのヴォーカルの掛け合いも堂に入っており、まさに即戦力といえる働きをみせる。ここ数作の中でも抜群のキレとスピード感を演出するHAYAのドラムと、剛・柔・激・静と縦横無尽に展開するNOBのギターリフは、綿密に構築された美しさを感じさせるとともに、スケール感と迫力が一段と増した印象だ。さらにHIZUMIのヴォーカルは解放感に溢れ、言葉選びの感性といいヴォーカリストとしての表現力といい、過去最高ともいえるパフォーマンスで圧倒的な存在感を放つ。唯一無二/孤高の激烈サウンドここに極まる!


影ノ伝説
兀突骨
ex-DEFILEDの高畑 治央率いる兀突骨の2ndアルバム。メンバー・チェンジにより高橋が加入し、更にテクニカル且つブルータルに進化。スラッシュ/デス・メタルなどのエクストリーム・メタルを貪欲に吸収したそのサウンドは、もはやジャンル分け不要のまさに ''トゥルー・メタル'' としか表現できないアグレッシヴなスタイルへと進化している。全曲が5分以上…オープニングから8分台という大作指向ながら難解さは微塵も感じさせず、非凡なアレンジ・センスが全面開花した傑作。国内盤のボーナス・トラック(11)はPINK FLOYDのカヴァー。


兵ドモガ夢ノ跡 〜Where Warriors Once Dreamed a Dream
兀突骨
メンバー・チェンジの激しかった彼らだが、本作は初めて前作と同じ布陣で制作されており、よりタイトでソリッドなサウンドへと進化を遂げている。テクニカルながらもしなやかさを失わず、メロディアスなソロを紡ぎ出すギターと、手数が多いながらもシャープなドラムは成長著しく、漢字とカナが入り混じる禍々しい曲名/歌詞やスラッピング・ベースなど、彼等独特の個性的な世界観と見事な融合を果たしている。大河ドラマ風の勇壮なオーケストラから、雪崩れ込むように展開されるオープニングの「戦雲ノ静寂〜争乱ノ死地ヘ」や、ベース・ソロのインスト「別レノ子守唄」など、新たな試みにも挑戦した意欲作だ。高畑が綴る歌詞は、本作も司馬遼太郎や吉川英治などの時代小説からインスパイアされているが、「別レノ子守唄」と「血塗ラレタ旅路」は勝新太郎の座頭市シリーズから影響を受けたとのこと。日本のバンドにしか表現できない、唯一無二のアグレッシヴ・サウンドが炸裂する快作だ。