「雲煙飛動」から2年。地鳴りのような重低音フロウに中毒者続出。
THA JOINTZ/HARDVANKの司令塔、JASSが2ndを投下。
総勢10名のプロデューサーのトラックを用いて街の情景を映し出した前作から一転、
全ての曲が、師MoneyJahプロデュースという新たな挑戦だ。
ヘッドバンギンな直球boom bapから、彼にとっては新鮮なtrapまで。
いずれもsampling HIPHOPの粋なトラックの上で悠々とSPIT。
ヒリついた世界観と自らを律するように連ねるハードボイルドなパンチラインが印象的だ。
厳しい情勢だからこそ、彼らのハードなサウンドとリリックに身をゆだねたくなる。
客演にはDRAGON P、MC GEBOといったベテラン勢から、
京都のWELL-DONEや兵庫姫路のanddytoystoreといった同世代のMCまで、年代や街を超えた精鋭が参戦。
THA JOINTZクルーが個々のキャラクターを遠慮なしに乱射する「NEW DAY」もMV込みで必聴の一曲。
ラストには「雲煙飛動」をYellow Dragon BandのO.D.Sのビートの上で再録し、トドメの一撃。
自身が働くFedup Gearの裏の顔、Fedup Dojoにて夜な夜な稽古に励み
多くの街でロウな声を響かせてきたMCによる奮闘の記録が「獅子奮迅」だ。
Text by Seiji Horiguchi