| Title | Duration | Price | ||
|---|---|---|---|---|
| 1 |
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セドナ (Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009) alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 06:24 | |
| 2 |
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コロニアル・ソング (Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009) alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 06:16 | |
| 3 |
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水上の音楽 I Allegro maestoso (Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009) alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 03:26 | |
| 4 |
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水上の音楽 II Andantino (Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009) alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 03:48 | |
| 5 |
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水上の音楽 III Vivace (Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009) alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 02:07 | |
| 6 |
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交響組曲 I Intrada (Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009) alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 01:19 | |
| 7 |
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交響組曲 II Chorale (Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009) alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 02:06 | |
| 8 |
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交響組曲 III March (Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009) alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 02:48 | |
| 9 |
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交響組曲 IV Antique Dance (Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009) alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 03:51 | |
| 10 |
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交響組曲 V Jubilee (Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009) alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 04:20 | |
| 11 |
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聖歌と祭り (Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009) alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 06:28 | |
| 12 |
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東洋と西洋 (Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009) alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 08:10 | |
| 13 |
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オセロ I Prelude (Venice) [Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009] alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 02:45 | |
| 14 |
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オセロ II Aubade (Cyprus) [Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009] alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 01:43 | |
| 15 |
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オセロ III Othello and Desdemona (Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009) alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 04:29 | |
| 16 |
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オセロ IV Entrance of the Court (Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009) alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 02:58 | |
| 17 |
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オセロ V The Death of Desdemona ; Epilogue (Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009) alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 05:06 | |
| 18 |
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カンタベリー・コラール (Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009) alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 06:45 | |
| 19 |
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ヤッターマン変身+ヤッターマン Brass Rock (Live at The Symphony Hall & Tokyo Metropolitan Theatre, 2009) [arr.郷間幹男] alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 03:06 |
夢のような庭へ再び… 2008年の公演から1年、あの時の雰囲気、演奏が始まるのを心待ちにする聴衆、1年ぶりに会場に入った瞬間に昨年の記憶が蘇る。私はなにわ《オーケストラル》ウィンズの開演前の雰囲気がとても好きだ。奏者の方々が自由に音出しをしたり会話をしたり、そしてそれを覆うように聴衆のざわめきがする・・・目を閉じるとそれが既に私には音楽に聴こえ、とにかくワクワクする。 開演、割れんばかりの拍手に迎えられ丸谷明夫先生が登場し、会場の空気が一瞬にして変わる。そして期待と興奮にすべて応えた音が奏でられる。その音の「1つ1つに感動し、ただただ聴き入ってしまう。さらに演奏されるどの作品も私の想像を遥かに越えた音楽表現で作品に新たな生命が吹き込まれるのが手に取 るように見える(聴こえる)。 音楽を言葉で説明するのは難しい。“なにわ”の公演で良く言われるのは耳だけで聴く演奏会では無いという部分である。音を視て感じる部分がたくさんある。指揮者、奏者の表情、そして演奏に対する真摯な姿勢、これはまさに実際演奏会に行かないと聴けない『音』だと思う。 さらに忘れてはいけないのが丸谷先生の曲間のトークである。会場を笑いに包み、聴衆に語りかける事によって奏者と聴衆の距離が一瞬にして縮む、決して肩に力が入る演奏会にならないのである。しかし普段は国内のプロフェッショナル・オーケストラの第一線で活躍する奏者の方々が本気で、しかも新しい吹奏楽の響きを作ろうとしている姿は本当に素晴らしい事であると共に感動する。私は“なにわ”を聴いて確実に音楽観が変わった。作品を産み出す人間として何か一つの使命感を持ったような気がする。昨年『夢のような庭』という作品を書かせて頂いた。開演前から各奏者が音出しをしていて気付いたら曲が始まっているという仕掛けをした。大阪公演で初演した時、恥ずかしながら涙が出てしまった。それはもちろん自分の作品に涙したのではなくこんなに素晴らしい指揮者、奏者の方々の演奏会のスタートに作品として関われた事、自分の作品が初めて音として視えた事、忘れられない瞬間であった。 今後も私は一ファンとして、陰ながら最大限に応援したいと思う。“生”でしか味わえない感動がある“なにわ”の演奏会、今回このCDを聴いてきっと言葉にならない“何か”を感じるはずである。もしまだ体験していない方がいらっしゃれば是非演奏会に足を運んで欲しい。きっと「ようこそ、夢のような庭へ」と迎えてくれるはずである。 清水大輔(作曲家)
Digital Catalog
「年に一度の夢のようなにわ、ありがとう。そして、さようなら」 プロオケ奏者が毎年ゴールデンウィークに吹奏楽の本気を聴かせてきた「なにわ《オーケストラル》ウィンズ」。卓越したテクニックと絶妙なアンサンブルが作るその音楽は、吹奏楽の更なる可能性を示し続けてきた。その恒例イベントも15回を迎える今回、惜しまれながらも終わりを迎えた。 ラストとなった今回は、なにわの“聖地”大阪での昼夜2公演と、最初で最後となった岡山公演の計3公演、全11時間にも及ぶ演奏会。演奏会に行った方も行けなかった方も、あの熱気と興奮、そして涙のラストコンサートは必聴!! 注目すべきは、歴史的事実への怒りを圧倒的な音楽性で迫るK.フサ「プラハのための音楽1968」。フレーズがまるでパズルのように絡み合う面白さの酒井格「半音階的狂詩曲」(委嘱初演)。そして、なにわの生み出す音はこの上なく幸せだったと感じさせてくれるスパーク「色彩交響曲」。他にも2017年度コンクール課題曲5曲と、本当に本当に最後のアンコール「カーペンターズ・フォーエバー」を収録した超豪華3枚組。 そして、「色彩交響曲」にちなんで、なんと5枚のオリジナルステッカー付き!! 演奏会のラストは客席も奏者も涙。 皆が同じ気持ちになれたあの瞬間をありがとう。 なにわ《オーケストラル》ウィンズよ、永遠なれ!
