Salvaged Tapes
Lenna
Miyu Hosoi
Lennaは画像処理の論文などで使用されるテストイメージの”Lenna”から22.2chフォーマットのために作曲、制作されました。サラウンド音源の分野でサンプルになる楽曲が少ない現在において広く研究開発に使用いただけるような楽曲を目指しています。声と音響の森羅万象、聴く者を惹きつけたり置き去りにしたり、翻弄するような瞬間をいくつも設けた、挑戦的な楽曲に仕上がっています。 Voices & Recorded : 細井 美裕^ Composer : 上水樽力^ Mixed : 葛西敏彦 (スタジオATLIO),蓮尾美沙希^ Mastered : 風間萌(スタジオATLIO)^ Recording assisted : 飯塚晃弘(スタジオATLIO)^ 3D Audio Designer : 蓮尾美沙希^ 3D Sound System :久保 二朗 (株式会社アコースティックフィールド)^ Digital Artwork & Leaflet Design: 小貫功^
Bonus!play variations [drum]
takaramahaya
Salvaged Tapes 2024年のテーマは「memento-mori(死を想え)」。takaramahaya氏の作品を迎えました。 元来「死」は誰にも等しく、いずれ訪れるものとして捉えられてきたました。肉体や精神の消滅を覚えることもあれば、魂の通過儀礼として捉えられてきたこともあるでしょう。科学の発展に乏しい時代には、定義づけられない状態でありながらも現代の我々よりもずっと身近に存在していたものかもしれません。しかしながら、同時に人々は長くそれらを遠ざる、あるいは意図的近づける行動をとってきたと言えるでしょう。 宗教儀式や人ならざるものとの精神的な交流を通して「死」を捉え、その深淵を覗き込もうとしてきたのです。 takaramahayaは本作において、古来人類が「死」や精霊、あるいは神など交流するために用いた宗教儀礼やシャーマニズムから着想を得て、トランスの没入的実践を試みています。 自ら皮を貼り製作したドラムは、楽器の独自性もさることながら、長い歴史を通じて人類が試みてきた方法を再現する試みとも言えます。 また、オルガンにいたってはトランス状態にある精神そのものかのような、深い瞑想と思索を表しているようにも思えます。 7 inchレコードとしてリリースされた本作は、限りなく即興に近い形で演奏され、収録されました。 収録可能分数のみを頼りに、実際の演奏では時計を使用せず、体感上の時間で演奏を繰り返して録音されています。 また本作は、あえてレコードの回転数を指定していません。 人が音楽を聴くときの時間感覚の伸縮は、その都度異なるものであるはずだからです。 デジタルリリースでは、カッティングにより製造されたレコードから再度33回転と45回転で録音をした2つのバージョンが存在します。それらは象徴的な記号に他ならず、その間に、あるいはその範囲以外にも選択されうる時間があることでしょう。 本作では時間芸術である音楽が、回転数を伴うレコードという媒体に物質化されることで、ある種厳しく制限されてる再生時間、テンポ、音階から解放されたかのように映るかもしれません。 しかし流れている音から聞き手自らがそれらを捉え解釈する行為は、無限から有限を定義することに他ならず、少なからず「死」を再認識、あるいは身近に感じさせる方法として機能しています。
play variations [drum]
takaramahaya
Salvaged Tapes 2024年のテーマは「memento-mori(死を想え)」。takaramahaya氏の作品を迎えました。 元来「死」は誰にも等しく、いずれ訪れるものとして捉えられてきたました。肉体や精神の消滅を覚えることもあれば、魂の通過儀礼として捉えられてきたこともあるでしょう。科学の発展に乏しい時代には、定義づけられない状態でありながらも現代の我々よりもずっと身近に存在していたものかもしれません。しかしながら、同時に人々は長くそれらを遠ざる、あるいは意図的近づける行動をとってきたと言えるでしょう。 宗教儀式や人ならざるものとの精神的な交流を通して「死」を捉え、その深淵を覗き込もうとしてきたのです。 takaramahayaは本作において、古来人類が「死」や精霊、あるいは神など交流するために用いた宗教儀礼やシャーマニズムから着想を得て、トランスの没入的実践を試みています。 自ら皮を貼り製作したドラムは、楽器の独自性もさることながら、長い歴史を通じて人類が試みてきた方法を再現する試みとも言えます。 