Sound Improver One_Manual
Sound Improver Oneはヘッドホンの音質向上用ノイズで、メーカーの想定以上の音質を達成できます。
このノイズが正しく効果を上げたなら、波形による固有歪の蓄積を極限まで減らすことができ、音楽性の高い音、言い換えると感情を表現できる音を実現できます。
そして、ヘッドホンが高性能なら、機械の音を意識させない、音楽のみに没入できる音質レベルに到達させることができるでしょう。一言で言うと、自然な音を出せると言うことです。
「正式な使用方法」
step1. トーンコントロールやイコライザーをオフにします。これは周波数特性が効いてくるからです。またサンプリング周波数を44.1Hzに設定してください。そうしないと音質が確実に落ちます。
step2. sine wave, -18dB, -15dB, -12dBの音量調整用のノイズで音量を調整します。これらのノイズを普段聞いている音量になるよう調整します。
sine wave(1kHz,fullscale)は出力電圧をヘッドホンの最大入力に合わせるのに使います。
このノイズは振動板に蓄積している歪を取ることを目的にしています。高音質を得るには音量はもっとも重要な要素になります。強く叩かないと取れない歪があるからです。
このノイズは本来はヘッドホンの最大入力で鳴らすことを想定して制作しています。この方法は少なくともダミー抵抗と端子の電圧を測るための配線とマルチメーターが必要になります。そして私はmaximum inputでヘッドホンを壊したことはありませんが、全てのヘッドホンで壊れない保証はありません。ヘッドホンを壊してしまうリスクはあります。なので最大入力で鳴らす際は自己責任で行なってください。心配な人は最大入力電圧の半分の電圧で鳴らすのが良いでしょう。
※音量調整後はかなりの大音量になっているので、耳を保護するためヘッドホンは装着しないでください。また、間違って大音量のまま音楽を再生してしまう事故を避けるため、ノイズ再生用の専用アンプを用意してください。専用アンプを用意していない場合は-12dBノイズを使って音量を調整します。
step3. beating pulse noise(1779-2)を192-384時間ほど連続再生します。止め時は音が変わら無くなれば終了です。
このノイズは振動板の慣らし用です。このノイズはヘッドホンの悪癖を取り除く効果があります。
step4. fast sweeping noise(2151)を75.8時間以上再生します。
この波形は高速の音量変化によって振動板の歪を除去します。またfinishing noise(2353s)では取れない歪を除去するので、finishing noise(2353s)前の下処理としての効果があります。
step5. 仕上げとしてfinishing noise(2353s)を65.5-288.4時間以上再生します。
この段階で仕上げの第一段階は終わりです。-15dB noise, -12dB noiseで音量調整している場合はこの段階で終了してかまいません。これ以降のフェーズを行っても小音量では効果が望めないからです。
もっと言うと、スペック上116dB SPL未満の音量しか出せないヘッドホンではstep6,7,8を実行する必要はありません。
これ以降は音量を下げながら歪を除去していくフェーズです。これは大音量で鳴らすと振動板のエクスカージョンの非対称性やアンプの歪が原因で、ほんの僅かですが音質が低下します。
(2481)と(2482)"と(2483)はそれらの問題を解決するのに作ったノイズで、最大入力やそれに準ずる大音量で鳴らす前提で作ったノイズです。なので-15dB, -12dB noiseで音量調整している場合は効果が薄いでしょう。
それに"finishing noise(2353s)"はノイズとしては完成していて、"finishing noise(2353s)"のみを使用したとしても十分高音質が得られます。なので時間をこれ以上掛けたくない場合はstep5で終了しても問題ありません。
noise(2481),noise(2482),noise(2483)は"finishing noise(2353s)"の音量を落としたバージョンになります。
※noise(2353s),noise(2481), noise(2482), noise(2483)については、再生しはじめは音が僅かに濁ることがありますが、再生を続けると30時間を超えたあたりでクリアな音質になっていきます。歪を取るのには時間が掛かると言うことです。65.5時間でも十分良い音が出せますが、130,160,216,240,288.4時間と時間をかけるほど音質は良くなっていきます。テストでは288.4時間の再生時間を超えたら音質に大きな差はなくなってきました。
step6. step5の後、"finishing noise x0.708(2481)"を65.5-288.4時間以上再生します。
step7. step6の後、"finishing noise x0.501(2482)"を65.5-288.4時間以上再生します。
step8. step7の後、"finishing noise x0.354(2483)"を65.5-288.4時間以上再生します。
note1. step5以降で(2353s)や(2481), (2482), (2483)をいくら再生しても良い音質が得られない場合、(2353s)タイプの波形では取れない歪が残留してしまっている可能性があります。これを波形の固有歪と言うのですが、こういった歪が蓄積していると音質の低下を招きます。(2353s)はテストでは600時間以上再生しても音質の低下を招くことがない、ほぼ完璧に近い波形ではあります。そういうことが起きるのはレアケースではありますが、もしそういった事が起きた場合は"fast sweeping noise(2151)"を連続再生することで解決できます。なぜなら、(2151)は(2353s)と波形が全く違うので(2353s)では取れない歪を取ることができるからです。(2151)の再生時間は最低26.5時間、もし完璧を期したければ75.8時間以上再生してください。
note2. step3-8では音量は同じ音量で再生してください。また最後まで再生することを前提に設計しているので、途中で止めずに最後まで再生してください。
仮に途中で再生を止めてしまっても、6時間以上再生すれば、その影響はほぼ無くなります。
note3. ヘッドホンからのノイズ音が気になる場合は、防音対策にヘッドフォンに毛布などを巻くと良いでしょう。
note4. 上記の「正式な使用方法」はあくまで最高の音質を得るのに必要な方法です。あくまでも参考です。私も時間が掛かりすぎると思うのですが、事実として、長時間再生した方が音質が良いのでそう書いています。
ついてくることができない方が多くいると思いますが、下で紹介している「最短で最良の結果を得られる方法」でも十分良い音が出ます。そして各波形の役割や効果は説明しているので、それを理解した上で各人が出来る範囲でこのノイズを使えばいいと思います。「正式な使用方法」でなくても音は確実に良くなるので、「ノイズを鳴らすだけで、音質が良くなる」この現象を楽しんでください。
「最短で最良の結果を得られる方法」
"noise(1779-2)" を60時間以上再生し、"noise(2151)"を75.8時間以上、"noise(2353s)"を65.5時間以上再生する。
もしくは「正式な使用方法」のstep5で止めてしまう方法を推奨します。