14回を迎えた NOW 高昌帥の委嘱作品 「 今 、 吹き渡る風」 をはじめ 、 R ジェイガー 、 V ネリベル 、 P スパーク 、 Jバーンズ、 A リード 、 C T スミス 、 P グレイアムといった吹奏楽ファンにはおなじみの作曲家のオリジナル作品を交響楽団奏者たちによるスペシャルな吹奏楽を堪能できるアルバム。 また 「 交響的 」 または 「 交響曲 」 と邦題につく作品が 4 作品も取り上げられているのは興味深い 。
毎年恒例の吹奏楽コンクール課題曲全曲をはじめ、聞き逃せないボリュームの2枚組!! 13回を数えた「なにわ《オーケストラル》ウィンズ2015」は客演指揮者に淀川工科高校の丸谷明夫氏に加え、玉名女子高等学校で全日本吹奏楽コンクール5回(2回金賞)、全日本マーチングコンテスト14回(12回金賞)の出場を果たし、全日本吹奏楽連盟より4回もの特別表彰を受けた、九州強豪校の米田先生を迎えてのコンサート! NOW2015のオープニングは昨年同様の作曲家、P.グレイアムの《大学祝典ファンファーレ》で幕明け!そして、オリヴァドーティ、ヘス、アッペルモントなどの名作に加え、今年はネリベルのド定番《交響的断章》!13回目にして長年愛され続けてきた名曲をNOWサウンドで是非! また、リード博士が亡くなって10年となる今年、《アルメニアン・ダンス・パートⅡ》を選曲!昨年全日本吹奏楽コンクールにて金賞を受賞した米田先生率いる玉名女子の自由曲、酒井格《森の贈り物》を米田先生指揮で演奏!さらに、バーンズ《交響曲第3番》、アッペルモント《交響詩「エグモント」》の大曲をNOWが見事に演奏!毎年人気を博しているアンコール曲も必聴! プロオケ奏者による吹奏楽の熱狂ライヴを聞き逃すな!!
日本全国の吹奏楽ファン、そしてなにわファンの皆様お待たせしました! 交響楽団奏者によるスペシャル吹奏楽を今年も大満足のCD2枚組でお届けします。 客演指揮は第1回からずーーーっと務めている淀工の丸谷明夫先生と10周年の2012年から2度目となる岡山学芸館高校の中川重則先生!初の3公演、延べ10時間に及んだ濃い音楽をこのCDに更に凝縮しておりますのでどうぞお聴きください!
各公演4時間を超える!ステージとなった2013年の「なにわOW」は、恒例の吹奏楽コンクール課題曲全曲はもちろん、聴き逃せないボリュームの2枚組! 2013年は2003年の第1回からずーーっと客演指揮を任されている淀工の丸谷先生に加え、昨年の吹奏楽コンクール全国大会でC.スミス《フェスティヴァル・ヴァリエーション》で3年連続出場を金賞で締めくくった東海大学付属高輪台高校の畠田貴生先生を客演指揮に迎えた。 畠田先生は2008年の「なにわOW」デビューから2回目の登場となった。交響楽団奏者とのスペシャルな共演は、圧倒的な技術力と絶妙なアンサンブルで聴衆を魅了!! プログラムは、ライニキー《ホープタウンの休日》で幕開けし、マクベス、オリヴァドーティ、リードなどの 名作に加え、初の取り上げとなったネリベルは《トリティコ》をチョイス!2回目の取り上げとなったホルスト《第一組曲》はBJの付録であった伊藤康英版を取り上げた。 名だたるオケマンが本気で吹奏楽に挑む熱狂のライヴを聴き逃すな!!
遂に10回を数えた《なにわOW》!は、大阪での2公演! (しかも2日とも違うプログラム!) 今年は『10周年記念特別盤』と題し、毎年おなじみ初回盤限定の全日本吹奏楽コンクール課題曲全曲はもちろん、例年の2倍の収録内容で、聞き逃せない大ボリュームの2枚組! 2012年は先日、東京佼成ウインドオーケストラの特別演奏会で人気をさらった淀工の丸谷先生に加え、昨年の吹奏楽コンクール全国大会でC.スミス「華麗なる舞曲」で金賞を受賞し、”吹奏楽の旅”の出演等、最も注目されているバンドのひとつ岡山学芸館高校の中川重則先生を客演指揮に迎えた。 交響楽団奏者とのスペシャルな共演は、圧倒的な技術力と絶妙なアンサンブルで聴衆を魅了!! プログラムは、C.スミスの「華麗なる舞曲」「ルイ・ブルジョアの讃歌による変奏曲」に加え、福島弘和の小編成作品を様々な想いで「なにわOW仕様」の大編成に改訂した「百年祭」など10年の節目に相応しいプログラミングとなった。 名だたるオケマンが本気で吹奏楽に挑む熱狂のライヴを聴き逃すな!!