また、オルガンにいたってはトランス状態にある精神そのものかのような、深い瞑想と思索を表しているようにも思えます。 7 inchレコードとしてリリースされた本作は、限りなく即興に近い形で演奏され、収録されました。 収録可能分数のみを頼りに、実際の演奏では時計を使用せず、体感上の時間で演奏を繰り返して録音されています。 また本作は、あえてレコードの回転数を指定していません。 人が音楽を聴くときの時間感覚の伸縮は、その都度異なるものであるはずだからです。 デジタルリリースでは、カッティングにより製造されたレコードから再度33回転と45回転で録音をした2つのバージョンが存在します。それらは象徴的な記号に他ならず、その間に、あるいはその範囲以外にも選択されうる時間があることでしょう。 本作では時間芸術である音楽が、回転数を伴うレコードという媒体に物質化されることで、ある種厳しく制限されてる再生時間、テンポ、音階から解放されたかのように映るかもしれません。 しかし流れている音から聞き手自らがそれらを捉え解釈する行為は、無限から有限を定義することに他ならず、少なからず「死」を再認識、あるいは身近に感じさせる方法として機能しています。
play variations [organ]
takaramahaya
Salvaged Tapes 2024年のテーマは「memento-mori(死を想え)」。takaramahaya氏の作品を迎えました。 元来「死」は誰にも等しく、いずれ訪れるものとして捉えられてきたました。肉体や精神の消滅を覚えることもあれば、魂の通過儀礼として捉えられてきたこともあるでしょう。科学の発展に乏しい時代には、定義づけられない状態でありながらも現代の我々よりもずっと身近に存在していたものかもしれません。しかしながら、同時に人々は長くそれらを遠ざる、あるいは意図的近づける行動をとってきたと言えるでしょう。 宗教儀式や人ならざるものとの精神的な交流を通して「死」を捉え、その深淵を覗き込もうとしてきたのです。 takaramahayaは本作において、古来人類が「死」や精霊、あるいは神など交流するために用いた宗教儀礼やシャーマニズムから着想を得て、トランスの没入的実践を試みています。 自ら皮を貼り製作したドラムは、楽器の独自性もさることながら、長い歴史を通じて人類が試みてきた方法を再現する試みとも言えます。 また、オルガンにいたってはトランス状態にある精神そのものかのような、深い瞑想と思索を表しているようにも思えます。 7 inchレコードとしてリリースされた本作は、限りなく即興に近い形で演奏され、収録されました。 収録可能分数のみを頼りに、実際の演奏では時計を使用せず、体感上の時間で演奏を繰り返して録音されています。 また本作は、あえてレコードの回転数を指定していません。 人が音楽を聴くときの時間感覚の伸縮は、その都度異なるものであるはずだからです。 デジタルリリースでは、カッティングにより製造されたレコードから再度33回転と45回転で録音をした2つのバージョンが存在します。それらは象徴的な記号に他ならず、その間に、あるいはその範囲以外にも選択されうる時間があることでしょう。 本作では時間芸術である音楽が、回転数を伴うレコードという媒体に物質化されることで、ある種厳しく制限されてる再生時間、テンポ、音階から解放されたかのように映るかもしれません。 しかし流れている音から聞き手自らがそれらを捉え解釈する行為は、無限から有限を定義することに他ならず、少なからず「死」を再認識、あるいは身近に感じさせる方法として機能しています。
play variations [organ]
takaramahaya
Salvaged Tapes 2024年のテーマは「memento-mori(死を想え)」。takaramahaya氏の作品を迎えました。 元来「死」は誰にも等しく、いずれ訪れるものとして捉えられてきたました。肉体や精神の消滅を覚えることもあれば、魂の通過儀礼として捉えられてきたこともあるでしょう。科学の発展に乏しい時代には、定義づけられない状態でありながらも現代の我々よりもずっと身近に存在していたものかもしれません。しかしながら、同時に人々は長くそれらを遠ざる、あるいは意図的近づける行動をとってきたと言えるでしょう。 宗教儀式や人ならざるものとの精神的な交流を通して「死」を捉え、その深淵を覗き込もうとしてきたのです。 takaramahayaは本作において、古来人類が「死」や精霊、あるいは神など交流するために用いた宗教儀礼やシャーマニズムから着想を得て、トランスの没入的実践を試みています。 