| Title | Duration | Price | ||
|---|---|---|---|---|
| 1 |
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OPENING CEREMONY alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 03:12 | |
| 2 |
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Lizaveta alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 04:11 | |
| 3 |
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peoples potential unlimited alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 02:37 | |
| 4 |
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thinking of you alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 02:24 | |
| 5 |
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Letter from Six-Gamelan Syndicate alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 03:47 | |
| 6 |
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daisy miller pt.2 alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 03:31 | |
| 7 |
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bikinikill alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 03:40 | |
| 8 |
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Fahrenheit 451 alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 02:49 | |
| 9 |
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RADIO VIETNAM alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 02:57 | |
| 10 |
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Pacific 724 alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 03:34 | |
| 11 |
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choo choo train alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 03:12 | |
| 12 |
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turn groove sounds on alac,flac,wav,aac: 16bit/44.1kHz | 04:34 |
2010年代初頭、日本のインディー・ミュージック・コミュニティに変化が起きました。ブログやソーシャル・メディアの発展により、国内外を問わず、あらゆるクリエイターがインターネットを介してオーディエンスを獲得できるようになった。 東京の4人組バンド、möscow çlub(モスクワ・クラブ)は、この時代の自由奔放なサウンドを楽曲に凝縮している。 彼らの音楽はオンラインで共有されているため、誰でもアクセスでき、インディー・ポップからSFの影響を受けたシンセまで、さまざまなサウンドを全世界に発信し、ネット上だけでなくライブでの活動による人気も確立していった。