本作で9回を数えた「なにわO.W.」! 2011年は淀工の丸谷先生に加え、全国的な人気を誇る習志野高校の石津谷治法先生を客演指揮に迎えた。石津谷先生との共演は2003年以来!交響楽団奏者とのスペシャルな共演は、圧倒的な技術力と絶妙なアンサンブルで聴衆を魅了する!! プログラムは、リクエストが最も多かったバーンズ「アルヴァマー序曲」をはじめ、意外と音源が少ないヘス「東海岸の風景画(イーストコーストの風景)」ほか、吹奏楽の魅力を満喫できる珠玉の作品群。 名だたるオケマンが本気で吹奏楽に挑む熱狂のライヴを聴き逃すな!!
今年も、NOWの季節がやってきた。2003年の衝撃的なデビューから今回で8回目。CDだけでは飽きたらずNOWの「追っかけ」を始めた私も、気がつけば6年が過ぎていた。その間、リハーサルはもとよりゲネプロ、本番、東京公演が始まってからは大阪との両公演とお付き合いをさせていただいている。何が自分をそこまで動かしたのか?それは、NOWの演奏をお聴きいただければすぐに理解出来ると思う。 そこにあるのは、まさにジャンルを越えた音楽への真摯な姿勢と吹奏楽への純粋な愛情に他ならない。多くの吹奏楽ファンがこの演奏を聴いて今までの吹奏楽に対する「良い演奏はこうあらねばならない!」という、ある意味、偏った狭い世界での概念を変化させたのではないだろうか?NOWの手にかかると、名曲や古典作品はもちろん、どんな小品や教育的作品までもが一瞬にして光り輝き躍動し始める。それは、あたかも新緑の若葉の頃の爽やかな風。吹奏楽と深く関わってきた私だが、NOWの演奏は私にとってそれまでの常識や迷いを一瞬にして爽やかな風に変えてくれる一服の清涼剤のようなものだと思う。そして年に一度、私のわがままを温かく迎えてくれるメンバーとこの時間を共有出来ることこそが至福の瞬間であり私にとっての「音楽」そのものだ。 ~最大限の敬意と感謝を込めて~ 建部知弘 (作曲家)
夢のような庭へ再び… 2008年の公演から1年、あの時の雰囲気、演奏が始まるのを心待ちにする聴衆、1年ぶりに会場に入った瞬間に昨年の記憶が蘇る。私はなにわ《オーケストラル》ウィンズの開演前の雰囲気がとても好きだ。奏者の方々が自由に音出しをしたり会話をしたり、そしてそれを覆うように聴衆のざわめきがする・・・目を閉じるとそれが既に私には音楽に聴こえ、とにかくワクワクする。 開演、割れんばかりの拍手に迎えられ丸谷明夫先生が登場し、会場の空気が一瞬にして変わる。そして期待と興奮にすべて応えた音が奏でられる。その音の「1つ1つに感動し、ただただ聴き入ってしまう。さらに演奏されるどの作品も私の想像を遥かに越えた音楽表現で作品に新たな生命が吹き込まれるのが手に取 るように見える(聴こえる)。 音楽を言葉で説明するのは難しい。“なにわ”の公演で良く言われるのは耳だけで聴く演奏会では無いという部分である。音を視て感じる部分がたくさんある。指揮者、奏者の表情、そして演奏に対する真摯な姿勢、これはまさに実際演奏会に行かないと聴けない『音』だと思う。 さらに忘れてはいけないのが丸谷先生の曲間のトークである。会場を笑いに包み、聴衆に語りかける事によって奏者と聴衆の距離が一瞬にして縮む、決して肩に力が入る演奏会にならないのである。しかし普段は国内のプロフェッショナル・オーケストラの第一線で活躍する奏者の方々が本気で、しかも新しい吹奏楽の響きを作ろうとしている姿は本当に素晴らしい事であると共に感動する。私は“なにわ”を聴いて確実に音楽観が変わった。作品を産み出す人間として何か一つの使命感を持ったような気がする。昨年『夢のような庭』という作品を書かせて頂いた。開演前から各奏者が音出しをしていて気付いたら曲が始まっているという仕掛けをした。大阪公演で初演した時、恥ずかしながら涙が出てしまった。それはもちろん自分の作品に涙したのではなくこんなに素晴らしい指揮者、奏者の方々の演奏会のスタートに作品として関われた事、自分の作品が初めて音として視えた事、忘れられない瞬間であった。 今後も私は一ファンとして、陰ながら最大限に応援したいと思う。“生”でしか味わえない感動がある“なにわ”の演奏会、今回このCDを聴いてきっと言葉にならない“何か”を感じるはずである。もしまだ体験していない方がいらっしゃれば是非演奏会に足を運んで欲しい。きっと「ようこそ、夢のような庭へ」と迎えてくれるはずである。 清水大輔(作曲家)
