78label


Another Heaven
MORE THAN PARADISE
リリースされてから、もう30年になるのに、いまだに色あせない輝きを放つ2枚のアルバムがある。More Than Paradiseの作品だ。ラテンのエッセンスを思いきりちりばめて、夏と海のイメージをふんだんに取り入れ、おしゃれで洗練されている。最近のジャパニーズ・シティ・ポップ、リバイバルにおいても、傑作として評価は高いのだ。 2021年、モアパラは再びレコーディングを開始した。鈴木雄大、景家淳、鎌田英子(A-mi)というオリジナルメンバーに、村瀬由衣も参加して、4人でのスタートだ。鈴木、景家、村瀬はソロアーテイストとして、またコンポーザーや、シンガーとして現役で活動を続けてきたプロフェッショナルたちである。鎌田も、7年前からモアパラのライブでステージに立つ。 30年ぶりの新作にあたり「ラテンのイメージ、ブラジルとかボサノバとかサンバとかジャズとか。そういう自分たちの中にある引き出しから、今の僕らがどんな音楽ができるのかが楽しみだった(景家)」という。楽曲は、鈴木、景家、鎌田の3人が中心となって担当し、アレンジには大御所、船山元基氏、気鋭の安部潤氏、ベテラン山田秀俊氏も参加。 トップミュージシャンも集結して、変化に富んだコンテンポラリーなサウンドを展開している。「これだけ最高峰のテクニックと、ハートのある人たちが集まると、どうしてもおしゃれにもなる(鈴木)」と、笑う。 さらに、モアパラといえば、夏。外出にも気を使うご時世だが、夏を感じれば、心と体が動き出す。「人には、はじけたくなる季節がある。そういう時に聴いてほしい(鎌田)」。 鎌田の歌はキュートでパワーをひめ、村瀬のボーカルは、おだやかだが大きなうねりで圧倒する。ラブソングの名手、鈴木のハートフルな歌声と、インパクト大の景家のトーンもいい。 「今回はぜひ、コーラスワークにも耳を傾けて(村瀬)」。全9曲中のいろんな場面で、4人の技巧をこらした綺麗なハーモニーが流れる。とくにアントニオ・カルロス・ジョビンの『Dindi』のカバーは必聴だ。 では最後に、あなたにとってのMore Than Paradiseは? 「音楽って、気持ちが上がるもの。不穏な時代だからこそ、みんなの心を音楽で、元気にできれば嬉しい。そこがモアパラの魅力、そのためにやっています(鈴木)」 『Another Heaven』が、きっと、あなたのパラダイスになりますように。


人生はひとつ でも一度じゃない (Cover)
吉田栄作
“人生は一度だけ”という意味を持つアルバム『We Only Live Once』を引っさげて、華々しくデビュー30周年を駆け抜けてきた吉田栄作が、新たなメッセージでそのアニバーサリーを締めくくる。それが8月25日に配信リリースする新曲「人生はひとつ でも一度じゃない」だ。 この曲は、一時は引退を考えていた財津和夫が「自分で自分を励ませる歌を作りたい」という想いから、10年ぶりの新曲として昨年発表した楽曲である。財津和夫を追うドキュメンタリー番組を観たプロデューサーを通じて、吉田栄作はこの曲と出合い、心を動かされてカヴァーすることを決意した。 「僕の最初のヒット曲が『心の旅』。あれから30年経ってまた財津さんの曲を歌えることに運命を感じます。この曲は“人生はひとつ”しかないからもうだめかもと思った人も、“でも一度じゃない”というフレーズで勇気をもらえる曲なんです。財津さんがそうだっただろうし、僕にもそういうことがあった。だから歌いたい、伝えたいと強く感じたんです」 確かに彼の生き様は、けっして安泰ではなく波乱万丈だ。19歳で芸能界デビューを果たし、一躍ドラマの主役を張る人気俳優へと成長。歌手としてもヒットに恵まれた。しかし、人気絶頂期に役者修行のためにすべてを捨てて渡米。帰国後は紆余曲折を経ながら今のポジションを作り上げた。30周年を期に長年お世話になったワタナベエンタテインメントを離れて独立したが、その矢先にはアルバムを携えた20数年ぶりの東名阪ライヴツアーが、コロナ禍によって延期に次ぐ延期を余儀なくされた。しかし、そうやってファンを待たせてやっと実現できたツアーだったからこそ、この新曲をライヴで披露することが出来たとも言い換えられるだろう。そしてその反響の様子は、ツアーを記録したライヴ・アルバム『30TH ANNIVERSARY LIVE / WE ONLY LIVE ONCE』でも聴くことができる。この新曲からは、彼が“Chapter 3”と呼ぶ、独立してからの吉田栄作のテーマソングのように響いてくるのだ。 「“Chapter 3”はもっと楽しみたいと思っています。まずは一般的な定年の65歳まで走り抜きたい(笑)。そして自分だけでなく、周りの人のためにも頑張りたいんですよ。スタッフやファンの人たちが喜んでくれることが、僕のこれからの生きがいなんです」 明るくポジティヴな声で高らかに歌う「人生はひとつ でも一度じゃない」。ドラマティックな生き様を謳歌し、人々に喜びを与えてることを生きがいとする吉田栄作にとっては、運命とはいえ必然的に出合い、そして歌うべき人生讃歌なのだ。