2013年にリリースされた『Station M.C.Ç.B.』は、möscow çlubがオンラインで初めて共有した楽曲を1つの場所に集め、アルバムを発表。それから10年、fastcut recordsは本作を再発する。 全ての音楽は"インターネット・ミュージック"だが、ここに収録された楽曲は、この考え方が新しく自由であった時代の結晶であると同時に、この時代の東京で最も優れたインディー・ロック・プロジェクトの多様性を示している。
元々オンラインで共有されていた12作品からなる『Station M.C.Ç.B.』は、リリース時の彼らの位置づけを要約したようなものだった。この4人組は自分たちの音楽ジャンルを"nerdwave"と名付けたが、その理由はシンセサイザーを多用し、音の細部にまでこだわっていることにある。「daisy miller pt.2」や「RADIO VIETNAM」のようなメランコリックなロック・ソングを作り、 「peoples potential unlimited」のようなフロアにフォーカスしたファンクや「Pacific 724」のような陽気なダンス・エクスタシーを披露した。これらのジャンルは2010年代初頭、日本中で同じ志を持つクリエイターたちが注目していたものであり、それらを1つのアルバムとして発表した。
10年経った今でも、『Station M.C.Ç.B.』はmöscow çlubの音楽的多様性と好奇心の証であり、日本のインディー・ロックの中で最も刺激的なアルバムのひとつだと言える。
Text by Patrick St. Michel
Digital Catalog
2010年代初頭、東京の 4人組バンド、möscow çlubは豊富なアイデアを持っていた。ギターを中心としたインディー・ポップから軽快なシンセ・ポップ、ハイ・ストラットなファンクまで、あらゆるジャンルに手を染めながら、彼らの音楽ジャンルである"nerdwave"としての地位を確立した。また、インターネットや発展途上のプラットフォームを利用することで、自分たちの創作物を自分たちのペースで共有することができた。 möscow çlubはその後、アルバムに匹敵する作品をリリースしていったが、初期の頃の楽曲の多くはデジタル・エーテルに沈んでしまった。しかし、今回リリースされる初期に発表された楽曲を集めたコレクション作品集『Overlooked Works Back Then』で彼らの多彩な音楽創作へのアプローチの全貌を語ることができる。 『Overlooked Works Back Then』に収録された曲はすべてmöscow çlubの初期に発表されたもので、可能な限り多くのアイデアを試してみたいという意欲がうかがえる。「ghost dance」や「jellyfish」といったナンバーには、後にリリースされる作品の特徴ともなる、ドライヴでフックのあるインディー・ポップが形づくられている。また、「our pastime」のような生き生きとしたカットや、「sanatorium」のようなメランコリックな曲で、シンセサイザーやその他のエレクトロニック・タッチへの愛を明確にしていた。 「ECHO BEACH」の包み込むようなチルウェイヴのサウンドや、2010年代初期の定番曲でCanopies And Drapesがゲスト・ヴォーカルとして参加した「daisy miller pt.1」など、バンドの実験的なサウンドの楽曲も含まれている。 möscow çlubは、2010年代前半に日本の首都で開花したインターネットを中心としたインディー・シーンの模範であり、当時の作品は、グループがいかに冒険的であったかを思い起こさせることで、彼らのソングブックの隙間を埋めている。 Text by Patrick St. Michel
2011年に突如現れbandcampでオリジナル楽曲を公開して以来、インターネット上を中心に活動している4人組バンド。音楽ジャンルとして"nerdwave"を自称し、そのサウンドは80年代以降のディスコ、シンセポップを飲み込みつつ現代の音楽ブログ文化以降の空気感をちりばめた非常に洗練されたもので、ヴィジュアルイメージ等にも徹底したこだわりを持っている。2013年には当時まだ新しかったクラウドファンディングでのLP制作を成功させて1stアルバムをアナログレコードでリリースし、同年末スウェーデンのAlpaca Sports来日公演でサポートアクトを務める等ネット上だけでなくライブでの活動による人気も確立。それ以降、2年弱もの長期間に渡りほぼ沈黙を守ってきたモスクワクラブ。活動開始以来あえて自主制作のセルフリリースを続けて来た彼らがFastcutから満を持してニューアルバムをリリースする。 そのタイトルは『outfit of the day』。自らのファッションコーディネイト写真を投稿した際に付けられるtwitterのハッシュタグが由来となったこのアルバム、その名の通り女の子が鏡の前でお洒落をし、街に繰り出すといったイメージをメインテーマとして纏め上げられた作品となった。またカバーアートには国内外のファッション誌等で活躍するイラストレーターの大橋美由紀を起用しており初期から一貫して続けている妥協の無いムード作りは今回も踏襲されている。 