「夢のよう、なにわ」 キラキラとした音が舞台から溢れ出し、ホールいっぱいに広がってゆく。音楽を“聴く”というよりはむしろ“見る”といった感覚。音の振動を肌で感じることのできた不思議な瞬間、まるで夢のような新体感であった。 恥ずかしながら私は、なにわ《オーケストラル》ウィンズの演奏会に足を運んだのは今回が初めてであった。これまで何度もこのCDシリーズでは聴かせて頂いていたし、実際に聴きに行かれた方にもその素晴らしさを伺う機会も多かった。しかしながら“いつか聴きに行ってみたい”とは思いながらも、スケジュール調整が難しく、なかなか足を運ぶことができなかったのだ。 正直、今この原稿を書きながらも昨年まで聴きに行けなかったことが悔やまれてならない・・・。それほどの衝撃を受けた演奏会であった。国内プロフェッショナル・オーケストラ奏者たちによって結成される“なにわ”。技術が素晴らしい、音楽に感動がある、といったありふれた言葉だけで語るのはナンセンスであろう。ホール全体に響き渡る割れんばかりの聴衆の拍手と笑い。誰もが“初めて見る玩具を手にした子供心”を思い出したのではないか。次の演奏はどうなるのか!ワクワクした気持ちが終始続き時間を忘れるほどであった。丸谷明夫先生の楽しいお話、吹奏楽コンクール課題曲を使用した通常では実現不可能と思われる“なにわ”ならではの“実験”は吹奏楽関係者はもちろん、普段クラシカル音楽を聴かれない方々でも楽しむことができたはずだ。とにかく面白くて仕方がない。“なにわ”は耳もとで全ての楽器の音が聴こえる。まるで各々の楽器のすぐ近くで聴いているかのように発音、音色、呼吸が感じられるのだ。スコアを見ていないのに細かなアーティキュレーションやダイナミクスに至るまで譜面が見えてくるようであった。今まで知っている吹奏楽サウンドとは違う、言葉では語り得ない幻想的な世界であった。 “音楽は生が良い!"―よく聞く言葉だ。しかし、科学技術の発展した現代では音質・編集共に優れたCDが次々に発売されていくため、演奏会に直接足を運ばなくても音楽を楽しむことができてしまう。その便利さゆえに“生”を楽しむことを忘れてしまっていることもあるのではないだろうか。CDブックレットに書くにはやや矛盾しているかもしれないが“なにわ”は絶対に生で聴くべきだ。いや、感じるべきだ。 肌で味わわなくてはならない音楽が存在することを私は今回、再確認した。オーケストラの一流奏者たちが本気で吹奏楽をやっている。音もそうだが、その姿勢を直接目で見ることも大切なのではないか。そして、その残像をCDを通して想い返すことができたら最高ではないか。会場を訪れた多くの聴衆の笑顔が今でも忘れられない。 舞台と客席が一つになった奇跡的な空間─本当に「夢のような庭」であった。 八木澤教司 (作曲家)
新たな風の肖像 雲の上で、まぶしい風が吹いていた。 その風は、遥かな遠い国々から吹いてきた。みんな、その風に憧れて懸命に楽器に向った。 ほんの少し年代をさかのぼった頃、日本で吹奏楽に打ち込んだ人なら、この「雲の上を吹く風」の感覚が解かる。高水準の「本物」の音は、常に外国から吹いてくる風だった。 いつになれば、その憧れの風が日本の風として自然に吹く季節がやってくるのか、見当もつかなかった。風は、いつもまぶしかった。 ところが、どうだろう。この『なにわ 《オーケストラル》ウィンズ」の5回の軌跡を描くコンサートは! 第1弾から続く見事なCDは! 雲の上だった遥かな国の風、憧れの風が、すぐ身近なところで吹いている。いま吹奏楽を愛する人々は幸せだ。もう手の届かない雲の上の風を、遠い国を、羨ましがらなくていいのだから。このまぶしい風は日本の風だ。 しかも、吹奏楽とオーケストラのあいだの面倒な壁を、この美しい風は悠々と超えている。 名門交響楽団の奏者など、日本の第1級の名手たちが、楽しみつつも真摯な姿勢を聴かせている。さらに凄いのは、実験的で挑戦的姿勢を鮮明に打ち出していること。「吹奏楽にはこんな可能性がある、視点を変えればこうなる」、そんな提言を彼らは、驚くべき実験や新作委嘱、稀少曲の発掘で発信してきた。 そして最新の演奏会で彼らは、本拠地ザ・シンフォニーホールから東京にも出掛ける。客席には、クラシック界で注目の若手指揮者など、玄人も多く駆けつけ話題騒然ぶりを証明した。その鮮烈な記録が、このCDなのだ。 これは、新たな風 (Winds) の肖像だ。 響 敏也(作家・音楽評論家)
若々しい熟成の奇蹟 熟成というのは、もちろん時間が作り上げるものに決まっている。 じっくり長い時間をかけて、 豊かさと奥行きが深まり、 内から磨き上げられるのが熟成だ。 ところが、なんにでも嬉しい例外がある。 奇蹟の名人集団、なにわ 《オーケストラル》 ウィンズは、 結成から丸3年、わずか4回の演奏会で、もう熟成の音を獲得しているのだ。それは交響楽団等の日本中の名手が集結したからといって、たやすく可能なことじゃない。本当なら、時間からの贈り物のはずの熟成を、彼らは鮮やかな「音楽する心」で早々と実現させている。これもまた彼らの新しい奇蹟だ。 この日、ザ・シンフォニーホールの空間に最初の音が鳴り響いた瞬間、「来て良かった・・・」と思った人が多かったはず。そんな、しみじみとした空気が広がっていったから。だから、これは単にウマイだけで人を驚かせる演奏じゃない。人の心に深々と迫る、音楽の「爽快な熟成」を届ける演奏なのだ。 この「若々しい熟成」にこそ、日本の管打楽器界の美しい明日が約束されている。 響 敏也(作家・音楽評論家)
