THE OLYMPICS

Discography

V.A.

各個人の活動に焦点を絞り、その音楽的ルーツに迫ったコンピレーションが誕生! ピーター・ジャクソンの快作「Get Back」、ジョン・レノンと秘書メイ・パンの蜜月とその間の音楽活動を綴った「The Lost Weekend(失われた週末)」の公開など未だ話題に事欠かないビートルズ。本盤は彼らの各メンバーの主に解散後の活動に焦点を絞り、カバー曲の原曲や影響を受けたであろうバージョンを集めつつ、また時に独自の視点を交え選曲してみた。 [トラック1-20]ではジョン・レノンの足跡を追って「Come Together」の原点ともなったM-4、飛び入り参加したフランク・ザッパのライブでカバーしたM-7をはじめ、ジョンとヨーコが「TWO VIRGINS」の中で聴かせてくれた「偶然性の音楽」というべきM-9,10なども取り上げる。その他「ROCK’N’ROLL」録音時のアウトテイクまで目を配り、そのルーツを分析。ラストは「Happy Xmas (War Is Over)」に影響露わなM-19,20と選曲した。 [トラック21-40]の主役はポール・マッカトニー。M-2は88年にカバーしたアイテムだが、そもそもジョンとポールの出会いの場面を象徴する曲。アルバム前半部は「BACK IN THE U.S.S.R.(CHOBA B CCCP)」「RUN DEVIL RUN」を中心に主にロッカーとしての側面を重要視したが、中・後半部は、その天賦の才であるメロディ・メイカーとしてのポール自身の源流に光を当てた。美しいメロディ・ラインの脇には、M-8,M-12,M-14をはじめ数々の楽曲が有名・無名を問わず寄り添い、その引き出しの広さには感服してしまう。さらに折り返し地点のM-10ではウイングス「WILD LIFE」を経て、終着点の「VENUS AND MARS」ではTVドラマのテーマ曲でもあったM-20が有終の美を飾る。 [トラック41-60]ではジョージ・ハリスンとリンゴ・スターを取りあげる。87年の大ヒットのオリジナルM-2、12弦ギターの響きが心地よいM-8とジョージの音楽性に重要な楽曲を前半部に取り上げた。後半部は、カバー曲の多いリンゴから底抜けに明るい性格と誰からも愛される、彼ならではの音楽趣味を中心に取り揃えた。 本盤は、各メンバーの「ポピュラリティを見極める優れた鑑識眼」に迫ったものである。「豪華3枚組ボックス60曲」の楽曲と詳細なライナーノートで堪能して欲しい。 (*本作品はビートルズ各個人の作品ではありません。) 企画:山本誠一 監修&解説:丸芽志悟 (Fine Vacation Company)

60 tracks
V.A.

MC5やストゥージズ、そしてモータウンを生んだ街、デトロイト。そのすべての遺伝子を受け継ぎ独自のスタイルでカバーした曲の原曲集。それはガレージロックファンのみならずR&B、ソウル、ノーザンソウルファンをも魅了する珠玉のコンピレーションアルバムへと変貌を遂げた。 1994年、ボーカルのRachel NagyとギターのMary Ramirez(Mary Cobra)を中心に結成されてからというもの、デトロイトのガレージロックシーンで異彩を放ち続けてきたTHE DETROIT COBRAS。それはレパートリーのほとんどが50s~60sのR&Bやソウル、ロックンロールのカバーバンドというばかりでなく、その楽曲自体やアーティスト達へのリスペクトと愛情をも滲ませ、ごく自然なカタチで自分たちのモノとして表現してきたからに他ならない。 本作は彼女達が残した4枚のフルアルバムを中心として、そこに収録されたカバーナンバーのその原曲達で構成されている。Disc1には衝撃の1stアルバム「Mink Rat Or Rabbit」を軸として4thアルバム、EP、シングルでリリースした曲の原曲を、Disc2にもシングルや3rdアルバムでカバーした曲、さらには全曲カバーの名作2ndアルバム「Life, Love And Leaving」に収められていた全ての原曲を収録。 50s~60sのR&Bやソウル、ガールグループやモータウン、ゴスペルにニューオーリンズR&B、そしてノーザンソウルとしても支持されるレアなダンスナンバーまでもが出揃い、現代のクラブシーンにも通じる選曲のセンスは圧巻だ。 こうして彼女達が愛してやまないR&Bやソウルの隠れた名曲達が全50曲ズラリと並べばTHE DETROIT COBRASバージョンと聴き比べたくもなるが、そういった単にカバーした曲の原曲集という趣だけでなく、その選曲の妙により一つ筋の通った聴き応えのあるR&B、ソウルの傑作コンピレーションアルバムに生まれ変わったといえる作品が誕生した。

50 tracks