さらに磨きがかかったソングライティングの円熟味は頂点に達しており、中でも白眉である二つの楽曲では国境を越えたコラボレーションを実現。M-2"CELINE"にライブでも共演したAlpaca Sportsのアマンダ・アッカーマンを、M-9"CARVEN"ではYou'll Never Get To Heavenのアリス・ハンセンを迎えておりそれぞれ別の方向から海外インディ音楽フリークを唸らせる人選となった。また国内からもモスクワクラブよりも先んじて海外のインディ音楽の潮流に同期し、2010年時点でPitchforkにまで取り上げられていたHotel Mexico、圧倒的な鋭さのライブで支持を得るポストパンクバンドのMiila and the Geeks、2015年NYC Popfestにも出演したWallflower、あらゆる方面のバンドからのメンバーが参加しており、彼らの持つ魅力がいかに全方位性なものであるかがよくわかる内容だ。 今回収録された楽曲には2013年末時点で着想を得ていたもの等も含まれており、構想から完成まで実に1年半あまりを費やした計算になる。前述した自主制作のLPはそれまでにネット上で公開してきた楽曲から選出したベスト+αの新曲という事実上の編集盤とも言える内容であった事を考えると、彼らが特定のコンセプトに基づいた一枚のアルバムの為にゼロから楽曲を書き下ろして完成させたのは初めてという事になるため、これが実質的に真のファーストアルバムとも言える(例外的にM-8のみ2014年末にクリスマスのエクスクルーシヴとして公開済)。 また、元々の持ち味である要素はしっかりと残しつつも、歌唱における匿名性がやや取り払われたためかつてない程にボーカルの魅力が存分に発揮されており、豪華ゲスト陣のエッセンスと楽曲自体の華美さも相まってサウンドの全体像がバンド史上過去に例を見ないきらびやかさを誇るこの作品、モスクワクラブの名前すら知らなかった新規リスナーにも高い訴求力をもっている事は請け合いである。『outfit of the day』は今までのモスクワクラブの全てが詰まった、それでいて全く新しい、最も豪華なアルバムなのだ。
2011年に突如現れbandcampでオリジナル楽曲を公開して以来、インターネット上を中心に活動している4人組バンド。音楽ジャンルとして"nerdwave"を自称し、そのサウンドは80年代以降のディスコ、シンセポップを飲み込みつつ現代の音楽ブログ文化以降の空気感をちりばめた非常に洗練されたもので、ヴィジュアルイメージ等にも徹底したこだわりを持っている。2013年には当時まだ新しかったクラウドファンディングでのLP制作を成功させて1stアルバムをアナログレコードでリリースし、同年末スウェーデンのAlpaca Sports来日公演でサポートアクトを務める等ネット上だけでなくライブでの活動による人気も確立。それ以降、2年弱もの長期間に渡りほぼ沈黙を守ってきたモスクワクラブ。活動開始以来あえて自主制作のセルフリリースを続けて来た彼らがFastcutから満を持してニューアルバムをリリースする。 そのタイトルは『outfit of the day』。自らのファッションコーディネイト写真を投稿した際に付けられるtwitterのハッシュタグが由来となったこのアルバム、その名の通り女の子が鏡の前でお洒落をし、街に繰り出すといったイメージをメインテーマとして纏め上げられた作品となった。またカバーアートには国内外のファッション誌等で活躍するイラストレーターの大橋美由紀を起用しており初期から一貫して続けている妥協の無いムード作りは今回も踏襲されている。 さらに磨きがかかったソングライティングの円熟味は頂点に達しており、中でも白眉である二つの楽曲では国境を越えたコラボレーションを実現。M-2"CELINE"にライブでも共演したAlpaca Sportsのアマンダ・アッカーマンを、M-9"CARVEN"ではYou'll Never Get To Heavenのアリス・ハンセンを迎えておりそれぞれ別の方向から海外インディ音楽フリークを唸らせる人選となった。また国内からもモスクワクラブよりも先んじて海外のインディ音楽の潮流に同期し、2010年時点でPitchforkにまで取り上げられていたHotel Mexico、圧倒的な鋭さのライブで支持を得るポストパンクバンドのMiila and the Geeks、2015年NYC Popfestにも出演したWallflower、あらゆる方面のバンドからのメンバーが参加しており、彼らの持つ魅力がいかに全方位性なものであるかがよくわかる内容だ。 今回収録された楽曲には2013年末時点で着想を得ていたもの等も含まれており、構想から完成まで実に1年半あまりを費やした計算になる。