人生はひとつ でも一度じゃない (Cover)
吉田栄作
“人生は一度だけ”という意味を持つアルバム『We Only Live Once』を引っさげて、華々しくデビュー30周年を駆け抜けてきた吉田栄作が、新たなメッセージでそのアニバーサリーを締めくくる。それが8月25日に配信リリースする新曲「人生はひとつ でも一度じゃない」だ。 この曲は、一時は引退を考えていた財津和夫が「自分で自分を励ませる歌を作りたい」という想いから、10年ぶりの新曲として昨年発表した楽曲である。財津和夫を追うドキュメンタリー番組を観たプロデューサーを通じて、吉田栄作はこの曲と出合い、心を動かされてカヴァーすることを決意した。 「僕の最初のヒット曲が『心の旅』。あれから30年経ってまた財津さんの曲を歌えることに運命を感じます。この曲は“人生はひとつ”しかないからもうだめかもと思った人も、“でも一度じゃない”というフレーズで勇気をもらえる曲なんです。財津さんがそうだっただろうし、僕にもそういうことがあった。だから歌いたい、伝えたいと強く感じたんです」 確かに彼の生き様は、けっして安泰ではなく波乱万丈だ。19歳で芸能界デビューを果たし、一躍ドラマの主役を張る人気俳優へと成長。歌手としてもヒットに恵まれた。しかし、人気絶頂期に役者修行のためにすべてを捨てて渡米。帰国後は紆余曲折を経ながら今のポジションを作り上げた。30周年を期に長年お世話になったワタナベエンタテインメントを離れて独立したが、その矢先にはアルバムを携えた20数年ぶりの東名阪ライヴツアーが、コロナ禍によって延期に次ぐ延期を余儀なくされた。しかし、そうやってファンを待たせてやっと実現できたツアーだったからこそ、この新曲をライヴで披露することが出来たとも言い換えられるだろう。そしてその反響の様子は、ツアーを記録したライヴ・アルバム『30TH ANNIVERSARY LIVE / WE ONLY LIVE ONCE』でも聴くことができる。この新曲からは、彼が“Chapter 3”と呼ぶ、独立してからの吉田栄作のテーマソングのように響いてくるのだ。 「“Chapter 3”はもっと楽しみたいと思っています。まずは一般的な定年の65歳まで走り抜きたい(笑)。そして自分だけでなく、周りの人のためにも頑張りたいんですよ。スタッフやファンの人たちが喜んでくれることが、僕のこれからの生きがいなんです」 明るくポジティヴな声で高らかに歌う「人生はひとつ でも一度じゃない」。ドラマティックな生き様を謳歌し、人々に喜びを与えてることを生きがいとする吉田栄作にとっては、運命とはいえ必然的に出合い、そして歌うべき人生讃歌なのだ。