自ら皮を貼り製作したドラムは、楽器の独自性もさることながら、長い歴史を通じて人類が試みてきた方法を再現する試みとも言えます。 また、オルガンにいたってはトランス状態にある精神そのものかのような、深い瞑想と思索を表しているようにも思えます。 7 inchレコードとしてリリースされた本作は、限りなく即興に近い形で演奏され、収録されました。 収録可能分数のみを頼りに、実際の演奏では時計を使用せず、体感上の時間で演奏を繰り返して録音されています。 また本作は、あえてレコードの回転数を指定していません。 人が音楽を聴くときの時間感覚の伸縮は、その都度異なるものであるはずだからです。 デジタルリリースでは、カッティングにより製造されたレコードから再度33回転と45回転で録音をした2つのバージョンが存在します。それらは象徴的な記号に他ならず、その間に、あるいはその範囲以外にも選択されうる時間があることでしょう。 本作では時間芸術である音楽が、回転数を伴うレコードという媒体に物質化されることで、ある種厳しく制限されてる再生時間、テンポ、音階から解放されたかのように映るかもしれません。 しかし流れている音から聞き手自らがそれらを捉え解釈する行為は、無限から有限を定義することに他ならず、少なからず「死」を再認識、あるいは身近に感じさせる方法として機能しています。
Junebug Rhapsody
ermhoi
Salvaged Tapes 2023年のテーマは「水鏡-water reflection」。 鏡は古来より神秘的なもの、異界へのつながり、真実を写すものとして象徴的な役割を果たしてきました。 人類がその手で鏡の製造が可能になるまで、水面の反射を鏡として用いていたことも事実です。現代おいて私たちが鏡を覗き込むのはなぜでしょう。 自己の存在を確認するため、ありたい自己への道程を確認するためー覗き込むものの心理状態によってもその動機は様々なはずです。 古来の朧げな水鏡とは違い、人工的に製造された現代の鏡ははっきりとその姿を映し出してくれます。 見る。見たい。という動機はどの時代にも共通するかもしれません。 では、はっきりと写る高水準な鏡を覗くとき、果たして私たちの望んだものは映し出されているでしょうか。 ermhoiは、確かな意志や動機を元に行われる行為に対する反応に、予期しないゆらぎが含まれることを作品のなかで示しています。 過去の記憶を辿る行為は能動的でありながら、一方で時間の経過とともに、記憶に刻まれた事実が現実と乖離していることに気付くこともあるでしょう。 その乖離を冷静に見つめ、行為の発端から、揺らぎを含んだ反応までをも含めて新たな作品として固定化する行為は、私たちが水面から受け取る本来的に揺らぎを含んだわたしたち、本質的に身体と心理に揺らぎを持つ私たちを肯定することに似ているのかもしれません。
Junebug Rhapsody
ermhoi
Salvaged Tapes 2023年のテーマは「水鏡-water reflection」。 鏡は古来より神秘的なもの、異界へのつながり、真実を写すものとして象徴的な役割を果たしてきました。 人類がその手で鏡の製造が可能になるまで、水面の反射を鏡として用いていたことも事実です。現代おいて私たちが鏡を覗き込むのはなぜでしょう。 自己の存在を確認するため、ありたい自己への道程を確認するためー覗き込むものの心理状態によってもその動機は様々なはずです。 古来の朧げな水鏡とは違い、人工的に製造された現代の鏡ははっきりとその姿を映し出してくれます。 見る。見たい。という動機はどの時代にも共通するかもしれません。 では、はっきりと写る高水準な鏡を覗くとき、果たして私たちの望んだものは映し出されているでしょうか。 ermhoiは、確かな意志や動機を元に行われる行為に対する反応に、予期しないゆらぎが含まれることを作品のなかで示しています。 過去の記憶を辿る行為は能動的でありながら、一方で時間の経過とともに、記憶に刻まれた事実が現実と乖離していることに気付くこともあるでしょう。 その乖離を冷静に見つめ、行為の発端から、揺らぎを含んだ反応までをも含めて新たな作品として固定化する行為は、私たちが水面から受け取る本来的に揺らぎを含んだわたしたち、本質的に身体と心理に揺らぎを持つ私たちを肯定することに似ているのかもしれません。
fragments
ryo sugimoto