前述した自主制作のLPはそれまでにネット上で公開してきた楽曲から選出したベスト+αの新曲という事実上の編集盤とも言える内容であった事を考えると、彼らが特定のコンセプトに基づいた一枚のアルバムの為にゼロから楽曲を書き下ろして完成させたのは初めてという事になるため、これが実質的に真のファーストアルバムとも言える(例外的にM-8のみ2014年末にクリスマスのエクスクルーシヴとして公開済)。 また、元々の持ち味である要素はしっかりと残しつつも、歌唱における匿名性がやや取り払われたためかつてない程にボーカルの魅力が存分に発揮されており、豪華ゲスト陣のエッセンスと楽曲自体の華美さも相まってサウンドの全体像がバンド史上過去に例を見ないきらびやかさを誇るこの作品、モスクワクラブの名前すら知らなかった新規リスナーにも高い訴求力をもっている事は請け合いである。『outfit of the day』は今までのモスクワクラブの全てが詰まった、それでいて全く新しい、最も豪華なアルバムなのだ。
2010年代初頭、日本のインディー・ミュージック・コミュニティに変化が起きました。ブログやソーシャル・メディアの発展により、国内外を問わず、あらゆるクリエイターがインターネットを介してオーディエンスを獲得できるようになった。 東京の4人組バンド、möscow çlub(モスクワ・クラブ)は、この時代の自由奔放なサウンドを楽曲に凝縮している。 彼らの音楽はオンラインで共有されているため、誰でもアクセスでき、インディー・ポップからSFの影響を受けたシンセまで、さまざまなサウンドを全世界に発信し、ネット上だけでなくライブでの活動による人気も確立していった。 2013年にリリースされた『Station M.C.Ç.B.』は、möscow çlubがオンラインで初めて共有した楽曲を1つの場所に集め、アルバムを発表。それから10年、fastcut recordsは本作を再発する。 全ての音楽は"インターネット・ミュージック"だが、ここに収録された楽曲は、この考え方が新しく自由であった時代の結晶であると同時に、この時代の東京で最も優れたインディー・ロック・プロジェクトの多様性を示している。 元々オンラインで共有されていた12作品からなる『Station M.C.Ç.B.』は、リリース時の彼らの位置づけを要約したようなものだった。この4人組は自分たちの音楽ジャンルを"nerdwave"と名付けたが、その理由はシンセサイザーを多用し、音の細部にまでこだわっていることにある。「daisy miller pt.2」や「RADIO VIETNAM」のようなメランコリックなロック・ソングを作り、 「peoples potential unlimited」のようなフロアにフォーカスしたファンクや「Pacific 724」のような陽気なダンス・エクスタシーを披露した。これらのジャンルは2010年代初頭、日本中で同じ志を持つクリエイターたちが注目していたものであり、それらを1つのアルバムとして発表した。 10年経った今でも、『Station M.C.Ç.B.』はmöscow çlubの音楽的多様性と好奇心の証であり、日本のインディー・ロックの中で最も刺激的なアルバムのひとつだと言える。 Text by Patrick St. Michel
Digital Catalog
2010年代初頭、東京の 4人組バンド、möscow çlubは豊富なアイデアを持っていた。ギターを中心としたインディー・ポップから軽快なシンセ・ポップ、ハイ・ストラットなファンクまで、あらゆるジャンルに手を染めながら、彼らの音楽ジャンルである"nerdwave"としての地位を確立した。また、インターネットや発展途上のプラットフォームを利用することで、自分たちの創作物を自分たちのペースで共有することができた。 möscow çlubはその後、アルバムに匹敵する作品をリリースしていったが、初期の頃の楽曲の多くはデジタル・エーテルに沈んでしまった。しかし、今回リリースされる初期に発表された楽曲を集めたコレクション作品集『Overlooked Works Back Then』で彼らの多彩な音楽創作へのアプローチの全貌を語ることができる。 『Overlooked Works Back Then』に収録された曲はすべてmöscow çlubの初期に発表されたもので、可能な限り多くのアイデアを試してみたいという意欲がうかがえる。「ghost dance」や「jellyfish」といったナンバーには、後にリリースされる作品の特徴ともなる、ドライヴでフックのあるインディー・ポップが形づくられている。また、「our pastime」のような生き生きとしたカットや、「sanatorium」のようなメランコリックな曲で、シンセサイザーやその他のエレクトロニック・タッチへの愛を明確にしていた。 「ECHO BEACH」の包み込むようなチルウェイヴのサウンドや、2010年代初期の定番曲でCanopies And Drapesがゲスト・ヴォーカルとして参加した「daisy miller pt.1」など、バンドの実験的なサウンドの楽曲も含まれている。 möscow çlubは、2010年代前半に日本の首都で開花したインターネットを中心としたインディー・シーンの模範であり、当時の作品は、グループがいかに冒険的であったかを思い起こさせることで、彼らのソングブックの隙間を埋めている。 Text by Patrick St. Michel