不思議なことに、音が人格を持ち始める瞬間がある。 大勢が集まって奏でている音達が、ある瞬間から、 一人の人間のように語りかけ、笑いかけ、心を打ち明けてくるのだ。 それは奏者全員の音が、同じ一つの 性格を持ち始めたからだ。 滅多にないことだし、単に 名人を集めたからといって出現する音の風景じゃない。 では、それがどんな音なのか。答えは簡単なのだ。 なにわ《オーケストラル》 ウィンズの現在を聴けばいい。 日本中から集結した折り紙付きの名人達が、 ただ技術的にウマイだけでなく、合奏体として生命を持つ音を結成3周年にして、ついに奏でている。 音楽する 心が同じ方向を見ている。これが「音の人格」なのだ。 世界中で音に人格のある楽団は、ほんの一握りしかない。その確かな一つがこのCDに記録されている。 鮮明に雄弁に壮麗に。 これは揺るぎない「名門誕生」の記録だ。 響 敏也(作家・音楽評論家)
毎年一月に開かれる淀川工業高校の「グリーンコンサート」は、二日間、四公演、あのフェスティバルホールが満員になる。指揮の丸谷先生は“音に厳しく、 人にやさしい”、 そして何より、観客を楽しませる音創りと演出が巧みだ。そのアマチュアの先生に、プロの名手達が、 実に楽しそうに操られていたコンサートでした。 「ABCラジオおはようパーソナリティ道上洋三です」の 道上洋三
「奇蹟の出逢いの夜」 予想を見事に裏切られる快感がある。 それがどれほど壮快か、このCDを聴けば分かる。 クラシックの殿堂に結集した日本中の名門交響楽団や名門アンサンブルの名人達が、吹奏楽界の名物指揮者と激突するのだから、どんな凄い演奏になるか、誰だって予想はした。しかし「なにわ 《オーケストラル》ウィンズ」はその予想を遥かに超える「奇蹟の夜」を出現させる。精密で颯爽と音楽的な音響や、驚異的技術の安定感は、ただ陶然と聴くしかない。これは、日本吹奏楽史の「事件」だ。 同じ会場で聴くベルリン・フィルやウィーン・フィルやシカゴ響の充実感と変わらないと私が言ったら、あなたは大げさだと思いますか? それなら、このCDで確かめるべきだ。 響 敏也(作家・音楽評論家)
Digital Catalog
「年に一度の夢のようなにわ、ありがとう。そして、さようなら」 プロオケ奏者が毎年ゴールデンウィークに吹奏楽の本気を聴かせてきた「なにわ《オーケストラル》ウィンズ」。卓越したテクニックと絶妙なアンサンブルが作るその音楽は、吹奏楽の更なる可能性を示し続けてきた。その恒例イベントも15回を迎える今回、惜しまれながらも終わりを迎えた。 ラストとなった今回は、なにわの“聖地”大阪での昼夜2公演と、最初で最後となった岡山公演の計3公演、全11時間にも及ぶ演奏会。演奏会に行った方も行けなかった方も、あの熱気と興奮、そして涙のラストコンサートは必聴!! 注目すべきは、歴史的事実への怒りを圧倒的な音楽性で迫るK.フサ「プラハのための音楽1968」。フレーズがまるでパズルのように絡み合う面白さの酒井格「半音階的狂詩曲」(委嘱初演)。そして、なにわの生み出す音はこの上なく幸せだったと感じさせてくれるスパーク「色彩交響曲」。他にも2017年度コンクール課題曲5曲と、本当に本当に最後のアンコール「カーペンターズ・フォーエバー」を収録した超豪華3枚組。 そして、「色彩交響曲」にちなんで、なんと5枚のオリジナルステッカー付き!! 演奏会のラストは客席も奏者も涙。 皆が同じ気持ちになれたあの瞬間をありがとう。 なにわ《オーケストラル》ウィンズよ、永遠なれ!
14回を迎えた NOW 高昌帥の委嘱作品 「 今 、 吹き渡る風」 をはじめ 、 R ジェイガー 、 V ネリベル 、 P スパーク 、 Jバーンズ、 A リード 、 C T スミス 、 P グレイアムといった吹奏楽ファンにはおなじみの作曲家のオリジナル作品を交響楽団奏者たちによるスペシャルな吹奏楽を堪能できるアルバム。 また 「 交響的 」 または 「 交響曲 」 と邦題につく作品が 4 作品も取り上げられているのは興味深い 。
毎年恒例の吹奏楽コンクール課題曲全曲をはじめ、聞き逃せないボリュームの2枚組!! 13回を数えた「なにわ《オーケストラル》ウィンズ2015」は客演指揮者に淀川工科高校の丸谷明夫氏に加え、玉名女子高等学校で全日本吹奏楽コンクール5回(2回金賞)、全日本マーチングコンテスト14回(12回金賞)の出場を果たし、全日本吹奏楽連盟より4回もの特別表彰を受けた、九州強豪校の米田先生を迎えてのコンサート! NOW2015のオープニングは昨年同様の作曲家、P.グレイアムの《大学祝典ファンファーレ》で幕明け!そして、オリヴァドーティ、ヘス、アッペルモントなどの名作に加え、今年はネリベルのド定番《交響的断章》!13回目にして長年愛され続けてきた名曲をNOWサウンドで是非! また、リード博士が亡くなって10年となる今年、《アルメニアン・ダンス・パートⅡ》を選曲!昨年全日本吹奏楽コンクールにて金賞を受賞した米田先生率いる玉名女子の自由曲、酒井格《森の贈り物》を米田先生指揮で演奏!さらに、バーンズ《交響曲第3番》、アッペルモント《交響詩「エグモント」》の大曲をNOWが見事に演奏!毎年人気を博しているアンコール曲も必聴! プロオケ奏者による吹奏楽の熱狂ライヴを聞き逃すな!!