Salvaged Tapes 2022 年のコレクションテーマは「雨を待つ庭」。 人々の個性や潜在的な可能性がどのように成長し実を結んでゆくのか、 その過程を体験する作品としてryo sugimotoの作品を迎えました。 作品の制作には Native Insturumentus 社の Kontakt 用アコースティックピアノ音源「Noire」のみを使用しています。 各楽曲は楽譜として記載されていますが、そこには通常の演奏指示のみならず、 プラグインの各種パラメータ設定、時間的変化が指定されています。 再現芸術としてのクラシックの解釈を拡大し、 一見無個性にも思える電子機器の設定とプラグインの使用タイミングまでをも 指定した時、演奏者の個性はどこに宿るのかを提示する試みです。 レコーディングは演奏ホールで行われました。 音が発生した際の聴感を再現するため、ホールの響きを取り入れて録音しています。 それぞれの演奏者が演奏し再現する際には、 演奏される場所による再現性のゆらぎもユニークになりうるかもしれません。 作品のスコアはレーベルサイトよりダウンロードいただけます。
fragments
ryo sugimoto
Salvaged Tapes 2022 年のコレクションテーマは「雨を待つ庭」。 人々の個性や潜在的な可能性がどのように成長し実を結んでゆくのか、 その過程を体験する作品としてryo sugimotoの作品を迎えました。 作品の制作には Native Insturumentus 社の Kontakt 用アコースティックピアノ音源「Noire」のみを使用しています。 各楽曲は楽譜として記載されていますが、そこには通常の演奏指示のみならず、 プラグインの各種パラメータ設定、時間的変化が指定されています。 再現芸術としてのクラシックの解釈を拡大し、 一見無個性にも思える電子機器の設定とプラグインの使用タイミングまでをも 指定した時、演奏者の個性はどこに宿るのかを提示する試みです。 レコーディングは演奏ホールで行われました。 音が発生した際の聴感を再現するため、ホールの響きを取り入れて録音しています。 それぞれの演奏者が演奏し再現する際には、 演奏される場所による再現性のゆらぎもユニークになりうるかもしれません。 作品のスコアはレーベルサイトよりダウンロードいただけます。
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R N S T
Salvaged Tapes2019年のテーマは「Juvenile」。 夢中でそれを追いかけていくとき、悪意なく何かを犠牲にしてしまうような残酷さを、R N S Tに表現していただきました。 息せき駆けてゆくように強く鼓動するビート。 飛ぶようにすぎる景色のように目まぐるしく変化してゆく展開。野外フェスへの出演や広告音楽の制作など、 多様な表現方法を模索してきた彼らが表現するJuvenileは、 赴くまま、本能のままに突き進んでゆく少年のような力強さを持って、 私たちを音の世界へ巻き込んでいきます。過去にEPとアルバム2作をセルフタイトルアルバムとしてリリースしてきたR N S T。 3枚目のアルバムとなる今作では、テーマに沿った制作を行うことでその制作方法は大きく異なったといいます。 過去の彼らの作品では、ジャムセッションでお互いの音を聴きながら制作するスタイルが主流でしたが、今回はそれぞれが思う音、出したい音をプリプロとしてデータで送り合うというアプローチで作成されました。それは、Juvenileというコンセプトを本人たちが解釈し、かつて好きだった音楽や、各々のルーツに向き合うために、陽(ボーカル、プログラミング担当)が提案したことでした。 陽は、「我々だからできると思いました。他のバンドがやってもうまくいかないだろうし、きっと破綻する。」と、メンバーへの信頼があるからこそ試みた経緯を話します。 最初に制作したというM1 『Occur』で初めてこの方法を用いて制作したそうですが、同曲の制作を通して、メンバー全員が同じ方向を向けていることを確信し、その他の曲も同じ方法で制作することに決めたそうです。 Sanson(ベース担当)は、「自分のルーツとなる音楽をすべて聞き直して制作に臨みました。後で加工しやすいようになるべくエフェクトを多様せずフラットな状態で録音しておくことが多かった過去の作品の制作過程とは異なり、音作りを積極的にエフェクターボード上で行いました。そうすることで、曲の中で自身の音の居場所をより深く考えるようになった。」と振り返っています。 また、宇宙(ギター担当)は、「純粋な音作りへの探求にチャレンジできました。シンセのような音色を多用していますが、フレージングやダイナミクスはしっかりとギターを感じられるように制作しました。」と語ります。 3人がそれぞれに目指す音を出し合った今作。それでも1つ作品として表現できるのは、バンドとして共通の世界観を持っているというのはもちろん、彼らの持つ好奇心や探究心、音作りへの力強さ、少年のような心そのものが、ずっと失われることなく、内に輝いているからかもしれません。 マスタリングを手がけた、ROVOやスーパーカーのプロデュースでも活躍する益子樹氏もまた同じく、今作のテーマにブレのないアプローチを掲げています。 音楽フェスへの出演や映画、広告音楽の制作など、多彩な活動を続けるR N S T。 彼らの表現するJuvenileを感じられる1枚となっています。