2011年に突如現れbandcampでオリジナル楽曲を公開して以来、インターネット上を中心に活動している4人組バンド。音楽ジャンルとして"nerdwave"を自称し、そのサウンドは80年代以降のディスコ、シンセポップを飲み込みつつ現代の音楽ブログ文化以降の空気感をちりばめた非常に洗練されたもので、ヴィジュアルイメージ等にも徹底したこだわりを持っている。2013年には当時まだ新しかったクラウドファンディングでのLP制作を成功させて1stアルバムをアナログレコードでリリースし、同年末スウェーデンのAlpaca Sports来日公演でサポートアクトを務める等ネット上だけでなくライブでの活動による人気も確立。それ以降、2年弱もの長期間に渡りほぼ沈黙を守ってきたモスクワクラブ。活動開始以来あえて自主制作のセルフリリースを続けて来た彼らがFastcutから満を持してニューアルバムをリリースする。 そのタイトルは『outfit of the day』。自らのファッションコーディネイト写真を投稿した際に付けられるtwitterのハッシュタグが由来となったこのアルバム、その名の通り女の子が鏡の前でお洒落をし、街に繰り出すといったイメージをメインテーマとして纏め上げられた作品となった。またカバーアートには国内外のファッション誌等で活躍するイラストレーターの大橋美由紀を起用しており初期から一貫して続けている妥協の無いムード作りは今回も踏襲されている。 さらに磨きがかかったソングライティングの円熟味は頂点に達しており、中でも白眉である二つの楽曲では国境を越えたコラボレーションを実現。M-2"CELINE"にライブでも共演したAlpaca Sportsのアマンダ・アッカーマンを、M-9"CARVEN"ではYou'll Never Get To Heavenのアリス・ハンセンを迎えておりそれぞれ別の方向から海外インディ音楽フリークを唸らせる人選となった。また国内からもモスクワクラブよりも先んじて海外のインディ音楽の潮流に同期し、2010年時点でPitchforkにまで取り上げられていたHotel Mexico、圧倒的な鋭さのライブで支持を得るポストパンクバンドのMiila and the Geeks、2015年NYC Popfestにも出演したWallflower、あらゆる方面のバンドからのメンバーが参加しており、彼らの持つ魅力がいかに全方位性なものであるかがよくわかる内容だ。 今回収録された楽曲には2013年末時点で着想を得ていたもの等も含まれており、構想から完成まで実に1年半あまりを費やした計算になる。前述した自主制作のLPはそれまでにネット上で公開してきた楽曲から選出したベスト+αの新曲という事実上の編集盤とも言える内容であった事を考えると、彼らが特定のコンセプトに基づいた一枚のアルバムの為にゼロから楽曲を書き下ろして完成させたのは初めてという事になるため、これが実質的に真のファーストアルバムとも言える(例外的にM-8のみ2014年末にクリスマスのエクスクルーシヴとして公開済)。 また、元々の持ち味である要素はしっかりと残しつつも、歌唱における匿名性がやや取り払われたためかつてない程にボーカルの魅力が存分に発揮されており、豪華ゲスト陣のエッセンスと楽曲自体の華美さも相まってサウンドの全体像がバンド史上過去に例を見ないきらびやかさを誇るこの作品、モスクワクラブの名前すら知らなかった新規リスナーにも高い訴求力をもっている事は請け合いである。『outfit of the day』は今までのモスクワクラブの全てが詰まった、それでいて全く新しい、最も豪華なアルバムなのだ。
2011年に突如現れbandcampでオリジナル楽曲を公開して以来、インターネット上を中心に活動している4人組バンド。音楽ジャンルとして"nerdwave"を自称し、そのサウンドは80年代以降のディスコ、シンセポップを飲み込みつつ現代の音楽ブログ文化以降の空気感をちりばめた非常に洗練されたもので、ヴィジュアルイメージ等にも徹底したこだわりを持っている。2013年には当時まだ新しかったクラウドファンディングでのLP制作を成功させて1stアルバムをアナログレコードでリリースし、同年末スウェーデンのAlpaca Sports来日公演でサポートアクトを務める等ネット上だけでなくライブでの活動による人気も確立。それ以降、2年弱もの長期間に渡りほぼ沈黙を守ってきたモスクワクラブ。活動開始以来あえて自主制作のセルフリリースを続けて来た彼らがFastcutから満を持してニューアルバムをリリースする。 