日本全国の吹奏楽ファン、そしてなにわファンの皆様お待たせしました! 交響楽団奏者によるスペシャル吹奏楽を今年も大満足のCD2枚組でお届けします。 客演指揮は第1回からずーーーっと務めている淀工の丸谷明夫先生と10周年の2012年から2度目となる岡山学芸館高校の中川重則先生!初の3公演、延べ10時間に及んだ濃い音楽をこのCDに更に凝縮しておりますのでどうぞお聴きください!
各公演4時間を超える!ステージとなった2013年の「なにわOW」は、恒例の吹奏楽コンクール課題曲全曲はもちろん、聴き逃せないボリュームの2枚組! 2013年は2003年の第1回からずーーっと客演指揮を任されている淀工の丸谷先生に加え、昨年の吹奏楽コンクール全国大会でC.スミス《フェスティヴァル・ヴァリエーション》で3年連続出場を金賞で締めくくった東海大学付属高輪台高校の畠田貴生先生を客演指揮に迎えた。 畠田先生は2008年の「なにわOW」デビューから2回目の登場となった。交響楽団奏者とのスペシャルな共演は、圧倒的な技術力と絶妙なアンサンブルで聴衆を魅了!! プログラムは、ライニキー《ホープタウンの休日》で幕開けし、マクベス、オリヴァドーティ、リードなどの 名作に加え、初の取り上げとなったネリベルは《トリティコ》をチョイス!2回目の取り上げとなったホルスト《第一組曲》はBJの付録であった伊藤康英版を取り上げた。 名だたるオケマンが本気で吹奏楽に挑む熱狂のライヴを聴き逃すな!!
遂に10回を数えた《なにわOW》!は、大阪での2公演! (しかも2日とも違うプログラム!) 今年は『10周年記念特別盤』と題し、毎年おなじみ初回盤限定の全日本吹奏楽コンクール課題曲全曲はもちろん、例年の2倍の収録内容で、聞き逃せない大ボリュームの2枚組! 2012年は先日、東京佼成ウインドオーケストラの特別演奏会で人気をさらった淀工の丸谷先生に加え、昨年の吹奏楽コンクール全国大会でC.スミス「華麗なる舞曲」で金賞を受賞し、”吹奏楽の旅”の出演等、最も注目されているバンドのひとつ岡山学芸館高校の中川重則先生を客演指揮に迎えた。 交響楽団奏者とのスペシャルな共演は、圧倒的な技術力と絶妙なアンサンブルで聴衆を魅了!! プログラムは、C.スミスの「華麗なる舞曲」「ルイ・ブルジョアの讃歌による変奏曲」に加え、福島弘和の小編成作品を様々な想いで「なにわOW仕様」の大編成に改訂した「百年祭」など10年の節目に相応しいプログラミングとなった。 名だたるオケマンが本気で吹奏楽に挑む熱狂のライヴを聴き逃すな!!
本作で9回を数えた「なにわO.W.」! 2011年は淀工の丸谷先生に加え、全国的な人気を誇る習志野高校の石津谷治法先生を客演指揮に迎えた。石津谷先生との共演は2003年以来!交響楽団奏者とのスペシャルな共演は、圧倒的な技術力と絶妙なアンサンブルで聴衆を魅了する!! プログラムは、リクエストが最も多かったバーンズ「アルヴァマー序曲」をはじめ、意外と音源が少ないヘス「東海岸の風景画(イーストコーストの風景)」ほか、吹奏楽の魅力を満喫できる珠玉の作品群。 名だたるオケマンが本気で吹奏楽に挑む熱狂のライヴを聴き逃すな!!
