夜に名前を


愛は風景
僕のレテパシーズ
たとえば 雨の信号 たとえば 雨の少年 たとえば 笑う少年と僕ら たとえば 思い出の海 愛は思うものじゃなくて 愛は感じるものじゃなくて 愛はただの風景だから 僕はただ眺めてる たとえば あの頃の事が たとえば 冗談みたいに たとえば 思えるような静かな夜の 街を君が訪れても 愛は触れるものじゃなくて 愛は過ぎていくものじゃなくて 愛はただの風景だから 君もただ眺めてね 愛は消えるものじゃなくて 愛は消えないものじゃなくて 愛はただの風景だから 僕も君も眺めてる


海へ行こうよ
僕のレテパシーズ
海へ行こうよ テトラポットの上で ラジオでも聞こうよ きっといい曲がかかるよ 海へ行こうよ 雨が降ったっていいし 傘はじゃまだから 別に持って行かなくてもいいんじゃないか 海へ行こうよ 人が暮らしてるとこで 旅人になろうよ たった半日でいいよ 海へ行こうよ そして夜を向かえたら 別々になろうよ 君は一人でいる方がキレイじゃないか もう一度だけ僕は 君に話したい事があるんだよ だから今すぐに 海へ行かないか 海へ行こうよ 悲しみは話すものじゃなく 眺めてるものさ 空と区別できなくなるまで 海へ行こうよ バイクが遠く去って行く そんな瞬間に きっと波の音が君にも聞こえるだろう そんな所に立ってたら いつか君は本当に 気が狂っていってしまうだろう 海へ行かないか 最後に一つ僕は 君に伝えたい事があるんだよ だから今すぐに 海へ行かないか 海へ行こうよ 海へ行こうよ


やさしい人
僕のレテパシーズ
死にかけの猫が 笑う時にだけ 愛を感じる 君の事が好きだよ 海や山には連れて行けないけど 歌を歌うから 聞きに来ておくれ 夜になったら 月が出るように 朝になったら 人が歩くように あたり前の事 君の悲しみは ずっと続くんだ 君が君ならば 傘をさしたら君はぬれないけど 街はぬれるだろ? 街がぬれると君は悲しくなる 傘をさしてても さっきまでベンチにいた誰かが消えているように ちゃんと風景になれてるね 君は やさしい人だから 死にかけの君が 笑うのを見たよ 愛を感じたよ 僕の事も好きだよ


君しかいない
僕のレテパシーズ
誰もいない惑星で 僕一人で過ごし 遠い星のラジオの声に 耳を澄ましては消した 誰もいないと思ったのに 君を見つけたので 一人じゃなくて 二人になっただけの事 遠い星の人達が この星を覗けば 二人でいる僕達は 恋人に見えるだろう とても君は楽しいし 素敵だと思うが この星には僕らしか いないだけの事 遠い星の人達が この星を覗けば 二人でいる僕達は 友達に見えるだろう 愛の言葉は囁かず 乾杯も握手もない 他に誰もいないからさ 君しかいないだけ 遠い星の人達が この星を覗けば 二人きりの僕達は 家族に見えるだろう 友達に見えるだろう 恋人に見えるだろう


君とスピッツ
僕のレテパシーズ
君はスピッツが好き 君は洗い物をする時に毎回スピッツをかけている 君はスピッツが好き 僕もいいな、と思い 一人で洗い物をする時にスピッツかけてみたけれど そんなに良くはなかった なんでだろう 君が中2の頃に作ったカセットテープ 君が聞いてるのを聞いてる時は あんなにいいのにね 君はスピッツが好き 君は掃除機をかけてる時もほとんど聞こえていないのに 毎回スピッツを聞く 僕もいいな、と思い 一人で掃除機をかけてる時にスピッツかけてみたけれど あんまり良くはなかった(聞こえないしね)なんでだろう 君が中2の頃から聞いていたカセットテープ 君が聞いてるのを聞いてる時は あんなにいいのにな


精神障害者は天使 ちほう老人は神様
僕のレテパシーズ
精神障害者は天使 ちほう老人は神様 君が優しくした分だけ 天国に近づける 天国のえらい人が 君の優しさをはかるため 精神障害者は天使 ちほう老人は神様 どこまでも行こうなんて どうしようもないね 君の事が好きで好きでたまらないから 自殺をしようなんて悲しすぎるだけだろ 精神障害者は天使 ちほう老人は神様 精神障害者は天使 ちほう老人は神様 君が冷たくした分だけ 地獄に近づける 地獄のえらい人が 君の冷たさをはかるため 精神障害者は天使 ちほう老人は神様 どこまでも行こうなんて どうしようもないね 君の事が好きで好きでたまらないから 長生きしようなんて くだらない事言うなよ 精神障害者は天使 ちほう老人は神様


プレスカブのスピードで
僕のレテパシーズ
プレスカブのスピードで 旅に出るの プレスカブのスピードで 新しい朝へと 時速40kmの風になるの 時速40kmの歌にのせて プレスカブのスピードで お前らの事など プレスカブのスピードで 忘れてしまえるの プレスカブのスピードで 旅に出たの プレスカブのスピードで夜風と並走 時速80kmじゃ 風を切り裂くだけ 時速40kmなら 風になるの プレスカブのスピードで お前らの事など プレスカブのスピードで 忘れてしまえるの 忘れてしまうの


ロマンチック
僕のレテパシーズ
海に捨てられた空缶は 色んな物を見てきた 穴が開き錆がついて やっと海になれたのに ボランティアに拾われて カップヌードルの容器と ゴミ袋に入れられて またゴミに戻された Oh yeah ロマンチック 人殺し少年は 色んな空を見てきた 日が昇り 日が沈み やっと空になれたのに 警察につかまって 同級生は出現 施設に入れられて また人に戻された woo yeah ロマンチック 森に捨てられた車 色んな天気の中で 四つの季節集めて やっと森になれたのに 土地の所有者が見つけ 怒って電話して 業者に運ばれて また鉄に戻された Oh yeah ロマンチック 古い名作の絵画 色んな暮らしを見たよ 価値のわからぬジジイの家で やっとしみになれたのに ジジイが死んで見つかり セザンヌとさわがれて オークションに出されて また名作に戻された woo yeah ロマンチック


ロックンロールじゃ踊れない
僕のレテパシーズ
若者がロックンロールで遊んでる 「人々を一人一人眺めたら ほらこんなにも素敵な世界でしょ?」って言われたような気がして ロックンロールじゃ踊れない あんなに大嫌いだった人達の事が なんだか この頃 素敵に見えてきて あんなに大好きだった 自分の事が嫌いになった 僕は変わってしまった 中年もロックンロールで遊んでる 夕暮れのような 友情と愛と恋と たくさんの思い出達の8ビートが速すぎて 美しすぎて 無理だよ ロックンロールじゃ踊れない あんなに目障りだった人達の事が なんだか とっても素敵に見えてきて あんなにずっと一緒にいた 自分の事が目障りになった 僕は変わってしまった 嫌いになった 僕は変わってしまった 無理だよ 僕は ロックンロールじゃ踊れない