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R N S T
Salvaged Tapes2019年のテーマは「Juvenile」。 夢中でそれを追いかけていくとき、悪意なく何かを犠牲にしてしまうような残酷さを、R N S Tに表現していただきました。 息せき駆けてゆくように強く鼓動するビート。 飛ぶようにすぎる景色のように目まぐるしく変化してゆく展開。野外フェスへの出演や広告音楽の制作など、 多様な表現方法を模索してきた彼らが表現するJuvenileは、 赴くまま、本能のままに突き進んでゆく少年のような力強さを持って、 私たちを音の世界へ巻き込んでいきます。過去にEPとアルバム2作をセルフタイトルアルバムとしてリリースしてきたR N S T。 3枚目のアルバムとなる今作では、テーマに沿った制作を行うことでその制作方法は大きく異なったといいます。 過去の彼らの作品では、ジャムセッションでお互いの音を聴きながら制作するスタイルが主流でしたが、今回はそれぞれが思う音、出したい音をプリプロとしてデータで送り合うというアプローチで作成されました。それは、Juvenileというコンセプトを本人たちが解釈し、かつて好きだった音楽や、各々のルーツに向き合うために、陽(ボーカル、プログラミング担当)が提案したことでした。 陽は、「我々だからできると思いました。他のバンドがやってもうまくいかないだろうし、きっと破綻する。」と、メンバーへの信頼があるからこそ試みた経緯を話します。 最初に制作したというM1 『Occur』で初めてこの方法を用いて制作したそうですが、同曲の制作を通して、メンバー全員が同じ方向を向けていることを確信し、その他の曲も同じ方法で制作することに決めたそうです。 Sanson(ベース担当)は、「自分のルーツとなる音楽をすべて聞き直して制作に臨みました。後で加工しやすいようになるべくエフェクトを多様せずフラットな状態で録音しておくことが多かった過去の作品の制作過程とは異なり、音作りを積極的にエフェクターボード上で行いました。そうすることで、曲の中で自身の音の居場所をより深く考えるようになった。」と振り返っています。 また、宇宙(ギター担当)は、「純粋な音作りへの探求にチャレンジできました。シンセのような音色を多用していますが、フレージングやダイナミクスはしっかりとギターを感じられるように制作しました。」と語ります。 3人がそれぞれに目指す音を出し合った今作。それでも1つ作品として表現できるのは、バンドとして共通の世界観を持っているというのはもちろん、彼らの持つ好奇心や探究心、音作りへの力強さ、少年のような心そのものが、ずっと失われることなく、内に輝いているからかもしれません。 マスタリングを手がけた、ROVOやスーパーカーのプロデュースでも活躍する益子樹氏もまた同じく、今作のテーマにブレのないアプローチを掲げています。 音楽フェスへの出演や映画、広告音楽の制作など、多彩な活動を続けるR N S T。 彼らの表現するJuvenileを感じられる1枚となっています。
Orb
Miyu Hosoi
Salvaged Tapesの2019年のテーマは「Juvenile(少年性)」。Miyu Hosoiには、少年の持つ純粋さや、真っ白な心、芯の強さをテーマに作品制作を行っていただきました。 すべて自身の声のみで制作するという制限のもと、合唱の起源である単旋律をリバーブを使用せず残響のみで制作したM1 Chant、少ない声部ながら印象に強く残るM2 Jardin、楽器としての声の可能性を究極まで探求したM4 Fonisなど、それぞれが独立した役割を果たしながらも、1枚のアルバムとして圧倒的に美しく凛とした佇まいで存在しています。 M6 Lenna (HPL22 ver) は画像処理の論文などで使用されるテストイメージの”Lenna”から22.2chフォーマットのために作曲、制作されました。サラウンド音源の分野でサンプルになる楽曲が少ない現在において広く研究開発に使用いただけるような楽曲を目指しています。