今年も、NOWの季節がやってきた。2003年の衝撃的なデビューから今回で8回目。CDだけでは飽きたらずNOWの「追っかけ」を始めた私も、気がつけば6年が過ぎていた。その間、リハーサルはもとよりゲネプロ、本番、東京公演が始まってからは大阪との両公演とお付き合いをさせていただいている。何が自分をそこまで動かしたのか?それは、NOWの演奏をお聴きいただければすぐに理解出来ると思う。 そこにあるのは、まさにジャンルを越えた音楽への真摯な姿勢と吹奏楽への純粋な愛情に他ならない。多くの吹奏楽ファンがこの演奏を聴いて今までの吹奏楽に対する「良い演奏はこうあらねばならない!」という、ある意味、偏った狭い世界での概念を変化させたのではないだろうか?NOWの手にかかると、名曲や古典作品はもちろん、どんな小品や教育的作品までもが一瞬にして光り輝き躍動し始める。それは、あたかも新緑の若葉の頃の爽やかな風。吹奏楽と深く関わってきた私だが、NOWの演奏は私にとってそれまでの常識や迷いを一瞬にして爽やかな風に変えてくれる一服の清涼剤のようなものだと思う。そして年に一度、私のわがままを温かく迎えてくれるメンバーとこの時間を共有出来ることこそが至福の瞬間であり私にとっての「音楽」そのものだ。 ~最大限の敬意と感謝を込めて~ 建部知弘 (作曲家)
夢のような庭へ再び… 2008年の公演から1年、あの時の雰囲気、演奏が始まるのを心待ちにする聴衆、1年ぶりに会場に入った瞬間に昨年の記憶が蘇る。私はなにわ《オーケストラル》ウィンズの開演前の雰囲気がとても好きだ。奏者の方々が自由に音出しをしたり会話をしたり、そしてそれを覆うように聴衆のざわめきがする・・・目を閉じるとそれが既に私には音楽に聴こえ、とにかくワクワクする。 開演、割れんばかりの拍手に迎えられ丸谷明夫先生が登場し、会場の空気が一瞬にして変わる。そして期待と興奮にすべて応えた音が奏でられる。その音の「1つ1つに感動し、ただただ聴き入ってしまう。さらに演奏されるどの作品も私の想像を遥かに越えた音楽表現で作品に新たな生命が吹き込まれるのが手に取 るように見える(聴こえる)。 音楽を言葉で説明するのは難しい。“なにわ”の公演で良く言われるのは耳だけで聴く演奏会では無いという部分である。音を視て感じる部分がたくさんある。指揮者、奏者の表情、そして演奏に対する真摯な姿勢、これはまさに実際演奏会に行かないと聴けない『音』だと思う。 さらに忘れてはいけないのが丸谷先生の曲間のトークである。会場を笑いに包み、聴衆に語りかける事によって奏者と聴衆の距離が一瞬にして縮む、決して肩に力が入る演奏会にならないのである。しかし普段は国内のプロフェッショナル・オーケストラの第一線で活躍する奏者の方々が本気で、しかも新しい吹奏楽の響きを作ろうとしている姿は本当に素晴らしい事であると共に感動する。私は“なにわ”を聴いて確実に音楽観が変わった。作品を産み出す人間として何か一つの使命感を持ったような気がする。昨年『夢のような庭』という作品を書かせて頂いた。開演前から各奏者が音出しをしていて気付いたら曲が始まっているという仕掛けをした。大阪公演で初演した時、恥ずかしながら涙が出てしまった。それはもちろん自分の作品に涙したのではなくこんなに素晴らしい指揮者、奏者の方々の演奏会のスタートに作品として関われた事、自分の作品が初めて音として視えた事、忘れられない瞬間であった。 今後も私は一ファンとして、陰ながら最大限に応援したいと思う。“生”でしか味わえない感動がある“なにわ”の演奏会、今回このCDを聴いてきっと言葉にならない“何か”を感じるはずである。もしまだ体験していない方がいらっしゃれば是非演奏会に足を運んで欲しい。きっと「ようこそ、夢のような庭へ」と迎えてくれるはずである。 清水大輔(作曲家)
「夢のよう、なにわ」 キラキラとした音が舞台から溢れ出し、ホールいっぱいに広がってゆく。音楽を“聴く”というよりはむしろ“見る”といった感覚。音の振動を肌で感じることのできた不思議な瞬間、まるで夢のような新体感であった。 恥ずかしながら私は、なにわ《オーケストラル》ウィンズの演奏会に足を運んだのは今回が初めてであった。これまで何度もこのCDシリーズでは聴かせて頂いていたし、実際に聴きに行かれた方にもその素晴らしさを伺う機会も多かった。しかしながら“いつか聴きに行ってみたい”とは思いながらも、スケジュール調整が難しく、なかなか足を運ぶことができなかったのだ。 正直、今この原稿を書きながらも昨年まで聴きに行けなかったことが悔やまれてならない・・・。それほどの衝撃を受けた演奏会であった。国内プロフェッショナル・オーケストラ奏者たちによって結成される“なにわ”。技術が素晴らしい、音楽に感動がある、といったありふれた言葉だけで語るのはナンセンスであろう。ホール全体に響き渡る割れんばかりの聴衆の拍手と笑い。誰もが“初めて見る玩具を手にした子供心”を思い出したのではないか。次の演奏はどうなるのか!ワクワクした気持ちが終始続き時間を忘れるほどであった。丸谷明夫先生の楽しいお話、吹奏楽コンクール課題曲を使用した通常では実現不可能と思われる“なにわ”ならではの“実験”は吹奏楽関係者はもちろん、普段クラシカル音楽を聴かれない方々でも楽しむことができたはずだ。とにかく面白くて仕方がない。“なにわ”は耳もとで全ての楽器の音が聴こえる。まるで各々の楽器のすぐ近くで聴いているかのように発音、音色、呼吸が感じられるのだ。スコアを見ていないのに細かなアーティキュレーションやダイナミクスに至るまで譜面が見えてくるようであった。今まで知っている吹奏楽サウンドとは違う、言葉では語り得ない幻想的な世界であった。 “音楽は生が良い!"―よく聞く言葉だ。しかし、科学技術の発展した現代では音質・編集共に優れたCDが次々に発売されていくため、演奏会に直接足を運ばなくても音楽を楽しむことができてしまう。その便利さゆえに“生”を楽しむことを忘れてしまっていることもあるのではないだろうか。CDブックレットに書くにはやや矛盾しているかもしれないが“なにわ”は絶対に生で聴くべきだ。いや、感じるべきだ。 肌で味わわなくてはならない音楽が存在することを私は今回、再確認した。オーケストラの一流奏者たちが本気で吹奏楽をやっている。音もそうだが、その姿勢を直接目で見ることも大切なのではないか。そして、その残像をCDを通して想い返すことができたら最高ではないか。会場を訪れた多くの聴衆の笑顔が今でも忘れられない。 舞台と客席が一つになった奇跡的な空間─本当に「夢のような庭」であった。 八木澤教司 (作曲家)
