サードアイディスク合資会社


ひかり
furani
「ひかり」2019年11月3日発売1.鳥かごと教室2.ひかり3.がんばらないうたall songs words , music by furaniVocal&Piano&Melodione&Ukulele : furaniBass : 宍倉充Drums&Chorus : 齊藤JYNViolin : emyu:Violin : 丸山明子Viola : 惠藤あゆCello : くろうさRecorded by furaniStrings Arrange : furaniMixed by 根岸和寿Mixed at ネギ音楽室furaniの10枚目のミニアルバム。ピアノボーカル、ベース、ドラムとの3ピース編成でにてレコーディング。さらに「鳥かごと教室」「ひかり」は、弦楽四重奏を加えたアレンジでお届けします。


漫音(MANNON)
浦沢 直樹
1950代後半〜60年代の小学生は誰でもノートに漫画──コマ割りをしたストーリーものや、ページをめくると動き出すパラパラ漫画を描いていた。冒険譚や宇宙人が出てくるSFなんかが流行っていて、へんてこりんな名前の怪獣に大笑いした記憶がある。その中に、もの凄く絵が上手い子供がいて、みんなは彼が漫画家になると信じて疑わなかった。でもそんなことは簡単にかなうことではない。中学〜高校生になると今度はギターが憧れとなった。ギターの上手い奴は人気者で、自作自演の歌は彼がプロとしてデビューするだろうということを予感させたが、これも同じくかなうことではない。浦沢直樹氏は子供のころ、そんな子だったに違いない。そして今、現代の日本を代表する漫画家の一人であることも誰も疑うことはない。もうひとつ、彼は中学〜大学の間、もしかするとプロのミュージシャンになるということを予感させた一人だったかもしれない。この作品「漫音(MANNON)」にはその名残りがある。漫画家が片手間にやる音楽の域を超えているからだ。 上質なフォーク・ロック、ディランやニール・ヤングといった海外組から、日本のアンダーグラウンドなフォークまでを聴いてきた浦沢直樹氏ならではのサウンドと詩の世界観は、そのまま彼の漫画の吹き出しの中に登場し、BGMとして聴こえてきそうな錯覚さえ覚える。彼は漫画を描いている時、同時に音楽も一緒に作っているのだろう。Gペンの動きに合わせて、彼の頭の中ではメロディも流れ出しているはずだ。つまりこの作品は、彼が描きあげた音だけの漫画なのかもしれない。だとしたらもう聴くしかないだろう。浦沢直樹氏が描き上げた「漫音(MANNON)」は、「MONSTER」「20世紀少年」「PLUTO」「BILLY BAT」に次ぐ彼の最も新しい作品なのだから。