TOKYO IRISH COMPANY

MiC -Music in Cube-
Lossless

MiC -Music in Cube-

O'Jizo

タイトルの『MiC』はMicrophoneの“マイク”でもあり、”Music in Cube”の頭文字でもある。家に閉じ込められた音楽家が、ひたすら自分のマイクの前で音を奏で、PCの中で曲をつくっていった作品である。”Music in Cube”の”Cube”はPCという箱であり、家という箱である。 
新型コロナウィルスの影響で活動の自粛を余儀なくされた音楽家の多くは、せめて今できることとして自宅でのレコーディングにトライし始めたが、O’Jizoもその例に漏れず、各自新曲をつくり、自宅スタジオでレコーディングすることになった。データをやりとりして録音を重ねて行く手法は、あくまで相手の録音に対するコール&レスポンスが主体で、結果的に全てを対面で同時に一気につくっていった前作『Cranking Out』と好対照となった。 収録された全6トラックは、2トラック目後半のPlecky the Turtleを除いて全て本アルバムのために書き下ろされた。半分以上はコロナ禍に入ってから作曲され、この特殊な状況を、そこに置かれた心情を、そこから見える景色を多かれ少なかれ反映している。この状況は楽曲制作に大きな制限をかけた一方で、その制限の中でメンバーはそれぞれ何とか形にするためにもがき、新たな技術を習得し、最終的にはその制限を逆手に取って利用し、活かすことで作品をつくりあげた。三者三様のマルチな楽器選び、これまで以上に積極的な多重録音、そして、初となる打ち込みの導入まで、今しかできないO’Jizoの新しい表現を盛り込んだ一枚である。

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