声と音響の森羅万象、聴く者を惹きつけたり置き去りにしたり、翻弄するような瞬間をいくつも設けた、挑戦的な楽曲に仕上がっています。 M1~M5 : 2chステレオ音源^ M6 : ヘッドフォン受聴用のHPL音源^ お手持ちのヘッドフォンやイヤホンにて22.2chサラウンドをお楽しみいただけます。^ Voices & Performed : 細井美裕^ Recorded & Mixed : ^ M1 葛西敏彦 (スタジオATLIO)^ M2,3,5 rec 細井美裕 / mix 葛西敏彦 ^ M4 Rec : 坂東祐大, mix : 坂東祐大 葛西敏彦 ^ M6 rec 細井美裕 / mix蓮尾美沙希 葛西敏彦^ Composer : ^ M1 石若駿^ M2 江﨑文武^ M3 加藤祐輔 ^ M4 坂東 祐大^ M5 細井美裕^ M6 上水樽力^ Mastered : 風間萌(スタジオATLIO)^ Recording assisted : 飯塚晃弘(スタジオATLIO)^ 3D Audio Designer : 蓮尾美沙希^ 3D Sound System :久保 二朗 (株式会社アコースティックフィールド)^ Reverberation Room : 株式会社小野測器^ Digital Artwork & Leaflet Design: 小貫功^ Sacoche : UNNUN^
Bonus!気配と二つのハサミ
BERVATRA
-再インストール-具現化された電子音楽。 本来固定されることのない「音」。本作では、有機的ともいえる日常にあふれている素材を、画一化されたビートに落とし込むことで、無意識に通り過ぎてしまった事象が強制力を持って提示されます。では、本来消えてゆくはずの音が内包する感情は、その音が繰り返されることによって永続するのでしょうか。彼らの作品はその疑問を直接投げかけることに成功しています。日常に現れては消えてゆく音を捕まえ、連綿と続くオーディオファイルの波 形にハサミを入れる。本来連続し得ないものが繰り返し表されたときにもたらされるものは、人工物のもつ不自然さ、妖しさ、あるいは中毒的な快楽でしょうか。グラフィックデザイナー、東京塩麹のメンバーとしても活躍中のtakaramahaya を迎えることで、日常音と非日常音の差を暗示しているよう にも見えます。クリエイティヴ・ディレクターとして長年活躍してきた須田と、映像作家とし て活躍してきた島本によるユニットBERVATRA。 大人が本気で取り組む自由研究。その妖しさと狡さこそ、まさに夜の匂いなのです。
Junior Refugee
ermhoi
ermhoi 1stアルバム。 日本人の父とアイルランド人の母を持ち、ジャズ・バンド Mr,Elephants の紅一点メンバーとして活動するシンガー & トラン ペッターのエリンが、宅録 ソロ・ユニット ermhoi ( エルムホイ ) 名義で遂にアルバムをリリース。Mr,Elephants ではその卓越したヴォーカルセンスを遺憾なく発揮し、六本木スー パーデラックスでのワンマン公演では100人以上の動員を記録。本作では、自身の内面を究極まで追求し、彼女が幼少期から親しんできたインディロック、 エレクトロニカ、ジャズ、アンビエントなど様々な音楽性を融合させ、 類まれなる個性を打ち出しています。 無垢にも響く神秘的な歌声と、Bjork や Joanna Newsom の楽曲に見られるアーティスティックなそのセンスは、 ジャズの素養に裏打ちされた確かなソ ングライティング力とともに、アルバム全体を芸術の域へと引き上げることに 成功しています。 映像作品との見事なコラボレーションを披露した 「Why?」は、Youtube で公開するやデモ音源ながら瞬く間に再生回数 3,500 回 以上を記録。北欧的なアンビエンスが広がる「Second Thought」、タイトなラップが小 気味良いキュートさを醸し出す「I'll Never」、そしてじんわりと効いてくるメロディとテンポに圧倒される「Deets」等、強烈な才気とオリジナリティ を感じ させる楽曲は各方面からも注目を集めています。自身が過去に出会ってきた音楽をすべて消化してアウトプットできる多様性を、時に可憐に、 時に大胆に見せつけてくれる作品となっています。 サ イ ン ・ マ ガ ジ ン に て 、「 ジ ュ リ ア ・ ホ ル タ ー よ り 躍 動 的 で 、 ローレル・ヘイローより軽やかで、FKA ツイッグスより牧歌的でドリーミー」 と称された彼女。 ジャンルの枠をいとも簡単に超越する、 本物の才能と実験精神の幸福な出会いが、極限までに凝縮された作品と言えるでしょう。