佐津間純

Digital Catalog

アルバムを制作する際に佐津間が掲げたのは、自身が尊敬して止まない巨匠ケニー・バレルの『イントロデューシング・ケニー・バレル』(56年)のような、ハードバップのサウンドを基調としながら、ギターのサウンドを全面に打ち出したジャズギターアルバム。日本を代表するジャズギタリストであり彼の師でもある岡安芳明氏がプロデュース。選曲は、厳選したスタンダード曲「Jump For Joy」「How Insensitive」「All Too Soon」「Namely You」、自身が影響を受けたジャズのムードを基調に作られたオリジナルなど色彩豊かな11曲を収録。師である岡安氏の「Morning Calm」を取り上げているのも微笑ましい。どの曲も、イントロからエンディングに至るまで、丁寧に様々な工夫が施されている。レコーディングは、佐津間純(g)、吉橋厚(sax)、富永真紀(pf)、小林航太朗(b)、宮岡慶太(ds)、冨田廣佑(perc)による6人編成で収録され、50年代の黄金時代を彷彿とさせる王道のジャズギター作品に仕上がっている。佐津間の愛用するスーパー400から紡ぎだされるホーンライクで、丁寧によく唄うシングルトーンのフレージング、ギター・トリオやソロギターで聴ける美しいコードワークなど、全編を通してジャズギターの魅力を余すところなく堪能できる。絶妙なバランスでギターと絡み、骨太なサウンドを聴かせてくれるテナー・サックスの吉橋。終始心地良いスイングでバンドを支える富永、小林、宮岡のピアノトリオ。楽しいグルーヴを紡ぎ出すパーカッション冨田。佐津間が理想とするサウンドは彼らの好サポート無くしては決して作ることが出来なかっただろう。彼らを要所要所でフィーチャーしつつ、バンド一丸となった心地良いサウンドは、ジャズギター・ファンはもちろん、その他の幅広いリスナーにもアピールできる内容になっている。

11 tracks
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