ART NEVILLE

Discography

V.A.

ドクター・ジョンと名のってデビューする以前、まだ10代の頃からセッション・マンとして活躍。その頃すでに才能が開花していたソングライターとしての彼にスポットを当てた珠玉の作品集。 ドクター・ジョンこと天才青年マック・レベナック(本名 マルコム・ジョン・レベナック・ジュニア)は、レコード店を営む父親の影響もあり、10代の頃から地元ニューオーリンズのスタジオに入りびたるようになる。そこで培ったニューオーリンズ・サウンドを最初はギタリストとして表現していたが1961年頃、左手薬指に銃撃を受けるというアクシデントに見舞われた以降はキーボーディストへと転向。その後もとどまる事なくセッション・ミュージシャンとして良質なニューオーリンズ・サウンドを量産し続けた。その傍らソングライターとしての才能も開花し、数多の名曲を生み出すことになる。 本作には、後にポール・バターフィールドのベター・デイズへの参加や、日本でも細野晴臣や久保田麻琴と夕焼け楽団などとの共演で知られる朋友ロニー・バロンの初期作品をはじめ、他のアーティストへの提供曲、自身名義の作品や変名ユニットでの作品などレアなナンバーが目白押し。 若き日のセッション・ワークを集めたコンピレーション・アルバムは数あれど、この時期のソングライターとしての彼に焦点を絞った逸品は珍しく、早熟で完成度が高い作品を数多く残した彼の偉大な遺産の中から厳選された全28曲は必聴だ! ラスト・ナンバーとしてボーナス・トラック的に追加収録されたのは、活動拠点をロサンゼルスに移した後、ドクター・ジョンとしてデビューする直前の1967年、いわゆるレッキング・クルーの一員としてガール・グループ、ザ・ケイクへ提供した「ワールド・オブ・ドリームス」が本作の有終の美を飾る。

28 tracks
V.A.

MC5やストゥージズ、そしてモータウンを生んだ街、デトロイト。そのすべての遺伝子を受け継ぎ独自のスタイルでカバーした曲の原曲集。それはガレージロックファンのみならずR&B、ソウル、ノーザンソウルファンをも魅了する珠玉のコンピレーションアルバムへと変貌を遂げた。 1994年、ボーカルのRachel NagyとギターのMary Ramirez(Mary Cobra)を中心に結成されてからというもの、デトロイトのガレージロックシーンで異彩を放ち続けてきたTHE DETROIT COBRAS。それはレパートリーのほとんどが50s~60sのR&Bやソウル、ロックンロールのカバーバンドというばかりでなく、その楽曲自体やアーティスト達へのリスペクトと愛情をも滲ませ、ごく自然なカタチで自分たちのモノとして表現してきたからに他ならない。 本作は彼女達が残した4枚のフルアルバムを中心として、そこに収録されたカバーナンバーのその原曲達で構成されている。Disc1には衝撃の1stアルバム「Mink Rat Or Rabbit」を軸として4thアルバム、EP、シングルでリリースした曲の原曲を、Disc2にもシングルや3rdアルバムでカバーした曲、さらには全曲カバーの名作2ndアルバム「Life, Love And Leaving」に収められていた全ての原曲を収録。 50s~60sのR&Bやソウル、ガールグループやモータウン、ゴスペルにニューオーリンズR&B、そしてノーザンソウルとしても支持されるレアなダンスナンバーまでもが出揃い、現代のクラブシーンにも通じる選曲のセンスは圧巻だ。 こうして彼女達が愛してやまないR&Bやソウルの隠れた名曲達が全50曲ズラリと並べばTHE DETROIT COBRASバージョンと聴き比べたくもなるが、そういった単にカバーした曲の原曲集という趣だけでなく、その選曲の妙により一つ筋の通った聴き応えのあるR&B、ソウルの傑作コンピレーションアルバムに生まれ変わったといえる作品が誕生した。

50 tracks