新たな風の肖像 雲の上で、まぶしい風が吹いていた。 その風は、遥かな遠い国々から吹いてきた。みんな、その風に憧れて懸命に楽器に向った。 ほんの少し年代をさかのぼった頃、日本で吹奏楽に打ち込んだ人なら、この「雲の上を吹く風」の感覚が解かる。高水準の「本物」の音は、常に外国から吹いてくる風だった。 いつになれば、その憧れの風が日本の風として自然に吹く季節がやってくるのか、見当もつかなかった。風は、いつもまぶしかった。 ところが、どうだろう。この『なにわ 《オーケストラル》ウィンズ」の5回の軌跡を描くコンサートは! 第1弾から続く見事なCDは! 雲の上だった遥かな国の風、憧れの風が、すぐ身近なところで吹いている。いま吹奏楽を愛する人々は幸せだ。もう手の届かない雲の上の風を、遠い国を、羨ましがらなくていいのだから。このまぶしい風は日本の風だ。 しかも、吹奏楽とオーケストラのあいだの面倒な壁を、この美しい風は悠々と超えている。 名門交響楽団の奏者など、日本の第1級の名手たちが、楽しみつつも真摯な姿勢を聴かせている。さらに凄いのは、実験的で挑戦的姿勢を鮮明に打ち出していること。「吹奏楽にはこんな可能性がある、視点を変えればこうなる」、そんな提言を彼らは、驚くべき実験や新作委嘱、稀少曲の発掘で発信してきた。 そして最新の演奏会で彼らは、本拠地ザ・シンフォニーホールから東京にも出掛ける。客席には、クラシック界で注目の若手指揮者など、玄人も多く駆けつけ話題騒然ぶりを証明した。その鮮烈な記録が、このCDなのだ。 これは、新たな風 (Winds) の肖像だ。 響 敏也(作家・音楽評論家)
若々しい熟成の奇蹟 熟成というのは、もちろん時間が作り上げるものに決まっている。 じっくり長い時間をかけて、 豊かさと奥行きが深まり、 内から磨き上げられるのが熟成だ。 ところが、なんにでも嬉しい例外がある。 奇蹟の名人集団、なにわ 《オーケストラル》 ウィンズは、 結成から丸3年、わずか4回の演奏会で、もう熟成の音を獲得しているのだ。それは交響楽団等の日本中の名手が集結したからといって、たやすく可能なことじゃない。本当なら、時間からの贈り物のはずの熟成を、彼らは鮮やかな「音楽する心」で早々と実現させている。これもまた彼らの新しい奇蹟だ。 この日、ザ・シンフォニーホールの空間に最初の音が鳴り響いた瞬間、「来て良かった・・・」と思った人が多かったはず。そんな、しみじみとした空気が広がっていったから。だから、これは単にウマイだけで人を驚かせる演奏じゃない。人の心に深々と迫る、音楽の「爽快な熟成」を届ける演奏なのだ。 この「若々しい熟成」にこそ、日本の管打楽器界の美しい明日が約束されている。 響 敏也(作家・音楽評論家)
不思議なことに、音が人格を持ち始める瞬間がある。 大勢が集まって奏でている音達が、ある瞬間から、 一人の人間のように語りかけ、笑いかけ、心を打ち明けてくるのだ。 それは奏者全員の音が、同じ一つの 性格を持ち始めたからだ。 滅多にないことだし、単に 名人を集めたからといって出現する音の風景じゃない。 では、それがどんな音なのか。答えは簡単なのだ。 なにわ《オーケストラル》 ウィンズの現在を聴けばいい。 日本中から集結した折り紙付きの名人達が、 ただ技術的にウマイだけでなく、合奏体として生命を持つ音を結成3周年にして、ついに奏でている。 音楽する 心が同じ方向を見ている。これが「音の人格」なのだ。 世界中で音に人格のある楽団は、ほんの一握りしかない。その確かな一つがこのCDに記録されている。 鮮明に雄弁に壮麗に。 これは揺るぎない「名門誕生」の記録だ。 響 敏也(作家・音楽評論家)
毎年一月に開かれる淀川工業高校の「グリーンコンサート」は、二日間、四公演、あのフェスティバルホールが満員になる。指揮の丸谷先生は“音に厳しく、 人にやさしい”、 そして何より、観客を楽しませる音創りと演出が巧みだ。そのアマチュアの先生に、プロの名手達が、 実に楽しそうに操られていたコンサートでした。 「ABCラジオおはようパーソナリティ道上洋三です」の 道上洋三
「奇蹟の出逢いの夜」 予想を見事に裏切られる快感がある。 それがどれほど壮快か、このCDを聴けば分かる。 クラシックの殿堂に結集した日本中の名門交響楽団や名門アンサンブルの名人達が、吹奏楽界の名物指揮者と激突するのだから、どんな凄い演奏になるか、誰だって予想はした。しかし「なにわ 《オーケストラル》ウィンズ」はその予想を遥かに超える「奇蹟の夜」を出現させる。精密で颯爽と音楽的な音響や、驚異的技術の安定感は、ただ陶然と聴くしかない。これは、日本吹奏楽史の「事件」だ。 同じ会場で聴くベルリン・フィルやウィーン・フィルやシカゴ響の充実感と変わらないと私が言ったら、あなたは大げさだと思いますか? それなら、このCDで確かめるべきだ。 響 敏也(作家・音楽評論家)