そのタイトルは『outfit of the day』。自らのファッションコーディネイト写真を投稿した際に付けられるtwitterのハッシュタグが由来となったこのアルバム、その名の通り女の子が鏡の前でお洒落をし、街に繰り出すといったイメージをメインテーマとして纏め上げられた作品となった。またカバーアートには国内外のファッション誌等で活躍するイラストレーターの大橋美由紀を起用しており初期から一貫して続けている妥協の無いムード作りは今回も踏襲されている。 さらに磨きがかかったソングライティングの円熟味は頂点に達しており、中でも白眉である二つの楽曲では国境を越えたコラボレーションを実現。M-2"CELINE"にライブでも共演したAlpaca Sportsのアマンダ・アッカーマンを、M-9"CARVEN"ではYou'll Never Get To Heavenのアリス・ハンセンを迎えておりそれぞれ別の方向から海外インディ音楽フリークを唸らせる人選となった。また国内からもモスクワクラブよりも先んじて海外のインディ音楽の潮流に同期し、2010年時点でPitchforkにまで取り上げられていたHotel Mexico、圧倒的な鋭さのライブで支持を得るポストパンクバンドのMiila and the Geeks、2015年NYC Popfestにも出演したWallflower、あらゆる方面のバンドからのメンバーが参加しており、彼らの持つ魅力がいかに全方位性なものであるかがよくわかる内容だ。 今回収録された楽曲には2013年末時点で着想を得ていたもの等も含まれており、構想から完成まで実に1年半あまりを費やした計算になる。前述した自主制作のLPはそれまでにネット上で公開してきた楽曲から選出したベスト+αの新曲という事実上の編集盤とも言える内容であった事を考えると、彼らが特定のコンセプトに基づいた一枚のアルバムの為にゼロから楽曲を書き下ろして完成させたのは初めてという事になるため、これが実質的に真のファーストアルバムとも言える(例外的にM-8のみ2014年末にクリスマスのエクスクルーシヴとして公開済)。 また、元々の持ち味である要素はしっかりと残しつつも、歌唱における匿名性がやや取り払われたためかつてない程にボーカルの魅力が存分に発揮されており、豪華ゲスト陣のエッセンスと楽曲自体の華美さも相まってサウンドの全体像がバンド史上過去に例を見ないきらびやかさを誇るこの作品、モスクワクラブの名前すら知らなかった新規リスナーにも高い訴求力をもっている事は請け合いである。『outfit of the day』は今までのモスクワクラブの全てが詰まった、それでいて全く新しい、最も豪華なアルバムなのだ。
2010年代初頭、日本のインディー・ミュージック・コミュニティに変化が起きました。ブログやソーシャル・メディアの発展により、国内外を問わず、あらゆるクリエイターがインターネットを介してオーディエンスを獲得できるようになった。 東京の4人組バンド、möscow çlub(モスクワ・クラブ)は、この時代の自由奔放なサウンドを楽曲に凝縮している。 彼らの音楽はオンラインで共有されているため、誰でもアクセスでき、インディー・ポップからSFの影響を受けたシンセまで、さまざまなサウンドを全世界に発信し、ネット上だけでなくライブでの活動による人気も確立していった。 2013年にリリースされた『Station M.C.Ç.B.』は、möscow çlubがオンラインで初めて共有した楽曲を1つの場所に集め、アルバムを発表。それから10年、fastcut recordsは本作を再発する。 全ての音楽は"インターネット・ミュージック"だが、ここに収録された楽曲は、この考え方が新しく自由であった時代の結晶であると同時に、この時代の東京で最も優れたインディー・ロック・プロジェクトの多様性を示している。 元々オンラインで共有されていた12作品からなる『Station M.C.Ç.B.』は、リリース時の彼らの位置づけを要約したようなものだった。この4人組は自分たちの音楽ジャンルを"nerdwave"と名付けたが、その理由はシンセサイザーを多用し、音の細部にまでこだわっていることにある。「daisy miller pt.2」や「RADIO VIETNAM」のようなメランコリックなロック・ソングを作り、 「peoples potential unlimited」のようなフロアにフォーカスしたファンクや「Pacific 724」のような陽気なダンス・エクスタシーを披露した。これらのジャンルは2010年代初頭、日本中で同じ志を持つクリエイターたちが注目していたものであり、それらを1つのアルバムとして発表した。 10年経った今でも、『Station M.C.Ç.B.』はmöscow çlubの音楽的多様性と好奇心の証であり、日本のインディー・ロックの中で最も刺激的なアルバムのひとつだと言える。 Text by Patrick St. Michel



